【クラス】セイバー
【真名】水天皇大神 /蛭子命
【出展】十二世紀・日本 平家物語、愚管抄等 / 日本記紀神話
【性別】女
【属性】中立・善
【パラメーター】
筋力D(C) 耐久A(C) 敏捷D(C) 魔力A 幸運D 宝具EX
※カッコ内はスキル・異形の呪発動前パラメーター
【クラススキル】
対魔力:B
魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。
共に沈んだ天叢雲剣の逸話から、龍王の娘であるとして、Aランク相当の高い対魔力能を誇っていたが、神呪に抗えなかった蛭子命と同一化されたことにより、Bランクまで低下している。
騎乗:A+
乗り物を乗りこなす能力。「乗り物」という概念に対して発揮されるスキルであるため、生物・非生物を問わない。A+は竜種を除く、あらゆる獣や乗り物を乗りこなすことが出来る。
セイバーは年若での即位、度重なる戦乱のため、馬術を修めることができずにおり未所持のスキルであった。しかし、死後同一化された蛭子命により高ランクで取得した。
神そのものであり、また神が乗る船である、鳥之石楠船神を稚児の身でありながら乗りこなした蛭子命は高ランクの騎乗スキルを持つ。
【保有スキル】
神性:A+
その体に神霊適性を持つかどうか、神性属性があるかないかの判定。天孫の直系であり、厳島神社の祭神・宗像三女神の化生としての面も持つため、高クラスで保持している。
更にセイバーはその死後、水神・子供の守護神として神の一柱に祀り上げられた。その一面と生前の逸話が合致し、蛭子命と同一化。
国産みである諾冉二尊(だくさつにそん)の子、セイバーの皇祖神である天照大神の兄姉との複合は最高クラスでの神性を齎す。
異形の呪:C
不完全性を持って産まれ出たものの運命。筋力、俊敏と言った自身の肉体に関わるパラメーターをランクダウンさせ、自身の耐久力に補正をかける。
蛭子命の抗うことができない呪い。自分に向けた攻撃力ダウンの呪術と防御力アップの変化の複合パッシブスキルであり、現界と同時に発動する。
神霊の記憶から、普段は人の形を保っているが、このスキルによってある程度の形態変化が可能。特に手足の欠損に関しては即座に発現するが、一度崩した身体を元に戻すには全身で三時間、四肢で三〇分ほどかかるうえ、変化した先は液状になる。
液状の肉体は物理的ダメージをカットするが、熱量変化、魔術攻撃には通常通りのダメージ判定がある。なお、液状化した肉体を戻すにはそれなりの魔力を消費する。
魔力放出(水):A
武器・自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって能力を向上させるスキル。
攻撃時のブースト、または防御、噴出しての高速移動等、用途は幅広い。
放出される水はセイバーの魔力から精製されるものだが、周囲にある程度の水量があるならば、それ自体に魔力を編み込むことで魔力の消費を抑えることができる。
流転の支配者:C+++
時、言葉、知識、音楽。およそ流れるもの全てを操る神の権能。
宗像三女神の化生・安徳帝が死後、水天皇大神として神の一柱へ祀り上げられた際に得たスキル。
本来はAランクであり、こと水の操作に絶大な力を発揮するが、サーヴァント召喚にあたって大幅にランクダウンしている。
このランクでは、時流の操作や生命という概念への干渉など、大規模な操作は不可能であり、せいぜい人波に呑まれることなく歩き回ったり、通常のそれとは比較にならない早さでの情報の伝播が可能な程度である。
しかし、水や風の操作に於いては高い補正を受けることができる。
無辜の怪物(龍):E-
死の間際の行為や、その結果のために生まれたイメージにより、過去や在り方をねじ曲げられたモノの名。
八岐大蛇、龍王の娘と、龍・蛇の化生としての属性、または女帝としてのイメージを持つ。
本来であれば高ランクのスキルだが今回の召喚が神の側面の強いものであること、また同一化した蛭子命とスキル・異形の呪によってランクが下がっている。
そのため、自身が女性であること以外に変化は無いが、恩恵も無い。この装備(スキル)は外せない。
【宝具】
『形代の剣(つむをかれ/くさをなげ/くもをかけよ/かたしろとなせ)』
ランク:A+ 種別:対人宝具~対軍宝具 レンジ:1~200 最大補足:500人
崇神天皇の代、天之御影命の子孫によって造られた草薙剣の形代/レプリカ。
形代のため草薙剣そのものではないが、本物に等しい神威に満ちている。
真名を開放するごとに形状と性質を変容させる。真名開放に制限はなく、変容には"形代の剣"を通す必要がない。
"都牟刈大刀" (つむがりのたち) 「つむをかれ」
紡錘状の両刃剣で鳥の羽のように左右非対称に反り返っている。
その昔、八岐大蛇を屠った素盞嗚命が尾を切り落とさんとしたときに発見した業物。それは伊弉諾命から齎された神剣、天十握剣の刃を毀れさせたほど。
そのため非常に高い耐久性を持ち、その刃が毀れることはない。また、神霊の中でも荒魂に属する神々(悪神・邪神・荒神)に対して強い特攻を持つ。
"草薙剣" 「くさをなげ」
蛇のように曲がりくねった剣身を持つ、蛇行剣。SNにおいての剣身の伸びた
ルールブレイカーのような形。
記紀神話中、火攻めにあった倭健命はこの神剣をもって周囲の草を刈り掃い、これに迎え火を点けて難を逃れたという。
その逸話から、四面楚歌の状況、複数人との戦闘に対し効果を発揮する。
一人に与えた斬撃を、周囲五〇メートルに存在する"セイバーが敵と認識した"相手に対して、同様に与えることが出来る。しかし、セイバーが姿や気配を知覚、認識できない場合はこの限りではない。
また、倭健命の手から離れ、神剣手ずから草を刈ってみせたという伝説から、ある程度の自立性があり、自動的な防御、手中を離れての打ち合い、飛行が可能。
セイバーの知覚外まで離れた場合には、剣は消滅しセイバーの手中に戻る。後述の第二宝具発動に不可欠。なお、本来付くはずの植物への特攻はマスターの意向を汲んで外している。
"天叢雲剣" 「くもをかけよ」
鍛造された鋼製の直剣。
生前の八岐大蛇の上空には、常に厚い雲がかかっていたという逸話から、使用者の上空に常に乱層雲を作り出す。これは天候・環境に左右されず、真名を開放した時点で自動的に発動し、セイバーが建物内、地下にいる場合でも、その上空に雲を造り出す。
乱層雲はいわゆる雨雲であり、小さな水の粒が集まって構築されている。セイバーはこの雲に微量の魔力による「きっかけ」を与えることにより降水雲とすることが可能。
単に天気を悪くするだけの剣であるが、水神であるセイバーはスキル・魔力放出(水)の「水源」として使うことができる。
"形代の剣" 「かたしろとなせ」
通常時の状態。両刃の簡素な鉄剣で柄は黒い。
天皇の護身用装備で、装備者に対する神性特攻を半減させる。また、受容の剣であり、この形態が最も魔力や神威を乗せる用途に適している。
『坂上宝剣 (そはさんみょうとともにあり)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1~500 最大補足:4人
毘沙門の化身と謳われた征夷大将軍・坂上田村麻呂の愛刀、ソハヤの剣。
蝦夷の蕨手刀に対抗するために作らせた、両切刃造りで先のわずかに内反りになった二尺五寸あまりの細身直剣。重ねの厚い剛刀であり、セイバーは両手持ちでないと扱えない。
"形代の剣"並に魔力の乗りが良く、ひとたび剣を投げ放てば相手と勝手に打ち合うという、"草薙剣"に似た形質を持つ。投げ放たれている最中は、田村の武技の力が剣に宿っており、セイバーが魔力放出を以ってして斬るよりも、より正確な太刀筋を見せる。
なお、田村は生前ソハヤを鳥や火焔に変化させられたと言うが、セイバーはできない。
真名開放には条件があり、第一宝具を"草薙剣"として開放していること・それが空中で自立している時のみ可能である。
条件を満たすと、同じく大蛇の尾から見出された草薙剣が、鈴鹿御前の三明の剣が一、顕明連に見立てられ、それに引き寄せられる形で大通連・小通連が顕現する。
通力自在の大通連・小通連、仏力に満ちた顕明連、田村の武技帯びるソハヤが対象を追尾し、相手を四つに切り裂く。
ソハヤ・顕明連(草薙剣)以外はセイバーは制御できず、立烏帽子の剣筋そのままに自動で斬撃を繰り出す。どの斬撃も、かつて大江山の酒天童子に並び称された鬼神・大嶽丸を斬り払った退魔の力が働き、絶大な魔種/鬼種特攻が付与される。
『水を持て、湿潤にして力強き者よ(ハラフワティー・アルドウィー・スーラー)』
ランク:EX 種別:結界宝具 レンジ:0~20+α 最大補足:-
宗像三女神の一柱・市寸島比売命は弁財天(サラスヴァティー/アナーヒター)と同一視され、水や川を司る神として崇められた。その力の一端を再現する宝具。水が留まっている場、もしくは流れている場(水路・河川・湖沼)でのみ宝具展開が可能。
水面及び、水辺・岸辺から二〇メートルほどを川の守護者アナーヒターの庇護に置き、そのもとを"清浄"にする。展開者及び、マスターの毒、病、またはそれに類する状態異常ステータスを快復し、対象サーヴァントのステータスをワンランク上昇させる。
また、結界内はBランク相当の陣地作成スキルで構築された魔術工房として扱われ、龍脈を結界内へ分水させることで魔力回復を早めることができる。展開には多大な魔力を消費し、マスターへの負担が大きいために一日一度が限度。
なお、結界内は水辺までは一般人が立ち入ることが可能だが、人避けの流れと水面に立ちこめる濃霧によって認識はできない。しかし、マスター及びサーヴァントに対する隠匿効果は皆無のため、丸見えである。
【weapon】
形代の剣(片手剣)
坂上宝剣(両手剣)
【人物背景】
第八一代天皇・安徳天皇。源平の確執深まる治承二年に産まれ、その生涯を戦乱の中に見るひと。
外祖父である平清盛の祈祷により宗像三女神の化生として生を受ける。生後間もなく儲君し、数え三歳には践祚するも、時の太政大臣・清盛によって高倉院政という建前のもと傀儡として即位。
即位後三年の後、源義仲の入京によってやむなく都を捨て、九州を転々とする。相次ぐ源平両軍の激突の中でも、屋島合戦での敗北が契機となり、天皇と平氏一門は海上へ逃亡。
しかし、壇ノ浦で捕捉され平氏軍は決定的な敗北を喫し、一門は滅亡。平氏方総大将・平宗盛に連れられていた安徳天皇も祖母・二位尼に抱えられ入水し、水底の都に散る。
この際に共に沈んだ三種の神器のうち、神剣のみが見つからなかったことから、安徳天皇はかつて神剣を素盞嗚命に奪われた八岐大蛇の化生である、龍王の娘であり龍宮へ神剣を持ち帰ったなどと、数々の伝説が語られることになった。
死後はその夭逝を慰めるべく、久留米水天宮、赤間神宮などで水神・子供の守護神である水天皇大神として祀られる。その際に境遇の似通った蛭子命/恵比寿と習合した。
二柱は意気投合し、お互いを埋め合わせるかのようにその神威を高めていった。此度の聖杯戦争では彼/彼女と共にひとつのサーヴァントとして召喚されている。
心優しき少女であり、また信心深い。皇祖神や仏を敬い、天命にひしと寄り添う。良く言えば受容の心を持った度量の大きい人物だが、悪く言えば状況や人に流されやすく、自分を確立できない人物である。
崩御された歳が歳であるので無理はないのだが、神の一柱として民草に祀られている以上、これで良いものかと悩んでいるようだ。
現在は神格のより高い蛭子命が精神的支柱となっているので、普段よりしゃんと立つことができている。
自身がサラスヴァティーやアナーヒターであったことはうっすらとだが覚えているようで、その記憶がスキルや宝具を形成しているが、力の制約はかなり受けている。
某騎士王ではないが、今回の召喚の際に直感的にとても嫌な気配・予感を感じ取ったようでいつもより神威が少々陰っている。そのため主人格を蛭子命の側面に譲っており、彼女はその内から状況を俯瞰している。
なお、身体は不定形でなくしっかり人型にしてほしいと蛭子命にお願いしており、蛭子命はそれに従い自身を形成している。
一人称は"わたし" 蛭子命のことはヒルコさんと呼ぶ。マスターのことマスター/輪くんと呼ぶ。
安徳天皇/水天皇大神のクラス適正としては、セイバー・バーサーカー・アヴェンジャーが挙げられる。
通常なら応じたとしても安徳天皇として召喚されるのだが、今回は神霊・水天皇大神として召喚されている。更に習合相手の蛭子命の側面も色濃く反映されており、此度の聖杯戦争の異常性を物語る。
蛭子命。伊弉諾命、伊弉冉命が国産みの際に産んだ原初の子。不具の子であったとされ、三年をかけても立つことができなかったので、二柱により鳥之石楠船神に乗せられて、オノゴロ島から流されてしまった。
蛭子命はヒルコと読むが、ここから「日る子」であり、貴い「日の御子」である故に流されたとする伝説もある。実際、子作りの際に伊弉冉命から声を掛けてしまうことさえ無ければ、天照大神に匹敵する神格を得ることができたという。
貴種流離譚に従えば、英雄=蛭子命は流された先で養われ、何れは諾冉二尊へ復讐することとなるだろう。しかし、蛭子命は流された先で勇魚として幸運を齎し、神威を発揮するのみであり、やがては福の神に結び付けられたほど。
当人もこれは与えられた運命であり、何よりこの醜き身体こそ父母との繋がりであるのだと受け入れている。そのためにアヴェンジャー適正は破棄している。
性格は穏やかであり、感情を烈しく表すことは無い。むしろ乏しいほう。マスターの命令には素直に従うが、蛭子命や水天皇大神から見て間違っていることであれば、諭し説得を試みることもある。
座や聖杯からの情報は確かに受け取っているのだが、その出力がやや斜め上方向にされることがある。セイバーが身につけている宇宙服もその一つであり、これは仮に自分や言仁(水天皇大神)が同じ死に目に遭おうとも、二度と死ぬことのないように、と心を込めて魔力で編んだものである。この通り、心優しき神なのである。
水天皇大神のことは言仁(ことひと)と諱で呼び、マスターのことは輪/マスターと呼ぶ。
クラス適性はランサー・ライダー・バーサーカー・アヴェンジャー(破棄)が挙げられる。
何かに怯える水天皇大神であるが、それでもひとつ大きな事を成したいと思っている節があり、そのために聖杯戦争への勝利を目指している。また、子供の守護神であるのだからマスターは命に代えても護るという心持ち。蛭子命もそれは同じ。
【特徴】
二振りの剣を帯剣した、小さな宇宙服に身を包む六~七歳ほどの子供。ヘッドグラスは暗く、外部から表情は窺えない。首部は元来のものより柔軟で頭部を動かして周囲を見渡すことが可能。その中には角髪を結った儚げな少女の顔がある。
宇宙服は魔力で編んであり、鎧としての役割も持つ。背部のバックパック状部分や足から、スキル・魔力放出(水)・流転の支配者を利用した水流を噴出しての高速移動を好む。やめてください……アイア○ンマン……
普段は白い五分袖のワンピースを着用。悪目立ちが過ぎると輪に言われて、他の格好を求められ、束帯、水干と姿を変えた結果、呆れた輪に売店のファッション雑誌を買ってもらい、それを参考にしている。
【聖杯にかける願い】
今は、マスターを勝利させ早く元の世界に帰してやりたい。また、できれば水天皇大神が気にかけている坂上宝剣を田村大明神に返還してやりたい。
最終更新:2017年11月07日 14:13