第16回災害救助犬神奈川主催IRO試験(瓦礫) リポート


2016年5月3日(祝・火)~4日(祝・水)の2日間、災害救助犬神奈川主催によるIRO瓦礫試験を開催しました。
↑↑(例年と同じ会場内ですが、新たにコンクリート瓦礫エリアを利用しました)

  • 会 場: 新潟県 長岡市/見附市
  • 審査員:澤田和裕(IRO公認審査員)
  • 実施日時:2016年5月3日(祝・火)~4日(祝・水)
  • 運営協力:HOT DOG CLUB
  • 会場協力:(有)五十嵐建材 /見附市立名木野小学校
  • 受験頭数:救助犬瓦礫捜索試験A(RH-T A)1頭 / 救助犬瓦礫捜索試験B(RH-T B)8頭

・試験結果
[救助犬瓦礫捜索試験A(RH-T A)
犬名 捜索(200点) 服従・熟練(100点) 総合得点(300点) 所属
野口/ボルト ♂ 159 57 184 OPDES

[救助犬瓦礫捜索試験B(RH-T B)]
犬名 捜索(200点) 服従・熟練(100点) 総合得点(300点) 世界大会 所属
若月/椋 ♂ 192 94 286(合格) 出場権獲得 神奈川
勝野/ブリス ♂ 125 91 216 神奈川
多田/ルナ ♀ 191 79 270(合格) 出場権獲得 OPDES
大谷/ビズ ♂ 182 98 280(合格) 出場権獲得 神奈川
前澤/インディ ♂ 71 86 157 神奈川
金子/紅衣 ♀ 70 81 151 神奈川
永田/セツ ♀ 126 79 205 神奈川
勝野/ドーン ♀ 138 89 227 神奈川
注)合否について
IROの国際救助犬試験は、各課目それぞれ70%以上の得点で合格となります。ただし、総合得点で210点/300点を獲得しても、合格点に達しない課目があれば合格にはなりません。

注)2016年IRO世界大会出場資格
IRO世界大会の出場資格は、期間内に各加盟国・加盟団体で実施されたIRO試験の、それぞれの捜索部門B段階試験で総合270点以上を得点し合格したペアに対して与えられます。
本年の世界大会は9月にイタリア・トリノにて実施の予定です。


↑↑(服従試験:小さなトイプードルが元気に「水平はしご」を渡ります)
↑↑(服従試験:W・コーギー・カーディガンの物品持来)
↑↑(服従試験:集中しながらも落ち着いて遠隔の方向指示を待っています)
↑↑(服従試験:この夏10歳になるG・シェパードの脚側行進)
↑↑(捜索試験:審査員の状況設定に基づき、捜索プランを立案、申告します)
↑↑(捜索試験:岩場のように大きな瓦礫をものともせず作業するラブラドール)
↑↑(捜索試験:ベルトコンベア上に設置されたボックス内のヘルパーを発見。建物内は空気が強く吹き抜け、捜索条件の厳しいエリアです)
↑↑(捜索試験:犬が告知をしたポイントで、ハンドラーが仮想被災者を確認します)
↑↑(捜索試験:ただよう匂いを追って、自ら木ガレの山に上がったラブラドール)
↑↑(捜索試験:ハンドラーが近づいても落ち着いて告知するG・シェパード)
↑↑(捜索試験:ハンドラーの指示した方向に勇敢に発進するG・シェパード)
↑↑(捜索試験:コンクリート瓦礫の最も高いポイントにも登り、全域を捜索しました)
↑↑(捜索試験:デッキ上から落ちる臭気をとらえ、小さな身体をいっぱいに伸ばして告知するトイ・プードル)

・総評

休業日の工場を捜索会場として使用させていただく3回めの試験です。今回は、審査員の要望で従来の会場から離れた「コンクリート瓦礫エリア」を追加使用することとなり、急遽、試験会場を準備しました。
追加された「コンクリート瓦礫エリア」は広さも十分、瓦礫そのものが粉砕前で大きく、敷地内の最大高低差も5mほど。これは国内でも屈指のタフな瓦礫ゲレンデと言えるでしょう。
また、従来の「建物・木ガレのエリア」は広さを半分に設定。AB両段階とも捜索エリアを2ヶ所としました。実働さながら、仮想被災者を発見し救助隊が入っている間にもう一ヶ所の捜索を行う形です。

捜索結果を自ら判断し捜索会場を移動する、という難しさ。また、犬の作業意欲や練度に関わらず、身体的条件から発見に届かないというケースもあり、今試験での合格は過去最少の3ペアにとどまりました。合格した3ペアはいずれも見事な作業内容で、世界大会への出場資格を獲得しました。

救助犬ハンドラーにとって、急な変更に対応したり、練習をしていない場所で一定レベルの作業ができることは、実働での活動を遂行する上で必要不可欠です。「建物、木ガレのエリア」だけでも難易度が高いこの会場で、さらに今回の設定で審査をしてみたいという審査員の私たちチームへの要求度の高さに感謝するところです。

今後とも、実働に向けての良い試験を実施していきたいと考えます。

今回も、試験開催、運営にあたって、見附市HOT DOG CLUBメンバーの皆様の行き届いたご支援、ご協力をいただきました。ありがとうございました。また、会場のご提供をいただきました企業・団体各位に篤く御礼申し上げます。(災害救助犬神奈川/勝野英樹)





最終更新:2016年05月08日 20:17