【クラス別スキル】
気配遮断:A
サーヴァントとしての気配を絶つ。完全に気配を絶てば発見することは不可能に近い。ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。
【固有スキル】
トリックスター:EX
秩序にして混沌。賢者にして愚者。善にして、悪。神の法や自然秩序を無視し、世界を引っ掻き回す悪戯者。
このランクになると、2つまでなら、特定のサーヴァント独自のユニークスキルを除いた如何なるスキルであろうとも、Aランク相当での模倣がいつでも可能。
また、このスキルは極めて高ランクの叛骨の相を保有しているのと同じであり、アサシンのスキルランクの場合であると、
カリスマや皇帝特権等、権力関係のスキルを無効化し、逆に弾き返す。令呪についても具体的な命令であれ決定的な強制力になりえなくなる。
アサシンのトリックスタースキルは規格外かつ評価不能のそれであり、観測する人間や、その時々の状況で、己の姿形は愚か、
魂の本質や属性ですら意のままに変貌させられる。更にアサシンは、呼び出されたマスターの人格に応じて、『高ランク固有スキルを二つ習得する』。
今回のアサシンは、自身を呼び出したマスターの性格や本質によって、『策謀型』のそれに傾倒させられている。
神性:B
天空神ニャメと豊穣の女神アサセ・ヤとの間に生まれたアサシンは、本来は紛う事なき正統なる神の一柱であり、規格外の神霊適性を誇っていたが、
聖杯戦争に際しては、生来の魔獣・魔蜘蛛としての適性と、文化英雄的な側面を押し出しての召喚の為、神性スキルがランクダウンしている。
高速思考:A
物事の筋道を順序立てて追う思考の速度。アサシンの場合は機転の良さや、悪戯を考える速度、そして計画を練る為のスピードである。
特に、謎解きや策略・謀略において、アサシンの高速思考スキルは高い効果を発揮する。
邪知のカリスマ:A
通常のカリスマスキルと違い、このスキルは大軍団ではなく個人単位で人間を大きく引き付ける才覚を表す。言ってしまえば、人間的魅力、人を惹きつける力。
このランクになると『混沌』及び『悪』属性を持った存在に対して非情に強いカリスマを発揮させられるだけでなく、『秩序』や『善』属性を持った存在にさえ、
その魅力が作用、悪の道に引きずり込ませる事だって不可能ではない。トリックスターによって獲得された、二つ目のスキル。
【weapon】
自己改造で生やした蜘蛛の手足:
アサシンは己の身体から蜘蛛の脚を生やす事が出来、これを高速で振るう事でアウトレンジからの攻撃を行う事が可能。
【解説】
アナンシとは、西アフリカにおける神話・伝承において最も重要な登場人物の一人であり、宇宙と世界の創造主である天空神ニャメと、
豊穣の女神アサセ・ヤとの間に生まれた神、或いは文化英雄であり、同地域の神話体系における最大のトリックスターである。
一般に大蜘蛛、或いは人間、蜘蛛と人間両方の特徴を兼ね備えた存在として描写される事が多い。
太陽や月、星々を創造し、人間の創造にも関わったとされる万物の創造主とされていたが、時代が下るにつれて、
雨乞いによって火災を消し止めたり、人類に農耕の技術を教えたりするなど、抽象的な創造神としてではなく文化英雄的な側面が強調される存在になって行った。
またある物語によれば、アナンシが世界中の知恵を瓢箪に封じ込めようとしたと言うが、知恵を溜めても溜めてもキリがないのと、
知恵を全て独占しようとすることの虚しさを悟り、知恵を世界に解き放ったと言う伝承も確認出来る。
アナンシが登場する物語や民話の多くで、アナンシは自身が登場する物語のみならず『全ての物語の王』として君臨しようとした逸話がある、と言う特徴を持つ。
アナンシは天空神ニャメに『物語の王』の名を乞うたが、ニャメはアナンシに試練を与える。『短剣の歯のジャガー』、『火の針の雀蜂』、『人がまだ見ぬ妖精』。
以上の三つを捕らえる事ができたら『物語の王』にしてやろうと言った。ニャメの無理難題であり、ニャメは端から物語の王にするつもりはなかったが、アナンシは承知。
それからアナンシは、彼を食おうとするジャガーを騙してあるゲームに引き込み、ジャガーを縛り上げる。
雀蜂には、雨が降っていると偽って瓢箪に入るようにと騙す。妖精は、後述の脂或いはタールで出来た赤ん坊を使って騙す。
アナンシはこれらの獲物をニャメに差しだし、『すべての物語の王』となったとされている。
ニャメ神の名代として最高の地位に君臨する神霊であり、その名の下に世界の秩序を保つなどと言う重要な仕事を担う神。
そして、非常に機転が利き弁も立つトリックスター。であるが、時折アナンシの方が騙されて、手痛い失敗を負う事がある(場合によってはアナンシが死ぬ)。
魔女の呪文を利用して悪戯に相手の命を奪っていたら逆に自分が魔女の呪文に引っかかって死ぬ、漁師やカメレオンを騙そうとて騙し返される、
食べ物を盗みに行こうとした帰りにタールで出来た赤ん坊の人形に口論で言い負かされるなど、凡そ神らしくない間抜けなエピソードもしばしば。
またこの手のアナンシの話は、人々を騙して金銭や食物を得ようとするも、かえってその為に貧しくなったり餓えてしまうと言う教訓譚的なものが多い。
アナンシは規格外のトリックスタースキルによって、その姿形や戦闘能力、そして魂ですら変質させる事が出来るサーヴァントである。
彼は自身を召喚したマスターに喜んで貰えるような――そして、物語の王として上位次元、即ち『読者』や『プレイヤー』と呼ばれる存在を認識出来る為に、
彼らを喜ばせられるような役割を演じようと、己のスキルを自由自在に組み替え、最初に組み替えたそのスキルで聖杯戦争に臨もうと言う悪癖を患っている。
今回のアナンシのスキルがやけに策謀型に傾倒しているのは、マスターである蜂屋あいの影響が極めて強いからである。
仮にであるが、
藤丸立香や
光本菜々芽、
東方仗助に
空条徐倫、ラ・ピュセルとマシュ等がアナンシを召喚していたら、全てのステータスがAランク相当でかつ、
極めて実戦的な戦闘スキルや高いレベルの精神耐性を誇るスキル、そして、高潔で黄金の意思を持った最優のサーヴァントを演じていた可能性が高い。
逆に、
ジャギやフェイスレス、トゥワイス等が召喚していれば、文字通りの邪悪な性格を持つばかりか、一般的に負のイメージで捉えられるスキルを、
幾つも保有していた可能性がある。蜂屋あいの影響で今回のアナンシは、正に後者の方で召喚されており、性格は極めて狡猾かつ残忍。
自分とマスターである蜂屋あいが楽しいかどうか、そして、物語の王として『読者』を楽しませる事を念頭に行動する問題児と化した。
ちなみに、上述の『最初に組み替えたスキルで戦う』と言う制限プレイを撤回した場合、アサシンでありながら恐るべきステータスを振いつつ、
クラス固有スキルやそのサーヴァントしか持ちえないであろうユニークスキルを凄まじい速度で付け替えながら相手を殲滅する、『正に面白味もクソもないサーヴァント』に変貌する。
【特徴】
蜘蛛の身体全体をデフォルメしたお面を被った、まだら模様の朱色のスーツを着こなす、黒髪で褐色の肌の青年。
【聖杯にかける願い】
全ては読者と、アイの為に!! ああでも、アイは死相が見えてるからなぁ……生き残らせられるかな?
最終更新:2025年04月01日 15:42