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350 :創る名無しに見る名無し:2010/04/06(火) 14:21:13 ID:mbhGY+tl
忘れられない恩人
地底人:何だろう?上(地上)で物凄く大きな音がするよ?
きっと地上人だ、あいつ等また核実験でもしてるのか?
野蛮だなあ…地上人はいつまでそんな事をやってるんだ…
ごごご…ずずーん(大きな穴の開く音)
地上人:うわーい本当だ!凄いや!古代文献で見た通りだ!
やっぱり地底には地底人文明の世界があったんだ!
地底人:おやおやこれは珍しい!地上人の皆さん、団体で…
一体どうしたと言うのですか?
地上人:実は…
地上人は地上の世界で大戦争が起こり、その結果環境が破壊され危険で住
めなくなったので地底に逃げてきた事を地底人達に正直に話した。
地底人:そうですか…それは災難でしたね、どうぞどうぞゆっくりして
いって下さい、ここには自然も水も資源も時間も平和も豊富に
ありますからね…
そして地底人と地上人はお互い全く干渉する事も交流する事も無く、
地底での平和な時代が100年程過ぎたある日の事…
地底人:さあ、我々のテクノロジーで地上の汚染は全て取り除き
ましたよ~これで地上に戻る事が出来るでしょう!全て
の生態系を再生するのに100年もかかりましたが…
地上人:本当にありがとうございます!感謝します!
この恩は絶対に忘れません!では、さようなら!絶対忘れません!
…厄介な奴等がやっと居なくなってほっとした…と言う様な顔をして
地底人達は地上人達を見送る…
地底人:次は何世紀頃来るのかなあ?「絶対に忘れない」って言う位だ
から、ちょっと先の将来にまた来るって事か…つい12000年前
にも彼らは同じ様な事を言っていた気がするのだが…あー
本当に…さっさと忘れて欲しい…忘れない程に感謝されて
も嬉しく無いのは地上人位のものだよね(苦笑)
それまでに地底人達は、将来、押し寄せて来るであろう地上の難民達の
為の食料・住居・環境を完璧に整え、最終兵器の汚染を取り除き地上の
自然を完全に再生させる準備をしなければならないのだ…彼らとのトラ
ブルに巻き込まれるのだけは絶対に御免なのだから…
地底人:そろそろ別の星に引越したいなあ… 終わり
354 : ◆Qb0Tozsreo :2010/04/08(木) 13:19:43 ID:pySMyyHo
「キリギリスさん、どうぞ」
「うわっ!」
快くアリの巣の中に通されたキリギリスは、案内された倉庫らしき部屋に入ったところで驚愕の声を上げた。
あろうことか、そこには大量の食料の他に、目映いばかりに輝く宝石や金品が所狭しと並べられていたのだ。
「これって、もしかして……」
「こんな世の中ですからね。食べ物だけでは不安なのですよ」
「コガネムシさんの蔵に忍びこんだ盗人というのは……アリさんたちだったのですね!」
「そうです。そして、アナタをここに連れてきたのも……」「えっ?」
アリたちの視線は、キリギリスの手にしている年代物のバイオリンに釘付けであった。
356 :創る名無しに見る名無し:2010/04/08(木) 14:32:06 ID:MGSblrMq
最近あるサイトに投稿したものを投下してみる。
「完璧な金庫」
とある薄暗い店の中。
客は男を除けば一人もおらず、店員も店長を名乗る初老の男がいるのみだった。
壁には無機質な灰色の金庫が所狭しと並べられており、箱にはダイヤルやら鍵穴やらその他よく分からないものがごちゃごちゃと引っ付いている。
「死んだ親の家を整理しているとタンスの底からかなりの量の札束が見つかったのだ。
あれだけの金を扱うとなると少々面倒なのでね。
しばらく保管しておきたいのだが、いいものはあるかね?」
男は周りを見渡しながら店長に聞いた。
男の目にはどれも似たような金属の箱にしか見えなかった。
「もちろんございますとも。
お客様は運がいい。
売り切れ続出の新製品を昨日仕入れたばかりでして。
ご覧ください」
店長が連れて行った先には他よりも少し大きめの金庫があった。
扉には鍵穴はなく、代わりにパネルのようなものが取り付けられている。
「ふむ、これは他のものとどう違うのだね?」
「これは最先端の技術とアイデアを総動員して作られた最高の金庫ですよ。
いかなる手段を講じようとも持ち主以外の者がこれを開けることは不可能です」
よほど商品に自信があるのであろう、説明する店長の顔は子供のように得意げであった。
「まず重さ。960キロ、つまりほぼ1トンの重量を誇り、人間では何人がかりであろうと持ち運ぶのは不可能です。
お買い上げいただいた際には特殊な機材で運び込みますので置く場所は慎重にお決めください」
「しかし私が開けられる以上他の人間に開けることも可能なのではないのかね?」
「そんなことはございません。
まず、この金庫では鍵の変わりに指紋、声紋、血液によるDNAチェックという3つの照合方法を採用しております。
指紋はシリコンで精巧に偽造することが可能ですが、生体電流を感知することでそれを防いでおります。
声紋の照合システムも最先端のものであり、録音等の手段では決して破ることはできません。」
「それだけなら他の金庫でもできそうなものだが」
「ここからがこの金庫の素晴らしいところなのですよ。
金庫に金品を保管する場合一番怖いのは強盗です。
いかなるセキュリティでもナイフや銃で脅されて開けさせられてはどうしようもありませんからね。
そこで、血液の照合がものをいうわけです。
この金庫では血液で単にDNAを照合するわけではありません。
血液中の分泌物から持ち主の精神状態を分析し、現在の状況を完璧に読み取り、最善の行動をとるようプログラムしてあります」
「ほう、たとえば?」
「血液の分析の結果恐怖の感情が読み取れた場合、強盗に入られたものと判断します。
金庫の中身を内部で格納し、代わりに宝石を置きます。
宝石には発信機が仕込んであり、もし犯人が宝石を持ち帰れば確実に捕らえることができます」
「しかし犯人がそんなに間抜けとは限らんだろう」
「もちろんです。格納された中身に気付き無理やり開けようとした場合、催眠ガスを噴出します。
また、持ち主が宝石の裏のパネルに触れることでも作動します。
これは無理やり開けるよう脅された場合に使用してください。
それでもなお無理やり開けようとしたり持ち運ぼうとした場合高圧電流が流れます。
くらえば半日は起きないでしょうね」
「なるほど、それならば安心だな」
「はい。また、分析の結果焦燥の感情が読み取れた場合、指紋、声紋の照合なしで金庫が開きます。
急いでいるときは一分一秒が惜しいですからね」
「ふむ、なかなか気が利いているな」
「もちろん完全防水、耐熱、耐圧構造ですから津波が襲おうと火事になろうと地震が起きようと問題ありません。
センサーで衝撃が人為的なものかどうかを判断しますので、地震の際に催眠ガスが出るようなこともありません」
「素晴らしい。まさに完璧という言葉がふさわしいな」
「そうでしょう。気に入っていただけましたか?」
「ああ。これで安心して金を保管できる。
買わせてもらうとしよう。いくらかね?」
「5億2000万円でございます」
「なんだと? 冗談だろう。
5200万の間違いではないのか」
「いいえ、5億2000万円でございます」
「ふざけるな。それでは金庫代だけで金のほとんどが消えてしまうではないか。
たかが金庫にそんな金をかける奴は頭がおかしいに決まっている」
「しかしほとんどのお客様は喜んでくださいますよ。
需要に供給が追いついていないのが現状ですから要らなくなった方の金庫は5億で買い取らせていただいているほどです」
「それは本当かね? きっかり5億で?」
「はい。注文は増える一方ですのであまり贅沢は言っていられませんから」
「……気が変わった。その金庫、やはり買わせてもらうことにするよ」
「本当ですか? お買い上げありがとうございます」
その日の夜、金庫が家に届いた。
タンスの中の金がごっそり持っていかれるのを見ても男は満足げだった。
「まったくいい買い物をしたものだ。5000万の金庫を買うよりよほど良かった。
税金で国にぼったくられるくらいなら2000万の差額など安いものだ。
どいつもこいつも考えることは同じということだな」
359 :灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/08(木) 18:01:59 ID:xMXG/ecp
『見たものを話す難しさ』
未来予知が得意な超能力者がいた。
大雑把な予言をする者はいつの時代にもいるが、彼は未来の細部まで事細かに予言を当てる。
未来がわかるというよりは、視えるという感じだった。
そんな彼があるとき未来を視ていると、逆に未来からこちらを視ている者を見つけた。
案外時間の流れに逆らう過去視はとても難しい。
未来を見通せる彼でも過去は上手く視えないので
未来にはすごい超能力者がいるんだなあ きっと有名な超能力者なんだろう、と思った。
そこから200年先の未来。過去を視ている男がいた。
予知能力者の思った通り彼は過去視の超能力を得意としていた。
だが、有名にはなっていない。
視てきた過去の大きな出来事を話しても 歴史をよく勉強してますね、と言われるし、
歴史に残らないような些細な出来事を話しても、確認ができないので超能力で過去を視た証明にならない。
男が超能力者として有名になろうとしたら、考古学者か遺跡の発掘者にでもなることから始めないといけないだろう。
366 :素晴らしい発明:2010/04/10(土) 03:48:39 ID:tXrW4+hh
ある日、スパイの青年がボスに呼び出された。
「A国のエヌ博士が、何やらすごい発明を完成させたという情報が入った。君はうちの組織でも特に優秀なスパイだ。どうにかして、うまいことその発明を盗んでくれないか」
「お任せください、ボス。必ずや持ち帰ってみせます」
スパイの青年は驚くべき手際で、その日の内にエヌ博士の研究所に忍び込んだ。
屋根裏から部屋を覗くと、エヌ博士は助手と一緒に機械の前で、最後の調整を行っているところだった。
「よし、これで完成だ。君、早速試してみなさい」
「はい博士。ところで、一体何を作りましょうか」
エヌ博士は少し考えると、冷蔵庫から様々な食材を持ち出してきた。
「この機械は材料さえあれば、念じるだけで思い通りの物を作ることができる画期的な機械だ。材料さえあれば、君に新車をプレゼントしたいところだが、今日のところは豪勢な食事で機械の完成を祝おうじゃないか」
「では早速、乾杯のお酒を」
助手がグラスを片手に、機械に手を乗せて念じると、食材の中からブドウと砂糖が消えて、一瞬の内にグラスにシャンパンが満たされた。
「凄い。材料さえあれば発酵や調理の手間を一気に抜かして、シャンパンが出来ました! 博士、発明は成功ですね」
「うむ。材料が足りなかったかな。少し味気ないが、上出来だ。さぁ、次は食事だ。じゃんじゃん作ってくれたまえ」
これは凄い! あれさえあれば、材料を揃えるだけで、技術力の有無に関係なく様々な物を量産できるではないか。スパイは懐の銃に手をかけると、無理矢理にでも奪う決意をかため、屋根裏からそっと照準を定める。
「ところで博士、安全装置は万全に働いているでしょうか」
「うむ、何度も確認したから大丈夫だ。ちゃんと、私と君は材料と認識されないようになっている」
「なら安心だ。ではぶ厚いステーキを作りましょう」途端に空の皿に焼きたてのステーキが出現する。付け合わせのフライドポテトまで完璧である。
「おや、おかしいな。牛肉が減ってない気がするが……」
368 :創る名無しに見る名無し:2010/04/10(土) 08:11:56 ID:tXrW4+hh
ありがとうございます。
眠れないので、もう一本だけ。少し弱いかも
『マナー』
人類が地球を離れてから何年が過ぎただろうか。かつての地球人は宇宙を漂流し、居住可能な惑星を探していた。
「隊長、ようやく件の惑星が肉眼で確認できる距離までやってきましたね!」
「うむ。しかし事前調査によれば、どうやらかの惑星には文明があり、知的生命体が存在するようだ。
幸い、文明レベルは我々の方が遙かに高いから、問題はないが、なるべくなら穏便に交渉を進めたいものだ」
「そうですね。では、あれを準備しておきます」
隊員はそういうと、翻訳機を備品室から持ち出してきた。
この翻訳機は高性能で、言語を用いた会話はもちろんのこと、身振り手振りを用いたボディランゲージまで翻訳してくれるのだ。
「よし。他の交渉の準備は私が行っておく。
最悪、戦闘になるやもしれん。そちらの準備は任せる」
「了解しました」
やがて、宇宙船は惑星へと着陸した。翻訳機のおかげもあって、惑星で一番有力な国の代表者と交渉できることとなった。
「ようこそ、我が星へ。我々はあなたがたと敵対するつもりはありません。ただ、よろしければあなたがたの来訪理由をお尋ねしたいのですが」
翻訳機はスラスラと相手の言葉を訳してくれる。
隊長はそれを受けて、こちらも友好的な態度で接する。
「はじめまして宇宙の友よ。私たちも争うつもりはありません。
私たちはあなたがたと平和的な交渉を求めています」
「平和的な交渉であれば、もちろん歓迎です」
どうやら相手方は、かなり友好的だ。しかし、思っていた以上に文明レベルが高く賢いようで、うまく交渉を進めないと、裏をかかれる恐れもある。
隊長はそっと隊員に耳打ちした。
「ボディランゲージの方も絶対に見逃すんじゃないぞ。特に相手が不快だとサインを出していたら、注意しろ。
文化の齟齬が思わぬ争いを生むこともある。知らず知らず、マナー違反な態度を取ってしまっていたら、厄介だ」
隊員は静かに頷くと、翻訳機に注意を向ける。
「では我々の目的をお話ししましょう。我々は、遙か遠い地球という惑星から……」
話の途中で隊員が、肩を叩いてきた。
早速、何かマナー違反を起こしたのかもしれない。隊長は隊員に顔を向ける。
「いきなり不快のサインが出たか。一体、私たちの何が気に障ったんだ」
「ただいま詳しく解析中です。まさかこんなに早くサインが出るとは」
翻訳機が相手の微細な動作や表情から感じ取った意味を解析して表示してくれた。
『こいつ口臭いな』
373 :創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 18:57:44 ID:GKAv0fZE
海
ある夏の日、青年は仲間達と海水浴に向かう事にした。
青年が海に着くと、既に仲間達は来ていて、泳ぎ始めてる者までいる。
気持ち良さそうに泳いでる仲間を見て、青年は体操もせずに海に入る事にした。
「気を付けろよ!!今日は波が穏やかじゃないみたいだからな」
泳ぎに自信のあった青年は、仲間の忠告を無視して、海に入った。
しばらくすると、仲間の一人が海の中でジタバタしているのが目に入った。
「どうしたんだ?」
「どうやら、何かが足に絡みついたらしい。悪いが取ってくれないか?」
青年は、海に潜り仲間の足に絡みついている、黒い物体を取ってやった。
「痛っ」
友人と買い物に来ていた美しく長い髪を持つ女は頭に手をやり、痛みの原因を探った。
「どうしたの?」
「ノミよ。昨日、ウチのの犬にブラッシングをしていたら何匹かが私の髪についたみたい」
375 : ◆Qb0Tozsreo :2010/04/13(火) 12:00:26 ID:uGMMnqrt
『スパイ』
俺は企業スパイ、伊達春彦。F社に入社し、ライバルのN社に情報を流す使命を授かっている。
F社には、スパイであることを感ずかれないよう、細心の注意を払いながらごく普通に仕事をこなしていた。小さな情報など必要ない。ライバルであるN社にとってより重要な情報を提供すれば、それだけ報酬も跳ね上がる。重要な情報を入手すべく着々と昇進を重ねていった。
そして入社して二十五年の月日が流れ、ついにはF社の社運をも左右する重要な役職まであと一歩という地位まで昇りつめた。インターホンが鳴る。人事部長からの呼び出しだ。きっと昇格の内示であろう。
「伊達さんもご存知でしょうけれど、我が社は業績が芳しくなく……」
きたきた、思っていたとおりだ。俺に立て直してくれということだな。
「我が社が生き残っていくためには……」
そうだとも。俺の力が必要なんだろう?
「大変申し上げ難いことなのですが……」
さすがに、いきなり社長っていうのはな……。どうせ常務か専務なんだろう、この際どっちでもいいぞ。
「今月いっぱいで……」
来月からということだな。引き継ぎもあるだろうから致し方あるまい。
「退職していただきます」
な、何?! それって、もしかして……。
「リストラということです。先ほど同業のN社も倒産してしまいましたし、我が社としてもこうするしか方法はなく……」
378 :灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/16(金) 01:42:50 ID:/TJ09nTf
『エコな研究』
エフ博士の研究室で、自動演奏装置が管弦楽団のアンサンブルを響かせていた。
「うむ。正常に作動しておる」
単なる演奏装置の動作を、エフ博士がわざわざ確かめていたので、助手が聞いた。
「すでに自動演奏をする装置はたくさんあります。なにか新しい機能でも加えられたのでしょうか」
「いや、機能は従来のものと同じにした」
「ならばこんなにたくさん自動演奏装置を作ってどうされるのです」
「前回作ったのと今回のを見比べてみてくれ。新しいほうが一回り小さくなっているが、もし性能も違っていたら
音色でわかる。つまり、自動演奏装置こそ性能を落さずに機械はどこまで小型化できるかの研究対象に適しているわけだ」
そこまで聞いて、助手はようやくエフ博士のしていることがわかった。
「なるほど。機械を小型化する研究ですね」
「そうだ。研究が進めばさまざまな機械が小型化できるようになり便利なはずだし、なにより限りある環境資源を有効に使うことにもなるだろう」
それから日数をはさんだ後、研究室の音楽が止まって研究が実を結んだ。
エフ博士は技術を売り込み、小型化されたさまざまな機械の大量生産が始まった。
普及率も好調で人々の関心は小型機械に集まった。
だが、小さくなった分、故障しやすいとの声も上がった。
また、一度故障すると機械が小さすぎて、限られた工場でしか修理できないのもネックとなった。廃棄も多くでた。
急遽エフ博士は小型機械専門の修理用機械を開発した。もちろん小型で。
そしてそれを販売するころには、小型化された機械は費用がかさむものとの常識ができて、エフ博士の小型機械を使うのは富豪ともの好きだけしかいなくなった。
研究所内で助手が言う。
「小さくても丈夫な機械を作る研究をされてはどうでしょう。長く使えればエコになります」
しかし、博士の考えは別の所にあった。
「そもそも機械を小型化すればエコになると考えたのが間違いかもな。これより研究内容を変えるぞ。どう考えても人間を小さくした方がエコだ」
382 :創る名無しに見る名無し:2010/04/17(土) 01:47:03 ID:xQbBwfWn
》373
それは確かジョークじゃないかな。
ノミのジョーク。
マイアミに住む女性の飼い犬にくっついていたノミは、都会に行きたい、と願った。
次の日、マイアミにいたはずのそのノミは、ニューヨークにいた。
何故か、男のヒゲにくっついていた。
384 :創る名無しに見る名無し:2010/04/22(木) 17:28:53 ID:9tVI6NRq
電話番号
S氏はあるホテルの一室で目覚めた。
「はて、ここはどこだろうか。」
ドアに寄って、開けようと試みるが、外から鍵がかかっているらしく開けられなかった。
あたりを見回すと、テーブルに電話機が置いてあった。
早速ベットから抜け出し、電話を掛けようとする。
「ホテルの受付の番号は・・・・・・」
と、そこでS氏は考え込んでしまった。
受付の番号どころか、自宅の電話番号すら思い出せないのだ。
部屋をもう一度見渡し、受付の番号がどこに書かれているかを探すが、見つからなかった。
やがてS氏は電話するのを諦め、更に部屋を詳しく探索してみる。
しかし、棚などの家具はあっても外部と繋がっているのはあるのは机に置かれた一台の電話のみ。
仕方なく、S氏はもう一度電話番号を思い出そうとした。
「・・・・・・だめだ、検討も付かない。いや、何故こんなところにいるのかすら分からない。誰か、早く出してくれ・・・・・・」
隣の部屋でN氏は、声を聞いて呟いた。
「新入りか。電話番号など思い出す必要はないのに。
じきに薬が切れれば、そこが刑務所の一室だということが分かるだろう。
しかし、こんなことで罪が軽くなるんだったら安いものさ・・・・・・」
386 :創る名無しに見る名無し:2010/04/22(木) 22:02:37 ID:6ToUFVeH
未来へ
「これで完成だ」
研究室に籠もりっきりだったエヌ氏は、嬉しそうに声を挙げた。
完成した代物は、腕に付ける型をしていて、この機械で先の時代にいける、夢の様な機械なのだ。
エヌ氏が完成した機械をいじっていると、部屋の中にエヌ夫人が入ってきた。
「あら、あなた。また部屋に籠もって。いい加減、なにか仕事に就いたらよろしいのに」
「ああ、そうだね。今から出掛けようとしていた所なんだ」
エヌ氏は、機械を腕に付けて外にでた。
先の時代に行く為には、この機械にエネルギーを込めなければいけない。そのエネルギーは、腕時計を装着した人間が走ればこの機械に自動的に溜まる仕掛けになっている。
「この大きな城の周りを走れば、この機械に、先の時代に行けるだけの力が溜まる筈だ」
エヌ氏は早速走り出した。走りながらも、自分が辿り着く未来はどんな所なのか、妄想した。
勿論、不満もあった。エヌ氏の作った機械は、未来に行く為のもので、過去には戻れない。この時代にある部品ではどうしても過去に行ける機械を作れなかったのだ。
三周程走ると、機械にエネルギーが溜まり電子音が鳴り響いた。
「よし、いよいよ先の時代へ行けるぞ……」
電子音が鳴り止むと、自動的に未来へ行ける様になっている。
体に凄まじい圧力が掛かり、大きな衝撃音と共に、エヌ氏はその時代から姿を消した。
「はぁ……はぁっ……この時代はなんてところだ」
未来に付いて三日が過ぎ、エヌ氏は困り果てていた。
この時代の人間達はエヌ氏の姿を見かけると、時折凄まじい光を放つ小さな箱型の機械で、エヌ氏を狙ってくる。
更に、飛んだ国も間違えたのか、この時代の人間達は腰に刀を差していない…。
エヌ氏の様な、丁髷姿の人間等、一人も居ない。
「もう未来なんてこりごりだ…誰か、過去に行ける機械を作ってくれ」
その時、エヌ氏が腕に嵌めている機械が電子音を鳴らし始めた。
やがて、その音も鳴り止み……
391 :創る名無しに見る名無し:2010/04/23(金) 11:02:21 ID:cQCIsXZS
高等言語時代
L氏:ちちんぷいぷいー
M氏:何をやってるのですか?
L氏:ちちんぷいぷいぷい~
M氏:…???
L氏:別に何も考えてませんよ?
M氏:今日は土曜日でしたね
L氏:私、明日土鍋を買うんですよ
西暦2XXX年、脳科学と機械工学と先進医学の発達によって人間のコミュニケーション能力
は格段に発達・進歩した。たった一つの単語で相手のこれから言わんとする事や心の内に
秘めた思いを相手に直接に口で言ってもらうまでも無く、かなりの確率で推測する事が可
能となったのである。だがしかし、ごく稀にではあるが…
L氏:イリオモテ山猫が先月絶滅しましたよね、
M氏:ええ、月のクレーターでキノコの栽培が始まりましたよね。
L氏:いいえ、そうでは無く…
M氏:あーじゃあ、プルトニウム電池が切れたんですよね、自家用ヘリの。
L氏:いえ、別の話です、自家用ジェット機を買い替えたんです。
M氏:へ?ヘリじゃ無いの?第9合唱じゃ無くて?
L氏:ええ、だから自家用ジェットです…今のはそのままの意味です、僕は高等言語はどうも苦
手なもので…
M氏:くっ来るな~人殺し~
L氏:ちょ、ちょっと!今のは普通の意味ですってば!
M氏:50人も殺したのか!?
L氏:あわわ・・・(どうしよう?完全に誤解してる…こういう時なんて言ったらいい?)
M氏:この宇宙人め(あれ?この人なんか誤解してる??明日飲みに行こうって言ったんだけどなあ…)
400 :『地球空調機』:2010/04/24(土) 08:08:11 ID:Uvc89Sdc
「みなさん、これは私が発明した『地球空調機』です。この機械は地球規模で空調が行える装置なのです」
博士の演説を聞く観衆の一人が手を挙げた
「博士、その機械はいったいどんな働きをするんですか」
「この装置を作動させれば地球の大気を取り込んで浄化し、大気を完全な状態に保ってくれるのです」
博士に対して、観衆は口々に言った。
「大気の割合を保つのか?」
「排気ガスに汚れた空気もきれいになるのかい?」
「空気の温度を調整して温暖化も防げるのか!」
「穴が開いたオゾン層を再構成してくれるとか?」
博士は顎髭をさすりながら、装置を叩いた。
「えぇ。全てはこの装置が解決してくれるでしょうな。なにしろこの装置にはスーパーコンピューターが内蔵されています。地球の状態を自動的に考え、地球を最も良い状態に保ってくれるのです」
観衆から歓喜の声が上がった。人間はみな大気汚染や温暖化に頭を痛めていたが、もうそんな心配はしなくていいのだ。
観衆の拍手喝采の中、博士は装置のスイッチを入れた。
翌日、森の中では草木が風に揺れ、昆虫たちは宙を踊り、動物たちはみな木ノ上や地面を楽しそうに走り回っていた。
そして人間は一人残らず死んでいた。
401 :創る名無しに見る名無し:2010/04/24(土) 19:40:34 ID:SBYcH6Yi
自分勝手な人びと
地球に、シバ星からの移住民がやってきて半年以上の時が過ぎた。
シバ星の住人達は、地球へと移住する際に様々な発明品を持ってきて、それらの機械は全て地球人から重宝された。
特に地球人が重宝していたのは犯罪行為に手を染めそうな人間を自動的に機械が認知し
犯罪が起きる前に特殊な電磁波を放って、その犯罪思考を抑制してくれる機械だ。
この機械は、地球の全地域で使われ、地球上の犯罪率は1%を軽く下回っていった。
「いや~あなた方は非常に素晴らしい文明を持っていらっしゃる。
我々からしたら、羨ましい限りです」
地球代表の男が、シバ星人が持ってきた通訳機械にそう話すと、シバ星人代表者からの返事が返ってくる。
「我々も、地球で暮らす事が出来て良かったです。この地球の空気は非常に美味しい」
「しかし、何故あなた方は我々の地球にやって来られたのですか?
これ程の文明をお持ちなら、どんな問題も解決出来そうなものですが…」
「ええ、実はあの犯罪抑制装置が問題でして……あの機械はどの星に移住しても重宝されるんですが、人の汚い犯罪思考を取り除いてしまうとあの機械からは生物にとって極めて有害な毒素を放出してしまうんです」
「何……?ちょっと待ってくれ!!あの機械は、地球の全ての地域で使われているんだ……もしその話が本当なら……」
「はい、地球の環境は既に前と変わってしまっいました。
我々も直ぐに移住の準備をしなくてはなりません」
そう言うと、シバ星人は小型のリモコンを操作した。
数秒も立たない内にシバ星人と男の前に円盤が現れた。
「それでは、私達はこれで」
そのシバ星人の身勝手過ぎる行動に、男は腹をたてた。
「いい加減にしてくれ!悪いが、その宇宙船には私が乗らせて貰います」
男が立ち上がり、シバ星人の元に歩み寄ろうとすると、男の脳髄に電流が走った。
「本当に地球は良い星でしたよ。それだけに、危険思考の身勝手な人が多いのは残念だ」
宇宙に佇む船の中で、甲殻に覆われたエビの様な姿のシバ星人達は地球を眺めた。
「やれやれ、せっかく良い星を見つけたと思ったんだがな」
「全くです。半年ごとに惑星の移動をする我々の身にもなって貰いたいものですね」
赤く染まった地球を一別し、シバ星人は次に住む星へと宇宙船を進めた。
非常に澄んだ水の中でしか生活の出来ない彼等の肌には、今の濁りきった地球の水はあわないのだ
405 :灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/26(月) 18:13:25 ID:Q0a8HP6b
エフ博士の研究所で、エフ博士がフラスコを意味ありげに見つめていた。
「よし。新しく完成したぞ」
「おっと。ちょうどいいところだったようだな。そいつをこっちに渡せ」
突如現れた侵入者が落ち着いた声で無茶をいう。
しかし急なことにもかかわらずフラスコを持つ側も落ち着いたもの。
「いいだろう。だが別に売ればもうかるということはない。むしろおいしいから飲んだらどうだ」
思いのほか話がすんなり通ったのでこれには侵入者が逆に戸惑ったが、なぜか引けない気がして、フラスコを受け取る。
今まさに博士から開発されたばかりの液体が侵入者に手渡された瞬間、手の空いた博士が侵入者を羽交い絞めにして捕まえた。
「そんな。エフ博士が発明品と関係なく柔術を使うなんてそんなのずるい」
「まあまあ、そう言うな。」
たまにはこういうのもありじゃないか、たまには。
博士はめずらしさを強調した。
「さっきお前はちょうどいいところだったようだと言ったが、それは正しい。
なぜなら今日はある掲示板のあるスレッドがたってちょうど半年だ」
そう、今日である掲示板のあるスレッドは半年なのだ。
「なんだって、今日が・・・」侵入者は急に自分の過ちを恥ずかしがり、涙した。
「まあそう悲観することはありませんよ。みんな仲良く暮らせる方法を残しましたから」フロル星人が肩をたたく。
「あなたはメロンライス、ガムライスならどっちにします」「おーい でてこーい」
エフ博士の研究所にはどこにいたのかゼーム氏、ケイ、服を着たゾウ、地球から来た男、何もしない装置、マスコット、レラン王その他大勢がぞろぞろと集まってきて・・・・・・
409 :暗闇発生装置:2010/04/29(木) 01:30:15 ID:66vIk0Rr
エヌ博士はある機械を完成させた。
「どうだね、すばらしいだろう。この機械でどんな暗闇でも作り放題だ」
「ですが博士、闇など何に使うんです?暗くて何がいいんですか」
一応見に来た商社の社員は乗り気ではない。
「なんだね、君にはこの素晴らしい機械の意義が分からないのかね。
この機械の中心部にある吸着質の繊維が光を吸い付ける。すると暗闇が物質化する。一緒に音も吸着する機能や音楽演奏装置を付け安眠装置に、または開放的なプラネタリウムに。どうだね。空中に物質化した暗闇は回収装置システムもいっしょに入っている」
エヌ博士の説明に社員はやっと装置のすばらしさを理解し、世界中で売り出した。
目新しい暗闇発生装置はプラネタリウムや遊技施設で売れた。
しばらくして社員が困り顔でやってきた。
「博士、この装置は素晴らしいのですが、機械が大きすぎると言うのです」
エヌ博士は、
「なんだ。それは良いところに来た。ちょうど小型化に成功したところだ」
と、言った。社員は喜んでそれを持ち帰り、また世界中で売った。
こんどは小規模な集会場や家庭用シアターで使うために売れた。
また商社の社員がやってきた。
「博士、この暗闇の規模を小さくできませんか」
「なに、それは……出来ないこともないが」
「ぜひお願いします」
エヌ博士は完成させた小規模な暗闇発生装置を社員に渡し、念入りに注意をした。
「くれぐれもこれ以上暗闇を小さくしてはならん」
しかし商社の社員はろくに注意も聞かず機械を持ち帰り、設計図よりも小さな小さな暗闇を世界で同時に売りに出した。
新しく発売された機械を買った人々が、世界中で機械を起動し、小さな小さな暗闇がひょいと人々の目に飛び込んだ。
411 :どっかのななし(257・260):2010/04/30(金) 18:09:39 ID:sA82X3Rk
かなり遅れましたが、灰色埜粘土さん、ありがとうございます。
中学時代の作品をもう一つ。
夢
その男は悪事を重ねて大金を儲けていた。
しかし、最近それが発覚しそうになり、外国に逃亡しようと思い立ったのだ。ここは飛行機の中。
「よし、もうすぐ外国だ。母国を捨てるのは心苦しいが仕方がない。新天地でまた金を儲けるとしよう」
しかしそうもいかなかった。何かのトラブルか、機体が大きく揺れた。アナウンスによると、助かる確率は、ごくわずからしい。
「わたしももうお終いか。今までの天罰でも下ったのだろうか」
飛行機は山脈にぶつかり……。
そこで男は目が覚めた。
「何だ、夢だったのか。それにしてもリアルな夢だった。しかし、わたしが悪人だとはな」
その男はある大企業の社長だった。彼はこの上なく善良で、正義感溢れる人柄だった。
「普段の反動で、このような夢を見るのだろうか」
男は服を着替え、朝食をとってから、出勤のため家を出た。
その時、後ろから声がした。
「おっと、動かないでもらおう」
「だれだ」
「殺し屋さ」
大企業の社長ともなると、殺したいとひそかに思っている者も少なくない。
「あばよ」
わたしももうだめか。弾丸が、男の心臓をつらぬく……。
そこで目が覚めた。
「なんとまたリアルな夢だ。しかし社長とは」
その男は犯罪者。殺人を犯してしまい、もう数時間とこの世にいれないのだった。
「いつの間に寝ていたのだろう」
そして、処刑の時。
「何か言い残す事はないか」
「ありません」
そして男は死んだ。
そこで、目が覚めた。
ここは飛行機の椅子でも、豪華なベッドでも、牢屋の中でもなかった。
機械的なベッドの上に、男は寝ていた。
いままでの夢はこのベッドが見せていたのだった。新しく開発された、リアルな夢を見せる機械。
しかし男は起き上がろうとしなかった。
これが夢でないという証拠はどこにもないではないか。
413 :創る名無しに見る名無し:2010/04/30(金) 22:47:28 ID:LF9/EMGF
地球回復期
―
愚かな人間どもよ、よく聞け、私は創造神である。私は人間どもの振る舞いに憤っている。
今日、地球上の生物種を数えてみたところ、人間どもが誕生する前に数えた時と比べて、かなり多くの生物が絶滅していることが明らかになった。
その多くは人間どもの仕業だ。この私が創造した多様な生物たちが、貴様らのせいで次々と絶滅している。
せっかく私が長い年月をかけて作り上げてきた多様な生き物たちをこれ以上絶滅させることは許さん。
よいか、私は今から一回り四季が巡った後、もう一度地球上の生物を数える。その時に、もし貴様らのせいで絶滅した生き物を一種類でも見つけたら、貴様ら人間を地球上から消してやる!
―
全世界の人間が同時に同じ夢を見たことにより、世界はパニックに陥った。
あと一年の間に一種でも生物が絶滅すれば人間が滅んでしまうかもしれない。全ての国は紛争や争いを中断し、一年後の世界へ向けて、全世界手を取り合わせての環境保全事業をスタートさせた。
世界中の学者が集まり、国際会議が行われた。
「しかし、一体どうすればいいんだ?」
「環境汚染をする先進国はそれらの原因を根本から解決するべきだ」
「だが、それだけで本当に、一年後までに動物の絶滅を防げるのか?」
そう言っている最中、会議に立ち会っていたK国の大統領が宣言した。
「森だ! この地球上からは毎日森が減っていき、砂漠が広がってきている。このままでは森に住む生き物たちは死滅してしまう! ただちに砂漠の緑化計画を!」
全人類が手を取り合った大事業は滞りなく進み、砂漠は次第に緑化されていき、環境問題も次第に解決していった。
もうすぐ神のお告げから一年が経とうとする頃には、空気も水も澄み、さらに大統領の宣言通り、あれほど拡がっていた砂漠はみな森へと姿を変えていた。
そして一年後、再び神のお告げが人間の夢に現れた。
―
愚かな人間どもよ、私は憤っている。一年前の警告を無視したのだな?
今、私が地球を巡ってみてみれば、なんと驚いたことに、荒涼の砂漠という領域に住む多様他種な生物が根こそぎ絶滅しているではないか。
私はもはや我慢も限界。これ以上生物を死滅させる気でいるのならば、お前たち人間を滅ぼしてやる!
―
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