ソフィア王国軍の元参謀で、中佐だった男。幼い頃の
クラーラ・ソフィア=フェンタジネットの教育係も努め、彼女に慕われた。クロヴィスの乱の前、奸臣が蔓延るソフィア王国にあって、平民出身で新進気鋭の優秀な青年将校だった彼は、周囲の目から自身の身の危険を感じとり、軍を退役して故郷の村に戻った。故郷の村で農民をしながら、クラーラの行く末を気にかけていたが、クロヴィスの乱、
ソフィア王国内戦の始まりとなる軍事蜂起の頃から、クラーラの将来への不安と、自身の教育係時の未熟さを悔やむようになる。
サントー村の村長や、駐在の不正を知り、
ソヴァージュ元少尉やサントー村民の強力な要請を受けて断りきれずに一揆に加わった。当初乗り気でなかった一揆も、サントー村の神父がヴェラリアでヴェラリア警察に殺害されたことを知ると、一揆に理解を示す。
クラーラのサントー視察を知り、彼は自身の考えと、村民の要求や不満を伝えるべく、武装蜂起を計画し、銃火器を一切持たない軍事訓練の受けたことの無い村民達をたくみに指揮してクラーラを拉致し、王党派の視察団や護衛小隊に甚大な被害を与えた。
村民達の要求や、彼自身の考えをクラーラに打ち明け、伝えると、彼はクラーラを開放し、ソヴァージュ元少尉と共に、サントーの教会堂で自決した。
「王女殿下、この蜂起は人民の恨みであり、私の最後の教鞭となります。国王陛下や、王女殿下がいかに臣民に愛と真心を尽くそうとも、臣下のものどもの横暴は全てを帳消しにし、臣民の怒り、恨みは、王女殿下ご自身に及ぶのです。王女殿下、私が話した事全ては、真実であり、貴女の臣下である警察官や官吏は貴女の御威光を傘に、横暴を振るっております。貴女がもし、これらを見過ごし、見逃すなら、臣民は団結して貴女様に害をなす事でしょう。それは今回のような小規模なものから、大きなうねりとなって、国を転覆させるほどにまでなるでしょう。王女殿下、どうぞ臣下の所業をよくご観察になり、悪行を見つけたのなら、これを糺して頂きたくお願い申上げる次第です」
最終更新:2011年02月10日 22:02