蒼髪の守護者 ~隣人の来訪~
124 :蒼髪の守護者:2010/02/07(日) 09:41:33 ID:KtWA9V5V
「ふう」
椅子に座っていた女性はため息をついた。
まさか携帯の規制がこれほどまでに過疎を進行させるとは、迂闊だった。だからといって彼女には為す術も無いのだが。
「あ、レスついてる」
彼女が続きを書いたSSの、作者からの感謝の言葉だった。曰く、あなたのお陰で次の展開が次々と浮かんで来ました、と。それを見て彼女は穏やかな微笑みを浮かべた。
「ふう」
椅子に座っていた女性はため息をついた。
まさか携帯の規制がこれほどまでに過疎を進行させるとは、迂闊だった。だからといって彼女には為す術も無いのだが。
「あ、レスついてる」
彼女が続きを書いたSSの、作者からの感謝の言葉だった。曰く、あなたのお陰で次の展開が次々と浮かんで来ました、と。それを見て彼女は穏やかな微笑みを浮かべた。
「調子はどうです、発子さん」
ムッとして振り向くと、そこにはやはり創作文芸板の守護者がいた。この板の魔王と二人、彼女の嫌う存在だ。
「その名前で呼ばないでくださいと、いつも言っているじゃありませんか」
「失礼しました、クリシェ」
「それでよろしい」
クリシェと言い直された女性は満足げに頷いた。だが、クリシェとは、フランス語で「常套句・使い古された表現」という意味になる。彼はそのことを知っていて彼女に教えていなかった。今日も「ありふれた用法」と言われて喜んでいる彼女を見て笑っていた。
「それで、何の用なのですか?」
どうせ禄でも無いことだろうと思いつつ尋ねる。すると彼は首を傾げてしまった。
「いえ、特に用はありませんが。……用がなければ来ては行けませんか?」
そうしてまた歯の浮くような台詞を並べる。彼はいつだってこういうふうにからかう。だからクリシェは彼を嫌っていた。
「さ、て。朝一番の発子さんも拝んだ事ですし、私は帰るとします」
そう言って笑って、背を向けた。頭にカッと血が上る。
待ちなさい!反射的にそう叫ぼうとしたが、彼を引き止める理由が無い。というか、帰ってくれるのは喜ばしいことなので、彼女は結局何も言わなかった。
ムッとして振り向くと、そこにはやはり創作文芸板の守護者がいた。この板の魔王と二人、彼女の嫌う存在だ。
「その名前で呼ばないでくださいと、いつも言っているじゃありませんか」
「失礼しました、クリシェ」
「それでよろしい」
クリシェと言い直された女性は満足げに頷いた。だが、クリシェとは、フランス語で「常套句・使い古された表現」という意味になる。彼はそのことを知っていて彼女に教えていなかった。今日も「ありふれた用法」と言われて喜んでいる彼女を見て笑っていた。
「それで、何の用なのですか?」
どうせ禄でも無いことだろうと思いつつ尋ねる。すると彼は首を傾げてしまった。
「いえ、特に用はありませんが。……用がなければ来ては行けませんか?」
そうしてまた歯の浮くような台詞を並べる。彼はいつだってこういうふうにからかう。だからクリシェは彼を嫌っていた。
「さ、て。朝一番の発子さんも拝んだ事ですし、私は帰るとします」
そう言って笑って、背を向けた。頭にカッと血が上る。
待ちなさい!反射的にそう叫ぼうとしたが、彼を引き止める理由が無い。というか、帰ってくれるのは喜ばしいことなので、彼女は結局何も言わなかった。
「はあ」
椅子に座り、またため息をつく。今日もまた気怠い一日が始まろうとしていた。
椅子に座り、またため息をつく。今日もまた気怠い一日が始まろうとしていた。