2016年11月19日 大規模震災連携救助訓練


2013年3月11日、2014年10月5日、2015年3月11日に続き、4度目となる東京都町田市の防災諸機関が連携する大規模な連携救助訓練が実施されました。
当会も町田消防よりご依頼をいただき、救助犬チームとして訓練に参加しました。

  • 主  催:町田消防署
  • 実施日時:2016年11月19日(土)9:30~12:00
  • 会  場:東京都町田市玉川学園 学校法人玉川学園旧校舎
  • 参加頭数:8名(ハンドラー4名、サポート4名)/救助犬4頭

  • 参加機関:東京消防庁町田消防署、町田市消防団、町田市、警視庁町田警察署、町田市建設業協会、東京消防庁災害時支援ボランティア、学校法人玉川学園、災害救助犬神奈川(順不同)


「午前10時、緊急地震速報後に地震が発生、玉川学園敷地内で倒壊家屋が発見され、逃げ遅れた者がいることが確認された」という設定での救助訓練が実施されました。
当会は

  • 発災後一定の捜索救助活動が実施された倒壊建物内で、未発見の仮想被災者2名を捜索する

というフェーズを担当しました。

↑↑雨の中、各部隊が持てる技術を駆使しての救助訓練が始まりました。
↑↑サイレンや重機の音が鳴り響く中、落ち着いて待機する犬たち。
↑↑壮年の実働犬が自信に満ちた様子で捜索を開始します。
↑↑瞬く間に2名の仮想被災者の埋没位置を特定し、告知しました。
↑↑続いて、3頭の犬たちによる確認が行われます。
↑↑瓦礫をものともしない犬の捜索作業をハンドラーが注意深く観察します。
↑↑こちらは若いオスの捜索作業。困難な足場の様子がわかります。
↑↑画面右手、瓦礫の奥で確認犬が告知し、ハンドラーが向かいます。
↑↑複数の犬による確認の後、当会の隊長役から本部への報告が行われます。
↑↑全過程の終了後、参加機関全員が集合し、講評が行われました。


町田消防署が主催するこの連携訓練の大きな特徴は、毎回、それぞれの機関が担う救助作業を「実際に行っている」ということです。

これは、当たり前のようで、実は当たり前ではありません。
一般的な「合同防災訓練」「合同救助訓練」などの訓練では、時間や状況の制約から「実際の作業はさわりだけ」「目的は諸機関の連携内容の確認」となることが多いからです。

救助犬チームの捜索も「形だけ」という訓練が多い中、毎回必ず「実際の捜索作業」をさせていただけることは、実働救助犬チームとしての大きなアドバンテージです。

今回の訓練で私たち救助犬チームの担当した捜索は、仮想被災者数と捜索範囲の広さからIRO(国際救助犬連盟)A段階試験相当。しかし、進行上、救助犬チーム全体の持ち時間が5分程度と大きく制限されています。これは、A段階試験のわずか1/3。そして、通常の捜索にくわえ、状況の許す限り「確認犬による確認作業」を行いたい。
この「時間」という条件の違いから犬の捜索作業に求められるものに変わりはありませんが、人間のハンドリングには大きな難しさが生じることがあります。

そして、その難しさの中で普段どうりの作業ができてもできなくても、そこにハンドラーとしての反省が生まれる。そのことが、この訓練に参加させていただくことの大きな意義だと考えています。

要求度が高いと言われるIRO試験でも持ち帰ることのできない反省を持ち帰ることができる。その反省こそが、実働救助犬チームとしてどのような場面でも安定的に作業するための力となって行くのです。

訓練終了後、主催者のご厚意により、当会の救助犬および訓練犬6頭が、当該建物の1階部分を利用した捜索訓練を実施することができました。

主催された町田消防署、関係諸機関の皆様に感謝申し上げます。












































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最終更新:2017年01月06日 19:25