私(あたし)には、秘密がある
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◆
「……地上から見上げる星とは、こんなものなのか」
その声は、酷く掠れていた。
錆びた金属の塊と塊どうしを、擦り合わせた時に生じるような、不愉快な音。
ギリギリ、キイキイと言う、耳障りのとても悪いその音が、明らかに、意味の解る音(ことば)になって、彼女の耳に伝わってくる。
よく耳を澄ますと、それが、大人の男の声である事に、彼女は気付いた。風邪で喉をやられた、などと言う能天気な事は彼女は思わない。人間では、ない。彼女は明白にそう思った。
「良い星空だ」
彼女の瞳には、宇宙が剥き出しになったかのように、光の点が全天に敷き詰められたかのように、見事な星の空を見上げる者が映っていた。
――人間じゃない。直感的に、初めてそれの姿を見た時彼女は思ったものだ。いや、彼女でなくとも、そう思うに相違あるまい。
フードの付いた、サルファー(硫黄)のように黄色い長外套――ローブ、と言うらしい――を纏った男だった。肌の露出が、一切ない。
足首も手首も、見えない。黒革のグローブとブーツを付けているからだ。これで、外套の色を黄色から黒に変えてしまえば、悪の組織の幹部その物だろう。
「――そうは思わないか、我が主君(ロード)よ」
それが、彼女に顔を向けようとする。
「あっ……」、そう口にした時には、もう遅い。目を、背け遅れてしまった。
彼女は、それの顔に類する部分を、見たくなかったのだ。十四歳と言う、年端も行かない小娘に、それの顔は衝撃的であったからだ。
当たり前である。どんなに光を当ててみても、晴れる事のない黒い翳。そこに浮かぶ、恐ろしい単眼を見てしまえば。自分が呼び寄せたこの存在――サーヴァントが、人間ですらない怪物である事など、嫌でも想像出来てしまうのだから。
「っ……」
その凶眼で射すくめられてしまうと、彼女は、背筋に濡れた氷を伝わせるような、寒気と震えを憶えてしまう。
瞳が一つ、と言う身体的にも明白な差異もそうである。だが、あのライダーの瞳に込められた、凄まじい圧が、彼女には怖いのだ。
親や、友達が怒った時に、自分に向ける怒れる瞳。其処に込められた圧力とは、本質的に全く違う。種別も、座標も、何もかも。と言うより、人が意識して込められる圧力では、断じてなかった。
「……人と言うのは不便なものだな。少し、他人と何かが違うだけで、病的なまでにそれを恐れ、意識する。普通である事を、尊びたがる」
「当たり前でしょ!! あんたと違って私は――」
普通。そう言いかけた彼女、『
琴岡みかげ』は、言葉を呑んだ。
別に、目の前のサーヴァント、ライダーが、琴岡の事を威圧した訳ではない。
思い出してしまったからだ。近いようで遠い、小学校の頃の時の記憶。普通だった少女に、遠回しに、自分が普通ではないと言われた時の事を。
勿論、目の前のサーヴァントは、あらゆる点で自分とは違う存在であり、ライダーに比べれば琴岡は遥かに普通な事は厳然たる事実である。
そうであると解っていても、彼女は、言い淀んでしまった。あの時の記憶は、琴岡にとっては、忘れた頃に痛みを与えて来る虫歯の様なもの。
その記憶が、此処の所ずっと、ナイフのような切れ味を持ち始め、琴岡の心に傷を負わせ、荒ませ続けていた。
自分達が住んでいた街とは全く違う街に飛ばされても、如何やら、忘れられないようだった。
「何だ。何を言い淀んだ。主君よ」
「関係、ないでしょ。ライダー」
「それならそれで、構わないがな。だが、今を生きる人の悩みなど、瑣末で些細な小事だろう。見ろ、空の星々を。今宵は北斗七星がよく見える。あれを見て全てを忘れるが良い。星団の輝きに比べれば、お前達などなんとちっぽけで――」
「小さくない……!!」
正直な話、ライダーの声と言うのは前述の通り、余りにも特徴的過ぎて、聞き取り難い。
琴岡は名目上ライダーのマスターと言う事になっているが、そんな立場になったとて、ライダーの声が聞き取りやすくなる訳ではないのだ。
次何をライダーが言おうとも、琴岡は、声が聞き取り難かったでスルーする事も出来たが、ライダーの余りにも手前勝手で、無神経な言葉に、我慢が効かなくなった。
「私だって、抱えてるものは年齢相応にある!! 何をしたって面白くなくなるような、深刻な悩みがあるんだ!! 星見て悩みが消えるようなあんたと一緒にするな!!」
小学校の頃のトラウマと、今の状況。まるで、オリジナルから乖離してしまった出来の悪い焼き直しのようであった。
また、仲の良い三人組が、バラバラになる。また、自分一人が傷付く。また、空虚な毎日を過ごす事になる。
普通とは、何なのだろう。同性が好きだと思う事が、まだまだ世間的に見れば広く受け入れられている考え方だとは琴岡も思わない。
思わないが、仲の良い皆が、とやかく言わなければ、それは普通と変わらないのだろうと。彼女は思っていた。
何故、自分達三人の間で、『好き』が生じたのだろうかと琴岡は考える。別に、司や撫子が、誰を好きになろうが、それは良いのだ。
自分達の中の誰かを好きになれば、それが軋轢と化し、亀裂に達する事は、誰だって解る事ではないか。
司には、早く王子様を見つけて欲しい。撫子は、もう自分の事をスッパリと諦めて欲しい。それだけが、彼女の願いであると言うのに。
仲良し三人組を続けられる方法だと、思っているのに。現実は何処までも上手く行かず、思いも知れぬ横やりで、全てが滅茶苦茶になって行く。
道化だ。琴岡は自分の事を卑下する。
大切にしていた友達との関係を守ろうとしたのに、勝手な癇癪で全部台無しにした挙句、勝手に一人で傷ついている。
笑い話にもなりやしない。とんだ三文芝居、とんだ夢芝居である。他人から見れば、だが。琴岡当人からすれば、深刻な悩み。
星を見て和らぐようであれば苦労もしない。目の前のライダーの、底抜けの能天気さを、逆に嘲笑しようとする琴岡だったが――そうしかけて、息を呑んだ。
目の前のライダーの瞳に渦巻く感情が、明白に、物質的質量を伴う強大な圧を内在させた、怒りの感情になっている事に、気付いてしまったからだ。
「……いや、よそう。我が悲願成就の為だ。常識知らずとは言え、それだけで殺すのは、余りに浅慮か」
殺す。その一言に、体中から噴き出る脂汗が、途端に凍て付いて行くような感覚を琴岡は憶えた。
冗談めいて言っていなかったからだ。殺す、その短い言葉に込められた感情が、余りにも真に迫っていたからに他ならない。
「今の季節では、見え難いそうだな。プレアデス……この国では昴(すばる)の名で知られるあの星々は」
そう呟きながら、ライダーは星々を見渡し、何かに気付いたか。
「見つけた」、と口にしながら、ずっと其処に、一つだけの目線を注ぎ続けた。
「主君よ。お前は知っているか。あのプレアデス星団を構成するアルデバランの大星、その近くに存在するヒアデス星団の事を」
知らない。いや、覚えていないと言う方が正確かも知れない。
天文部の部室で、友人の鷲尾に教えられた記憶もあるかも知れないが、どの道教えられたとて、その星団が何処にあるのかなど琴岡には解らない。
「あの星団のとある星に、お前達の技術では到底捉えられない古代の都市が栄えている。人の言葉では、『カルコサ』と言う発音が、その遥か光年の彼方の都市の名に近い。元々、宇宙的言語は人に発音不可能なのでな。俺は其処で、人が猿であった頃よりも遥か昔に幽閉され――」
「嘘」
ライダーが全てを言い切る前に、琴岡は口にした。誰が見ても、彼の言葉を遮る形であった。
「幾ら私が馬鹿だからって、それは、馬鹿にし過ぎ。そんな都市――」
「そう、偽りだ。そんな物存在しない。お前が正しい」
幾ら琴岡が、星の事についてよく覚えていないからと言って、これは馬鹿にし過ぎである。
サーヴァントなどと言う超常の存在についてはすんなり受け入れられていると言うのに妙な話だが、遥か宇宙の彼方の古代都市、となると、もうそれは狂人の戯言である。
馬鹿にするのも大概にしろと思いながら、琴岡は、また威圧される――今度はその程度じゃ済まないかも知れないが――事を覚悟で反論したが。
意外にも、ライダーは、琴岡の言った事を肯定した。お前が正しいのだ、と。自分が語った事は徹頭徹尾嘘であると、認めてしまったのである。だから、次に言おうとした言葉が、もごもごと舌の上で意味を伴わぬ『どもり』になってしまった。
「そうとも、カルコサなぞ、この宇宙の全てを血眼になって探しても存在しない。その古代都市は、お前達人間の空想によって形作られた、あり得ぬ都市であるからよ」
「では――」
「其処に囚われている、或いは、その都市の王であるとされる俺とは、一体何か?」
「……あんたの事でしょ? そんな事も解らないの?」
「解らないな」
諸手を上げて、黄衣のライダーは答えた。即答だった。
「俺は、何だ? 人は俺を、黄衣を纏う王だと言う。巨大な蜥蜴であるとも言う。クトゥルーによく似た、無脊椎動物だとも言うらしい。あの這い寄る混沌殿の化身でもあるらしい。俺ですら、自分で自分の事がよく解らない。だが、確かな事は一つある」
「それ、……は?」
「俺は、この世界の存在ではない。嘗て存在したと言う事実すらない。空想(フィクション)の存在と言う事さ。これだけは、拭えぬ事実だ」
目線を、今まで向けていたヒアデス星団の方から、震えながらライダーの方を見ていた琴岡の方に、彼は向けた。怒りの感情は、語っている内に消えていた。
「『
ハスター』と言う名を与えられたこの俺は、貴様ら人間がラヴクラフトと呼ぶ男が観測した、外なる宇宙の神を綴った物語に影響を受けた男が産み出した二次創作で生み出された架空の存在よ。俺は存在自体が嘘なのだ。そして俺は、嘘の上に嘘を糊塗しても許される都合の良い存在だ。だからこそ、俺は際限なくその姿が千変万化する」
言葉を切り、数秒程間を置いた後、ハスターは言葉を発した。
「普通だ、異常だ、悩んでいる、で一喜一憂出来て、贅沢な事だな主君よ。俺にはそれすらない。普通ではなく、異常でもない。そんな事に悩める権利すら俺にはない。俺自身が、この世界に存在出来ない。聖杯戦争と言う機会でもなければ、形すら保てぬのだからな」
軽く上げていた両腕を、真横に水平に広げるハスター。
その瞬間、彼の背中から、ローブを突き破るように、直径四十cm程の触手が十本程生え、それが放射状に伸びて行く。ビクッ、と、琴岡はその姿に怯んだ。
「我が願いは受肉。いや、違う。俺もまた、外なる宇宙の神々に名を連ね、偉大なりし支配者に列せられる事。貴様ら人間が、俺に求めた様な設定の神に、自ら至る事。主君よ、お前はどうなのだ」
解らない。それが、琴岡の反応だ。
正味の話、聖杯戦争だって、乗って良いのかどうか解らない。今だって、この事態は夢である、悪い夢なのだと心の何処かで思っている。
だが、自分をこの冬木市に招き入れた、天秤座の星座のカードは、今も彼女の懐で淡く輝いているし、何よりも、脳裏に刻まれた聖杯戦争への知識が、
現実逃避を許さない。これは、フィクションの世界での出来事じゃない。確かなる、現実の風景なのだ。その事実が、琴岡には恐ろしかった。
全ての願いを叶える、いわば万能の願望器である聖杯。
それを得て、何をする? お菓子を作る腕前を上げる事も、もっと遊ぶお金が欲しいと言う欲求も、勿論琴岡には備わっている。
だが、幾人もの人間を殺して得た血塗られた杯で、それを獲得する事が、本当に正しい事なのか? ――違う。叶えてはならない。
人殺しの報酬である聖杯で、それらを叶えるのは、徹底的に間違っている。其処まで考えて、恐ろしい考えが胸中を支配して行くのを、琴岡は感じた。
三人でまた、いつも通りに過ごせるのでは? そう、彼女は考えたのだ。皆で誕生日を祝い合い、学校で行われる同じイベントを楽しみあい、
長期休みでお泊り会を開いてみたり、嫌なテストを一緒に乗り切ったり、卒業しても、また皆で仲良く遊び合ったり。
一生の友人になるかも知れない人達と、またしても、琴岡は離れ離れになろうとしている。聖杯の力で、それを取り持てるのではないか?
其処まで考えて、彼女はかぶりを振るう。それは違うと。だが、それしかないのでは? と言う邪な考えが、雑草と化したハーブの如く芽吹いて来る。
「私、は……まだ、考え中……」
「ならば、俺が聖杯戦争で勝ち星を上げて行くその都度に、考えを練るが良い」
見下ろすように、ハスターは琴岡の事を眺めてから、再び夜の星に目線を移した。
ギュっと、それまで手にしていたポーチを、琴岡は左手で強く握る。チャラ、と言う音がポーチから聞こえてきた。
昔、鷲尾と一緒に買った、白鳥と琴岡を含めた三人の誕生月の星座をモチーフにしたキーホルダーだった。
琴岡と同じ誕生月のカードに触れたら、彼女は此処に来た。そんな奇縁に気付けない程、今の彼女の心は、彼女の胸中になかった。
そうして、夜だけが更けて行く。シャッターが殆ど下りた、深山町の商店街。
その外れで起こった、夜の十一時の出来事を知る者は、夜空の星々(アステリズム)だけなのだった。
【クラス】ライダー
【真名】黄衣の王、或いは、ハスター
【出典】クトゥルフ神話
【性別】???
【身長・体重】2m、85kg
【属性】混沌・悪
【ステータス】筋力:-(C~A) 耐久:EX(C) 敏捷:A++ 魔力:A 幸運:D 宝具:A
【クラス別スキル】
対魔力:C
第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。
騎乗:E+++++
騎乗の才能。ライダー自身は、動物は愚か乗り物すら乗りこなせない。
代わりに、ライダーは神秘・風速の強弱を問わず、風に自由に乗る事が出来、また、己の配下であるおぞましい怪物・ビヤーキーを駆る事が出来る。
【固有スキル】
カリスマ:C
軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。カリスマは稀有な才能で、小国の王としてはCランクで十分と言える。
魔力放出(風):EX
風、そのもの。普段は自己改造スキルを以って、物理的に接触が可能な姿に自己を定義しているが、ライダーの本質は意思を持った風である。
風を放出する事で相手を切断したり、空気の塊を放出して相手を破壊したり、直立不可能な程の大風を纏わせて防御能力を向上させたりと、使い方は自由自在。
最大出力の状態になると、黄色の色味を伴った、人の形をした気流の様な存在となり、物理的な接触が不可能になる。
本質が風である為か、ライダーには痛み及び熱を感じる器官がなく、衝撃についてもそれを素通りする。ステータスの耐久EXとは、完全に風となった時の値を指す。但し、物理的に接触可能な姿になった場合には、カッコ内の値に耐久ランクが修正される。
自己改造:EX
自身の肉体に、まったく別の肉体を付属・融合させる適性。
身体から触手を生やしたり、己の姿を巨大なトカゲや、同じく巨大な烏賊や蛸などと言った無脊椎動物に変えて見たりと、自由自在に己の姿を変じさせる事が出来る。
このランクEXは、ライダーが物語上の存在に過ぎないと言うイレギュラー性と、語り手によってその姿形が二転三転すると言う性質から来る規格外性に起因している。
通常、本質が風であるライダーは筋力ステータスを持たない(持てない)存在だが、このスキルによって己の姿を変じさせる事で、カッコ内相当の筋力ステータスを獲得する。
【宝具】
『愛しき醜獣よ、星団を裂け(ビヤーキー・バイアクヘー)』
ランク:A 種別:対人・対軍宝具 レンジ:1~99 最大補足:1~100
ライダーの眷属であり、奉仕種族、或いは下僕である、星間宇宙に棲んでいるとされる架空の怪物、ビヤーキーを召喚、それに騎乗する宝具。
筋力・耐久・敏捷がAランク、魔力と幸運がEランク相当のステータスの使い魔として機能する。
その姿は、一見蟻の様に見えるが触角は短く、人間の様な皮膚と目、爬虫類の様な耳と口、肩と尻の付根辺りにそれぞれ鋭い鉤爪が付いた手足左右2本1対ずつを持つ。
召喚された瞬間、余りにもおぞましい姿の故に、周囲の人間に、判定に失敗すれば狂気・恐慌状態を確定させる事が出来、サーヴァントがこの判定に失敗すれば、
精神的なダメージを負わせる事が可能。この時の判定は、精神耐性の有無によって成功・失敗率が変動し、Dランク相当の精神耐性があれば基本的には問題ない。
地球上では時速70㎞程の速度での移動を可能とする騎乗物で、空気が薄ければ薄い場所であればある程、その移動速度は爆発的に跳ね上がり、
空気の薄い高度千m以上の所であるのならば、音を超過する程の速度での移動が可能。
その真価は、真名解放と同時に、腰に存在する『フーン器官』と呼ばれる器官を利用する事による、『光速の400倍』での移動。
これを発動した瞬間、光を超越する速度で移動する故か、因果の逆転現象が発生。この速度で突進を行った瞬間、ビヤーキーが倒すと定めた存在に対して、
突進が命中したと言う結果が先に来る。つまりは、回避不能の上、光速の400倍と言う速度の為反応すら不可能。早い話、発動させた瞬間相手は、ほぼ即死する。
勿論、現代どころか神代の世界の法則ですらあり得なかった速度で移動すると言うこの行為に、デメリットがゼロの訳はなく。
この奥の手を発動させた瞬間、ビヤーキーはフーン器官を用いた事によるエネルギー(カロリー)消費を、人喰いで補おうとする。
これを発動させてしまうと、ビヤーキーの腹が満たされるまで、手当たり次第に生きた人間及び魔力体を捕食する存在に、この怪物は変化する。
人間であれば最低でも5~600体程の頭数が必要になる。当然、これを発動する事はそれ自体が悪目立ち及び討伐令の発布対象になり、それどころか、この状態のビヤーキーはマスターすら捕食しかねない危険な存在となる。つまり、ライダーにとっても、本当に発動させたくない、切り札中の切り札である。
【weapon】
自己改造によって得られる怪物的特徴の数々。
余談であるが、ライダーの纏う黄衣は、本当に衣服なのではなく、衣服を模した『皮膚』の様なものであると言う。
【解説】
クトゥルフ神話において、ハスターと神の名前であり、旧支配者(グレート・オールド・ワン)と呼ばれる強大な力を持った存在の一員である。
四元素の『風』に結び付けられ、名状しがたいもの、名づけざられしもの、邪悪の皇太子など、様々な名で呼ばれる。
ハスターはしばしば、おうし座にあるヒアデス星団およびアルデバランと関連付けられ、ヒアデス星団に存在する古代都市カルコサの近くにある、
『黒きハリ湖』に棲んでいる、あるいは幽閉されているとされる。
ハスターの姿がどのようなものであるかは、詳細は不明である。目に見えない力である、触手に覆われた200フィート大の直立したトカゲ、ハリ湖に棲むタコに似た巨大生物と関連しているなどの説がある。
このハスターは神話の神、或いは外なる宇宙に君臨する恐ろしい混沌の神々、その一柱と言う訳ではない。
ダーレスが己の著作中で登場させた、創作上の登場人物、と言うのがハスターの正体であり、ラヴクラフトが観測した正真正銘の旧支配者ではない。
神性スキルを保有しないのは、まさにライダーが空想上の存在であるからに他ならないから。
自らを産み出した人間には好意的かつ寛大に接しており、そんな性格の故に、人間が自分に求めた様な、あるべき旧支配者へ至る、と言う願望がハスターには極めて強い。
創作上の架空存在と言う己の身の上を、ハスターは極度に恥じており、己に課せられた設定に恥じぬ様な者でありたい、と言う欲求が、このサーヴァントの中核。
聖杯に掛ける願いは、己の父であり母である人間達を思い、旧支配者に己の身を至らせる事。
【特徴】
フードの付いた、硫黄のように黄色いローブを纏った人型。性別自体は、風であるが故彼はこれを持たない
足首も手首も、見えない。黒革のグローブとブーツを付けており、肌の露出がない。
決して取れる事のないフードの中には、晴れる事のない黒い翳に単眼が浮かんでいる。
【聖杯にかける願い】
受肉。そして、神の座に至る事。
【マスター】
琴岡みかげ@ななしのアステリズム
【マスターとしての願い】
解らない。本当に、聖杯で三人を……?
【weapon】
【能力・技能】
お菓子作りの才能
【人物背景】
一般的な中学生の少女。社交性が高く、実家にケーキ屋を持つ。それに付随して、お菓子作りが得意で、料理の腕も良い。
白鳥司、鷲尾撫子という二人の親友がおり、二人との友情をかけがえのないものと思っている。
また、彼氏を取っ替え引っ替えしており、そのあまりの節操の無さは司や撫子にも呆れられる程。
しかし、彼女の真の想い人は親友である白鳥司その人であり……。
原作22話終了前の時間軸から参戦
【方針】
不明。と言うより、決めてない。どうしたら良いのかも解らない
最終更新:2017年08月03日 21:06