「だぁ~、ひ~ま~だ~」
ザフィーラが山で死闘に巻き込まれていること、六課本部では待機中のヴィータとシグナムがだれていた。
普段なら出撃のはずのこの二人、現在はレリックの影響化で外見年齢が逆転(シグナムに関してはもっと幼くなっている)
しているため大事をとって待機を命ぜられているのだ。
「書類仕事なんて、こうも待機が多くちゃすぐ片付いちまうしなぁ~」
「頑張ってると飴をくれるのはありがたいが、なんかむかつく」
上からヴィータとシグナムの順である。
ちなみに局内の節約週間の為にクーラーも切っているので汗もじわりとかいている。
その為ヴィータの第一ボタンは外されその豊満なバストの谷間が顔を覗かせていた。
当然、当のヴィータはグラマラス体型は未経験であるためにそんな事は無頓着である。
一方、シグナムは仕事中だというのに子供ワンピース姿だ。この姿になってからというのもはやて達や
他の女性局員の着せ替え人形と化している。ちなみにシグナムはその凛々しい姿から意外と女性局員の
人気は高い。最近のシグナムファンの間では今の姿のようなキッズファッションに身を包んだ大人シグナム
を妄想するというのがブームであるというのを風の噂によく聞く。
「そんな、二人とも。机仕事だけでいいじゃない、外にいる人たちは今大変なのよ」
女子高生オーラを纏うシャマルが二人を嗜める、シャマルもレリックの影響を受けており。今では女子高生くらい
まで若返っている。
「なんでも大渋滞の交通整理してるとかで」
「六課なのに交通整理かよ」
「地獄だな」
炎天下の中でシン達は現在交通整理の真っ最中であった。
「あ゛ーーーーー、いいよなぁお前らのBJ涼しそうで」
「シンのは外見鎧だもんね」
「暑っ苦しいからあっちにいってくれない?」
シンのBJはMSを模しているだけあって外見は鎧に見える、当然蒸れるわけで。
「暑いね、でもフェイトちゃん。ソニックフォームは止めた方が良いと思う」
「うん、それくらいは私だってわかるよ。なのは」
「帰ったらリインつこうてカキ氷喰ったる」
隊長陣もさすがに暑さまいってるようだ、ちなみにフェイトはソニックフォームではない。
なお、エリオとキャロはここではなく地上にある交通課の本部で六課の面々に指示を出している。
炎天下の中で子供を働かせていると色々とややこしい団体がいちゃもんをつけてくるからだ。
「だぁーーーー、帰ったらぜってーーーひっと風呂あびてやるーーーー」
交通整理の棒を振りながらシンは叫んだ。それにはなにもBJ着ながらやる仕事でもないじゃんという
意味がこめられていた。
前回のあらすじ
ブラッディヘルム達の猛攻により一時退却を余儀なくされた牙達、新たにマックの一団を加え戦列を
整えるもスカーレットの壮絶なる死を聞き思わず涙した。
新たな仲間、ザフィーラを正式に加え今ジェミニマウンテンを舞台にさらなる死闘の幕が切って落とされた!
「く、さすがにきついな…」
「ブラッディ・ヘルムの野郎、一箇所に集めて篭城戦にでやがったな」
あれから、部隊を再編し牙達は再度突撃を仕掛けた。前回の広域に渡って敵を殲滅する陣形ではなく。
一本の槍のように敵陣を一つの塊となって打ち崩す陣形をとった。というのも先の奇襲を防ぐ為に忍犬部隊
を斥候にだし、周囲の状況を探りながら進軍していた所どうやら敵は一エリアに集まり篭城作戦に出た事が
わかったからである。
当然、熊達の数も多く苦戦は必死だったのだが牙達の士気は高く。また、新たに加わったザフィーラと亡き
戦友スカーレットの仇討ちに燃えるマックが奮闘し、徐々に押しつつあった。
「へへ…ザフィーラの旦那。これで10頭目だな」
「ふっ、こんな雑魚ものの数にもならん」
守護獣として幾多の修羅場を潜り抜けてきたザフィーラにとって一般兵たる熊など敵ではない。
なにより種的に牙達の上位機種でもあるし。
「ウゴォォォォッ!!」
「こ、こいつは!!」
「でやがったぜ!ブラッディ・ヘルム!」
幾多の登山客、ハンターを狩りその血を浴び仕舞いには体毛に血が染み付き登頂部が紅く染まっている
事からブラッディ・ヘルムと名づけられたそれがとうとう顔をあらわにした。
ブラッディ・ヘルムの一撃が振るわれ、標的となった政はそれを間一髪でかわす。
「ヒュー、危なかったぜ」
「それ!かかれ!」
とうとう、ブラッディヘルムまで辿り着いた犬達はここまで散っていた仲間達の姿を思い。その仇をとろうと
ブラッディ・ヘルムに一斉に飛び掛った!
まず、マックが先制の体当たりを仕掛ける。続いて後続の部隊が一斉に手足に飛び掛り動きを封じる。
そこにザフィーラと牙が両サイドから飛び込み喉を牙で切り裂いた!
ブシュゥゥッ
あたりにブラッディ・ヘルム鮮血が撒き散らされる、そしてブラッディ・ヘルムは二・三歩後退すると
後ろに倒れた。
「や、やった!」
「倒した!ブラッディ・ヘルムを倒したぞ!!」
宿敵をついに倒した牙達は沸きかえった。が、ここに浮かない顔の男達が…
「ザフィーラ、君はどう思う」
「うむ、聞いていたのに比べるとあっけなさすぎる…」
「確かに…む、こ、これは!!」
「どうしたんだ!政」
「右目が…!右目が潰れてない!」
「な、何だって!」
倒れているブラッディ・ヘルムを良くみて見ると、潰れているかのように見える右目は潰れてはいなかった。
「どういう事だ、牙」
「あ、あぁ。ブラッディ・ヘルムにはその昔人里の猟師に射抜かれた古傷があるんだ。その傷こそ右目…。
つまり、ブラッディ・ヘルムの右目は潰れているんだよ」
「何という事はこれは…影武者」
「な、何て奴だ!影武者まで立てる程の知能を身につけているとは」
衝撃的な事実に牙達は動揺を隠せなかった。
そして、その時である。
グォォォォーーーーーーン
野太い断末魔が遠いところから聞こえてきた。
「な!この声は!ブラッディ・ヘルム!?」
「いや、かすかにだが我々が倒した影武者と同じ声に聞こえる」
「しかも、何やらただの雄たけびではなく断末魔の様に聞こえたが」
「むぅぅ、この山で一体何が起こっているというんじゃぁ…」
「その真意を確かめる為にも急ごう、本物のブラッディ・ヘルムの元へ!」
「応っ!!」
「戦列、崩すな!斥候部隊は気をつけて!」
そして牙達はさらに奥深く進軍していった。
そして…それから少し遡り、牙達とはちょうど反対側の山では
「くくく、雑魚ばかりだなぁ!ブラッディ・ヘルムの軍とはこの程度のものかぁっ!!」
ブラッディ・ヘルムの兵士を簡単に葬り去っていく狂熊が一頭ひたすら山頂を目指していた。
こいつこそは遠路はるばる北の大地からやってきた巨大熊・ハーグレー。牙達が打倒ブラッディ・
ヘルムを掲げ全国で仲間集めをしているとの情報を聞き、彼もまたブラッディ・ヘルムを倒しこの
山の主を目指しにやってきた者である。
「ぐがぁぁぁ!てめぇ!!裏切り者かっ!」
「くかかか、てめぇがブラッディ・ヘルムか!」
「ならばどうというのだ」
「死んでもらうまでよ!」
「ぐぁぁぁぁぁっ!!」
ハーグレーの一撃が振るわれると影ブラッディ・ヘルムはなすすべもなく倒されてしまった。
「弱ぇっ、こんな奴がブラッディ・ヘルム?」
「ぐっ、は、はは。俺はブラッディ様の影武者よ…本物などは貴様など」
「そう、じゃさっさとくたばれ」
「がぁぁっ」
「へ、待ってろよブラッディ・ヘルム!この山は俺様のもんだ!」
混沌渦巻くジェミニマウンテン、果たして勝利者となるのは誰なのか!?そして未だにその力が見えない
ブラッディ・ヘルムの真の実力とは?次回へ続く!
次回予告
次々と敵陣を突破する牙達はとうとうブラッディ・ヘルムの本拠へと突入する。
しかし、そこには既にブラッディ・ヘルムと死闘を繰り広げている者がいた…!!
次回「死闘!ブラッディ・ヘルム」
今、振り返ると。漢達の記憶が…
かぽーん、風呂場にお馴染みの音が響く。
「それにしても今日は厳しかったねー」
「本当よ、なんで六課の私達が交通整理なんてしなきゃいけないのよ」
「まぁ、愚痴ってもしかたあらへんって」(むにっ)
「ひゃぁっ、は、はやてさん!」
ここは女子専用風呂場、あれから仕事を終えた六課の面々はようやく一日の汗を流していた。
「シャリオさん達がうらやましいなー」
「まぁ、仕方ないですよね、ひゃうっ」
風呂場で和むスバル・ティアナ・シャリオそしてさっきからこんなチャンス滅多にないとセクハラに
勤しむはやてがわいわいきゃっきゃと騒いでいる。しかし、そんな姦しい集団から一人ポツンとして
いる者が一人。
「なのはちゃん…なにそんな暗いオーラ放ってるんや?」
「あれ…」
なのはが指をさしたその先にあるものとは…それは泡だらけになって洗いっ子をしているキャロ・リインⅡ
- ヴィヴィオ・シグナム(強制)ではなく、その隣でシャカシャカ洗髪に勤しむフェイトとヴィータの姿で
あった。現在のヴィータはシグナムとほぼ外見年齢がチェンジしている(逆にシグナムは幼くなっている)
為、大人サイズである。当然身長にともない胸も格段の成長を遂げている、ヴォルケンの乳はバケモノか!?
そして、そんな姿のヴィータがあのフェイトと並んで髪を洗っているのである。シャカシャカと腕を動かす
度、ふるふると震える二つの脂肪の塊。しかもメロン級のそれが二セット並んでいるのである。はっきりいって
目に毒であるとしか言い様がない。
なのはとはやては視線を己の胸に向けるとはぁっと溜息をついた。
「フェイトちゃんに負けてるのは認めるの、仕方ないから」
「まさかヴィータがああなるとは…ちきしょう!」
がしぃっと二人は泣きながらお互いを抱きしめあった。
そして、女性陣がそうこうした一時間後。
「ふぅ、働いた後の風呂は格別だなぁ」
「ですねー」
六課男性陣が風呂に浸かっていた、女子用風呂場で。
が、早とちりしないで欲しい。何も彼らはやましい気持ちで入っているのではなく仕方なしに入っているのだ。
男子用もあるといえばあるのだが今回は残念ながら男側のボイラーが故障してしまいやむなく使わせてもらって
いるのである。
「それにしてもシン君も災難だねー。残業って」
「まぁ、仕方ないんじゃないの?始末書溜めといたあいつが悪いんだし」
「ははは…そういえばヴァイスさん。なんで一番風呂をシンさんが主張した時横から肘うち決め手黙らしたん
ですか?いや、あの人達を敵に回したくないっていうのはわかりますけど」
上からグリフィス、ヴァイス、エリオである。ちなみに、彼らが風呂場を利用するさいシンは一番風呂を主張
した。理由は『女は風呂が長い』との事である。当然、女性達の反発もあったのだが。大事になる前にヴァイスが
横肘を入れて黙らしたのだ。
「まぁ、これでここを利用するのがお流れになるのは避けたかったからなぁ」
「え?どういう事ですか?」
「考えても見てください、エリオ君。ここ女子用の風呂場ですよ?それも先に女性陣が先に入っている」
「労働で疲れ、汗をたっぷりながして入ってるんだぜ?という事はその汗が湯に溶け込んで…後はわかるな?」
「え?あ、そ、そのという事は…」
あまりにフェチすぎるヴァイスの一言を聞いてエリオの顔が真っ赤に染まっていく。
「シン君も残念ですね。僕たちの汗が溶け込んだ後にはいるなんて」
「はは、でもま普段から得(ラキスケ)してるからいいんじゃね、な?エリオ」
「………」
「エリオ(君)?」
「ぶはっ」
「「あーーーーー、エリオーーーーしっかりしろーーーーー」
エリオ、女子風呂にて鼻血を流す。
エリオが鼻血を垂らして倒れてから1時間後、始末書書きを終えたシンは風呂に浸かっていた。
「エリオがのぼせて倒れたみたいだけど大丈夫かなぁ…あーそれより一番風呂は逃したけどやっぱ
風呂はいいなぁ」
ちなみにエリオの血はヴァイス達が必死にかき出しました。
「…だれもいないってのもさびしいなぁ。広いのに…久しぶりにあれでもやるか」
「~♪~♪」
鼻歌を歌いながら脱衣所にて服を脱いでいるのは女子高生オーラを放っているシャマルである。
「今日はちょーっと仕事が遅くなったけど、これでゆっくりできるわー」
シャマルとて女性である。よって風呂は楽しみの一つでもある。いつもならはやてやシグナム。ヴィータ
と連れ立ってここに来ているが、残念ながら彼女達は自分よりも先に入ってしまっている。
「ま、この時間帯だと誰もいないし。たまにはゆっくり入ろうかしら♪」
おそらく、誰かがこの時のシャマルを見れば『ぜってぇこいつ湯船で泳ぐつもりだ』と思っただろう。
しかし、残念ながら。それを指摘するものはいなかった。そう、一人を除いては。
シャマルがルンルン気分で浴槽に向かい、今まさに湯の中にその身を委ねんとしたその時!
「ぷっはぁーーーー1分13秒。まだまだかなーーーーーあ゛」
湯船から急浮上してきたシンとご対面である。そう、シンは一人で風呂に入ると何秒まで潜水できるか
試す癖があったのだ!!その為、シャマルは今風呂場に誰もいないと勘違いをし…さらには、今日は男子
風呂のボイラーが壊れていて時間交代で女子風呂を共有するよ、というのを聞き忘れていたのも悲劇の一因
になった。
つまるところ覆ってない、一人もしくは同性と一緒に入るのにわざわざバスタオルで隠す人間がいるだろうか?
温泉じゃあるめぇし。
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
空気が凍る、お互い生まれたままの姿で上下に目だけを動かす。その間1分、そして…
「~~~~~~~~~~!!」
「ビューティフルッ!!」
シャマルは顔を真っ赤に染め、声鳴き悲鳴をあげ。シンは鼻血を盛大に拭いて浴槽に沈んだ。
「(ん、ん~なんだ。ここ、なんか頭に柔らかいものが…。?なんかペチペチ頬にあたって」
「…ン君、起きて。シン君」
「ん…シャマルさ…」
どうやら寝かされてるらしい、あの後気絶でもしたのか?あぁ、そういえばシャマルさん綺麗…
いかんいかんとぼんやりとする頭をなんとか起こして目を開けるとそこには…
バ ス タ オ ル 姿 の シ ャ マ ル が ! !
「~~~~!!」
シンの鼻にまた熱いものが競りあがってくる。しかも状況を確認するとシャマルの膝枕を受けていた。
ちなみにバスタオルが全体に掛けられている。おそらくはシャマルがやってくれたのだろう。
「あぁ、よかった。起きたのね。本当、一時どうなる事か…」
「はっ!え、え~とシャマルさん。俺は一体」
「あぁ、あの後。シン君鼻血吹きながら湯船の中に沈んで…うん、私も我を取り戻したのが遅かったから
引き上げた時けっこーやばい状況になってて。なんと水を吐かせ…うん。水を吐かせてみたんだけど…」
なんだか水を吐かせるという部分で言いよどむシャマル、どこか唇を気にしているようだ。
そういえば、自分の唇にもなんか柔らかいモノが触れたような感触が…、いやまさかな。
「と、とりあえず。気をとりもどしたんなら私はあっちに戻りますね。そ、それじゃあ…」
「あ、シャマルさん。あ、ありがと…(ふらぁっ)あら?」
と、シャマルは顔を赤くしながら風呂場へと戻って行くと。シンも立ち上がろうとするが、急に立った為か
貧血による立ちくらみが起こり、よろけてしまった。そしてがしっとシャマルのバスタオルを掴んでしまい…
はらっ
「あらっ」
「あっ」
再びシンはシャマルを見てしまうのだった。
「もう、いやぁ~~~~~こんな役周り!!」
「あぁ、限界」
結局、女子脱衣所は大量の赤色に染まり。男子風呂共々しばらく使われなくなった。
次の日、シンは大量の出血による貧血で休みをとり。しばらくの間、思考の影にシャマルの姿がちらつき
悶々とした日々をおくった。シャマルはシンと顔を合わせる様な事もせず、彼が度々救護室に来る事があると
お互い顔を赤らめながら手当てをする日が続いたという。
最終更新:2009年02月08日 14:40