第20回災害救助犬神奈川主催IRO試験(広域) リポート
2019年12月21日(土)~22日(日)災害救助犬神奈川主催によるIRO(
国際救助犬連盟)国際救助犬試験広域部門を開催しました。
↑↑(例年より1ヶ月遅く、初めての会場での開催となった広域試験でした)
- 会 場: 長野県諏訪郡富士RDTA八ヶ岳トレーニングセンター
- 審査員:村瀬英博(IRO公認審査員)
- 実施日時:2019年12月21日(土)~22日(日)
- 受験頭数:IRO救助犬広域索試験前段階(RH-FL V)5頭/A段階(RH-FL A)1頭/B段階(RH-FL B)2頭
・試験結果(出場順)
国際救助犬広域捜索 前段階試験(RH-FL V)]捜索10分/仮想被災者1名/エリア5000平米
犬名 |
捜索(100点) |
服従・熟練(100点) |
総合得点(200点) |
所属 |
前澤/ゾーイ ♀ |
84 |
86 |
170(合格) |
神奈川 |
豊田/イオ ♀ |
74 |
91 |
165(合格) |
OPDES |
川野/ラック ♂ |
77 |
75 |
152(合格) |
OPDES |
戸塚/かか ♂ |
90 |
53 |
143 |
RDTA |
豊田/アイン ♀ |
70 |
77 |
147(合格) |
OPDES |
[救助犬広域捜索試験A(RH-FL A)]捜索15分/仮想被災者2名/エリア20000平米
犬名 |
捜索(200点) |
服従・熟練(100点) |
総合得点(300点) |
所属 |
戸塚/ドウタ ♂ |
171 |
85 |
256(合格) |
RDTA |
[救助犬広域捜索試験B(RH-FL B)]捜索30分/仮想被災者3名/エリア35000平米
犬名 |
捜索(200点) |
服従・熟練(100点) |
総合得点(300点) |
所属 |
白石/アニー ♀ |
186 |
71 |
257(合格) |
神奈川 |
永田(T)/セツ ♀ |
163 |
81 |
244(合格) |
神奈川 |
↑↑(グランドサイドにテントを張り、見学も参加者全員の休憩や昼食もこちらで。寒さ対策も万全です)
↑↑(捜索試験:現場での申告とブリーフィングから捜索試験が始まります)
↑↑(捜索試験:初めて広域捜索試験を受ける若いイエローラブが、指示された方向に元気に発進してゆきます)
↑↑(捜索試験:こちらはやや年長のイエローラブ。仮想被災者のセントコーンを追って、臭源に迫ってゆきます)
↑↑(捜索試験:広域試験は初挑戦ですが、IGP競技で活躍中のG・シェパード。与えられたエリアをしっかりと捜索できました)
↑↑(捜索試験:今試験で最も小さなコンペティターであるコイケル・ホンディエが仮想被災者を発見、告知しました)
↑↑(捜索試験:捜索終了後のデブリーフィング。審査員に仮想被災者を発見した場所や状況を正確に伝え、作業を終了します)
↑↑(捜索試験:B段階試験で3名の仮想被災者を発見したこの犬は、よい作業のあとの自信と充実感を漂わせています)
↑↑(捜索試験:前段階試験の仮想被災者目線は、こんな感じでした)
↑↑(2日目、服従訓練試験。審査員への申告のあと、稟性テストを兼ねてIDチップ番号の確認をします)
↑↑(服従訓練試験:群衆内でも集中力のある力強い脚側行進を見せたG・シェパード)
↑↑(服従訓練試験:前段階試験の課目「遠隔操作による三姿勢」では、台の上に飛び乗った犬が、スワレ(停座)→フセ(伏臥)→タッテ(立止)の姿勢をとります)
・総評
本年1月1日よりIROの新しい試験規則が施行されました。
今試験は、当会主催の救助犬試験として、はじめての試験規則、はじめての試験課目、はじめての試験会場、はじめての審査員と、はじめて尽くしの試験です。
そんな中、当会として最も大きな収穫となったのは、「はじめての審査員」としてお迎えした村瀬氏のお話が、さまざまな角度から伺えたこと。
中でも
「救助犬に求められるものは、実は『究極の家庭犬』に求めるものと同じ」
というお言葉は、災害救助犬神奈川発足時からリーダー・大谷が提唱し続けてきた
「犬が救助犬訓練を通じて見せるすべての問題は、家の中でこそ見つけ、取り組むべきこと」
「表面的でなく『犬を知り』『犬を飼える』ようになるのは、本当は難しい。だからこそ家庭犬として『自分の犬』を知ることに真摯に取り組むことが、よりよい救助犬を育てることに繋がる」
という当会の基本方針を、大きく是認していただけたと感じています。
また公正な採点と、犬の心情に重きを置いた講評は、全てのペアの成長を後押ししていただくものとなりました。
新しい試験規則の最も大きな変更点のひとつが、これまで任意だった各捜索課目ごとの「国際救助犬前段階試験」の合格が必須となったこと。
また、「国際救助犬B段階試験」の受験要件として「A段階試験」合格の条件が厳しくなりました。
この要件をクリアするには、これまでよりも多くの受験機会が必要になることから、今後当会でも、コンスタントに試験開催をしてゆかなくてはと考えます。
今回も、試験開催にあたり周囲の方々の大きなご協力を頂きました。
ありがたいことと感謝しつつより良い救助犬と飼い主となるようにしていきたいと思っています。(災害救助犬神奈川/勝野英樹)
注)合否について
IROの国際救助犬試験は、各課目それぞれ70%以上の得点で合格となります。ただし、総合得点で210点/300点を獲得しても、合格点に達しない課目があれば合格にはなりません。
注)2019年IRO世界大会出場権
例年出場権の可否をご案内してきた『IRO国際救助犬連盟ワールドチャンピオンシップ』は2019年実施のフランス大会より出場規定が変更となりました。
2019年大会からの出場資格は、各国開催の『IRO公認試験』のリザルトによって獲得した各ペアの年間のポイントによって決まります。
最終更新:2019年12月27日 15:58