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シリウス・フィーナ

「……見事に左右別れたわね」
私は、目の前の分かれ道を確認してそう言った。
「……うん、ちょうど4人いることだし左右それぞれ別れない?」
プラチナはそう言って、私たちの顔を見る。
「そうね、それが名案だわ。要領もいいし、そうしましょう」
私はプラチナの意見に賛同する。ルーラとブレスもコクリと首を縦に振った。
「魔法が使えるのは僕と、シリウス。そして接近技が使えそうなのは……ルーラと、遠距離は弓の使えるプラチナ……ってところか?」
ブレスはメンバー状況をいち早く判断し、振り分ける。
先程の真っ先に一升瓶を片手に見知らぬ他人を助ける程の行動力のある人間だ。……この程度の振り分け能力は当然と言ったところか。
「奥のほうはもしかしたら明かりが必要になるかもしれない。まずはバランスを考えないとね」
「……うーん、バランス……かぁ」
そうだ、この調子で行けばルーラが敵に接近し、後方から射撃するプラチナ……という構図が浮かんだのだが。
ルーラはああ見えて猪突猛進な所があるので、後ろから来る矢に気づかないかもしれない。そう考えた私は、一つ名案をする。
「……ルーラと、プラチナは武器の性質上危ないから無しね。……すると、最もバランスのいいと考えられるのは、ルーラとブレス……あんたたちね」
私は考えた末の結論を出した。そう、それならもし怪我をしたとしてもブレスが薬を作ってあげることができるはず。
……私も、少しなら治療魔法は使える。そんなことを考える私たちがいる横でルーラはブレスとバランスが良いと言われた嬉しさで、またスキンシップを取り合っている。……もう、あんたたちずっとそう勝手にしなさいよ。呆れながらその様子を見る私にプラチナは苦笑していた。

「じゃあ、どっちに進もうかっ、ブレスくん!」ルーラは機嫌よく、ブレスに答えを乞う。
「……何で僕に聞くんだよ」
ブレスは少々困惑と、自分の発言ひとつで選ぶ事に対してであろうプレッシャーを迷惑そうに感じながらそう答えた。
「いいからいいからっ、じゃあもう1チームのプラチナくんも選んでね!」
ルーラはそう言うと、プラチナもええっ、ボクが?といった様子でおずおずとブレスがいる位置まで道の前に出る。
「「せーの!」」
ブレスとプラチナが、深呼吸してから二人で声をそろえる。
「「こっち!」」
二人が指さした先は、全く同じ方向だった。
「……それじゃ、意味ないでしょう。もう一回やりなさい」
私は予想外の結果にもう一度進行方向に指を指すように指示をする。
また、二人が声を揃えて指さした先は……?
左が、私とプラチナ。右がブレスとルーラ……というふうになったのだった。
そして、二人に少しの別れを告げて私たちは先へと進もうとする。
思ったより空洞は大きく、少し進んでみても一向に大きさが窄まる様子もない。
上から滴がぽつぽつと落ちてきて、まれに肌の露出している部分にかかる。
その冷たさに、少し身をよじらせながら進んでゆく。
そんな中で、プラチナは口を開いた。
「どうして、ルーラちゃんと行かなかったの?」
……真剣な表情をしているから、何かと思ったけど――意外と無意味な質問ふっかけてくるのね。
そんな事を考えながら私は少し考えて。
「さっきも言ったでしょう。バランスよ。……ルーラ、ああみえて一つのことに集中すると矢が飛んで来ているとか察知出来ないと思うから」
本心だけを告げると、プラチナは
「……よく、知っているんだね。だからこそ、よきパートナーになると思うんだけど……」
意味深ともとれる発言をする。
「……そんなことないわ。私はあのときルーラを護ることができなかったから。……それに、さっき助けてくれたブレスなら大丈夫」
私はそう答えると、プラチナは不思議そうな顔をする。
「……意外と、諦めが早い人なんですね」
「……そうじゃないわ。諦めの早い振りをしているだけよ。それに、親友だからってよきパートナーになれるわけじゃない。私はまだルーラの行動すら予測つかないもの」
私はいろんな意味を含めつつも、そう答えた。

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最終更新:2011年08月15日 02:47