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レンジャーズ~winner~ - (2010/05/19 (水) 15:43:56) の1つ前との変更点
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*レンジャーズ~winner~
マズルフラッシュ。そして銃声。
それらが連続して発生し、ヒトガタは次々と倒れて行く。
最初のミサイル攻撃によりほとんどは倒されたかと思われたが、実際は半数以上のヒトガタが生存している。
ヒトガタの放つ銃弾はレッド達の戦闘服を貫くには威力が足りなかったが、衝撃は伝達されダメージになる。
「いて……いてて!! やりやがったな! コンニャロメッタラ!! コンニャロメッタラ!!」
「本当に一部の人しか解らないネタを言うな」
「痛ぇんだよ!」
軽口をいいながら二人は進撃して行く。
通り道に残るのは、黒い死体だけ。
「こちらレッド。イエロー、敵の残数は解るか?」
《後は数匹だ。そこら辺に隠れてるな。気をつけろ》
「レッド了解」
あと数匹。
寄生探知センサーは確かに残り四匹と言っている。しかし周りにその気配は無かった。そして先程のイエローの報告。
確かに居る。身を潜め機を伺っているのだ。
「ブラック、ライオットで脅かせ」
「はいよっと」
ブラックは閃光音響弾の装填を脳内でイメージする。そしてそれを感知したライフルアタッチメントのグレネードガンは、幾つかの弾薬からそれを選び、装填する。
「ブラック、ライオット発射。うるせぇぞコレは!」
ポン と軽い音がする。そして目で追えるほどに緩い速度で発射された弾丸は地面に到着すると、凄まじい閃光と音で隠れた敵をいぶり出す。
「……こんなんで出てくるのかよ」
「ああ。出てくるさ」
白い煙が立ち込める。それは風に流されていき、真っ白い尾を空中に描き出して行く。
まだ異変は起きない。だが、レッドは感じている。それは徐々に、こちらへと接近してくる。
「……!」
「どうした?」
「跳べ! 真下だ!」
真下。その言葉通りだった。
レッドとブラックがパワードスーツの力を借り大きく跳躍した直後、二人が立っていた地面からは黒い刺が幾つも飛び出し、まるでヤマアラシの背中のような状態になった。
「こちらレッド。敵の残党を発見。……ヒトガタじゃない。イエロー、照会してくれ」
《もう終わっているぞレッド。たぶんそいつは練刀種だ》
「レッド了解」
レッドは冷静に答える。
たとえ相手が上位種であろうと、やるべき事は変わらないからだ。
「ブラック。弾はあるか?」
「ああ。たっぷりな」
「よし。やるぞ」
地面から伸びた刺はカエルの舌のように瞬時に引っ込む。そしてそれは、ゆっくりと姿を表してくる。
地面が大きく盛り上がる。その中心に皹が入り、そして巨大な、黒い固まりが土を吹き飛ばしながら雄叫びを上げて現れた。
形はヒトガタとそれほど変わらない。
しかし、その身長は五メートル程もあり、その手の指のはそれぞれがすべて二メートルはあろうかという刃となっていた。
「……なるほど。練刀ね。俺納得」
「納得してる場合じゃないぞ。撃て」
二人は同時に銃を構える。そして一斉に射撃を浴びせ掛ける。
「……って、おいおい!? 突っ込んでくるぞお構い無しかよ!?」
「左右に逃げるぞ。今だ!」
二人は左右に飛び、直後に練刀の刃が二人が元居た場所を叩き割る。
よく見ると練刀は何匹かの寄生の集合体というのが解る。背中や腹部に、明らかに人と同じ形の寄生がくっついている。
バイザーに表示されるセンサー反応も、そうだと言っている。
「ブラック、ライオット準備」
「何する気だ?」
「ちょっとアレ試してみるのさ」
「俺はオカルトは信じねぇんだ!」
「効果はある。合図したら撃て」
レッドは銃を下ろし、脳の中でイメージをする。それは、自分の拳で相手を葬り去るイメージ。
『電磁加速システムON』
『フィジカルアップ強化……。三十%プラス」
肉弾戦用の表示がバイサーに映る。だが、まだ足りない。何かが足りなかった。
レッドは目を閉じて、さらに深くイメージしていく。
そしてあるイメージを描ききり、レッドは叫ぶ。
「いいぞブラック! 撃て!」
「ったく! ブラック、ライオット発射!」
閃光が走る。練刀の視界は奪われ動きを止める。そしてその視界が戻り始めた時、練刀がうっすら見たのは跳躍し、目の前まで来ていたレッド。
その拳は、黒い影に包まれていた――
※ ※ ※
「始めてにしちゃいいんじゃないか」
「さーな。俺があんまり目立たなかったってのがな」
「よく言うぜ。あれだけ撃ちまくっておいて」
「お前は最後パンチでボス倒したじゃねぇか。つまんねぇな」
「愚痴は終わりだ。グリーンが迎えに来たぞ」
「へいへい」
過疎レンジャー最初の実戦は無事終わった。
二人が見上げる先にはベクタードノズルを作動させ垂直に着陸するファットクロウ。
太陽が二人を照らす。時刻は朝八時になる少し前。僅か二時間程の作戦だった。
意気揚々とファットクロウに乗り込み、イエローのあざといガッツポーズに応える。
そして機体の上昇と共に後部ハッチが閉まり、ここでようやく戦闘服とヘルメットを脱ぐ。
そして、レッドは「ふう……」と息を漏らした。
過疎レンジャーの戦いはまさにこれからだろう。
そして無限の宿命もまた、最終局面へと向かって行く。
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#left(){[[レンジャーズ~drop!~]]}#right(){[[]]}
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*レンジャーズ~winner~
マズルフラッシュ。そして銃声。
それらが連続して発生し、ヒトガタは次々と倒れて行く。
最初のミサイル攻撃によりほとんどは倒されたかと思われたが、実際は半数以上のヒトガタが生存している。
ヒトガタの放つ銃弾はレッド達の戦闘服を貫くには威力が足りなかったが、衝撃は伝達されダメージになる。
「いて……いてて!! やりやがったな! コンニャロメッタラ!! コンニャロメッタラ!!」
「本当に一部の人しか解らないネタを言うな」
「痛ぇんだよ!」
軽口をいいながら二人は進撃して行く。
通り道に残るのは、黒い死体だけ。
「こちらレッド。イエロー、敵の残数は解るか?」
《後は数匹だ。そこら辺に隠れてるな。気をつけろ》
「レッド了解」
あと数匹。
寄生探知センサーは確かに残り四匹と言っている。しかし周りにその気配は無かった。そして先程のイエローの報告。
確かに居る。身を潜め機を伺っているのだ。
「ブラック、ライオットで脅かせ」
「はいよっと」
ブラックは閃光音響弾の装填を脳内でイメージする。そしてそれを感知したライフルアタッチメントのグレネードガンは、幾つかの弾薬からそれを選び、装填する。
「ブラック、ライオット発射。うるせぇぞコレは!」
ポン と軽い音がする。そして目で追えるほどに緩い速度で発射された弾丸は地面に到着すると、凄まじい閃光と音で隠れた敵をいぶり出す。
「……こんなんで出てくるのかよ」
「ああ。出てくるさ」
白い煙が立ち込める。それは風に流されていき、真っ白い尾を空中に描き出して行く。
まだ異変は起きない。だが、レッドは感じている。それは徐々に、こちらへと接近してくる。
「……!」
「どうした?」
「跳べ! 真下だ!」
真下。その言葉通りだった。
レッドとブラックがパワードスーツの力を借り大きく跳躍した直後、二人が立っていた地面からは黒い刺が幾つも飛び出し、まるでヤマアラシの背中のような状態になった。
「こちらレッド。敵の残党を発見。……ヒトガタじゃない。イエロー、照会してくれ」
《もう終わっているぞレッド。たぶんそいつは練刀種だ》
「レッド了解」
レッドは冷静に答える。
たとえ相手が上位種であろうと、やるべき事は変わらないからだ。
「ブラック。弾はあるか?」
「ああ。たっぷりな」
「よし。やるぞ」
地面から伸びた刺はカエルの舌のように瞬時に引っ込む。そしてそれは、ゆっくりと姿を表してくる。
地面が大きく盛り上がる。その中心に皹が入り、そして巨大な、黒い固まりが土を吹き飛ばしながら雄叫びを上げて現れた。
形はヒトガタとそれほど変わらない。
しかし、その身長は五メートル程もあり、その手の指のはそれぞれがすべて二メートルはあろうかという刃となっていた。
「……なるほど。練刀ね。俺納得」
「納得してる場合じゃないぞ。撃て」
二人は同時に銃を構える。そして一斉に射撃を浴びせ掛ける。
「……って、おいおい!? 突っ込んでくるぞお構い無しかよ!?」
「左右に逃げるぞ。今だ!」
二人は左右に飛び、直後に練刀の刃が二人が元居た場所を叩き割る。
よく見ると練刀は何匹かの寄生の集合体というのが解る。背中や腹部に、明らかに人と同じ形の寄生がくっついている。
バイザーに表示されるセンサー反応も、そうだと言っている。
「ブラック、ライオット準備」
「何する気だ?」
「ちょっとアレ試してみるのさ」
「俺はオカルトは信じねぇんだ!」
「効果はある。合図したら撃て」
レッドは銃を下ろし、脳の中でイメージをする。それは、自分の拳で相手を葬り去るイメージ。
『電磁加速システムON』
『フィジカルアップ強化……。三十%プラス」
肉弾戦用の表示がバイサーに映る。だが、まだ足りない。何かが足りなかった。
レッドは目を閉じて、さらに深くイメージしていく。
そしてあるイメージを描ききり、レッドは叫ぶ。
「いいぞブラック! 撃て!」
「ったく! ブラック、ライオット発射!」
閃光が走る。練刀の視界は奪われ動きを止める。そしてその視界が戻り始めた時、練刀がうっすら見たのは跳躍し、目の前まで来ていたレッド。
その拳は、黒い影に包まれていた――
※ ※ ※
「始めてにしちゃいいんじゃないか」
「さーな。俺があんまり目立たなかったってのがな」
「よく言うぜ。あれだけ撃ちまくっておいて」
「お前は最後パンチでボス倒したじゃねぇか。つまんねぇな」
「愚痴は終わりだ。グリーンが迎えに来たぞ」
「へいへい」
過疎レンジャー最初の実戦は無事終わった。
二人が見上げる先にはベクタードノズルを作動させ垂直に着陸するファットクロウ。
太陽が二人を照らす。時刻は朝八時になる少し前。僅か二時間程の作戦だった。
意気揚々とファットクロウに乗り込み、イエローのあざといガッツポーズに応える。
そして機体の上昇と共に後部ハッチが閉まり、ここでようやく戦闘服とヘルメットを脱ぐ。
そして、レッドは「ふう……」と息を漏らした。
過疎レンジャーの戦いはまさにこれからだろう。
そして無限の宿命もまた、最終局面へと向かって行く。
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