第8回災害救助犬神奈川主催IRO試験 リポート


3月18日、災害救助犬神奈川主催によるIRO(国際救助犬連盟)瓦礫捜索試験を開催しました。
この試験は、本年1月1日より施行されたIROの新規定に従って実施される、国内最初の試験となりました。

  • 会  場:神奈川県 大磯町
  • 審査員:澤田和裕(IRO公認審査員)
  • 仮想被災者役・その他協力:慶応大学学生7名
  • 実施日時:2012年3月18日(日)   
  • 受験頭数:救助犬瓦礫捜索試験A(RH-T A)2頭 / 救助犬瓦礫捜索試験B(RH-T B)5頭

  • 試験結果
[救助犬瓦礫捜索試験A(RH-T A)]
犬名 捜索(200点) 服従・熟練(100点) 総合得点(300点) 所属
若月/椋 ♂ 185 73 258(合格) 神奈川
今村/ガンボア ♂ 142 91 233(合格) OPDES

[救助犬瓦礫捜索試験B(RH-T B)]
犬名 捜索(200点) 服従・熟練(100点) 総合得点(300点) 所属
大谷/ブリス ♂ 140 93 233(合格) 神奈川
豊田/ジュニア ♂ 10 60 - OPDES
秋田/ジン ♂ 99 80 179 OPDES
勝野/ドーン ♀ 28 88 - 神奈川
豊田/結里 ♂ 140 82 222(合格) OPDES
注)合否について
IROの国際救助犬試験は、各課目それぞれ70%以上の得点で合格となります。ただし、総合得点で210点/300点を獲得しても、合格点に達しない課目があれば合格にはなりません。

捜索会場は実際の地震災害現場によく似た状況です。これは前日の準備の様子。
捜索エリアにはこれらの建物も含まれています。
受験年齢に達したばかりの若い犬。仮想被災者を特定し、吠えています。
大きなストレスのかかる条件下で意欲的に作業するマリノワ。
試験終了後の審査員による講評の風景。講評は詳細で、細部に渡ります。
B段階試験では、ハンドラーが捜索エリア外からハンドリングすることを要求されました。
待機中のひとこま。仮想被災者役や準備、片付けでもお手伝いいただいた学生さんたちと。


  • 総評

今試験の開催にあたっては、災害救助犬関係者のみならず、多くの学生の皆さんのご協力をいただきました。
雨の降る中、丸1日の間、無償でご協力くださるボランティアの皆様の存在がどれほどありがたいかは、言葉には尽くせません。
その手助けなくしては、私たちの目標である「良い救助犬を育てる」こともできないのですから。
ご協力くださった皆様に、心から感謝申し上げます。

試験は、午前中に捜索試験、午後に服従・熟練試験という形で実施しました。
今回の捜索試験会場の特徴は、被災地さながらの大量の瓦礫が不規則に配置されていることです。
また、通常の捜索試験会場とは異なり、仮想被災者を隠す場所が固定されていません。
澤田審査員による仮想被災者のセッティングは、それらの条件をフルに生かした、非常に工夫されたものでした。
加えて、B段階試験はハンドラーが捜索エリア内に立ち入らずにハンドリングするという制限下で行われ、犬にとってもハンドラーにとっても大変に難易度の高い、充実した捜索試験となりました。

次回もまた、「良い救助犬を育てる」一助となる、全てのハンドラーにとって得るもののある試験を開催できるよう、努力と工夫をして行きたいと思っています。(災害救助犬神奈川/勝野英樹)









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最終更新:2012年03月19日 23:02