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>このページは、株式会社トミーウォーカーより掲載の許可を頂いた上で作成されています。 >ページ内の一部を除いた文章と、リンク先の画像の著作権は、株式会社トミーウォーカーが所有します。 *2009年の時限トップ ここでは、2009年にかけて掲載された時限トップを保管してあります。 (※時限トップとは、数分~数十分の間だけ表示されるページの事です) #contents(fromhere=true) *2009/12/11 17:40頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr//img/main_ill5/main_64_octanse.jpg]] #center(){オクタンス} ---- &FONT(B){~東シナ海洋上~} 「ホホホホ、こちらも何隻か沈められてしまったのね。流石は『雷文明』を人類にもたらした者達、といったところかしら?」 紅蓮の炎に染まる東シナ海を背景に、赤と黒の淑女オクタンスが哄笑する。 サンダーバード達は海戦でこそ優位に立ったが、全てを覆すことはできなかった。 艦艇数の差・戦力差はともかくとして。 敵には「原初の吸血鬼」が存在する。個々人の戦闘能力に、圧倒的な開きがあったのだ。 既に戦いは終結し、サンダーバードの空母「ユナイテッド・ステーツ」は中央から二つに裂け、洋上で無残な屍を晒していた。戦っていたサンダーバード達は、戦いの不利を悟ると、傷つく体を引き摺り、次々と海中に身を投じていった……。 舳先で戦勝に沸く吸血鬼達を眺めるオクタンスの前に、サンダーバードの指揮官が運ばれてきた。 指揮官であるスティーブ・ロードを見て、オクタンスが笑みを浮かべる。 「良かったわね、お前。わたくし、『教育』には定評があってよ」 加虐心を剥き出しにするオクタンスに、スティーブは意外なひとことを言い放った。 「海を、渡れるのですね」 「……それが、どうかして?」 「いえ、どうという事はありませんよ。太陽を浴び、流れる水を渡るあなたは『まだ完全では無い』、つまりはそういう事か、と」 「貴様……ッ!!!」 怒りのあまり一瞬我を忘れたオクタンスを、スティーブは見逃さなかった。 僅かな隙を突き、スティーブは舳先から海中へと身を投じる。海に没したスティーブの残した白い小さな波しぶきは、一瞬で、吸血鬼艦隊のかきたてる大波に消えてゆくのであった。 *2009/12/11 17:15頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr//img/main_ill5/main_64_catsle.jpg]] #center(){スティーブ・ロード} ---- &FONT(B){~東シナ海洋上~} 「ヤロウども、来たぞ!」 スティーブ・ロードの号令で、秘匿空母「ユナイテッド・ステーツ」に乗り組んだサンダーバード達は、眼前の海原に広がる敵影を見据えた。 敵の全容は、事前に掴んだ情報の通り。 「影の城」を搭載した吸血鬼達の旗艦は、フランス海軍の「クレマンソー級空母」。 「やはりあの年、イタリア沖で本物のクレマンソーは奪われていたのか……!」 サンダーバードの一人が、クレマンソー級空母の「公の記録」との差異を叫ぶ。 人類の歴史には『嘘』が含まれている……サンダーバード達が学んできた、世界結界の真実。 彼らは今、その認識を再度新たにするのだった。 そして、対峙するサンダーバードの空母「ユナイテッド・ステーツ」は巡航速度を増し……。 「影の城」を搭載したクレマンソー、及び影の城から伸びる「鎖」で接続された数十隻の大艦隊、 すなわち「吸血鬼艦隊」に、突撃をかけるのであった。 *2009/12/09 12:00頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr/img/main_ill5/main_64_steve.jpg]] #center(){スティーブ・ロード} ---- &FONT(B){~東シナ海・秘匿空母「ユナイテッド・ステーツ」~} エビバディ、リッスン! 我々は、この海域で奴らを迎え撃ちます。 勝つにしろ負けるにしろ、組織としての我々はこれで終焉することでしょう。 故郷に帰るなら、今からでも決して遅くはありません。 ジェイクにはカンザスの両親が待っているし、サンチョスの婚約者はチャーミングです。 ……誰も、帰る気は無いのですね? いい度胸だ、ヤロウども! 俺達が戦うファッキンヴァンパイア共は、この総戦力をぶつけたところで、まず勝ち目は無ぇだろう。 だがな、俺達は奴らを黙って見過ごせねぇ! 奴らの足元に喰らいついて、人類を侮った代償を支払わせてやろうぜ! *2009/09/26 18:45頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr/img/main_ill5/main_63_rentyou.jpg]] #center(){妖狐七星将・廉貞} ---- &FONT(B){~佐白山・天主台~} 「廉貞(れんちょう)様! 敵軍、佐白山を回避し、奥の宮に戦力を集中する模様!」 妖狐の伝令に答えて、廉貞が口を開く。 「試練を己が牙で砕きし者のみ、七星将が一に相応しい。武曲に真の将たる器あらば、魯陽の戈と相対するにせよ敗北の道理なし。されど蜘蛛の糸を我自らが断つ事は無し」 妖狐の精鋭が揃った天主台が、静寂に包まれる。 「……ムカデ王と龍脈による支援は続けますが、武曲が負けたら撤退します」 再度の廉貞の言葉に、妖狐達は了承の頷きで答え、戦後処理についての計画立案と、撤退準備を始めるのであった。 *2009/09/18 14:30~15:30頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr/img/main_ill5/main_63_bukyoku.jpg]] #center(){妖狐・武曲} ---- &FONT(B){~茨城県笠間市~} 妖狐・武曲は、頼もしき友軍の到着を迎え入れた。 町を見下ろす程の、巨大なムカデの群れ。その足元を埋め尽くすゴーストの群れ。 あまりの強大さ故か、笠間市の人々は世界結界に阻まれ、軍勢を視認することすらできない。 その百鬼夜行は紛れも無く、妖狐最強を誇る「七星将」の『尾』であった。 そして、巨大ムカデを無数に従える七星将の名は……。 「お待ちしておりました、廉貞(れんちょう)様」 武曲は、若干の緊張の面持ちで、百鬼夜行の先頭に立つその男――廉貞を迎え入れた。 廉貞の放つ威圧感は、ただそれだけで、周囲の生物を死滅させるかのようだ。 廉貞が、重々しく口を開く。 「大地に鎖する地竜の精髄、圧倒するが汝の矜持。天覇地征は七星将が定めにして……」 「はい? すみません廉貞様、声が小さくて聞き取れないのですが」 「……私は佐白山で龍脈を呼び出すので、あなたの『尾』に加えなさい」 「ありがとうございます。この七星儀、必ずや全うして見せます」 *2009/09/09 16:00~16:50頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr/img/main_ill5/main_61_bukyoku.jpg]] #center(){妖狐・武曲} ---- &FONT(B){~???~} よもや、百鬼夜行を銀誓館に気取られる事があろうとは……。 しかし、これだけ集めることができれば、私の『尾』としては充分だろう。 当日には、九尾様や七星将の皆様も、私の為に手勢を割いてくださる。 これで、ようやく私は、名実共に『武曲』の名を受け継ぐのだ。 私が七星将に加わりし暁には……。 待っていろ文曲。すぐに、お前を助け出してやる! *2009/09/01 08:30~10:00頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr/img/main_ill5/main_10_0002_2.jpg]] #center(){山神・伊織} ---- 山神・伊織は、学校への「秘密の抜け道」を、大急ぎで駆け抜けていた。 前日も修行にあけくれていたとはいえ、新学期そうそうに遅刻するのは避けたかったからである。 「……!」 しかし、伊織は走るのを急に中止し、本能的に身構えた。 伊織の前方に現れた、外国人の集団……。 こちらに向けて放たれる殺気は、あきらかに常人のそれではない。 伊織が相手の出方を伺っていると、男達は懐より古びたメダリオンを掲げ、口を開く。 「その詠唱銀、渡して貰おう。……リベレイション!」 次の瞬間、一陣の旋風が巻き起こったかと思うと……。 男達は、どこからともなく出現した甲冑と突撃槍を身にまとっていた。その現象はまるで……。 「『リベレイション』? まさか、銀誓館学園と同じ技術をもつ組織が……?」 とっさに伊織もイグニッションし、攻撃を仕掛けてきた男達への応戦を始める。 しかし、多勢に無勢……。 伊織は謎の男達によって打ち倒され、懐の詠唱銀を奪われてしまったのだった。 *2009/07/30 15:00頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr/img/main_ill5/main_60_0000.jpg]]  オーゥ、ようやく日本に着きました!  元々は「ディスティニーサーガ」のファッキン共をぶちのめすつもりでしたが……。  噂の「銀誓館学園」がやってくれたというのなら、これは会いに行くしかナイでしょう。  誰か、カシオリの準備を! *2009/03/29 17:25頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr/img/main_ill4/main_54_0000.jpg]] &FONT(B){~(12)サンフローラン(吸血鬼側)~}  突如、戦場に闇の帳が下りた。  全てを包み込む漆黒の闇の中には、おびただしい数のゴーストの視線。  そして、闇の中央には『彼』がいた。  戦場を包む広大なる闇は、その全てが彼の体内なのだ。  「伯爵……!! キサマ、何をしにきたっ……!!」  原初の吸血鬼、古老ランカスターが、同属である彼に向かって怒りの叫びを上げる。  &FONT(B){『伯爵』}と呼ばれた男は、三つ巴の戦いが繰り広げられているサンフローランを見渡し、次に自分への敵意を剥き出しにするランカスターに、ゆっくりと目をやった。その後に、静かに告げる。  「決まっておろう、収穫を横取りに来たのだ」  そして、『伯爵』はそれ以上ランカスターに目をやることもなく、確かな足取りで前進を始める。  彼に付き従う無数のゴースト軍団と共に、闘神の渦を目指して……! *2009/03/26 18:00~19:00頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr/img/main_ill4/main_35_0000.jpg]] &FONT(B){~コルシカ島 旧遺跡街道~}  常人が立ち入る事の無い、忘れられた旧遺跡街道。  しかし今、もし偶然の旅人がここを訪れたとしても、彼はすぐに踵を返したことだろう。  そこには、数百人に及ぶ、少年少女と思われる背格好の者達が集結していた。  しかもそれぞれが奇妙な装束を身に纏い、体に不釣合いな、巨大な鎌を携えている。  そして何より、彼らひとりひとりの纏う、濃密な「死」の気配……。  彼らが明らかに「常識」では図れぬ存在であることを、示す気配であった。  「みんな、本当に吸血鬼でもない人達と戦う気なの?」  静寂の中、集団の一員である、ひとりの少年が口を開く。  「シリウス、お前のような優れた処刑人が、職務を前に揺らいでどうする?」  「でもネイラスビート、僕らの断罪は、あくまでも吸血鬼に向けられるべきもので……」  集団のリーダー格と思しき青年に、シリウスと呼ばれた少年が食って掛かる。  巻き起こる議論に周囲も加わろうとしたその時、2人の間に割って入る少女の姿があった。  「ふたりとも、やめなさい。迷いの鼓動は死に繋がるわ」  「でも、メルベ……君だって疑問に思わないのか?」  「聞きなさいシリウス。私達は、吸血鬼という共通の敵を倒すために、人狼騎士と手を組んだ」  「う……うん」  「そして、考えてみて。人狼騎士の人達は、悪い人?」  「……いや。時々何を考えてるか分からない時はあるけど、彼等は信に篤い、いい人達だよ」  「なら、彼らを手伝ってあげましょう。彼らもまた、仲間なのだから」  「納得したようだな。なら、準備を進めろ! 『敵』がいつ来るか、分からないんだからな!」  ネイラスビートがそう号令を掛けると、彼ら……処刑人たちは散開し、森の中に姿を消した。己の役目を果たすために。 *2009/01/28 15:40~17:15頃 **1回目 15:40~16:15頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr/img/main_ill4/main_50_wazawai.jpg]] &FONT(B){~太平洋 紀伊半島沖~} まばゆいばかりの金色に輝き、竜のようにも、馬のようにも見えるその巨体。 全長50mを超えるその怪物は、中国の伝説に語られる聖獣、麒麟のようでもあった。 麒麟は、穏やかな性質を持ち、殺生を嫌う聖獣であると伝わっている。 だが、真実は違う。 &FONT(B){『大いなる災い』!} 災厄そのものを己が名に冠するこの巨大妖獣は、一心不乱に海上を進む。 大いなる災いがみじろぎすれば、海の水も、大気でさえも、元の姿を保ってはいられない。 次々と歪み、不気味に変容し……それらは遂に、大いなる災いの吐き出す残留思念を取り込んで妖獣化する。蹴立てた波が、荒れ狂う嵐が、次々と妖獣に変貌してゆく。 これこそが、『大いなる災い』の所以なのだ。 生まれた妖獣の数、既に数百体。海中を泳ぐもの、海底を歩くもの、海上を浮遊するもの……。 それらのいずれもが、百鬼夜行の如く大いなる災いに付き従う。 この群れは、何処を目指しているのか。 忘却期以前、「源平合戦」の折。 大いなる災いは、平家側の兵器として解き放たれたという。 もし、大いなる災いに合戦の記憶が残っていたならば、目指す場所はひとつ……。 **2回目 16:15~16:45頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr/img/main_ill4/main_41_0000.jpg]] &FONT(B){~広島県の山中~} とある山中に、数十人の若者達が集合していた。 不良然とした格好の彼らは、全員が奇怪な武装……紛れも無く、詠唱兵器を身に付けていた。 「リーダー、紀伊半島沖の海上で『大いなる災い』が復活したよ!」 電話での連絡を受けたタンクトップ姿の女性が、集団の中心にいるサングラスの男に声を掛ける。 その報告を受け、リーダーと呼ばれた男の周囲の者達に動揺が走る。 「ちくしょう、間に合わなんだか……」 「くそっ、アタイ達が囮のトラックに引っかからなければ」 「ごめんよう、オレの、オレの報告が遅かったばっかりに~」 「徳島の。お前の責任じゃねぇ」 サングラスの男は、泣き言を喚いたリーゼントの男の肩を叩き、言葉を続ける。 「『大いなる災い』は復活し、奴の目指す土地は判明している。奴の強さが俺達の調べた伝承の通りなら……関東平野の人間は皆殺しにされる。許す訳にはいかねぇ」 サングラス越しにも感じる、彼の純粋な怒り。このシンプルな怒り、彼の明確な意思こそが、抗争を繰り返していた彼等をひとつにまとめあげた原動力なのだ。 「まだ勝機はある。誰だか知らねぇが、封印石を運んでいた奴らのおかげで、大いなる災いは海上で蘇った。大いなる災いの目的地から考えて、人里に出現するのはまだしばらく先だ」 そして、サングラスの男は周囲に告げる。 「既にお前ら四国、中国地方の総長は、俺の元に集ってくれた。だが、相手は大いなる災いだ、明らかに兵力が足りねぇ」 「今から5日で、全国の総長共を纏め上げる! 今こそ、俺たちゴーストチェイサーの正念場だ!」 **3回目 16:45~17:15頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr/img/main_ill4/main_52_0000.jpg]] #center(){妖狐・文曲} ---- &FONT(B){~紀伊半島沖~} あらら、『大いなる災い』は海に出ちゃいましたか。さすがは銀誓館学園、賢いですね。 でも、たかがその程度では、殺戮の未来に変更はありません。 茫漠と日々を送るあなたたちの、その喉笛に喰らいついて差し上げましょう。 絶望の悲鳴が聞けると、喜ばしいですわね。 ……さて、化物見物はこれぐらいにして。 そろそろ、策を仕込みに行きますか。
>このページは、株式会社トミーウォーカーより掲載の許可を頂いた上で作成されています。 >ページ内の一部を除いた文章と、リンク先の画像の著作権は、株式会社トミーウォーカーが所有します。 #include(サブメニュー 時限トップ) *2009年の時限トップ ここでは、2009年に掲載された時限トップを保管してあります。 (※時限トップとは、数分~数十分の間だけ表示されるページの事です) #contents(fromhere=true) *2009/12/11 17:40頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr//img/main_ill5/main_64_octanse.jpg]] #center(){オクタンス} ---- &FONT(B){~東シナ海洋上~} 「ホホホホ、こちらも何隻か沈められてしまったのね。流石は『雷文明』を人類にもたらした者達、といったところかしら?」 紅蓮の炎に染まる東シナ海を背景に、赤と黒の淑女オクタンスが哄笑する。 サンダーバード達は海戦でこそ優位に立ったが、全てを覆すことはできなかった。 艦艇数の差・戦力差はともかくとして。 敵には「原初の吸血鬼」が存在する。個々人の戦闘能力に、圧倒的な開きがあったのだ。 既に戦いは終結し、サンダーバードの空母「ユナイテッド・ステーツ」は中央から二つに裂け、洋上で無残な屍を晒していた。戦っていたサンダーバード達は、戦いの不利を悟ると、傷つく体を引き摺り、次々と海中に身を投じていった……。 舳先で戦勝に沸く吸血鬼達を眺めるオクタンスの前に、サンダーバードの指揮官が運ばれてきた。 指揮官であるスティーブ・ロードを見て、オクタンスが笑みを浮かべる。 「良かったわね、お前。わたくし、『教育』には定評があってよ」 加虐心を剥き出しにするオクタンスに、スティーブは意外なひとことを言い放った。 「海を、渡れるのですね」 「……それが、どうかして?」 「いえ、どうという事はありませんよ。太陽を浴び、流れる水を渡るあなたは『まだ完全では無い』、つまりはそういう事か、と」 「貴様……ッ!!!」 怒りのあまり一瞬我を忘れたオクタンスを、スティーブは見逃さなかった。 僅かな隙を突き、スティーブは舳先から海中へと身を投じる。海に没したスティーブの残した白い小さな波しぶきは、一瞬で、吸血鬼艦隊のかきたてる大波に消えてゆくのであった。 *2009/12/11 17:15頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr//img/main_ill5/main_64_catsle.jpg]] #center(){スティーブ・ロード} ---- &FONT(B){~東シナ海洋上~} 「ヤロウども、来たぞ!」 スティーブ・ロードの号令で、秘匿空母「ユナイテッド・ステーツ」に乗り組んだサンダーバード達は、眼前の海原に広がる敵影を見据えた。 敵の全容は、事前に掴んだ情報の通り。 「影の城」を搭載した吸血鬼達の旗艦は、フランス海軍の「クレマンソー級空母」。 「やはりあの年、イタリア沖で本物のクレマンソーは奪われていたのか……!」 サンダーバードの一人が、クレマンソー級空母の「公の記録」との差異を叫ぶ。 人類の歴史には『嘘』が含まれている……サンダーバード達が学んできた、世界結界の真実。 彼らは今、その認識を再度新たにするのだった。 そして、対峙するサンダーバードの空母「ユナイテッド・ステーツ」は巡航速度を増し……。 「影の城」を搭載したクレマンソー、及び影の城から伸びる「鎖」で接続された数十隻の大艦隊、 すなわち「吸血鬼艦隊」に、突撃をかけるのであった。 *2009/12/09 12:00頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr/img/main_ill5/main_64_steve.jpg]] #center(){スティーブ・ロード} ---- &FONT(B){~東シナ海・秘匿空母「ユナイテッド・ステーツ」~} エビバディ、リッスン! 我々は、この海域で奴らを迎え撃ちます。 勝つにしろ負けるにしろ、組織としての我々はこれで終焉することでしょう。 故郷に帰るなら、今からでも決して遅くはありません。 ジェイクにはカンザスの両親が待っているし、サンチョスの婚約者はチャーミングです。 ……誰も、帰る気は無いのですね? いい度胸だ、ヤロウども! 俺達が戦うファッキンヴァンパイア共は、この総戦力をぶつけたところで、まず勝ち目は無ぇだろう。 だがな、俺達は奴らを黙って見過ごせねぇ! 奴らの足元に喰らいついて、人類を侮った代償を支払わせてやろうぜ! *2009/09/26 18:45頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr/img/main_ill5/main_63_rentyou.jpg]] #center(){妖狐七星将・廉貞} ---- &FONT(B){~佐白山・天主台~} 「廉貞(れんちょう)様! 敵軍、佐白山を回避し、奥の宮に戦力を集中する模様!」 妖狐の伝令に答えて、廉貞が口を開く。 「試練を己が牙で砕きし者のみ、七星将が一に相応しい。武曲に真の将たる器あらば、魯陽の戈と相対するにせよ敗北の道理なし。されど蜘蛛の糸を我自らが断つ事は無し」 妖狐の精鋭が揃った天主台が、静寂に包まれる。 「……ムカデ王と龍脈による支援は続けますが、武曲が負けたら撤退します」 再度の廉貞の言葉に、妖狐達は了承の頷きで答え、戦後処理についての計画立案と、撤退準備を始めるのであった。 *2009/09/18 14:30~15:30頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr/img/main_ill5/main_63_bukyoku.jpg]] #center(){妖狐・武曲} ---- &FONT(B){~茨城県笠間市~} 妖狐・武曲は、頼もしき友軍の到着を迎え入れた。 町を見下ろす程の、巨大なムカデの群れ。その足元を埋め尽くすゴーストの群れ。 あまりの強大さ故か、笠間市の人々は世界結界に阻まれ、軍勢を視認することすらできない。 その百鬼夜行は紛れも無く、妖狐最強を誇る「七星将」の『尾』であった。 そして、巨大ムカデを無数に従える七星将の名は……。 「お待ちしておりました、廉貞(れんちょう)様」 武曲は、若干の緊張の面持ちで、百鬼夜行の先頭に立つその男――廉貞を迎え入れた。 廉貞の放つ威圧感は、ただそれだけで、周囲の生物を死滅させるかのようだ。 廉貞が、重々しく口を開く。 「大地に鎖する地竜の精髄、圧倒するが汝の矜持。天覇地征は七星将が定めにして……」 「はい? すみません廉貞様、声が小さくて聞き取れないのですが」 「……私は佐白山で龍脈を呼び出すので、あなたの『尾』に加えなさい」 「ありがとうございます。この七星儀、必ずや全うして見せます」 *2009/09/09 16:00~16:50頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr/img/main_ill5/main_61_bukyoku.jpg]] #center(){妖狐・武曲} ---- &FONT(B){~???~} よもや、百鬼夜行を銀誓館に気取られる事があろうとは……。 しかし、これだけ集めることができれば、私の『尾』としては充分だろう。 当日には、九尾様や七星将の皆様も、私の為に手勢を割いてくださる。 これで、ようやく私は、名実共に『武曲』の名を受け継ぐのだ。 私が七星将に加わりし暁には……。 待っていろ文曲。すぐに、お前を助け出してやる! *2009/09/01 08:30~10:00頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr/img/main_ill5/main_10_0002_2.jpg]] #center(){山神・伊織} ---- 山神・伊織は、学校への「秘密の抜け道」を、大急ぎで駆け抜けていた。 前日も修行にあけくれていたとはいえ、新学期そうそうに遅刻するのは避けたかったからである。 「……!」 しかし、伊織は走るのを急に中止し、本能的に身構えた。 伊織の前方に現れた、外国人の集団……。 こちらに向けて放たれる殺気は、あきらかに常人のそれではない。 伊織が相手の出方を伺っていると、男達は懐より古びたメダリオンを掲げ、口を開く。 「その詠唱銀、渡して貰おう。……リベレイション!」 次の瞬間、一陣の旋風が巻き起こったかと思うと……。 男達は、どこからともなく出現した甲冑と突撃槍を身にまとっていた。その現象はまるで……。 「『リベレイション』? まさか、銀誓館学園と同じ技術をもつ組織が……?」 とっさに伊織もイグニッションし、攻撃を仕掛けてきた男達への応戦を始める。 しかし、多勢に無勢……。 伊織は謎の男達によって打ち倒され、懐の詠唱銀を奪われてしまったのだった。 *2009/07/30 15:00頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr/img/main_ill5/main_60_0000.jpg]]  オーゥ、ようやく日本に着きました!  元々は「ディスティニーサーガ」のファッキン共をぶちのめすつもりでしたが……。  噂の「銀誓館学園」がやってくれたというのなら、これは会いに行くしかナイでしょう。  誰か、カシオリの準備を! *2009/03/29 17:25頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr/img/main_ill4/main_54_0000.jpg]] &FONT(B){~(12)サンフローラン(吸血鬼側)~}  突如、戦場に闇の帳が下りた。  全てを包み込む漆黒の闇の中には、おびただしい数のゴーストの視線。  そして、闇の中央には『彼』がいた。  戦場を包む広大なる闇は、その全てが彼の体内なのだ。  「伯爵……!! キサマ、何をしにきたっ……!!」  原初の吸血鬼、古老ランカスターが、同属である彼に向かって怒りの叫びを上げる。  &FONT(B){『伯爵』}と呼ばれた男は、三つ巴の戦いが繰り広げられているサンフローランを見渡し、次に自分への敵意を剥き出しにするランカスターに、ゆっくりと目をやった。その後に、静かに告げる。  「決まっておろう、収穫を横取りに来たのだ」  そして、『伯爵』はそれ以上ランカスターに目をやることもなく、確かな足取りで前進を始める。  彼に付き従う無数のゴースト軍団と共に、闘神の渦を目指して……! *2009/03/26 18:00~19:00頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr/img/main_ill4/main_35_0000.jpg]] &FONT(B){~コルシカ島 旧遺跡街道~}  常人が立ち入る事の無い、忘れられた旧遺跡街道。  しかし今、もし偶然の旅人がここを訪れたとしても、彼はすぐに踵を返したことだろう。  そこには、数百人に及ぶ、少年少女と思われる背格好の者達が集結していた。  しかもそれぞれが奇妙な装束を身に纏い、体に不釣合いな、巨大な鎌を携えている。  そして何より、彼らひとりひとりの纏う、濃密な「死」の気配……。  彼らが明らかに「常識」では図れぬ存在であることを、示す気配であった。  「みんな、本当に吸血鬼でもない人達と戦う気なの?」  静寂の中、集団の一員である、ひとりの少年が口を開く。  「シリウス、お前のような優れた処刑人が、職務を前に揺らいでどうする?」  「でもネイラスビート、僕らの断罪は、あくまでも吸血鬼に向けられるべきもので……」  集団のリーダー格と思しき青年に、シリウスと呼ばれた少年が食って掛かる。  巻き起こる議論に周囲も加わろうとしたその時、2人の間に割って入る少女の姿があった。  「ふたりとも、やめなさい。迷いの鼓動は死に繋がるわ」  「でも、メルベ……君だって疑問に思わないのか?」  「聞きなさいシリウス。私達は、吸血鬼という共通の敵を倒すために、人狼騎士と手を組んだ」  「う……うん」  「そして、考えてみて。人狼騎士の人達は、悪い人?」  「……いや。時々何を考えてるか分からない時はあるけど、彼等は信に篤い、いい人達だよ」  「なら、彼らを手伝ってあげましょう。彼らもまた、仲間なのだから」  「納得したようだな。なら、準備を進めろ! 『敵』がいつ来るか、分からないんだからな!」  ネイラスビートがそう号令を掛けると、彼ら……処刑人たちは散開し、森の中に姿を消した。己の役目を果たすために。 *2009/01/28 15:40~17:15頃 **1回目 15:40~16:15頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr/img/main_ill4/main_50_wazawai.jpg]] &FONT(B){~太平洋 紀伊半島沖~} まばゆいばかりの金色に輝き、竜のようにも、馬のようにも見えるその巨体。 全長50mを超えるその怪物は、中国の伝説に語られる聖獣、麒麟のようでもあった。 麒麟は、穏やかな性質を持ち、殺生を嫌う聖獣であると伝わっている。 だが、真実は違う。 &FONT(B){『大いなる災い』!} 災厄そのものを己が名に冠するこの巨大妖獣は、一心不乱に海上を進む。 大いなる災いがみじろぎすれば、海の水も、大気でさえも、元の姿を保ってはいられない。 次々と歪み、不気味に変容し……それらは遂に、大いなる災いの吐き出す残留思念を取り込んで妖獣化する。蹴立てた波が、荒れ狂う嵐が、次々と妖獣に変貌してゆく。 これこそが、『大いなる災い』の所以なのだ。 生まれた妖獣の数、既に数百体。海中を泳ぐもの、海底を歩くもの、海上を浮遊するもの……。 それらのいずれもが、百鬼夜行の如く大いなる災いに付き従う。 この群れは、何処を目指しているのか。 忘却期以前、「源平合戦」の折。 大いなる災いは、平家側の兵器として解き放たれたという。 もし、大いなる災いに合戦の記憶が残っていたならば、目指す場所はひとつ……。 **2回目 16:15~16:45頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr/img/main_ill4/main_41_0000.jpg]] &FONT(B){~広島県の山中~} とある山中に、数十人の若者達が集合していた。 不良然とした格好の彼らは、全員が奇怪な武装……紛れも無く、詠唱兵器を身に付けていた。 「リーダー、紀伊半島沖の海上で『大いなる災い』が復活したよ!」 電話での連絡を受けたタンクトップ姿の女性が、集団の中心にいるサングラスの男に声を掛ける。 その報告を受け、リーダーと呼ばれた男の周囲の者達に動揺が走る。 「ちくしょう、間に合わなんだか……」 「くそっ、アタイ達が囮のトラックに引っかからなければ」 「ごめんよう、オレの、オレの報告が遅かったばっかりに~」 「徳島の。お前の責任じゃねぇ」 サングラスの男は、泣き言を喚いたリーゼントの男の肩を叩き、言葉を続ける。 「『大いなる災い』は復活し、奴の目指す土地は判明している。奴の強さが俺達の調べた伝承の通りなら……関東平野の人間は皆殺しにされる。許す訳にはいかねぇ」 サングラス越しにも感じる、彼の純粋な怒り。このシンプルな怒り、彼の明確な意思こそが、抗争を繰り返していた彼等をひとつにまとめあげた原動力なのだ。 「まだ勝機はある。誰だか知らねぇが、封印石を運んでいた奴らのおかげで、大いなる災いは海上で蘇った。大いなる災いの目的地から考えて、人里に出現するのはまだしばらく先だ」 そして、サングラスの男は周囲に告げる。 「既にお前ら四国、中国地方の総長は、俺の元に集ってくれた。だが、相手は大いなる災いだ、明らかに兵力が足りねぇ」 「今から5日で、全国の総長共を纏め上げる! 今こそ、俺たちゴーストチェイサーの正念場だ!」 **3回目 16:45~17:15頃 →[[画像(シルバーレインコンテンツ内への直リンクになります)>>http://t-walker.jp/sr/img/main_ill4/main_52_0000.jpg]] #center(){妖狐・文曲} ---- &FONT(B){~紀伊半島沖~} あらら、『大いなる災い』は海に出ちゃいましたか。さすがは銀誓館学園、賢いですね。 でも、たかがその程度では、殺戮の未来に変更はありません。 茫漠と日々を送るあなたたちの、その喉笛に喰らいついて差し上げましょう。 絶望の悲鳴が聞けると、喜ばしいですわね。 ……さて、化物見物はこれぐらいにして。 そろそろ、策を仕込みに行きますか。

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