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*ラノベっぽく書いてみた

 651 :ラノベっぽく書いてみた:2009/06/23(火) 16:01:11 ID:fRmmG1qA

簡易机に乗った女の生首がやけにはっきりと発音した。 
「第203ドラゴン大隊第3中隊、出撃準備完了いたしました」 
その頭はスキンヘッド。目は縫い付けてある。 

それに答えるのも、女の声だった。若い女の甘い声。 
「うん。思ったよりも早かったわね。トロル部隊は?」 

しばし沈黙。 

「到着目標地点まであと20分ほどかかると、ゾガル族長はおっしゃっています」 

「じゃあ待つわ」 

そう答える女の顔を見ると、天使のように美しかった。 
いや、まさに天使そのもの。 
プラチナブロンドの髪、サファイアブルーの瞳、そして背中の羽。 

違和感を感じるとすれば、背中の羽が真っ白でなく、真っ黒なこと。 

「相変わらず、お美しい」 
と彼女の美を称える不死の参謀に、血よ、と娘は答える。 
元天使の子孫である彼女には自明の話だ。自惚れはない。 
しかし、それを説明することで自分の立ち位置を再確認出来る。 

「しかし、今回はドラゴンによる航空支援があるとはいえ、森は奴らのエリア。森のエルフは神出鬼没ですぞ」 

「しかし、夜は我々の時間。対ゲリラ線のノウハウも掴んできている。そして何よりも、連中が"抜け道"として利用している人間の王国は我々が滅ぼした」 

「それほどあの古代遺跡の力が欲しいのですか?」 

「茶化しているつもり?私が欲しいのは平和。人間は異常気象を我々のせいにしたし、我々の話を聞くにはエルフは頑固すぎたということよ。原因がアレだって、何回説明したのやら。全く、コミュニケーション不全の独善主義者たちに魔王の呪いあれ、だわ!」 

「我々も彼らのことは言えませんが」 

「全くね。理解したくても出来ない。考えてみれば哀れなものね、彼らも我々も。"坊や"は?」 

そりゃもう良くお休みですよ、と参謀は言って、パチンと指を鳴らした。 

中空に映像が浮かび上がる。 
豪奢なベッドにスヤスヤと少年が寝ていた。本を腕に抱いている。 
表紙には大きく、「戦略シミュレーションゲーム!ダークプリンセス攻略本」という文字が日本語が見えた。 

〈了〉

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