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転移戦隊しゃどうみら~ 幕間その三 《添い寝・Ⅲ》

転移戦隊しゃどうみら~ 幕間その三 《添い寝・Ⅲ》

 シンの眼前にて二人の美女が対峙していた。
 レモンご自慢の人造人間W17ラミア・ラヴレスとW16エキドナ・イーサッキである。
 任務に忠実かつ冷静で、口論など滅多にする事の無い二人が何故こんなことをしているのかというと…

 「先ほどから何度も言っているだろう、エキドナ・イーサッキ。シンの世話を命じられているのは私だ」
 「それは普段の生活のサポートや、訓練についてだろう?プライベートな時間に関してはその命令内容は
  適応されない。そのような事もわからないのか、ラミア・ラヴレス?最新型のW17の名が泣くぞ」

 毒を含んだ物言いにカチンときたのか、ラミアの表情に珍しく攻撃的な色が浮かぶ。

 「ならばこちらも言わせてもらおうかW16。シンの抱き心地が良いなどという理由でここまで執拗に
  食い下がるなど情けないと思わないのか?ヴィンデル様あたりが聞けばさぞや嘆くだろう」
 「その言葉はそっくりそのままお前に返そうW17。私の理由はお前の言った通りだがお前こそ
  どうなのだ?シンの精神状態はここ最近のところ極めて良好だ。レモン様もそう判断している」
 「だが万一という可能性がある。可能性がゼロで無い限り油断をする事はできん」

 泥仕合の様相を呈してきた口論は空気の読めない乱入者によって中断を余儀なくされた。

 「我はウォーダン、ウォーダン・ユミル!悪夢を断つ、剣なり!!」

 いきなり出てきた仮面の大男はシンの肩を掴むとそのまま引きずって歩き出した。
 W15ウォーダン・ユミル。ゼンガー・ゾンボルトという男の人格をコピーして作られた、Wシリーズの
 一人である。オリジナルと同様で義に篤く、正々堂々とした武人である。であるのだが…

 「ちょっ、ちょっとウォーダンさん!離して…」
 「もはや問答無用!我に断てぬ悪夢なし!!」

 融通が利かず、思いこんだら一直線な所がある。
 今も他意のない純粋な善意ゆえのシンの身を案じた行動なのだが、当事者たちの事がまったく勘定に
 入っていなかった。シンからしてみれば、ゴツイ大男に添い寝なんぞされればまったく違う悪夢を
 見てしまいそうだし、ラミアとエキドナからしてみれば美味しい部分だけを横取りされたようなものだ。
 しかしラミアとエキドナの対応は早かった。
 口論を中断し素早くアイコンタクトを交わすと、ツインアタックで一息にウォーダンを沈めた。

 「む…無念」

 地に倒れ伏すウォーダンを尻目にラミアとエキドナは口論を再開した。
 シンは、もうなるようになれと半ば諦めの境地に達していた。

そして、ベッドの上では両腕をがっちりと抱え込まれたシンが眠れぬ夜を過ごしていた。
 あの後、口論は二転三転しならば半分ずつ分け合えばよいという結論に至った二人はすぐさま部屋に
 直行しシンの腕を抱えて眠りについてしまった。無論、とまどうシンを気にせず。
 甘い香りや柔らかな感触、スヤスヤと寝息を立てるラミアやエキドナの意外に幼い寝顔に頭がパンク寸前
 だったのは言うまでも無いだろう。

 後日、シンはレモンを訪ね相談したのだが

 「人肌に安らぎを憶えるなんて…ますます人間らしくなっていくわね。生みの親として嬉しいわ」

 などと言ってまともに取合ってもらえなかった。それどころか

 「まぁまぁ。役得だ、とでも思いなさいな」

 なんて言われる始末で、更にその場に居合わせたアクセルに

 「今日からお前のコードネームはラッキースケベなんだな、これが」

 と、ありがたくない称号まで賜ってしまった。

 それから二年後の現在も、頻度こそ落ちているもののときどき抱き枕代わりにされているシンであった。





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最終更新:2008年09月23日 20:04
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