第28回災害救助犬神奈川主催IRO(国際救助犬連盟)試験 リポート




↑↑ (14ヶ月ぶりとなった当会主催のIRO試験は、まずまずのお天気に恵まれました。画像は、はじめての広域試験(V段階)にのぞむ若いシェパードです)

  • 会 場: 長野県諏訪郡富士見RDTA八ヶ岳国際救助犬育成センター
  • 審査員:澤田和裕(IRO公認審査員)
  • 実施日時:2024年5月11日(土)~12日(日)
  • 受験頭数:IPO-R TEST
広域捜索試験 V段階(RH-FL V)1頭/A段階(RH-FL A)1頭/B段階(RH-FL B)1頭/B段階捜索単科目(RH-FL BN)1頭
瓦礫捜索試験 V段階(RH-T V)1頭/A段階(RH-T A)6頭、B段階(RH-T B)1頭/B段階捜索単科目(RH-TBN)1頭

  • 試験結果(ゼッケン番号順)
広域捜索試験V(RH-FL V) 捜索10分/仮想被災者1名/5000平米
犬名/生年月日/犬種/性別 捜索(100点) 服従熟練(100点) 合計(200点) 所属
1 大谷/T-Beau Vom House Mochi jp 2021/10/5 DS♂ 96 93 189(合格) 神奈川

広域捜索試験A(RH-FL A) 捜索15分/仮想被災者2名/単体告知1名/20000平米
犬名/生年月日/犬種/性別 捜索(200点) 服従熟練(100点) 合計(300点) 所属
2 川野/ラック 2015/12/18 LR♂ 86 67 - 神奈川

広域捜索試験B(RH-FL B) 捜索30分/仮想被災者3名/40000平米
犬名/生年月日/犬種/性別 捜索(200点) 服従熟練(100点) 合計(300点) 所属
3 勝野/Juri Vom Yhoko Shonan JP(Nia) 2019/5/5 DS♀ 186 94 280(合格) 神奈川
4 戸塚/ドウタ 2014/3/10 LR♂ 111 捜索単科目 - RDTA

瓦礫捜索試験V(RH-T V) 捜索10分/仮想被災者1名/600平米
犬名/生年月日/犬種/性別 捜索(100点) 服従熟練(100点) 合計(200点) 所属
5 倉山/ジョティ・フォン・ヨーコ・ショーナンJP 2019/5/5 DS ♀ 80 90 170(合格) RDTA
6 松平/ウィン 2020/6/30 LR ♂ - - 棄権 OPDES

瓦礫捜索試験A(RH-T A) 捜索15分/仮想被災者2名/単体告知1名/1000平米
犬名/生年月日/犬種/性別 捜索(200点) 服従熟練(100点) 合計(300点) 所属
7 石田/りき 2021/6/30 LR ♂ 81 90 - OPDES
8 森田/なぎ 2017/3/10 WL ♀ 117 73 - RDTA
9 菊池/アイン 2016/5/25 WELT ♀ 159 72 231(合格) OPDES
10 竹原/ハチ 2017/6/15 DS ♂ 186 61 - OPDES
11 清水/NENE 2017/4/17 LR ♀ 178 95 273(合格) RDTA
12 岡村/Vent(ヴァン) 2016/6/19 LR♂ 186 85 271(合格) 神奈川

瓦礫捜索試験B(RH-T B) 捜索30分/仮想被災者3名/1500平米
犬名/生年月日/犬種/性別 捜索(200点) 服従熟練(100点) 合計(300点) 所属
13 松本/KNATHS OF STUDIO CHELSEA JP 2018/11/25 LR♀ 159 79 238(合格) RDTA
14 岡村/Ruhe(ルー) 2019/5/2 DS♂ 140 捜索単科目 - 神奈川
注)合否について
IROの国際救助犬試験は、各課目それぞれ70%以上の得点で合格となります。ただし、総合得点で210点/300点を獲得しても、合格点に達しない課目があれば合格にはなりません。

↑↑(1日目は服従試験でした。お天気は快晴!そして当会試験はいつものように参加者全員で試験とその後の講評を見学するスタイルです)
↑↑(服従試験:ハイレベルな服従作業を見せた7歳のラブラドール)
↑↑(服従試験:まだ若いオスのラブラドールですが、群衆の中でも安定した脚側でした)
↑↑(服従試験:IROの特徴でもある「熟練」課目のひとつ、水平はしご渡り)
↑↑(服従試験:これも「熟練」課目の「動く橋」。小さい体で元気に飛び乗りました)
↑↑(2日目、捜索試験は広域からはじまりました。広域A段階を受験したオスのラブラドールが生き生きと告知をしています)
↑↑(捜索試験:広域B段階初受験のシェパードです。広域の捜索はスラロームで動くことが基本。左手エリアから右手エリアに向かって、指示された方向に突進していきます)
↑↑(捜索試験:広域Bの段階捜索単課目を受験したベテランラブラドール。10歳ですが、元気!)
↑↑(捜索試験:広域に続いて、瓦礫試験が始まりました。まずはV段階。このシェパードは瓦礫の山に苦しみましたが、しっかり告知できました)
↑↑(捜索試験:瓦礫B段階捜索単科目を受験したオスのシェパードの、第3ヘルパー発見、告知の様子です。とても力強い告知です)
↑↑(捜索試験:瓦礫B段階初受験で見事合格したラブラドール。これは捜索作業前のブリーフィングの光景です)
↑↑(捜索試験:今回最も受験者数が多かった瓦礫A段階試験は、この「単体告知」からはじまります)
↑↑(捜索試験:瓦礫A段階に高得点で合格したラブラドールの第2ヘルパー告知の様子です。複雑な臭気の流れからヘルパーの位置を「考える」作業をしてみせました)
↑↑(群衆犬をつとめてくれたボランティア犬たちです。しっかり役目を果たしてくれて、ありがとう!)


・総評

当会主催の第28回IRO試験は、当会試験としては2018年以来となる澤田氏を審査員にお迎えしました。エントリーは14頭、2日間をかけての開催で、これも2020年11月以来。
進行に若干の不安がありましたが、参加者の皆様のご協力をいただき、無事終了することができました。
ご参加、ご協力くださった皆様、ありがとうございました。

IRO試験のルールは、およそ5年を目安に、一定期間ごとに見直しが行われます。
現行のルールは本年を最後として改正され、2025年1月から新しいルールが施行される予定です。今回の試験では、その改正点をふまえた設定と丁寧な講評をいただくことができ、今後のためのよい指針をいただくことができました。
公認審査員・澤田氏のご配慮に感謝します。

また、当会所属犬の新しい世代にようやく広域B段階合格ペアが誕生、また、瓦礫B段階の受験資格を得たペアも誕生し、当会として大きなステップとなりました。

とはいえ、試験はあくまで試験。点数は、それまでやってきたことの「効果測定」の結果のひとつに過ぎません。良い結果も悪い結果も、そこから「改善点」を探り、方法を手繰り寄せ、よりよい作業を目指して1歩1歩進んでゆくための指針として参りたいと考えています。

今回も、ヘルパーとしてご協力くださいました皆様、群衆犬のみんな、本当にありがとうございました。
また次回のIRO試験でお会いしましょう。

(災害救助犬神奈川/勝野英樹)



■ご協力


注)IRO世界大会出場権
例年出場権の可否をご案内してきた『IRO国際救助犬連盟ワールドチャンピオンシップ』は2019年実施のフランス大会より出場規定が変更となりました。
2019年大会からの出場資格は、各国開催の『IRO公認試験』のリザルトによって獲得した各ペアの年間のポイントによって決まります。




最終更新:2024年09月28日 09:32