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ORIGINAL GENERATIONS-03

カリム・グラシアは預言者の著書にて預言した一説を見ながらその内容に眉をひそめていた
内容を要約すると再び何か大きな事件が起きる、と言うことなのだが
彼女は以前に「ユーノとできちゃった婚」と言う内容のものをなのはとフェイトの二人に示し
無限書庫にて一悶着を繰り広げてしまっている。
過ぎたことは仕方ないとして彼女は再び手の中にある預言を見る
だが、この預言内容のウチ、鍵となる存在がいくつか欠けている。
それを考えるとこれを八神はやてに伝えるのも躊躇ってしまう。

―――祟りを運ぶ夜にディーンの火が灯る
     朱き狂気は再び炎を瞳に宿し
     片割れを失った鋼の孤狼を討ち滅ぼす―――


ORIGINAL GENERATIONS 第2話 君が戦う理由


ティアナとの一騒動から一週間、シンの中での六課の評価は変わっていた。
皆がそれぞれ何かを秘めていること。命を賭けているということ。
そしてそれを甘いと思った自分を恥じている。
ティアナに謝罪を入れようにもギスギスとした空気のため近寄りがたく
彼女達は今、ある村で起きた事件の調査に出向いている。
シンは留守番というわけだ。

何かをしたいという気持ちに薄々気づきながらも、自分には無理だと言い聞かせている。
シンには魔力がない、魔法が使えない。
そんな自分が出て行っても足手まといだ、と。
それを見守るフェイトだが、シン専用のデバイスはまだ調製中だ
右腕に装備の剣銃型デバイス、左腕には魔力コーティングのシールド
更にロングとショートのブレイドを一本ずつ、そして4本のサーベル
元々単一の機能しか発揮できないのだからとここまで充実した装備なのだが
それ故調整に時間がかかっている。
おまけに魔力供給源にはロストロギアクラスのものを仕様している。
厳密に言えばそうではないのがだ、現存するモノは5つしかないのだ。
「バリアジャケットの代わりにアーマー…これは運動能力でカバーするしかないか」
シャーリーから送られてくるデータを見ながら溜息を吐く
…もし、彼に魔力があったのなら、今頃はなのは達と調査に向かっているだろう。
どうしてもその一点が悔やまれる。

丁度その頃、なのは達は事件の起きた村での調査内容をまとめていたところだった。
生存者は無し。全ての村人が心臓を一突きで貫かれている。
これは異常だ。
この村に希少価値のあるモノなど無い。
これではただの殺戮ではないか。
「酷い…」
スバルは目の前の現実に眼を背けたくなる。
だが、眼を背ければまた犠牲者が出る可能性があるのだ。
「はい、私達の調査はこれで終了。一旦戻ろう」
奥で他の部隊の面々と話していたなのはが戻ってくる。
どうやら別部隊に現場を任せるようだ。
「悔しいけど、私達に出来ることはないよ」
そう告げてなのははスバル、ティアナの両名と六課への帰路に着いた。

シンはもういても立ってもいられなかった、
元来シン・アスカという人間は何も出来ない、と言うことが我慢できないのだ。
そして無理を承知でフェイトに頼み込んだ。
「お願いします。俺にも…戦わせてください」
フェイトからすれば待っていたとばかりなことだが意外と早く訪れたことに少し驚いていた
「それは、何のために?」
「…じっとしていることなんて出来ない。こんな俺にでも、出来ることがあるのなら」
そう、こんな自分でも、まだ救える人がいるのなら―――
思いを瞳に宿し、少年はフェイトを見つめる。
フェイトは確信する。彼なら大丈夫だ、と。
「分かった。準備が整い次第、君用のデバイスを渡すから少し待って」
その返事にシンは頷いて返す。

八神はやては自分のオフィスでカリムと連絡を取っていた。
また預言が来た、と言う話を小耳に挟んだからだ。
前回の騒ぎは彼女としては面白かったのだが、毎回あのような内容にはなるまい
「それで、今回のはどうなん?」
「それが…」
カリムはありのままを伝える。
「―――」
それを聞いたはやては一瞬考えを巡らす
ディーンの火、鋼の孤狼については不明だが
朱き狂気とはシン・アスカのことでは?と
「分かったわ。こっちでも何か分かったらまた連絡するわ」
そう言って通信を切りながらまた考えを巡らす。
フェイトがシン・アスカを戦場に戻そうとしていたが、それは妙案ではないのだろうか?
これから先に待ち受ける者、それを乗り越えるのに彼の力が必要になるのなら。
「…ええんやろうか」
結果的に自分は彼を利用することになる。
非情に徹するべきか、或いは、彼と信頼関係を築くべきか
今更ながら自分の甘さを痛感する。
それと同時に、昔を思い出す。
あと、少しで救えたはずの誰か。自分のために自らを犠牲にした誰か。
「同じ、なんかなぁ…」
あの少年も守りたいものを護れなかった悲しみを知っている。
自分と同じく、家族を失う悲しみを。
「―――」
考えて、はやては一つの決断を下す。
「あ、フェイトちゃん?ウチやねんけど…」

なのは達が帰って来たあと、なのはとフェイトははやてに呼び出された。
「彼、シン・アスカやねんけどな。本人が望なら正式に六課に配属させようと思うねん」
まさか、はやての口からもこのことが語られるとは思っていなかった二人は
少しの驚きと喜びの表情を見せる。
「もちろん、私情は抜きでや。カリムからの預言でな、彼と思われる節があったんや」
カリムの預言と聞き二人はほんの少し怪訝そうな顔をする
「まぁまぁ、あれは過ぎたことやねんし」
「それで、シンはどっちに配属するの?」
フェイトとしては出来ることなら自分の隊で面倒を見たいのだが名目上なのはが監察処分をする、と言うことになっている
「それやねんけどな、今回の事件に限りスターズ、ライトニングを合同で動かそうと思うねん」
意外な提示に二人は顔を見合わせる。
「今回の敵は躊躇いなく命を狙ってくる。下手に戦力を分散すれば…」
恐らく、誰かが犠牲になってしまう。
人数が多ければ良いというわけではないが、チームワークを駆使すれば致命傷は避けられるかも知れない
それに隊長陣ならば一対一でも相手になる。
そう判断しての上だ。
「せやから、彼のことはよろしく頼む」
真剣な表情で告げるはやてに二人もまた真剣な面持ちで返す

自室にて
シン・アスカは覚悟を決めていた。
―――自分は再び戦場に戻る
それが何を意味するかは分かっている。
けれども、何もしないでいることは出来ない。
この手でまだ守れるものがあるのならば、もう一度戦いの中に身を投じよう。
そして、あの少女、ティアナに謝りたい。
そう言えば、彼女はもう戻ってきているのはずだ。
シンの足は彼女の元へ向かい始めた。



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最終更新:2008年09月08日 14:28
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