限定イベントテキストまとめ その5

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限定イベントテキストまとめ その5 - (2019/05/14 (火) 22:09:10) の編集履歴(バックアップ)



雪鬼夜行のお祭り騒ぎ

  • 発生(前回フェイズ6、強制イベントおよび休息処理後)
イベントスタート
『時限ミッション:雪鬼夜行のお祭り騒ぎ』を発見しました
今回のイベントミッションの開放期間は1/30(水)~2/16(土)までです
雪鬼夜行のお祭り騒ぎ
 冬の始まりに降り出した雪は、2月を迎える頃には一面を白く染め上げていた。
 周囲に聳える山も、分厚い氷が蓋をした湖も。
 
 そのすべてが純白の雪に覆われ、春を待ちながら深い眠りについていた。

 山と湖に囲まれた町セントポーラもまた、深い雪に閉ざされている。
 だが、町は、人は、ただ眠って春を待ちはしない。
 
 生命活動も経済活動も休むことができない事情もあるが。
 雪や寒さなどには負けない、という町の人々の気概でもあった。

 その始まりは、街全体を巻き込むような大規模なものではなかった。
 
 積もりに積もった雪を使い、誰かが作った雪だるま。
 そこから始まった『雪像』作りは広がっていき、数も質も上がっていった。
 
 やがてそれが街全体に知れ渡る頃には、『お祭り』が生まれていた。

 『セントポーラ雪祭り』、その日は多くの『雪像』が街中に並ぶ。
 
 子供が作って家の前に置いているものから、プロが仕事として制作するものまで。
 その出来不出来は関係なく、町を彩るものとして皆に愛されていた。

 雪像が立ち並ぶ町そのものが名物だが、その中でもやはり特別なものがある。
 それは『鬼』を模して造られた『雪鬼像』と呼ばれるものだった。
 
 初めはそのクオリティで注目された『雪鬼像』だったが、やがて名物となると。
 年を追うごとにその数は増え、町のどこに行っても見られるようになっていた。

 今ではこの祭りで一番の名物となった『雪鬼像』。
 今年の祭りが始まって三日目のことである。
 
 その『雪鬼像』が動き出したのだ。

 街の中心部に展示されていた『雪鬼像』は全部で四体。
 町のいたるところにある『雪鬼像』の中でもとりわけ出来がよく、また大きさも二メートル以上ある巨大なものだった。
 
 それらは同時に動き出し、町中にあった他の『雪鬼像』もそれに続く。
 彼らはひとところに集まり、そして町を歩き始めたのだった。

 いまだ直接的な被害は出ていないが、『雪鬼像』は街を練り歩き危険な状況である。
 『雪鬼像』による百鬼夜行である。まあ、練り歩くのは日中で、夜は寝静まるらしいが。
 
 彼らは雪でできている。
 故に、時間による解決を待つ手もある。
 春が来れば、あるいはそこまで行かずとも、溶けて消えてしまうだろう。

 だが、この町には気概があった。
 春は待たない。理由は知らないが、動き出したのなら、止めるまでである。
 
 同じく気概のあるものの援護を求む。

『マップ:雪像の町『セントポーラ』』を発見しました
  • フェイズ1(食事およびマップ移動処理後)
雪像の町『セントポーラ』
 『セントポーラ雪祭り』
 
 この祭りに、明確な始まりと終わりはない。

 冬が来て雪が降り、程なくして町は雪に埋もれることになる。
 
 そうすると、いつ、誰が、という決まりなく町中に雪像が立ち始め。
 出揃ったな、というところでぬるりと祭りは始まるのだ。
 
 そして季節が進んでいくことで気温が上がり、雪像が溶けていく。
 いつ誰が言い出すわけでもなく、そろそろだな、というところで終わりとなる。

 ついに今年もぬるっと始まった『セントポーラ雪祭り』。
 町中には、大小様々な、色んなものをモデルにした雪像が立ち並んでいた。
 
 中央広場やメインストリートなど、街の中心となる場所はもちろん。
 民家の庭などにも、物語性のあるやたら凝ったジオラマ風の雪像が出現していた。

 雪祭りが始まると、まず行われるのが住民揃っての行進である。
 あれがいいこれがいいと批評しながら、みんなで町の端から端まですべての雪像を見て回るのだ。
 
 何を見ても全てにカワイイカワイイという女子。
 一つ一つ、声に出して低い点を付けて回るメガネ。
 『雪鬼』の像が増えすぎていることを嘆く老人。

 これだけで、ほとんど一日が終わることになる。
 
 時間と労力を掛け、指がちぎれるような思いで作った雪像のお披露目である。
 この一日で祭りの9割は終わる、と言うものもいるぐらいだった。

 そんなお披露目も終わり、町の外の人間などが訪れる二日目も過ぎ。
 そして三日目の夜、町が寝静まる中、それらは起きて来たのだった。

  • フェイズ2(なし、探索可能)
雪鬼夜行の誕生
 この町の夜は早い。
 夏の頃に比べて半分ほどしかない昼間を終え、日が落ちると一気に町は静かになる。
 
 娯楽も何もない町である。
 町に一つだけあるスナックに、数人の親父が集まるのみだった。

 その彼らが、始まりの唯一の目撃者となった。
 かなりの深酒で酩酊状態にあり、どれだけ正確に覚えているかは疑問ではあるが。
 
 スナックからの帰り道、肩を組んで下手な歌を歌いながら通りを歩いていた。
 その歌声が癇に障ったのかも知れない。
 
 四体の『雪鬼像』は彼らの目の前で動き出し、台座から下りて来たのだった。

 街灯がポツポツと、光がつながらない間隔で照らしている大通り。
 そこに建てられた四体の『雪鬼像』は特別製だった。
 
 『鬼』の雪像自体が名物となり。
 粗製乱造とは言わないまでも、町のいたるところで飾られるようになった雪鬼像。
 その出来不出来にはかなりのバラツキがある。

 それら雪鬼像の中でも、その四体のクオリティは群を抜いていた。
 
 二メートルを超える巨体に、細かな造形までしっかりと作り込まれている。
 溶けて消えることが運命づけられているのは、何とももったいない話だった。
 
 動き出したそれら四体の『雪鬼像』は、腰を抜かした酔っ払いたちには目もくれず。
 大通りを我が物顔で闊歩し始めた。

 一晩のうちに、四体は初日に人々が練り歩いた道を辿って町を歩いて回った。
 その道順にあった雪鬼像が次々と動き出し、その列に加わっていく。
 
 町を一周して雪鬼像たちがスタート地点に戻ってきた時、その列は『百鬼夜行』と充分に呼べるほどのものになっていた。

  • フェイズ3
その足を止めろ
 一晩歩いたからか、次の日彼らは大通りに列をなしそこで一日止まっていた。
 朝起きてその様子を見た町の人々は、初めは悪戯を疑ったという。
 
 数人の酔っぱらいおじさんの証言はあったものの信用に値せず。
 なんだったら、雪像を動かした犯人扱いされていた。
 
 彼らがある程度信用されたのは、さらに次の日、雪鬼像が動き出したのを町の人々が目にしてからだった。

 四体の雪鬼像を先頭に、行列を作って練り歩く。
 ただし、人や建物に対して破壊行為を行うことはなく、ただ歩き続けるのみである。
 
 距離をとって見ていれば、一つの見世物として悪いものではなかった。
 とはいえ、いつまでも遠巻きに見続ける訳にはいかない。
 
 あくる日、意を決して大通りへと飛び出したのは、役場の人だった。

 除草用のバーナーを構え、一人勇敢に雪鬼像に立ち向かった役場の人。
 バーナーの射程はおよそ30センチ。
 
 勇気は立派だったが、武器は貧弱だった。普通に無理だった。

 踏み潰される寸前、他の役場の人に助け出された役場の人。
 落としたバーナーはそのまま火を吹き続け、先頭の雪鬼像の足をわずかに溶かした。
 
 だが、火力は弱く、次に来た足にバーナーごと踏まれて簡単に消えてしまった。
 痛くも痒くもない。そんなところだろう。
 
 だが、その程度の何かが雪鬼像たちのスイッチを押した。

 足を軽く焼かれた雪鬼像を含む先頭の四体が両腕を高く掲げ、雄叫びを上げた。
 その姿は勇ましく、かかってこい、と言わんばかりである。
 
 後ろに続く雪鬼像は同じような威嚇はしなかったが、その意志は同じらしく。
 行進の足を止め、周囲に視線を送っていた。

 両腕を掲げた四体の『雪鬼像』。
 その胸にはいかにも鬼らしい胸毛はなく、大きさの違う五重の円が描かれていた。
 
 それはまるで、的のようだった。

(PT名)は何もしませんでした (行動ポイント残り1ポイント)

戦闘予告
(敵)に遭遇した!

  • フェイズ4
  • フェイズ5
  • フェイズ6
雪像の町『セントポーラ』
 雪の町セントポーラには、春の訪れは未だ遠い。

 訪れたとしても、春は短く、夏はなお一層短い。
 
 一年の半分を冬として過ごすこの町には、春への渇望や希望は確かにあるが。
 それは無い物ねだりでしかなく、ほとんど意味をなさない。
 その上で、長く厳しい冬に抗い、様々な方法で戦い続けているのだった。

 雪鬼夜行。『雪鬼像』の行列は街の大通りを練り歩いていた。
 
 だが、歩みそのものはほとんど止まっており。
 沿道から少し離れて見ている観客たちに向け、アピールのような威嚇を続けていた。

 先頭を歩いていた『雪鬼像』が肘を直角に曲げた状態で、両拳を上に向ける。
 氷像であるので、そのポーズをとっても二の腕に力こぶができることはない。
 
 だが、おそらく目の錯覚なのだろうが。
 二の腕だけでなく、胸筋や広背筋にも大きな盛り上がりが見えた気がした。

 見事にパンプアップされた胸を突き出す。
 
 そこには墨のようなもので、黒い五重の円が描かれている。
 そして中心にあたる一番小さな円のみが、その中を赤く塗りつぶされていた。
 
 その『的』は、氷像として造られたときにはなかったものである。
 動き出し、行列を作った後に浮かび上がってきたものだった。

 ボクサーが顔を突き出して、打って来いと挑発でもするように。
 そのポーズのまま周囲に自身の体の正面を向け、胸の『的』を見せつけていた。
 
 そのアピールにも、離れた場所にいる観客たちは動かない。
 だがそこに、やや声質の高い舌っ足らずな掛け声が響いた。
 
 それは子供の声だった。

 大人の半分ほどしかない身長の男の子が、『雪鬼像』の行列に立ちふさがっている。
 近くに親の姿は見えない。彼は一人だった。
 
 キリッとした眼差しで、大人でも見上げるほどの大きさの氷像を見つめている。
 その右手には白い、小さな雪玉を握っていた。その武器はあまりに貧弱だった。

「くらえ!」
 少年は大きな掛け声とともに、綺麗なフォームでその雪玉を投げつける。
 
 彼がどういう感情をもって投げたのかは分からない。
 楽しみにしていた『雪祭り』を台無しにされた怒りなのか。
 とはいえ、空を舞う純白の雪玉からは、そういう黒い感情は見えなかった。

 晴れた空から降り注ぐ淡い光に輝く雪玉。
 くるくると中空を転がって、先頭にいた『雪鬼像』の体に当たった。
 
 狙ったわけではないだろうが、雪玉はものの見事に鬼の胴体の真ん中を射抜き。
 体に描いた的のような円、その中心の赤丸にしっかりと命中していた。

イベントマップ『雪像の町『セントポーラ』』をクリア!
クリアボーナス
(PC名)はステータスボーナスを△△得た

雪鬼夜行のお祭り騒ぎ
 雪玉の中に大きな悪意が詰まっている、などということはなく。
 雪像にぶつかって、柔らかい方の雪玉が砕けて破片がパラパラと舞い落ちた。
 
 だが、雪玉が命中した『雪鬼像』の動きが止まる。
 そしてそれは何かを受信でもしたかのように振動し、全身が崩れ始めた。
 
 腕が落ち首が落ち、背が折れる。
 原型を一つも留めることなく、それは短い時間で小さな雪山に変わっていた。

 離れた場所からそれを見た他の観客たちは、『ルール』を理解していた。
 その的は、行列を作る雪鬼像、その全ての胴体に描かれていたのだ。
 
 理由を考える必要はない。
 次の瞬間には、遠巻きに見ていた観客達は皆足元の雪を掴んで雪玉を作っていた。
 
 そして、雪鬼像たちのいる大通りの沿道まで雪玉を手に走り出した。

 雪鬼像たちは逃げることなく、むしろ胸の『的』を見せつけるようにポーズをとる。
 大通りから沿道に体を向け、でんと待ち構えていた。
 
 観客達はしっかり作った雪玉を、その雪鬼夜行に向かって一斉に投げ始めた。

 わーわー。きゃーきゃー。わーわー。ぎゃーぎゃー。
 
 すでに、というよりも割と最初から楽しんでいる観客たち。
 雪は無限にある。雪玉は無限に作ることができる。
 だが、それをぶつける鬼には限りがあった。

 的を射抜かれ、一体、また一体と崩れていく雪鬼像。
 中には体が小さく、的そのものが小さいものもいたが雪玉の数には敵わない。
 やがてそれも的の中心に雪玉を受け、小さな雪山へと戻っていった。
 
 そうして最後に残ったのは、先頭にいた四体の『雪鬼像』のうちの一体だった。

 彼らはその的の大きさもあり、そもそも目立つ存在でもあって早々に狙われた。
 大きな雪山が三つできるのは早かったが、残る一体は粘りに粘り。
 
 ついに後ろに従えていた雪鬼像たちはすべて倒れ、最後の一体となっていた。

 前に突き出した両腕で氷の金棒を持ち、プロペラのようにぐるぐる回している。
 その隙間をタイミング良くかいくぐり、的にぶつけねばならなかった。
 
 次々と投げ込まれる雪玉が、バシバシと金棒に叩き落とされる。
 だが、雪鬼像の数が減っていき、それが最後となれば勝ち目はなかった。
 
 数の暴力。誰かの雪玉が数発同時、最後の『雪鬼像』の的を撃ち抜いたのだった。

 全ての雪鬼像がただの雪へと返り、このお祭り騒ぎはようやく幕を閉じた。
 『鬼』は雪玉によって祓われたのだ。
 
 来年、この『セントポーラ雪祭り』がどうなるかは分からない。
 またも雪鬼像に何かが入り込み、動き出すかも知れない。
 
 だが、実行委員長でもある町長の禿げ上がった頭にはすでに考えがあった。

 マンネリ化しつつあった祭りを大いに盛り上げてくれたことに感謝しつつ。
 来年は、最初から氷像の胸には的を描いておこう、と。
 
 大会公式雪玉をいくらで売り出すか。そろばんを弾きながら、そんな事を考えていた。

ミッション『雪鬼夜行のお祭り騒ぎ』をクリア!
クリアボーナス
(PC名)は魂塵を△△Ash得た
(PC名)はSPを1得た
(PC名)は『白雪おにぎり』を手に入れた

  • 当日夜(休息処理後に表示)
雪鬼夜行のお祭り騒ぎ
今回のイベントは終了しました
現在位置、HP、疲労度がイベント開始前の状態に戻りました
イベント挑戦ボーナス
(PC名)はコスチューム『雪鬼』が修得可能になった

黒花の霧と梅の花

  • 発生(前回フェイズ6、強制イベントおよび休息処理後)
イベントスタート
『時限ミッション:黒花の霧と梅の花』を発見しました
今回のイベントミッションの開放期間は3/20(水)~4/6(土)までです
黒花の霧と梅の花

 一面にピンクの花が咲き誇る梅の里。
 そこは『梅の樹』と、『ウメの精』たちの楽園だった。

 小高い丘に立ち並ぶ梅の木は全部で千を超える。
 
 それらにはいくつかの品種があり、それぞれに開花の時期が僅かに違う。
 早いものでは年が明けたあたりから咲き始め、この時期にはほぼ全ての梅が満開を迎えるのだ。
 
 一つ一つはピンク色の小さな花だが、数の力で地表を埋め尽くす姿は圧巻だった。

 そんな梅の樹を世話をしているのが、この地に住む精霊たちだった。
 彼女たちはその美しい姿と相まって、『ウメの精』と呼ばれている。
 
 梅の花のように可憐で淑やかで、艶やかで華やかな。
 幼さと妖艶さを併せ持つ、魅力あふれる女性たちだった。

 そんな村を黒い霧が襲った。

 里の梅の満開が近づくある日、東の空に黒い霧の塊が生まれた。
 不穏な空気をまとったそれはゆっくりと里へと近づき、まるごと飲み込んだ。
 
 美しかった鮮やかな色が、黒に塗りつぶされてしまう。
 その正体は、黒い花粉だった。

 『スプリング・インベーダー』と呼ばれるそれは、しばしば観測された。
 春先に活動を始め、風に乗っていくつかの植物群を襲って姿を消す。
 
 そこにあった植物は根こそぎ枯れ果てて。
 数年後、そこにはスギやヒノキ、ブタクサなどが生える森が出来上がるのだ。

 自然の摂理、と割り切ってしまうにはあまりに暴力的である。
 
 しかもその暴虐の中に、『ウメの精』たちも巻き込まれてしまった。
 黒い花粉の中がどうなっているのか、状況、その生存は確認されていない。

 梅の里が黒い花粉の霧に包まれて、すでに数週間が経過している。
 『梅の樹』、そして可憐な『ウメの精』たちを救い出すにはもう猶予はない。
 
 黒い花粉の霧を晴らし、梅の里を取り戻すのだ。
『マップ:ウメの華舞う『梅の里』』を発見しました

  • フェイズ1(食事およびマップ移動処理後)
ウメの華舞う『梅の里』

 春を待つ、いまだ肌寒い季節でありながら。
 どこなくそれを忘れさせる暖かさを、薄紅色の梅の花々は持っている。
 
 桜ほどの派手さはないが、同時に嫌味もない。
 結局は好き好きということにはなるだろうが、『花見』の対象としてそれぞれに素晴らしいものだということは間違いなかった。

 梅の里。
 そんな美しい梅の花々は、今はない。
 
 黒い霧の中で、少なくとも外から見ることはできなくなっていた。

 クロバエの渦に飛び込んだような。もちろんそんな経験はないが。
 それぐらいの不快さが、その空間を包み込んでいた。
 
 梅の木々が立ち並ぶ丘を、黒い花粉の霧が充満している。
 吸い込んでしまえば、どれほどの悪影響があるのか。
 完全に防ぐのは難しいだろうが、それでもなるべく少なくしたいところだった。

 鼻と口を隠しながら、浅い呼吸で里を歩く。
 
 外からは、この一帯は完全な黒い塊でしかなかったが。
 中に入ってしまえば、ある程度の視界は確保できた。

 そこには、美しい花を咲かせたままの梅の樹が凛とした姿を見せていた。
  • フェイズ2(なし、探索可能)
梅を守る精霊
 梅の里を襲った黒い花粉。

 その中で、梅の樹たちは健気に咲き続けていた。
 
 そしてそれら樹のそばには、『ウメの精』たちの姿もあった。

 動きにくそうな分厚い着物を着て、髪は丁寧に結い上げている。
 それを纏めるかんざしには、梅の花をかたどった装飾が施されていた。
 
 花がこれまで無事なのは、彼女らの働きによるものだろう。
 まるで保護色のような黒いマスクを付け、それでも甲斐甲斐しく木々の世話を続けているようだった。

「ごほっ……」「ごほごほっ………」
 苦しそうに咳き込む声が梅の里に虚しく響く。
 
 花は無事でも、彼女らも無事であるとはいい難い。
 咳き込む鼻と口をマスクで覆い、残った表情にも生気はない。
 それでも休まないのは、意地か呪いか、何かが彼女らを突き動かしていた。

 黒い花粉がついてしまった花びらに、マスク越しに唇を寄せる。
 そしてマスクをずらし、ピンク色の唇から漏らす吐息を花びらに吹きかけた。
 
 花についていた黒い花粉が飛び、白い肌を見せる。
 『ウメの精』はその花粉を吸い込んで咳をしながら、マスクをもとに戻していた。

 その健気な看護を邪魔すべく、あるいは気にもとめることなく。
 そこへ、黒い巨人が現れた。
  • フェイズ3
ウメを襲う巨人

 霧のように薄く里を満たす黒い花粉が、突如渦を巻き形をなし始めた。
 
 ずんぐりした体に、太い幹のような手足が生える。
 梅の樹を超えるような背丈はないが、それでも充分に大きかった。

 黒い巨人は花粉の塊そのものであり、化身でもあった。
 その姿を見て、一斉に『ウメの精』たちが逃げ出す。
 
 マスクを付けたままでは声が通りにくいが、それでも互いに声を掛け合って。
 連携を取りながら逃げる、それは慣れた様子だった。
 この里がこういう状況になってから、何度も繰り返してきたように見えた。

 巨人は逃げる『ウメの精』は追わず、手近にあった梅の樹に攻撃を加えた。
 幹を殴りつけ、枝を折り、花を散らす。
 動くたびその体からは、自らを構成する花粉が飛散っていた。
 
 いずれこの巨人は元の花粉に戻るだろう。だがその頃には、梅の樹は失われる。
 そしてその原資となる花粉はこの場に、それこそ腐るほど漂っていた。

 同様の巨人が一つ二つと生まれ、梅の樹に襲いかかっている。
 少しずつ黒い霧は薄まってきている。だが、なくなるにはまだ程遠い。
 
 黒い花粉の霧を消し飛ばす。
 そのためにすべきことは、黒い花粉の化身を打ち砕くことだった。

(PT名)は何もしませんでした (行動ポイント残り1ポイント)

戦闘予告
スプリングインベーダーに遭遇した!

  • フェイズ4
  • フェイズ5
  • フェイズ6
ウメの華舞う『梅の里』

 梅の里をまるごと包み込んだ黒い霧。
 それは繭のようでもあり、であるならばここから何が生まれるというのか。

 黒い霧、その正体は花粉である。
 つまりはいずこかの、いずれかの花から吐き出されたもののはずだった。
 だが、その発生については謎に、黒い靄に包まれている。
 
 突如として現れ、死と再生を振りまいて去っていく。
 時に『神』と呼ばれるものの、その一つの形だった。

 ただしそれは、もたらされる側が受け入れるか否かによる。
 受け入れなければ、やはりそれはただの災いであり、害でしかない。
 
 それらが神となるか、災害となるか。
 それを決めるのは彼らではなく、もちろんリーキたちでもなく。
 
 この里に住む『ウメの精』たちだった。

 また一つ、黒い花粉の巨人を消し飛ばす。
 
 砕けたその体は黒い粉塵へと、里を覆う霧の一部へと戻っていく。
 だが、全てが戻るわけではない。
 磨り減り、消し飛んた分は永久に、確実に消えてなくなっていた。

 黒い巨人を作り、失い。徐々に霧が薄まっていく。
 その隙間から晴れ間が覗き、光が漏れ入ってきていた。
 
 そして、ついには風が、その小さな隙間を押し入ってこようとしていた。

 びゅうと。暖かく強い南風が里を襲った。
 少し前であれば、それでも黒い壁が跳ね返したであろう。
 
 だが、それには綻びがあり、その穴はもはや致命的に広がっていた。
 そこから無理矢理に押し入った風は、穴を広げながら黒い繭の中で暴れだす。
 
 それはずいぶんと遅れてやってきた、『春一番』と呼ばれる風だった。

 蜘蛛の子を散らすように、黒い霧が一気に晴れていく。
 薄紅色の梅の花々が、ようやく光の中に姿を見せようとしていた。

イベントマップ『ウメの華舞う『梅の里』』をクリア!
クリアボーナス
(PC名)はステータスボーナスを△△得た

黒花の霧と梅の花

 春の嵐が通り過ぎた頃。
 その風とともに、黒い花粉の霧は姿を消していた。
 
 花々に付着し、その身を浸食しようとしていた花粉たちも根こそぎ振り払われ。
 『スプリング・インベーダー』は完全なる敗北を喫したと断言していいだろう。

 これはあくまで結果ではあるが。
 あの強烈な突風から、梅の小さな花々を黒い花粉の壁が守ってくれていた。
 
 梅の季節の終盤、いつもは毎年訪れるあの突風で残る全ての花が散ってしまう。
 それが今年は、皮肉なことに多くの花が残って美しく咲いていた。

 『梅の里』はすぐに、元の賑わいを取り戻した。
 
 きゃっきゃうふふと楽しそうに、『ウメの精』たちが踊っている。
 あの世紀末の荒くれ者のような黒いマスクは外し、美しい顔を見せてくれていた。
 
 見目麗しいその姿は、何時間でも何日でも何年でも見ていて飽きそうにない。
 だが、ここは海の底の龍宮城ではなく、地上の梅の里である。
 永遠はなく、終わりはすぐ近くにあった。

 春の嵐に梅の花は守られた。
 だが、それはほんの少し命が永らえただけにすぎない。
 『ウメの精』たちの踊りを彩るように、はらりはらりと一枚ずつ花が散っていく。
 
 それは彼女たちも分かっていることだった。
 だから彼女らはすでに世話をやめ、こうやって楽しんでいるのだ。
 
 その、最も美しい散り際を愛でながら。

 彼女たちは木々の世話をしているが、親でもなければ世話係でもない。
 ただ梅の樹、梅の花が好きなだけの精霊たちだった。
 
 今この瞬間、この美しさのために。
 一年間、そしてあの黒い花粉のなかでも頑張ってきたのだ。
 
 目や鼻の頭が赤く染まっているのは、けして花粉だけのせいではなかった。

 梅の花びらとウメの精とが舞う中で。
 
 里に数本だけある桜の木から、ポツポツと花が開き始めていた。
 また一つ、季節が進もうとしているようだった。

ミッション『黒花の霧と梅の花』をクリア!

クリアボーナス
(PC名)は魂塵を△△Ash得た
(PC名)はSPを1得た
(PC名)は『クリアボーナス食料』を手に入れた

特別ボーナス
(PC名)は魂片:『クリアボーナス魂片』を手に入れた

  • 当日夜(休息処理後に表示)
黒花の霧と梅の花
今回のイベントは終了しました
現在位置、HP、疲労度がイベント開始前の状態に戻りました

←頭の # は不要、数字のみ

縁起物を担いで踊れ

  • 発生(前回フェイズ6、強制イベントおよび休息処理後)
イベントスタート
『時限ミッション:縁起物を担いで踊れ』を発見しました
今回のイベントミッションの開放期間は5/8(水)~5/25(土)までです

縁起物を担いで踊れ

 町は喜びに沸いていた。
 新時代の到来を皆で祝い、希望を歌い、未来を夢見て。
 
 町を挙げての祭りが行われていた。

 お祭りに先立って、ハルクレーゲンと呼ばれていた町はその名を変えた。
 新たな名は『レーゲンキーラン』。実りある船出、という意味である。
 
 祭りと改名は、数百年に一度、ある天文現象が見られる年に行われる。
 それは大昔から続く、この町の大切な風習だった。

 太陽と月が重なり、それを交点に八つの一等星が十字に並ぶ『星天大十字』。
 それは吉兆でもあり、凶兆でもある。
 だから町ではそれを祝い、祓い、名を変えるのである。
 
 そして変わるのは町の名前だけではない。人の名前も新しくなるのだ。

 とは言え、利便性の問題から完全な改名は行われない。
 既存の名前の最後に数文字足すだけで、呼び名は変わることはないという。
 
 ちなみに町長の旧名はマルコ・ライオラントイルネスフィッツドンコスタ。
 新たな名前は、マルコッポロ・ライオラントイルネスフィッツドンコスタウェイ、である。
 名はともかく、姓が世代を重ねてどんどん長くなるのがつらいところだった。

 現在、町は祭りで大変な賑わいを見せている。
 町と人、それぞれの改名にあわせての盛大なお祭りである。
 
 食べ物や飾りなど、様々な『縁起物』がこのお祭りのために用意された。
 そして三日三晩騒ぎは続き、四日目の朝が明けた頃。
 
 大量にあったはずの『縁起物』が尽きようとしていた。

 『縁起物』は充分に用意されているはずだった。
 だが、騒ぎを嗅ぎつけた輩が町の外からも騒ぐためだけにかなりの数で訪れていたらしく、わずか3日で尽きてしまったのだ。
 
 とは言え、物がなくなったので祭りは終了です、というわけにはいかない。
 儀式は続くし、何よりまだまだ気分はお祭り状態だった。

 縁起物の殆どは、町の裏手にある山から集められた。
 『ナスタカフジ』と大変におめでたい名前の山であり、海の幸から山の幸まで、なんでも揃う場所である。
 
 とにかく圧倒的に、『縁起物』の数が足りないのだ。
 贅沢を言うつもりはない。何でもいいからとりあえず、『縁起物』を狩ってきてほしい。

 難しい話ではない。
 なぜなら山は、『ナスタカフジ』は縁起物に溢れているからである。

『マップ:紅白霊山ナスタカフジ』を発見しました

  • フェイズ1(食事およびマップ移動処理後)
紅白霊山ナスタカフジ

 紅白色に染まる山『ナスタカフジ』。
 お祭りに揺れる町の裏手に聳え立ち、悠然とそれを見守ってくれていた。

 『ナスタカフジ』は本来、全身が赤い山である。
 赤土の上に植物も生えるがその密集度は低く、遠くからは赤色が目立って見える。
 そしてその頭頂部には雪を被り、綺麗な紅白色に塗り分けられていた。
 
 冬には半分以上が真っ白に染まるが、この季節にはずいぶん少なくなっている。
 頭の四分の一ほどに雪が残り、これから夏に向けてまだまだ減っていくだろう。
 
 今ぐらいの紅白の配分が、ちょうどいい美しさだった。

 その裾野に広がるのはクローバー畑。
 
 町の人に言われたことが本当なら、見えるこの全てが四つ葉である。
 三つ葉でも五つ葉でもなく、一つ残らず幸運の四つ葉らしく。
 探す必要も何もなく、無作為に引き抜くだけで四つ葉のクローバーが手に入るのだ。

 一面のクローバー畑の中に一本引かれた歩道を歩く。
 それが町と山をつなぐ、幸運の道である。
 
 『ナスタカフジ』が恵みとして与えてくれる、それがまず最初の縁起物だった。
  • フェイズ2(なし、探索可能)
お祭りと縁起物の町

 『ナスタカフジ』の麓に作られた町ハルクレーゲン。
 今は名を改め、『レーゲンキーラン』となっている。

 町は『ナスタカフジ』から集められた縁起物で、盛大な祭りを開催中である。
 浮かれ、浮足立ち、地に足がついていない。
 
 『縁起物』が今にも尽きようとしている中でも、その喧騒に陰りはなかった。

 とは言え町は今なお、縁起物に溢れている。
 家を覗けば軒先にてるてる坊主がずらりと並び、玄関先には門松が飾ってある。
 これに関しては、正月から出しっぱなしの疑いもあったが。
 
 このような飾り物は、売り物を除けばなくなることはない。
 問題は土産物や食べ物だった。

 祭りには町外からかなりの人数が押しかけたらしく。
 予想の何倍ものスピードで縁起物がなくなっていった。
 
 今は各家庭から豆や海苔、昆布などを集めてお茶を濁しつつ、なんとか時間を稼いでいる状態である。
 まだまだ町外からの客は増えており、その流れを止めることはできそうになかった。

 縁起物の切れ目が縁の切れ目、とも言われる現代。
 完全に縁起物が尽きる、そのタイムリミットはすぐそこまで来ていた。
  • フェイズ3
血祭りと縁起物の山
 手の空いている町の人や、依頼によって駆けつけた(PC名)ら『縁助隊』が縁起物を求めて次々に山に入っていく。
 
 町の人々は山に入る際、それぞれに何かしら背負っていた。
 赤べこや四斗樽など、つまりは縁起物を担いでいる。
 大きな白蛇を担いでいるものもいたが、それはもはや背負っているのか締め上げられているのか分からない状態だった。

 この、『縁起物』を担いでいくスタイルがこの町の入山における基本らしい。
 
 縁起物を担いで登り、それを山に捧げてさらに上位の縁起物を頂く。
 そういう習わしであるらしく、皆きつそうな顔をしながら担いでいた。
 
 (PC名)も勧められたが適当に受け流し、何も担がず山に入っていった。

 四つ葉のクローバー畑の途中で、そこにはロープウェイの駅があった。
 『ナスタカフジ』の中腹あたりまで、これで一気に登ることができる。
 それだけで、巨大なクローバー畑をスキップする事が可能だった。
 
 十人以上が同時に乗れる大型のロープウェイである。
 ただ、巨大な縁起物を担ぐもののせいで、人数制限は大幅に少なくなっていた。

 ロープウェイで半分近くをショートカットして、ようやく登山の開始である。
 
 最初に現れる梅林は、標高が低いせいかそれなりの縁起物しか見当たらない。
 カツオドリやウカリカリ梅などのダジャレ縁起物ぐらいのものである。
 それを越えた竹林では、季節ごとの初物が色々採れる。
 
 松林まで来ると、いよいよ高級食材のお目見えである。もちろんメインは松茸だった。

 梅林、竹林、松林と。
 奥へ行けば行くほど、標高が上がれば上がるほど。
 その変化に従って、縁起物のレア度もどんどん上がっていく。
 
 よりレアな縁起物を求めて、より奥へ、より高く。
 そしてついには、『ナスタカフジ』山頂付近にまで足を踏み入れていた。

 溶け切らない雪がいまだ残るほどの標高。
 とても持ち帰れない最高の縁起物である、御来光が空から降り注いでいた。
 
 ここまで来れば、かなりの縁起物が見つかるだろう。
 『ナスタカフジ』最高標高の地にて、『縁起物』ハントの始まりである。
(PT名)は何もしませんでした (行動ポイント残り1ポイント)

戦闘予告
野生の縁起物に遭遇した!

  • フェイズ4
  • フェイズ5
  • フェイズ6
紅白霊山ナスタカフジ

 次から次へと襲いかかってくる『縁起物』をちぎっては投げ、ちぎっては投げ。
 
 町の人々、そして(PC名)を始めとする『縁助隊』の活躍により。
 気づけばそこに、縁起物の山が出来上がっていた。

 厳しい登山をねぎらうように、朝を迎えた空から御来光が降り注ぐ。
 その晴れ間を縫って、雲ひとつない空からパラパラと雨も降り出していた。
 
 山の天気は変わりやすいというが、それにしても慌ただしい。
 ここから夜になれば、八つの一等星が十字を作る『星天大十字』が顔を出すのだ。
 
 なんとも賑やかな空模様である。

 誰とはなしに、このぐらいで充分だろうという空気感が支配し始める。
 初めは向こうから積極的に掴みかかってきていた『縁起物』たちも、少し前辺りからほとんどいなくなっていた。
 
 『ナスタカフジ』山頂、積もった雪の上に山と積まれた縁起物。
 これを見て恐ろしくなったのか、単純に数が減っただけか。
 こちらだけでなく、向こう側もこれぐらいで勘弁してくれと言っているようだった。

 縁起物の山。
 それらを小分けして袋詰めし、手分けして町まで運ぶこととなった。
 途中からはロープウェイがあるとは言え、この作業だけでもかなりの重労働である。
 
 大きな縁起物を背負って入山した人々は、山に捧げた荷物分身軽になっており。
 縁起物運搬については彼らが頼りだった。

 半分まではそれぞれが背負って運び。
 もう半分は、無人のロープウェイにパンパンに詰め込んで縁起物が山を降りていく。
 
 待ちきれなかった町の人々は、ロープウェイの終着駅に集まってきていた。
 そして、山から降りてきた新たな『縁起物』に大歓声が上がる。
 
 配給を受け取る人々のように、一斉に走り出してロープウェイを取り囲む。
 それが一つの、別のお祭りのような大騒ぎだった。

 ようやく町に縁起物が戻ってくる。
 そして、『星天大十字』と改名を祝うお祭りは再びの盛り上がりを見せようとしていた。

イベントマップ『紅白霊山ナスタカフジ』をクリア!
クリアボーナス
(PC名)はステータスボーナスを△△得た

縁起物を担いで踊れ

 巨大な梯子を数人の男たちが支え、その頂上まで一気に一人の男が駆け上がる。
 一番上の足場に足先を引っ掛けて、逆さ吊りのようなポーズで歓声を浴びていた。

 メイン通り。
 大梯子の周囲にできた人だかりを避けて歩いていく。
 
 少し前に、南の方の神社で餅をまくというアナウンスが有り。
 それでかなりの人数が減ったのだが、それでも通りは人で埋まっていた。
 
 今、その神社がどういう状況になっているのか。想像したくもなかった。

 ちなみに神社では、餅まき以外にも行っていることがある。
 『改名御神籤』といって、町の外から来たものに新たな名を与えるものだった。
 
 それは町人のように名と姓に数文字付け足す方式ではなく、完全に新しい名前である。
 ほとんどあだ名を付けるのに近い。
 
 しかも今年はその客数が多いこともあって、途中からはかなり適当でいい加減なものになってしまっていた。

 町は縁起物にあふれている。
 祭りが終わるまでこれで充分、かは分からないが。
 少なくとも、また数日で尽きるなどということはあるまい。
 
 仮にそうなったとしても、余裕を持って補充をすれば問題はない。
 在庫管理と再入荷。基本である。

 それから数日たった日、夜の景色に変化があった。
 仰ぎ見る、夜空に浮かぶ星の配列。そこに違いが生まれていた。
 
 太陽と月が交わり、そこから一等星が十字に並んだ『星天大十字』。
 さらに中心を同じくして、空には別の八つの一等星がX字に並んでいた。

 『星天大十字』に『星天大X字』が重なる。
 それは数万年に一度、いや数億年に一度あるかないかの特大吉兆である。
 
 その天文現象にはまだ名がついていない。それぐらい珍しい、奇跡だった。

 この奇跡に、すでに浮ついていた町は更に色めきだつ。
 これでお祭りはさらに巨大に、さらに長期間になることだろう。

 集めた『縁起物』では足りなくなるのは明白で。
 先の縁起物集めに参加した、いまだ疲労の色濃い『縁助隊』は深い溜め息と共に、にわかにざわつき始めていた。
ミッション『縁起物を担いで踊れ』をクリア!

クリアボーナス
(PC名)は魂塵を△△Ash得た
(PC名)はSPを1得た
(PC名)は『改名饅頭』を手に入れた

特別ボーナス
(PC名)は魂片:『七面大黒天像』を手に入れた

  • 当日夜(休息処理後に表示)
縁起物を担いで踊れ
今回のイベントは終了しました
現在位置、HP、疲労度がイベント開始前の状態に戻りました