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*温泉界へご招待 ~クラウス・セフィリア兄妹の場合~
「兄さん、お風呂に入りに行かない?」
唐突にセフィリアが切り出す。ヒカリの敵探しに奔走するものの手掛かりは一向につかめず、クラウスもセフィリアもこの広い避難地区を走り回り、汗まみれになっていたのだ。
ちなみにクラウスとセフィリアも例の衣装を今は着ていない。クラウスは、あの恰好で街を歩くと聞きこむたびに相手が自分を拝むものだから
効率が悪いという理由で、ステファンの服を借りている。無地のTシャツとぼろぼろのジーンズである。
セフィリアはというと、「兄さんのプレゼントを汗で汚したくない」という理由である。しかしセフィリアの場合その強調された胸のせいで
ステファンの服を着ようとしても臍のあたりからズボンまでが丸出しになり、おなかを冷やすだろうという理由で
仕方なく当分戻らないと誓った自宅まで戻り、兄と自分の着替えを何着かとってきた。という訳で二人の衣装は今、神谷探偵事務所のクローゼットの中である。
「そうだね、汗でべとべとだし、そうしようか。公衆浴場はここからだと…歩いて五分くらいでいけるね」
このスラムには各世帯に風呂はなく、この町の東西南北にひとつずつ公衆浴場という風呂屋があり、これまた金のない住民のためにタダ同然の
料金で入浴することができるのだ。しかも、ご丁寧に石鹸やシャンプー・リンス、髭剃り、果てはバスタオルまで用意されていて、これらは無料で貸し出している。
ここから一番近い北の公衆浴場は歩いて5分程度で行ける距離にあり、神谷とステファンは毎日のように利用している。
「じゃあ、神谷さん。ちょっとお風呂に行ってきます。多分一時間半くらいで戻るとおもいますので」
「ああ、疲れてるだろうからゆっくり湯に浸かって落としてこい」
そして、探偵事務所の玄関を出て、彼らは風呂屋へと向かうのであった。その頃、温泉界では…
「うーん、やっぱり男の子がショータ君だけっていうのは寂しいね。よーし、ここらで一つもう一人男の子を呼んじゃおう!」
といって温泉界の主、湯乃香はまた例の鏡を覗き込む。その鏡に映っていたのは、他ならぬクラウスとセフィリアであった。
「ラッキー!今回は一気に二人も招待できるよ!」
やや興奮気味の湯乃香はすかさずその鏡に手を突っ込む。異なる時空の先に延びた湯乃香の手は二人の手をしっかりとつかんでいた。
そしてそのまま抵抗する間も与えずに一瞬のうちにこちら側へと引きずり込んだのだった…
気がつくと、クラウスとセフィリアは全く見覚えのない場所にいた。そしてその眼前にはこれまた全く見覚えのない少女の姿。
一体何がどうなっているのか。二人で公衆浴場に向かっていたら突然誰かに後ろから手を握られ、気がついたら全く違う場所にいた。
そして目の前には見知らぬ女の子。おそらくはこの少女こそが、クラウスとセフィリアをこの訳のわからない場所に連れ込んだ張本人だろう。
まだ混乱しつつも、クラウスは少しでもこの状況を理解しようと目の前の少女に問うた。
「あの、2点ほど聞いてもいいかな?ここはどこで、君は何者なのか」
そんなクラウスの問いに少女はにこっと笑ってそれに答えた。
「ここは温泉界!そして私はこの温泉界の管理人兼番台の湯乃香!よろしくね!」
…駄目だ。聞いても全く理解できない。温泉界?そんな場所閉鎖都市のどこにもなかったはずだ。とするとここは…壁の外の世界なのだろうか。
そうして考え込むクラウスにセフィリアがほほ笑んで話しかける。
「ちょうどよかったじゃない兄さん。私たちお風呂に入りに行く途中だったんだし、スラムなんかにいると温泉に入る機会もないし」
そして湯乃香のほうを向き、話しかける。
「という訳でお世話になりますね、湯乃香さん。入浴料はおいくらでしょうか?」
「入浴料は服だよ!私はみんなの服を貰って、それで私がみんなをお風呂に入らせるの!」
「服って…私たちが着てるこの服ですか?こんなにぼろぼろですが…大丈夫でしょうか」
「大丈夫だよ!入るならこの台帳に名前を書いて私に服を渡してね!」
そう言って湯乃香はセフィリアに台帳とペンを手渡す。それを受け取り、セフィリアは空欄に自分の名前と性別、年齢を書き込む。
彼女が見たところすでに先客が2名いるようだった。天野翔太とアリス・ティリアス。同じ世界にいるのだから近く顔を合わせることになるだろう。
台帳に書き終え、湯乃香に返すセフィリア。
「セフィリア・ブライト…セフィリアさんだね!じゃあ、服をいただきます!」
そしてセフィリアは身につけていた服を湯乃香に手渡す。下着まで全て渡し、20秒ほどで彼女は生まれたままの姿となった。
その姿の詳しい描写はここでは割愛せざるを得ないだろう。
そしてその姿のまま兄のほうへと向かう。その兄・クラウスというと…きつく目をつむっている。クスッと笑い、セフィリアは兄に話しかける。
「兄さんも早く台帳に書いて。ほら、混浴もあるみたいだし、久しぶりに兄妹水入らずでお風呂に入ろうよ」
「…僕があの服をプレゼントした時に裸を見られるのは恥ずかしいっていったのはどこの誰だったっけ?」
「それはそれ、これはこれ。一緒にお風呂に入るんだし、裸になるのも見られるのも当然でしょう?ほら、兄さんも早く服を脱いで。じゃないと…」
「じゃないと?」
「私が脱がしちゃうから!」
といってセフィリアは兄の服を引っぺがしにかかる。告死天使の黒装束ならばとても無理だっただろうが今クラウスが身につけているのは
薄いTシャツとジーンズだけである。なおも恥ずかしがって目を頑なに開けようとしないクラウスから衣服を脱がすのは容易かった。
ついにトランクス一枚になり、セフィリアがそれを剥がそうとした時、ついにクラウスが観念したように眼を開き、叫んだ。
「わかった!台帳に書いてくるから!だからこれはもうちょっと待っててもらえないかな?」
と、クラウスも湯乃香から台帳を受け取り、自分の名前と性別、年齢を書き込み、湯乃香に返す。
「クラウス・ブライト…クラウス君だね!じゃあ、クラウス君も書いたことだし、それ脱いで!」
「…ねえ、これは猥褻行為には当たらないのかな?僕の…その…あれを…こんな幼い子に見せることになってしまうけれど」
「大丈夫だよ!全然気にしないから!はい、さっさと脱いだ脱いだ!」
湯乃香の言葉に後押しされ、クラウスも生まれたままの姿になる。そしてひどく躊躇ったのち、クラウスは彼女に自分の衣服を手渡した。
「はい確かに!それじゃお二人ともゆっくりしていってね!」
湯乃香の言葉を背にし混浴のドアを開くと、そこにはなんとも表現しがたい見事な風呂が一面に広がっていた。さすがは温泉界。
一番手前の黄金色に濁る湯船に浸かり、二人はようやく息をつく。
「こうやって二人でお風呂に入るの、何年ぶりだったかな?」
「1年ぶりじゃなかった?兄さんが私を助けてくれた時。あの時も兄さんははずがしがっていたよね」
「うん、そうだったね…」
その後も二人は雑談を続け、温泉を満喫した。元の世界に帰る方法は分からないがしばらくはこの温泉界を満喫するのも悪くない。二人はそう思っていた。
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*温泉界へご招待 ~クラウス・セフィリア兄妹の場合~
「兄さん、お風呂に入りに行かない?」
唐突にセフィリアが切り出す。ヒカリの敵探しに奔走するものの手掛かりは一向につかめず、クラウスもセフィリアもこの広い避難地区を走り回り、汗まみれになっていたのだ。
ちなみにクラウスとセフィリアも例の衣装を今は着ていない。クラウスは、あの恰好で街を歩くと聞きこむたびに相手が自分を拝むものだから
効率が悪いという理由で、ステファンの服を借りている。無地のTシャツとぼろぼろのジーンズである。
セフィリアはというと、「兄さんのプレゼントを汗で汚したくない」という理由である。しかしセフィリアの場合その強調された胸のせいで
ステファンの服を着ようとしても臍のあたりからズボンまでが丸出しになり、おなかを冷やすだろうという理由で
仕方なく当分戻らないと誓った自宅まで戻り、兄と自分の着替えを何着かとってきた。という訳で二人の衣装は今、神谷探偵事務所のクローゼットの中である。
「そうだね、汗でべとべとだし、そうしようか。公衆浴場はここからだと…歩いて五分くらいでいけるね」
このスラムには各世帯に風呂はなく、この町の東西南北にひとつずつ公衆浴場という風呂屋があり、これまた金のない住民のためにタダ同然の
料金で入浴することができるのだ。しかも、ご丁寧に石鹸やシャンプー・リンス、髭剃り、果てはバスタオルまで用意されていて、これらは無料で貸し出している。
ここから一番近い北の公衆浴場は歩いて5分程度で行ける距離にあり、神谷とステファンは毎日のように利用している。
「じゃあ、神谷さん。ちょっとお風呂に行ってきます。多分一時間半くらいで戻るとおもいますので」
「ああ、疲れてるだろうからゆっくり湯に浸かって落としてこい」
そして、探偵事務所の玄関を出て、彼らは風呂屋へと向かうのであった。その頃、温泉界では…
「うーん、やっぱり男の子がショータ君だけっていうのは寂しいね。よーし、ここらで一つもう一人男の子を呼んじゃおう!」
といって温泉界の主、湯乃香はまた例の鏡を覗き込む。その鏡に映っていたのは、他ならぬクラウスとセフィリアであった。
「ラッキー!今回は一気に二人も招待できるよ!」
やや興奮気味の湯乃香はすかさずその鏡に手を突っ込む。異なる時空の先に延びた湯乃香の手は二人の手をしっかりとつかんでいた。
そしてそのまま抵抗する間も与えずに一瞬のうちにこちら側へと引きずり込んだのだった…
気がつくと、クラウスとセフィリアは全く見覚えのない場所にいた。そしてその眼前にはこれまた全く見覚えのない少女の姿。
一体何がどうなっているのか。二人で公衆浴場に向かっていたら突然誰かに後ろから手を握られ、気がついたら全く違う場所にいた。
そして目の前には見知らぬ女の子。おそらくはこの少女こそが、クラウスとセフィリアをこの訳のわからない場所に連れ込んだ張本人だろう。
まだ混乱しつつも、クラウスは少しでもこの状況を理解しようと目の前の少女に問うた。
「あの、2点ほど聞いてもいいかな?ここはどこで、君は何者なのか」
そんなクラウスの問いに少女はにこっと笑ってそれに答えた。
「ここは温泉界!そして私はこの温泉界の管理人兼番台の湯乃香!よろしくね!」
…駄目だ。聞いても全く理解できない。温泉界?そんな場所閉鎖都市のどこにもなかったはずだ。とするとここは…壁の外の世界なのだろうか。
そうして考え込むクラウスにセフィリアがほほ笑んで話しかける。
「ちょうどよかったじゃない兄さん。私たちお風呂に入りに行く途中だったんだし、スラムなんかにいると温泉に入る機会もないし」
そして湯乃香のほうを向き、話しかける。
「という訳でお世話になりますね、湯乃香さん。入浴料はおいくらでしょうか?」
「入浴料は服だよ!私はみんなの服を貰って、それで私がみんなをお風呂に入らせるの!」
「服って…私たちが着てるこの服ですか?こんなにぼろぼろですが…大丈夫でしょうか」
「大丈夫だよ!入るならこの台帳に名前を書いて私に服を渡してね!」
そう言って湯乃香はセフィリアに台帳とペンを手渡す。それを受け取り、セフィリアは空欄に自分の名前と性別、年齢を書き込む。
彼女が見たところすでに先客が2名いるようだった。天野翔太とアリス・ティリアス。同じ世界にいるのだから近く顔を合わせることになるだろう。
台帳に書き終え、湯乃香に返すセフィリア。
「セフィリア・ブライト…セフィリアさんだね!じゃあ、服をいただきます!」
そしてセフィリアは身につけていた服を湯乃香に手渡す。下着まで全て渡し、20秒ほどで彼女は生まれたままの姿となった。
その姿の詳しい描写はここでは割愛せざるを得ないだろう。
そしてその姿のまま兄のほうへと向かう。その兄・クラウスというと…きつく目をつむっている。クスッと笑い、セフィリアは兄に話しかける。
「兄さんも早く台帳に書いて。ほら、混浴もあるみたいだし、久しぶりに兄妹水入らずでお風呂に入ろうよ」
「…僕があの服をプレゼントした時に裸を見られるのは恥ずかしいっていったのはどこの誰だったっけ?」
「それはそれ、これはこれ。一緒にお風呂に入るんだし、裸になるのも見られるのも当然でしょう?ほら、兄さんも早く服を脱いで。じゃないと…」
「じゃないと?」
「私が脱がしちゃうから!」
といってセフィリアは兄の服を引っぺがしにかかる。告死天使の黒装束ならばとても無理だっただろうが今クラウスが身につけているのは
薄いTシャツとジーンズだけである。なおも恥ずかしがって目を頑なに開けようとしないクラウスから衣服を脱がすのは容易かった。
ついにトランクス一枚になり、セフィリアがそれを剥がそうとした時、ついにクラウスが観念したように眼を開き、叫んだ。
「わかった!台帳に書いてくるから!だからこれはもうちょっと待っててもらえないかな?」
と、クラウスも湯乃香から台帳を受け取り、自分の名前と性別、年齢を書き込み、湯乃香に返す。
「クラウス・ブライト…クラウス君だね!じゃあ、クラウス君も書いたことだし、それ脱いで!」
「…ねえ、これは猥褻行為には当たらないのかな?僕の…その…あれを…こんな幼い子に見せることになってしまうけれど」
「大丈夫だよ!全然気にしないから!はい、さっさと脱いだ脱いだ!」
湯乃香の言葉に後押しされ、クラウスも生まれたままの姿になる。そしてひどく躊躇ったのち、クラウスは彼女に自分の衣服を手渡した。
「はい確かに!それじゃお二人ともゆっくりしていってね!」
湯乃香の言葉を背にし混浴のドアを開くと、そこにはなんとも表現しがたい見事な風呂が一面に広がっていた。さすがは温泉界。
一番手前の黄金色に濁る湯船に浸かり、二人はようやく息をつく。
「こうやって二人でお風呂に入るの、何年ぶりだったかな?」
「1年ぶりじゃなかった?兄さんが私を助けてくれた時。あの時も兄さんははずがしがっていたよね」
「うん、そうだったね…」
その後も二人は雑談を続け、温泉を満喫した。元の世界に帰る方法は分からないがしばらくはこの温泉界を満喫するのも悪くない。二人はそう思っていた。
>クラウス・ブライト/セフィリアブライト「閉鎖都市:NEMESIS」よりご来場
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