God Save the Queen!





"二人の囚人が鉄格子から外を眺めた。一人は泥を見た。一人は星を見た"



―――フレデリック・ラングブリッジ「不滅の歌」





「ええ。私も、泥よりも星を見ていたいですね。石の牢は嫌です、やっぱり。俯くよりも上を向いて、キレイなものを見て歩きたいから」

透き通った声。聞く者の心を鷲掴みにして離さない音色。
戴天の頂点から下された託宣のようであり、ベッド下のルームメイトに他愛もない話題を振るようであった。

「人生とは頭上の星を追うようなもの。届かずともその道程は美しく映り、届けばその輝きが民を天に駆り立てる新たな星になれるでしょう」

この声はどちらが本質であるのか。
神が降りてくる荘厳な教会での賛美歌か。大勢の観客で満員になった舞台の上で偶像(アイドル)が歌う、軽妙で踊るようなソングか。
いや、どちらであってもその美声をもってすれば、その場の全ての者の耳目を集中させてしまうだろう。
歌声のみならず、容貌すらもが神々しく煌めく。成人を過ぎ肉体は最盛の成長を遂げて完成し、美と調和の化身とでもいうべき身体。

そんな女が、決して失われぬ青春を唇に秘めさせて微笑むのだ。
これで心が動かぬ者は、化生の側か余程の際物趣味を疑われても仕方がないだろう。


「貴女もそう思いますか、ジョリーン?」

そう己のサーヴァント・セイバーに問いかけられたマスター、空条徐倫もまた、一般の範疇に含まれる趣向の持ち主であり、答えを返すのに多少迷ってしまった。
生まれついての美しさと磨かれた気品を兼ね備えたセイバー。
まさに王侯貴族といって雰囲気は普通であれば気後れもするだろうが、生憎除倫という女は権威を傘に上から押し付けられるのを良しとしない、真っ直ぐで熱い性根の持ち主だ。
祖先が貴族の血を引いていることなど露知らず、素行とて不良で通っている身だ。こうした権力者と反りが合うものとは始めから思っていない。

「……あ~~~~~~~~~~~~っとぉ。そうよね、いや、そう、ですわね?」

であっても。慣れぬ敬語を使って応対してしまう。
セイバーの雰囲気はG.D.st刑務所の看守達のような高圧的なものではなく、優しく包み込む暖かさであった。
言ってしまえば「母の慈愛」だ。(母を大切に思ってる除倫は会ったばかりのセイバーと重ね合わせたくないので決して言わないが)
そして、単なる精神の話ではなく彼女は除倫……現在のイギリスの血を引く人間全てにとっての母とさえ呼べる英霊なのだ。
勉学に熱心とはいえない除倫とて知るその偉大な名が彼女であると知って、少しばかり遠慮しがちになってるのは、
例えるなら初めて会った祖母と二人きりでいるような、嬉しさと気恥ずかしさが入り混じってどう表現していいかもわからない感情からだった。

「む」

椅子に座るセイバーが口を尖らせる。
女子の一人部屋に相応しい、こじんまりとした部屋とは次元レベルで場違いな、王者が腰掛けるのに相応しい豪勢な作りだ。

「なんだか歯切れ悪いですね。いつもの歯に衣着せぬ、常に前を向く勝ち気な言葉遣いのジョリーンの方が好きですよ、私は」
「あたしだって丁寧な喋り口は苦手だけどさー……けどいいの、女王サマでしょ?」
「言葉ひとつで気を損ねるほど英国の懐は狭くないわ。あ、けどそれと私を敬うのは別問題。
 たくさん褒めたりちやほやしてくれるのは大歓迎だから。どう?」

ん?と愛らしさ全開の表情で前に乗り出す。

―――なーんか、いいこいいこされるのを待ってる最高級のゴールデン・レトリーバーみたいねー、と、徐倫は心のなかで思った。

「ハァー。やれやれだわ。まっさかねー、エリザベス女王を使い魔にするなんて思っても見なかったわ。世界は広いってやつ?まさにグレートだわ」

わざとらしく溜息をこぼす。
エリザベス一世。処女王。栄光あるもの。
大英帝国の礎となり黄金時代を築き上げた清き女王。
空条徐倫が呼び出した聖杯戦争のパートナー。それが彼女だ。

「ええ。そのグレートなイングランドとアイルランドの女王、エリザベスその人です。サーヴァントですよ?どうですか?」
「どうですか……って、え?なにが?」
「聖杯戦争のお話、しましょう?貴女の望みを言ってみて」

そもそも、なぜあたしはここにいるのだろう。徐倫達は元々アメリカにいた。
フロリダ州ケープ・カナベラル。そこで行われるプッチ神父の企みを砕くべく刑務所を脱獄し車で目指してる間だ。
ひとつの戦い、徐倫に、道を共にした仲間全員にとって悲しい別れの後だ。
戦いの連続、身体がナメクジに変化させられるといった疲労、何よりも離別がもたらした心の悲しみが徐倫を眠りに誘っていた。
目的地はまだ先だ。決着をつける時のためにも急速は取るべき……そう考えて仮眠のつもりで瞼を閉じ、再び開けてみれば、見知らぬ土地にたどり着いていた。
それから現われたセイバーからの説明がなければ、脳内にこびりついていた『聖杯戦争に関する情報』を精査する間もなく、
プッチが差し向けた新手のスタンド使いの仕業かと疑ってかかっていただろう。

「……セイバーは?あなたに願いはあるの?」

万能の願望器。
いきなりそんな話を持ち出されても胡散臭いというのが正味な話だ。だが現実として聖杯は在るという。
その獲得のために、同じようにサーヴァントを持ったマスター同士で殺し合いが行われるとも。
……彼女は『乗る』のだろうか?そんな争いに?箸より重いものを持ったことがないと言いそうな細腕で?
無数のスタンド使いを知り、戦ってきた経験上、見た目のヤワさなど指標にならないとはわかっているが。
もしそうだとしたら、自分は―――――――

「あるわよ。私は女王であり、為政者だから、常に自国の利益と幸福を優先します」

毅然とした態度で、堂々とした所作で、彼女はそう言った。


「この身と心は全て祖国に捧げている。私はイギリスであり、私の行いと意志はイギリスの行いであり意志である。
 だからこそ、そこに汚点は許されない。今の私は英国を背負ってここにある。
 障害となる臣下は罰するし、敵であれば慈悲なく叩き潰す。傲慢といえばその通りでしょう」

草花に囲まれる妖精の如き顔は、勝利の旗を掲げる戦女神になっていた。
放たれる威圧感は萎縮ではなく鼓舞のもの。

「だから私は、ここでも傲慢を繰り返す。聖杯、奇跡の願望器。其れに願えば、きっと善(よ)い未来が得られるのでしょう。
 私の祈りはひとつだけ――――――祖国へ、民へ、私の愛が永遠に届いていますようにと、自分に願うのみです」

自分の人生も未来を捧げたことにも一抹の後悔はないと、晴れやかに瞳は告げていた。

疼く首筋の星型の痣が何かを物語る。
徐倫は理解した。言葉よりもなお深い心の底で、この人は正真正銘の女王なんだと。
強く、剛(つよ)く、自分が信じた正義を貫き、人間の素晴らしさを讃歌に広げ続ける、深い愛がある。
理想を守るためなら、躊躇なく身を犠牲にする高潔さがある。
黄金のように、眩い精神を、持っている。
そんな光を、徐倫は知っていた。


「……あたしさ、ここに来るまでに色んな辛い思い出があったのよ」

恋人の裏切りと弁護士の罠。
理解されずとも自分を大切に思ってくれていた父親が、自分を餌に誘い出されて記憶と能力を奪われてしまった。
無実の罪(前科はあるけど)で刑務所に送られてからの徐倫は苦難の日々の連続だった。
泣き、戦うたび血反吐に塗れ、何度も何度も倒れた。土の味も血の味も、ゴキブリのたかったパンの味も部屋の隅に生えたキノコの味も投げつけられた糞の味も憶えている。
その中で、鉤爪が食い込んだように残ったふたつの思い出がある。

「友達がふたり……死んでしまった。殺されてしまった。殺したやつへの怒りは当然あるしいずれ然るべき報いを食らわせるのは変わらない。
 けどやっぱり……悲しさは消えない。涙を流して『もう一度話がしたい』って泣き言を漏らしてしまった」

F.F(フー・ファイターズ)。最初は敵として見えた知性を持ったプランクトンの集合体という奇異極まる存在。
しかし徐倫と行動を共にしていく内に隣あえる関係になり、最期は徐倫にさよならを言って去っていった。

ウェザー・リポート。刑務所に隠れ住んでいた記憶のない男。プッチと浅からぬ因縁の糸で繋がっていた男。
自分の不始末で、プッチと決着をつけようとした彼を死に導いてしまった。別れの言葉は交わされず、能力のDISCが無言に渡された。

「でも……その思い出があるのが今のあたしなんだ。辛さ以上に楽しい思い出だってある。そしてそのふたつは切り離していいものじゃない。
 もしあの過去を変えてしまったら、『そのあたしは今のあたしじゃああない』。そんな気がするの……」

ふたりとも、得難い友達だった。苦楽を共に目的を共有できた仲間だった。だからこそその喪失の穴も大きかった。
これから先、雨が降った後の水溜りにボウフラが浮かんでるのを見て、時折F.Fのことを思い出し心に湿った思いが巡るのだろう。
さわやかなそよ風が頬を撫でた時、ふとウェザーのことを思い出し、こみ上げるものを堪えて空を見上げるのだろう。

しかしこの思い出が――――無駄になったり、無かったことになったら、その時自分は同じように彼らに向き合えるのか?
それが徐倫には怖かった。F.Fとウェザーの死を忘れることは、ふたりの死以上におぞましい所業ではないかと。

「ましてこんな『檻』に閉じ込めて殺し合いをけしかけるようなやつの言いなりになって願いを叶えるのは……命を懸けて戦ったF.Fとウェザーの魂への侮辱に他ならないッ」

ドクン。と、鼓動がした。
猛る心臓の音。躍動する魂の音。エンジンに火が点いた起爆音のようにも聞こえる。
そして突如、徐倫の隣に人型の像が現れる。しなやかかつ強靭な糸を撚り合わせてできた闘戦士。

それこそが徐倫の精神が形をとって具現化されたビジョン。可視化された超能力。スタンドと呼ばれる、少女の戦う力。

「死者の思いは引き継ぐものであって縛られるものじゃない。それじゃ牢に繋がれた囚人と同じ。父の気持ちに気づかず恨みをぶつけるばかりだった頃のあたしに戻るってことだ。
 あんな風にメソメソするのはもうゴメン。あたしは牢から自由になるために、前に進むためこのスタンドに『ストーン・フリー』と名付けたのだから!」

ふたりには生きて欲しかったと思ってるし、生き返って欲しいと願ったことがないと言えば欺瞞だ。
エゴといいたければ好きにいえ。あたしが許せないと感じた。どう動くかを決める理由には、それで十分に足りる。

「……そう。貴女は両親に愛されていたのですね」
「セイバー?」

徐倫はそうつぶやいた英霊の表情を見て、ほんの一瞬だけ、彼女から女王としての威圧が揺らいだのに気づいた。
先程までの朗らかに笑う淑女とも違う……親の愛に飢えた、寂しそうな少女のような。

「財という結果だけでなく航海という過程を楽しみ、踏破する。か。……うん、なんだかドレイクを思い出しちゃった。元気でやってるかな。
 思い出しついでに、ひとつ施しましょうかね」

それも一瞬。すぐにいつもの泰然さが戻り椅子から立ち上がる。
その時、荘厳な椅子の一部、装飾としか思えなかった柄が立ち上がり抜き身の剣が飛び出してきた。
柄を握りセイバーが引き抜いた剣は、切っ先の刃が折れたように欠けていた。
無論不良品の類ではなく、これは初めからこの形を正規としたもの、敵を傷つけない証明である、英国の戴冠王器――――

「ちょっとそこ動かないで。はい片膝ついて、首下げて、そう、そのまま」

何が何やら分からず、とりあえず言うとおりの姿勢になる。
セイバーの前で跪いた徐倫の肩、首筋の直ぐ側に剣が這われる。命の危機感はなく、むしろ安心ですらある。

「……?」

左右の肩に同じ動作が行われ、やがて剣が引かれた。
意味がわからぬままの徐倫であったが、不思議とその動作には力があった。いや力が湧き上がってくるだろうか。

「……はい。これにて叙勲は成りました。此れより貴女は私の騎士であり、私は貴女の剣と成る。
 我らが祖王や円卓の騎士とまではいかずとも、騎士の役をこなしてみせましょう。
 貴女の星が翳らぬ限り、我が運命を預けます。サー・ジョースター」

今度はセイバーの方が膝を折り、徐倫に跪く態勢になった。
こうも恭しく傅かれるなど短い人生であったこともない徐倫は慌てふためく。

「イヤイヤイヤイヤイヤ!そもそもあたしイギリス系だけどアメリカ人だしさ、父さんは確かハーフだったけど」
「別にイギリス人じゃなくってもいいのよ?日本でもアメリカでもスペインでも、海賊でも吸血鬼でも宇宙人でも構わないの。
 その行いがイギリスに光をもたらしてくれる人こそ、私にとっての騎士だもの」


殺し文句と共に、ニッコリと微笑まれる。
こうされるとどうにも抗いがたい。言葉の上ではどうあっても勝てないのだとここで悟ったのだった。

「……やれやれだわ」

観念して、また膝を折る。セイバーと同じ位置になって視線を交差させる。

「マスターとか騎士とかはともかく、上とか下とかってのはなし。あたしに非があれば遠慮なく言っていいし、あたしも文句言うから。それでいい?」

目と目が合わさって、セイバーの翠の瞳が少し見開かれる。
驚きと嬉しさで溢れた感情はすぐに顔に表れて、


「それじゃあ最初に戻るけど、貴女の答えは?」


答えは最初から決まっていた。


「もちろんあたしは星を見るわ。
 父に会うまで……星の光を見ていたい」

「ええ、見れますよ。私が隣にいればきっと」

同じ空、同じ部屋、同じ高さで女は笑う。
その様子は、他愛もない話題についてお喋りし合う友達同士となんら変わりなく。
一巡を超えるまでの途中で始まる奇妙な冒険は、ここから始まるのだ。



――――――運命は巡る。


――――――星は廻る。



同じ空の下、同じ部屋の中、同じ目線の高さで女は笑う。
その様子は、他愛もない話題についてお喋りし合う友達同士となんら変わりなく。
一巡を超えるまでの途中で始まる奇妙な冒険は、ここから始まるのだ。






【クラス】
セイバー

【真名】
エリザベス一世

【出展】
史実(16世紀・イギリス)

【性別】
女性

【身長・体重】
171cm・53kg

【属性】
秩序・善

【ステータス】
筋力B 耐久A 敏捷B 魔力B 幸運A+ 宝具A++

【クラス別スキル】
対魔力:A
 A以下の魔術を無効化する。
 スキルの恩恵により高い対魔力を保有する。

騎乗:B
 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。

【固有スキル】
麗しの姫君:A
 統率力としてではなく、周囲の人を惹き付けるカリスマ性。
 Aランクのスキルを有するエリザベスは、ただ存在するだけで自分を守る騎士たる人物を引き寄せる。

友誼の証明:B+
 敵対サーヴァントが精神汚染スキルを保有していない場合、相手の戦意をある程度抑制し、話し合いに持ち込む事ができる。
 聖杯戦争中においては、一時的な同盟を組む際に有利な判定を得る。
 男性に対しては交渉事の成功率が上昇する。

犯されぬ純潔:EX
 処女王として純潔を確約している。
 魅了・洗脳に類する精神干渉を無効化する。

【宝具】
『純潔の輝きよ、永久なれ(ジ・ブリタニア・メイデン)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:0 最大捕捉:1人
 イギリスに伝わる戴冠宝器(レガリア)である、鎧や王冠等の装束。
 これらを身に着けたエリザベスに近接系ステータスの強化、HP自動回復、
 物理・魔術ダメージカット効果が付与される。(ステータス欄のパラメーターは宝具使用時のものである)

 人々の英国への信仰。女王への信仰。国と民を全霊で愛したエリザベスへの信仰。
 その全てが鎧という形として結晶化した、いわば英国という概念そのものといえる宝具。
 これを纏うという事は、その魂すらも英国に捧げたのを意味する。
 その姿はイギリスを擬人化した守護の女神ブリタニアそのもの。
 この宝具の使用時には性格が戦闘的になり、麗しの姫君スキルがカリスマに変更、
 属性が一時的に「天」になる。
 なお、使用しない場合は玉座の形を取っている。どこでも座れて便利。

『騎士は栄光を手に駆ける(ナイト・オブ・オーダー)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
 エリザベス自らが騎士と認めた者を強化する。
 ステータス向上の他、役目に応じた任意のスキルを付与できる。
 人数制限は無いが令呪のような強制の効果ではなく、互いの合意によって初めて成立する。
 海賊であったフランシス・ドレイクを騎士に任命しスペインを破った逸話による宝具。

『慈悲王剣・約束の勝利を此処に(カーテナ・グロリアス・ブディカ)』
ランク:A++ 種別:対軍宝具 レンジ:1~60 最大捕捉:500人
 イギリスに伝わる戴冠宝器のひとつ。
 かつて円卓の騎士トリスタン、フランク十二勇士オジェ・ル・ダノワが所有していたとされる、切っ先の欠けた剣。
 エリザベスの場合、慈悲の剣の名の面が強調され通常の攻撃では敵を殺傷せず、精神に訴える痛みを与える。(魔獣などの人外はこの限りではない)

 その真価は、折れた切っ先から噴出される光の剣による両断。
 国を、民を、世界を愛する想いの結晶であり、王権の敵を討ち倒す。
 『騎士は栄光を手に駆ける』の対象者の数によって出力は上昇し、種別やレンジも変化する。
 又の名をグローリースター・オールブレイカー。

 それはヒトの尊い祈りが結晶となった星の聖剣。
 イングランドの危機を救う為に、妖精島(アヴァロン)から蘇るとされる伝説の騎士王の象徴。
 即ち、エクスカリバーの再現である。
 ブディカは英語のvictory(勝利)の語源となったブリタニアの女王ブーディカを意味する。

【Weapon】
カーテナをはじめとした数々の戴冠宝器(レガリア)。
宝具の基点ともなる装束であり、英国王としての装いを纏ってこそ、女王の能力は正しく発揮される。

【人物背景】
処女王エリザベス。16世紀でのイングランド及びアイルランド女王。
権力者の威厳と女性の愛らしさを兼ね備えた、英国最大の偶像(アイドル)にして女王(クイーン)。

混迷する英国の存続と発展に全てを捧げ、世界へ進出する黄金時代の礎を築いた。
当初は女性であるのを理由に王位継承権を取り下げられ、陰謀によって牢に閉じ込められた虜囚の身となるものの、
その間に国を統べるに足る教養を身につけ、時期が巡ってきた頃に継承権を取り戻し女王として即位する。
宗教改革を纏め上げ、「太陽の沈まぬ国」スペインの無敵艦隊との戦いへの対策として、
世界一周を成し遂げ莫大な財を持ち帰った、海賊であるフランシス・ドレイクを騎士に任命し、
艦隊に加える異例の手段を用いこれを打ち破らせ、貿易の利益を大幅に拡大した。
女性としての立場を使いつつも「イングランドと結婚した」と称し、生涯未婚であったという。
故に処女王。大英帝国の黄金時代の礎を築いた栄光あるもの(グロリアーナ)と呼ばれ今でも崇敬されている。

快活、天真爛漫。
自分の魅力を正確に把握し、培った知識と技能を武器として利用して交渉を運ばせる為政者の面を持つ。
国の敵となる者には慈悲をもって、しかし容赦をかけず処断する。
有り余る国家と民への奉仕が、他にとっては豪胆な女傑にも映る。

父はただ父であるというだけで、女の庶子として生まれたのを理由に自分を捨てた。
母はただ高い地位に置かれたいがために自分を生み、女に生まれた子を恨んで目の前で処刑された。
男と女。親と子。誰もが始めに知る愛を、ついぞ受け取ることはなかった。
そんな自分が―――真っ当に人間を愛せるはずがない。

この胸にある愛はただ一人が受け止めきれる熱(りょう)ではなく、大きすぎる愛を制御する事を自分は知らない。
きっと『これ』は、多くの名前も知らない誰かの為に注がれ、形も見えない大きななにかに向けられるべきであるもの。
愛とはそういうものであり、だからこそ彼女は祖国を無限に愛し続けた。

かつてブリテンを統治した騎士王は人の心を殺し正しい理想を広めたが、
エリザベスは女である立場を最大限利用し、感情を振りまいて常に主導権を握ってきた。
多くの人が笑っている――――先に続く人々の未来を愛していたが故に、彼女は今日も朗らかに笑うのだ。

【特徴】
金髪碧眼。由緒正しき英国淑女。女王に即位した25歳時の姿で現界している。
普段は高貴な白のドレス、『純潔の輝きよ、永久なれ』発動時では戴冠王器を纏った荘厳神聖なる姿へと変わる。
スタイルはランサーアルトリア並。だがアルトリア顔ではない。ウォースパイト顔。

【サーヴァントとしての願い】
イギリスに栄光を。民に華を。人に星を。







【マスター】
空条徐倫@ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン

【能力・技能】
『ストーン・フリー』
形ある超能力『スタンド』の一種。
徐倫の全身を糸にして分離できる。糸は遠くまで飛ばし様々な形に固められるため応用力が高い。
人型に固める事で格闘戦にも対応。拳のラッシュ時のシャウトは「オラオラ」。

【人物背景】
ジョリーンと読む。星型のアザ、黄金の意思を引き継ぐ少女。6代目の『ジョジョ』。
かつて邪悪を斃した父親をおびき寄せる餌として無実の罪で投獄され、自分を庇い父は人事不省に陥ってしまう。
今まで家に戻らず嫌悪していた父が自分と母を護らんがために身を遠ざけていたことを知り、父を取り戻すため刑務所の中で戦い続ける。
やや素行や言動は不良だが根は善良で優しく、冷静な判断力と逆境に屈しない精神力、爆発力を備える。


【マスターとしての願い】
あたしは星の光を見ていたい。
元の世界に帰りプッチとの決着を。向かってくるやつには容赦しない。

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最終更新:2017年07月29日 22:42