第23回災害救助犬神奈川主催IRO試験 リポート
新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止を鑑み、前回試験同様、捜索試験、服従試験を1日で行う単日開催にて実施しました。
↑↑(広域初受験、前段階試験のペア。しっかりと安定した作業で合格です)
- 会 場: 長野県諏訪郡富士RDTA八ヶ岳トレーニングセンター
- 審査員:村瀬英博(IRO公認審査員)
- 実施日時:2021年12月5日(日)
- 受験頭数:IRO救助犬広域捜索試験 前段階(RH-FL V)2頭/A段階(RH-FL A)3頭/(RH-FL B)2頭
・試験結果(出場順)
広域捜索 前段階試験(RH-FL V) 捜索10分/仮想被災者1名/エリア5000平米
| 犬名/生年月日/犬種/性別 |
捜索(100点) |
服従熟練(100点) |
合計(200点) |
所属 |
| 岡村/ヴァン 2016/6/19 RL♂ |
95 |
86 |
180(合格) |
神奈川 |
| 清水/ネネ 2017/4/18 RL♀ |
- |
- |
欠 |
RDTA |
広域捜索試験A(RH-FL A) 捜索15分/仮想被災者2名/エリア20000平米
| 犬名/生年月日/犬種/性別 |
捜索(200点) |
服従熟練(100点) |
合計(300点) |
所属 |
| 勝野/ニア 2019/5/5 GSD♀ |
113 |
82 |
- |
神奈川 |
| 川野/ラック 2015/12/8 LR♂ |
153 |
70 |
223 |
神奈川 |
| 松本/ナッシュ 2017/4/18 LR♀ |
101 |
80 |
- |
RDTA |
広域捜索試験B(RH-FL B) 捜索30分/仮想被災者3名/エリア40000平米
| 犬名/生年月日/犬種/性別 |
捜索(200点) |
服従熟練(100点) |
合計(300点) |
所属 |
| 戸塚/ドウタ 2014/3/11 RL♂ |
167 |
80 |
247 |
RDTA |
| 戸塚/かか 2017/4/11 RL♂ |
139 |
77 |
- |
RDTA |
↑↑(広域A初挑戦の若いGSD。現在の課題が、この試験でしっかり「見える化」されました)
↑↑(A段階捜索試験で著しい成長を見せたラブラドール)
↑↑(犬のアラートを確認し、仮想被災者発見の申告をするハンドラー)
↑↑(捜索試験終了後のデブリーフィング中。A段階のエリアは20000平米です)
↑↑(B段階受験犬の、安定したアラートの様子です)
↑↑(午後からは服従試験を実施。グランドサイドにはテントを設営し、いつものように参加者全員で見学します。未来の救助犬候補生も登場しました)
↑↑(前段階試験「一本橋渡り」。このラブラドールは、捜索、服従ともに高評価で合格しました)
↑↑(A段階試験は3頭一組で実施です。初A段階の長い脚側行進で生き生きと集中した作業を見せたGSD)
↑↑(A段階試験「水平はしご渡り」を実行するラブラドールと、見守る審査員)
↑↑(A段階試験「常歩行進中の停座」。ハンドラーは犬から約40歩離れます)
↑↑(今回の服従試験ではダミー犬が3回必要でした。ダミー犬も、基本的には受験犬と同じ作業をします。こちらは2回登場のGSD)
↑↑(「群衆」「移送」では、チームだけでなく、外部の人、犬にもご協力いただきました。ありがとうございました。)
↑↑(なにもかもはじめての経験だったユノンくん、がんばってくれて、ありがとう)
↑↑(V段階ダミー犬と、いつもご協力くださるヘルパーさん。今回もありがとうございました!)
・総評
前回試験から約1年ぶりの開催となった広域試験です。
気温は低かったものの恵まれた晴天の中、気持ちのよい試験となりました。
ヨーロッパでは「競技」として楽しむ人も多い、このIRO(国際救助犬)試験は、競技会という視点からも、人命に関わる「救助犬」という作業の性質からも、フェアなスポーツマンシップが求められるテスティング・イベントです。
そして、試験でありドッグスポーツの場である以上に、犬とハンドラーの成長に寄与する場でありたい。
それが、とても小さな救助犬団体であるわたしたちが、さまざまな負荷や負担を乗り越えてこのIRO試験を定期開催する理由です。
今回も、IRO公認審査員・村瀬氏からいただいた講評は、まさしくそれぞれのペアの成長を後押ししてくれるものと感じます。
試験で弱いところがみつかったら、そこを乗り越えるよう練習をし、その成果を確認するために次の試験を受けることが本来。試験の回数を多く受けることばかりが、そのペアを成長させることにつながるわけではない。
そんな言葉もいただきました。
時として熱意あるハンドラーが見失いがちな、大切なことだと思います。
今回も公正で犬を大切にした試験を実施し、採点・講評をくださった村瀬氏に感謝申し上げます。
講評でいただいたアドバイスを大きな指針として、ステップアップを目指してチームとして訓練を進めてまいります。
ビジターで受験してくださったペアの皆様にとっても、今回の試験の結果が、今後の訓練の指針となれば、主催団体として嬉しく思います。
今回も、寒い中ヘルパーとしてご協力くださいました皆様、ありがとうございました。
(災害救助犬神奈川/勝野英樹)
↑↑さらなる高みをめざしてGO!!
注)合否について
IROの国際救助犬試験は、各課目それぞれ70%以上の得点で合格となります。ただし、総合得点で210点/300点を獲得しても、合格点に達しない課目があれば合格にはなりません。
注)IRO世界大会出場権
例年出場権の可否をご案内してきた『IRO国際救助犬連盟ワールドチャンピオンシップ』は2019年実施のフランス大会より出場規定が変更となりました。
2019年大会からの出場資格は、各国開催の『IRO公認試験』のリザルトによって獲得した各ペアの年間のポイントによって決まります。
最終更新:2022年03月28日 22:15