空海

【クラス】キャスター
【真名】空海
【出典】日本(西暦774年~西暦835年?)
【性別】男性
【身長・体重】172cm、60kg
【属性】中立・善
【ステータス】筋力:E 耐久:C 敏捷:D 魔力:A+ 幸運:EX 宝具:EX

【クラス別スキル】

陣地作成:A+
魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる『工房』を上回る『神殿』を形成する事が可能。
またキャスターが干渉した土地は、陣地を形成すると言うプロセスを踏まずとも、確率でキャスターの陣地であると判定される事がある。
キャスターは土木学に非常に優れ、建築にも造詣が深かったとされる。

道具作成:A+
魔力を帯びた器具を作成できる。このランクになると材料さえ工面すれば、宝具の作成すらも可能とする。
またキャスターが干渉した物品は、確率でE-Dランク相当の宝具と判定される事がある。

【固有スキル】

千里眼:EX
視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。 キャスターの千里眼は遠方の視認や動体視力の向上もなく、透視も未来視も過去視も出来ない。
代わりにキャスターは、『視認・認識した事象や問題の完全なる最適解』を視る事が出来る。この能力はキャスター自身の意思でオンオフを切り替えられない。

仏の加護:A+
大日如来や四天王、明王に菩薩、釈迦如来など、仏教由来の神格達からの加護。
ランク相当の対魔力をキャスターに約束するだけでなく、窮地に置かれる前に優先的に幸運を呼び寄せ、更にキャスターの僧侶としての能力をバックアップする。

法力:A+
後述の宝具の効果による発露の一端。加えて、『仏の加護・神々の加護』によって補正が掛かっている。
類似スキルに『法術』があるが、キャスターは術を介さずとも力を行使し、あらゆる奇跡を発現させる。
特に水・樹木を筆頭とした自然物への干渉を得意とし、判定次第ではそれらを駆使した相手の魔術や宝具の支配権すら奪う事が出来る。

神々の加護:B
丹生明神・高野明神・清瀧権現など、日本由来の神格・神霊からの加護。キャスターの行動は神々によって障害が取り除かれ、成功が保証される。
キャスターは仏の道を選んだ為ランクがダウンしているが、それでもなお高いランクを誇る。

菩提樹の悟り:A
求道の果ての悟りの境地。いかなる環境・状況にも左右されない不動の精神。
人の在り方を理解するにまで至ったその見識は、第六感を不確定な予感ではなく、確たるものとして認識することができる。五感に対する妨害を無効化し、精神干渉をシャットアウトする。

【宝具】

『飛行三鈷杵(ひぎょうさんこしょ)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~1000 最大補足:1
キャスターが唐国で恵果和尚より授かった三鈷杵が宝具となったもの。キャスターが法力を発動しやすくする為のツール。
また元々が、インドラ神が所有する武器であるヴァジュラをモデルとしたものである為、当然攻撃にも使用可能。
その場合には、悪属性のサーヴァント、または過去に殺人や姦淫、窃盗などを犯した者、魔性や不死の属性に対して特攻の光を放つ事が出来る。
この宝具の真の使い道は、投擲する事で、キャスターにとって最も正着となる場所、あるいは者へと空間を超越して辿り着き、相手に攻撃、或いは、その者の位置を知る事が出来る。

『遍照金剛・寂滅為楽(へんじょうこんごう・じゃくめついらく)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1
キャスター自身が目標とし、そして己自身が成し遂げた即身成仏の究極体現。常時発動型の宝具。
キャスターの持つ法力スキルは、厳密に言えばこの宝具の力を一割程度発動させている時の余波のような物である。
この能力を最大限まで発動させると、仏の加護・法力・菩提樹の悟りスキルがEX相当に修正され、老化はおろか、現時点でのあらゆる状態を停滞させる。
あらゆる物理干渉をシャットアウトし、5つの魔法、神霊級の魔術や攻撃や宝具・害意すら寄せ付けず、何者の侵害も許さない究極の守り人となる。
勿論その代償として、魔力の消費は絶大であり、陣地外でこの効果を発動しようものならどう言った結果になるのかは、言うまでもない。

【weapon】


【解説】

弘法大師の名で知られる、平安時代初期の僧にして、真言宗の開祖である。幼名を佐伯眞魚。
中国より真言密教をもたらした、また密教と言う物を日本で最も理解していた万能の天才の一人。
豪族の息子として生まれ、若い頃から高度な教育を受け、18の時に上京して当時唯一の大学に特例で入学し、明経道を主に学ぶ。
だが、それだけでは飽き足らず、山林での修行に入るようになる。この時期の足跡は明らかにされておらず、この時期に名を空海と改め、また悟りを得たとされる。
当時31歳と言う若さ、しかも私度僧に過ぎなかった空海が、何故当時のエリート集団である遣唐使の留学生に選ばれたのかは今なお謎に包まれているが、
遣唐使は唐に渡るだけで既に命がけであり、空海達の時もその例に漏れず、大きく航路が逸れてしまうも、船は無事唐へと漂着。
般若三蔵や恵果和尚などの高僧に師事し、その実力を認められ、『遍照金剛』の名を与えられる。この名は空海の法号ともなった。
その後唐の国で曼荼羅や密教法具の製作、経典の書写が行われた。恵果和尚からは阿闍梨付嘱物を授けられた。
その後も土木技術や薬学をはじめ多分野を学び、経典などを収集、更に唐の言葉や、当時の唐で知られていたゾロアスター教の教義やペルシア語も学ぶ。
当初は20年の予定であった留学を、2年で全て修めてしまい、そのまま帰国。 帰国後、僧侶として多くの重要活動に励み、61の時に入定。
死後しばらくして、醍醐天皇から『弘法大師』の諡号が贈られた。余りにも整い過ぎた出世の人生も疑いの対象だが、その真に奇妙な点は彼の足跡である。
日本全国には空海ゆかりの伝説が5000以上もあるとされ、歴史上空海が移動したとされる範囲の外にすら彼の伝説が存在する。
この奇妙な伝説の分布は、日本人にとって名のある僧と言えば空海であると言う認識が根底にあり、彼に対する尊崇の念があったからだ、と考えられる。

しかし、これら日本に存在する空海伝説のその全てが本物。だが厳密に言えば、その伝説の半数以上が、『入定後』に成立したものである。
空海は生まれつき、目にした問題や事象の答え・最適解を視認出来る千里眼の異能を持って生まれてしまった人間だった。
彼自身は大層頭が良く、十代半ばの頃には当時の大学に易々と合格出来る学力を持っていたが、答えを解く前に目の前に答えが表示されてしまう。
そんな事がずっと続くものであるから、空海の人生は退屈を極め、この世に辟易とし始め、何を思ったか山籠もりを始め修行をし始める。
何をしても、自分には答えと言うものが待ち受け、その答えの通りに動けば全て上手く行く為、空海の心は虚しかった。
そんな折に、虚空蔵菩薩が彼の前に現れ、その力を以って衆人を救えと言う言葉を聞き、悟りを得る。
彼は、世界に存在する全ての人間の生活を豊かにし、満ち足りたものにする、と言う『達成不可能・千里眼で答えも表示されない』偉業を成し遂げようと決意。
その為には力を得ねばならぬと奮闘するが、国内では限界があるとし、空海は地上を救う術を日本だけでなく、海の向こうの唐にも求めた。
遣唐使になったのもこの為で、彼は千里眼の力を用いてあらゆる方面に根回しをした。ただの無名の僧が遣唐使の資格を得たのはこれが理由。
その後は史実の通り、卓越した才能と千里眼の異能で、密教だけでなく、唐の土木や薬学、修辞学に能書、文学、果てはゾロアスターの教義すら完全に理解する。
帰国した後はその力を用い、国家や民の暮らしを豊かにしようと奔走。その後は己の老いを悟り、入定。己の育てた弟子達に後を任せ、そのまま世から離れようとした。
だが、彼は余りにも偉大過ぎた。彼の働きは仏や神々にとっても目覚ましく、好ましいものだったようで、空海を己の手元に彼らは残したがった。
故に空海は、仏達の力によって神の領域に強制的に近付かされ、入定に入った奥の院の霊廟ごと現世でも幽世でもない世界の外側の方へ弾き出されてしまった。
これは堪らぬと空海は、何とか己の力を駆使し外側の世界から脱出、その度に日本の各地に伝説を築いていた。
そしてその度に、仏や神々に連れ戻され、また脱出し、また連れ戻され、を繰り返していたが、流石に何十回目には対策をされ尽くされ、脱出も著しく難しくなってしまう。
こうして空海は今も世界の外側から、人間の世界を眺め、己の教えや己が齎した奇跡の産物である湧水が使われている事を知りながら、退屈に過ごす羽目になるのだった。

鷹揚とした性格をした大人の男性だが、冗談を好み、煙に巻く話し方が好きで、己の話で困る素振りを見せる人間が大好きだと言う困った人物。
また仏僧ではあるが、出家後も肉も食べたし女も抱き、酒も飲んでいたと言う破戒僧。それでもなお仏や四天王、明王から愛されていた。
本来はスカサハやマーリン同様、今も生き続けている存在の為英霊にすらなれず、召喚する事は不可能。また、グランドキャスターの適性も満たしている。
千里眼の異能の影響か、冷めた所もあるが本質的には人間が好きで、己の学んだ技術を授ける事に惜しみがない博愛的な性格。
今の仏達の過保護な待遇にはほとほと呆れ返っており、これなら英霊の座とやらに登録された方がまだマシだったとすら思っている程。
そんな彼が、サーヴァントとして召喚されると言う事態に、空海自身が驚きながらも、サーヴァントになっても仏や神々の加護が生きている事を嘆きつつも。彼は、束の間の自由を楽しむ事にするのであった。

【特徴】

飾り気も何も無い、朱色の袈裟と、黒色の法衣を着こなす、剃髪の男。常に不敵な微笑みを浮かべている。
聖杯戦争に際しては、第16次遣唐使留学僧として長安に入った時の31歳の年齢で召喚されている。年齢こそ中年のそれだが、外から見れば、二十代前半~中盤としか思えぬ程若々しい。

【聖杯にかける願い】

ない。自由を楽しむと同時に、デュフォーの願いを聞いてやる

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最終更新:2017年11月07日 17:44