第22回災害救助犬神奈川主催IRO試験 リポート


新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止を鑑み、捜索試験、服従試験を1日で行う単日開催にて実施しました。

↑↑(一番手はIRO試験初受験!緊張の中、瓦礫捜索前段階試験がスタートしました)

  • 会 場: 長野県諏訪郡富士RDTA八ヶ岳トレーニングセンター
  • 審査員:村瀬英博(IRO公認審査員)
  • 実施日時:2021年9月20日(月・祝)
  • 受験頭数:IRO救助犬瓦礫捜索試験 前段階(RH-TV)2頭/A段階(RH-TA)6頭

・試験結果(出場順)

瓦礫捜索 前段階試験(RH-T V) 捜索10分/仮想被災者1名/エリア600平米
犬名/生年月日/犬種/性別 捜索(100点) 服従熟練(100点) 合計(200点) 所属
岡村/ヴァン 2016/6/19 RL♂ 98 82 180(合格) 神奈川
勝野/ニア 2019/5/5 GSD♀ 81 89 170(合格) 神奈川

瓦礫捜索試験A(RH-T A) 捜索15分/仮想被災者2名/エリア1000平米
犬名/生年月日/犬種/性別 捜索(200点) 服従熟練(100点) 合計(300点) 所属
川野/ラック 2015/12/8 LR♂ 40 79 - 神奈川
菅原/ぶり 2015/10/8 JRT♂ - - RDTA
戸塚/かか 2017/4/11 LR♂ 173 83 256(合格) RDTA
松本/ナッシュ 2017/4/18 LR♀ 146 86 232(合格) RDTA
内柴/リディア 2015/7/11 GSD♀ - - OPDES
松永/凛太郎 2015/10/8 GSD♂ 98 70 - RDTA


↑↑(こちらも瓦礫試験初受験の若いシェパード。仮想被災者発見、告知後、犬を待たせて確認に向かうハンドラー)
↑↑(A段階「単体告知」で力強い告知作業を見せたイエローラブ)
↑↑(A段階。この犬は仮想被災者のもとに到達したものの、残念ながら告知ができませんでした)
↑↑(A段階。審査員による状況説明をうけたあと、戦略を申告するブリーフィングタイム)
↑↑(捜索試験終了後、発見場所等の報告をするデブリーフィングを行います)
↑↑(午後からは服従試験を実施しました。前段階試験の科目「遠隔操作による3姿勢」)
↑↑(前段階試験「移送」。この若いシェパードは、大変リラックスした移送態度を見せました)
↑↑(A段階試験「群衆内行進」中のラブラドール。この科目で、前回試験より格段の成長を見せました)
↑↑(A段階試験。高いレベルの服従作業を見せたラブラドール)
↑↑(A段階試験「動く橋」通過中。小さな子なので、全体的にスピード感があります)
↑↑(もうじき6歳になるGシェパードによるA段階試験「紐なし脚側行進」)
↑↑(服従熟練試験のヘルパーさんたち、待機中! 今回もご協力ありがとうございました!)

・総評

昨年同様コロナ禍の影響で変則開催となった、当会の本年1回目のIRO試験です。
また、感染リスク軽減の目的から「単日開催」とし、科目を前段階とA段階に限定。午前中に捜索試験、午後に服従試験を実施しました。
このためお受けできるエントリーが少なく、多くのお申込みをお断りせざるを得なかったことを、お詫び申し上げます。

今回の試験会場は多くの救助犬育成者にとっておなじみの訓練場所です。
しかし直前まで改修の手を入れてくださったことで、これまでの試験とはいくぶん様相の違ったものとなりました。
開設以来常に続く施設の変化は、RDTA理事長である村瀬氏の、救助犬育成に対する深い志を反映したものと感じます。

当会ではIRO国際救助犬連盟の救助犬試験B段階合格を現場出動の目安としています。
そのためIRO試験は当会にとって「認定試験」なのですが、それ以上に、国際基準の中で自分と自分の犬がどうあるかを客観的に知る場として重要と考えています。
また、公認審査員に評価していただくことの意義は、合否や得点にない、というのがわたしたちの考えです。
犬を知り、救助犬を知るIRO公認審査員・村瀬氏の言葉を、どう受け止め、咀嚼し、今後の訓練にどう生かしていくのか。審査員の言葉を金言とするのか、しないのか。この試験の価値は、それによってまったく異なったものとなるはずです。

今回も公正で犬を大切にした採点・講評をくださった村瀬氏に感謝申し上げます。
講評でいただいたアドバイスをクリアできるようチームメンバーとも犬とも「対話」しながら、ステップアップを目指して訓練を進めてまいります。



(災害救助犬神奈川/勝野英樹)

■ご協力
RDTA(NPO法人救助犬訓練士協会)八ヶ岳訓練センター→https://www.facebook.com/rescuedogrdta
カジヤチャンネル→https://www.youtube.com/channel/UCzLX03yVEG-n-KPEJohMgfA



注)合否について
IROの国際救助犬試験は、各課目それぞれ70%以上の得点で合格となります。ただし、総合得点で210点/300点を獲得しても、合格点に達しない課目があれば合格にはなりません。

注)IRO世界大会出場権
例年出場権の可否をご案内してきた『IRO国際救助犬連盟ワールドチャンピオンシップ』は2019年実施のフランス大会より出場規定が変更となりました。
2019年大会からの出場資格は、各国開催の『IRO公認試験』のリザルトによって獲得した各ペアの年間のポイントによって決まります。




最終更新:2021年09月22日 15:14