第21回災害救助犬神奈川主催IRO試験 リポート
新型コロナウィルス感染症の影響により、春の試験が実施できなかった本年です。しかし、日々検証の進む「実効性ある感染症予防対策」を慎重に実施することで、秋の試験を開催させていただくことができました。
↑↑(無事終了!審査員、受験者、スタッフが集合しての閉会式です。準備日をふくめた3日間、お天気に恵まれた試験となりました)
- 会 場: 長野県諏訪郡富士RDTA八ヶ岳トレーニングセンター
- 審査員:村瀬英博(IRO公認審査員)
- 実施日時:2020年11月22日(日)~23日(月・祝)
- 受験頭数:IRO救助犬広域捜索試験 前段階(RH-FL V)2頭/A段階(RH-FL A)2頭/B段階(RH-FL B)1頭、IRO救助犬瓦礫捜索試験 前段階(RH-TV)3頭/A段階(RH-TA)5頭/B段階(RH-TB)1頭
・試験結果(出場順)
広域捜索 前段階試験(RH-FL V) 捜索10分/仮想被災者1名/エリア5000平米
犬名/生年月日/犬種/性別 |
捜索(100点) |
服従熟練(100点) |
合計(200点) |
所属 |
戸塚/カカ 2017/4/11 LR♂ |
93 |
85 |
178(合格) |
RDTA |
勝野/ニア 2019/5/5 GSD♀ |
74 |
80 |
154(合格) |
神奈川 |
広域捜索試験A(RH-FL A) 捜索15分/仮想被災者2名/エリア20000平米
犬名/生年月日/犬種/性別 |
捜索(200点) |
服従熟練(100点) |
合計(300点) |
所属 |
川野/ラック 2015/12/18 LR♂ |
146 |
74 |
220(合格) |
OPDES |
戸塚/ドウタ 2014/3/10 LR♂ |
179 |
86 |
265(合格) |
RDTA |
広域捜索試験B(RH-FL B)捜索30分/仮想被災者3名/エリア36000平米
犬名/生年月日/犬種/性別 |
捜索(200点) |
服従・熟練(100点) |
合計(300点) |
所属 |
村瀬/オーラ 2012/9/28 WSD♂ |
176 |
72 |
248(合格) |
RDTA |
瓦礫捜索 前段階試験(RH-T V) 捜索10分/仮想被災者1名/エリア600平米
犬名/生年月日/犬種/性別 |
捜索(100点) |
服従熟練(100点) |
合計(200点) |
所属 |
永田T/せつ 2013/2/22 GSD♀ |
79 |
86 |
165(合格) |
神奈川 |
白石/アニー 2008/4/1 BrittanyS ♀ |
88 |
78 |
166(合格) |
神奈川 |
村瀬/カエラ 2016/9/11 GR ♀ |
85 |
73 |
158(合格) |
RDTA |
瓦礫捜索試験A(RH-T A) 捜索15分/仮想被災者2名/エリア1000平米
犬名/生年月日/犬種/性別 |
捜索(200点) |
服従熟練(100点) |
合計(300点) |
所属 |
澤田/ハリー 2016/2/9 GSD♂ |
140 |
90 |
230(合格) |
OPDES |
豊田/イオ 2015/4/14 GSD♀ |
143 |
75 |
218(合格) |
OPDES |
菅原/ぶり 2015/10/8 JRT♂ |
140 |
60 |
- |
RDTA |
石田/ぶん太 2014/7/31 LR♂ |
- |
- |
欠 |
OPDES |
松永/凛太郎 2015/10/9 GSD♂ |
141 |
54 |
- |
RDTA |
瓦礫捜索試験B(RH-T B)捜索30分/仮想被災者3名/エリア1500平米
犬名/生年月日/犬種/性別 |
捜索(200点) |
服従・熟練(100点) |
合計(300点) |
所属 |
澤田/ドル 2014/4/2 Sheltie♂ |
166 |
87 |
253(合格) |
OPDES |
↑↑(感染症拡大防止のため、審査員はマスクとフェイスシールドを着用されていました)
↑↑(1日目は広域捜索試験から始まりました。昨年の当会の試験で前段階に合格したペアが、今年はA段階に挑戦です)
↑↑(広域捜索A段階。昨年に続き、安定した作業を見せ、好成績で合格したイエローラブ)
↑↑(広域捜索B段階。当会の試験は、捜索試験の終了したハンドラーは見学できる慣例となっているため、だんだん見学者の数が増えていきます)
↑↑(広域捜索試験終了後、瓦礫捜索がはじまりました。前段階試験を受験したゴールデン・レトリーバーの申告の様子)
↑↑(瓦礫捜索試験。A段階試験で、本捜索の前の「単体告知」を実施しています)
↑↑(瓦礫捜索A段階試験。意欲的に瓦礫を乗り越えるGSD)
↑↑(瓦礫捜索A段階試験。仮想被災者の匂いを追って、小さなJRTが高所に飛び乗りました)
↑↑(瓦礫捜索B段階試験で初日捜索試験のとりを飾った6歳のシェルティー。落ち着いたペースで作業を持続しました)
↑↑(長い1日目が終了。夜は感染防止対策を徹底した上で、親睦会を開催させていただきました)
↑↑(2日目は服従熟練試験でした。服従試験も、捜索試験同様、ハンドラーによる申告とIDチップのチェックからはじまります。昨年より精神的に落ち着きを増した様子のイエローラブ)
↑↑(服従熟練試験。瓦礫捜索前段階試験を受験したブリタニースパニエルの紐付き群衆内行進の様子です)
↑↑(服従熟練試験。今試験が初受験となる、1歳7ヶ月のGSDの熟練作業)
↑↑(集中力のある脚足行進を見せた5歳のGSD。終始よい位置をキープしていました)
↑↑(今試験で最も大きな犬は、このホワイトシェパードでした。移送課目のヘルパーは重労働です!)
↑↑(審査員との握手ではじまり握手で終了するIRO試験ですが、今回は「グータッチ」となりました!)
・総評
例年、IRO試験を春秋の2回開催している当会ですが、本年前半はコロナ禍の影響で当会に限らず国内外のすべてのIRO試験が開催できませんでした。
本年唯一の主催試験となったこの試験。
広域&瓦礫の共催とする当会はじめての試みとなりました。
エントリーは14組、当会主催の試験として過去最高の出場者数です。
まる2日間2会場の試験日程としてはこれ以上の頭数をお受けすることは難しく、募集開始から早々に締め切りとなり、数頭の申込みをお断りせざるを得なかったことは残念です。
タイムテーブル上ではぎりぎりの進行となり不安もありましたが、会場の設営から試験の進行、撤収まで、すべての参加者の皆様の手厚いご協力をいただき、スムーズに、かつ予定時間よりも早めに進めることができ、無事終了することができました。
ご参加、ご協力くださった皆様、ありがとうございました。
そして、今回も公正で犬の心情に重きを置いた採点・講評くださったIRO公認審査員の村瀬氏に、感謝申し上げます。
少人数のチームである我々にとっては少なくない負担ではありますが、チームとして、救助犬育成者としての進歩と成長に自主開催の試験は欠かせません。
今回の試験で得たものを、これからの救助犬育成に活かして参ります。
また、末筆ながら、今回は群衆犬で不備不手際がありましたことをお詫び致します。今後は善処させていただきます。
(災害救助犬神奈川/勝野英樹)
注)合否について
IROの国際救助犬試験は、各課目それぞれ70%以上の得点で合格となります。ただし、総合得点で210点/300点を獲得しても、合格点に達しない課目があれば合格にはなりません。
注)IRO世界大会出場権
例年出場権の可否をご案内してきた『IRO国際救助犬連盟ワールドチャンピオンシップ』は2019年実施のフランス大会より出場規定が変更となりました。
2019年大会からの出場資格は、各国開催の『IRO公認試験』のリザルトによって獲得した各ペアの年間のポイントによって決まります。
最終更新:2020年11月29日 16:09