アナンシ

【クラス】アサシン
【真名】アナンシ
【出典】西アフリカ伝承、各種絵本、童話
【性別】男性
【身長・体重】188cm、67kg
【属性】混沌・善
【ステータス】筋力:B 耐久:C 敏捷:B 魔力:A+ 幸運:A++ 宝具:EX

【クラス別スキル】

気配遮断:A
サーヴァントとしての気配を絶つ。完全に気配を絶てば発見することは不可能に近い。ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。

【固有スキル】

トリックスター:EX
秩序にして混沌。賢者にして愚者。善にして、悪。神の法や自然秩序を無視し、世界を引っ掻き回す悪戯者。
このランクになると、2つまでなら、特定のサーヴァント独自のユニークスキルを除いた如何なるスキルであろうとも、Aランク相当での模倣がいつでも可能。
また、このスキルは極めて高ランクの叛骨の相を保有しているのと同じであり、アサシンのスキルランクの場合であると、
カリスマや皇帝特権等、権力関係のスキルを無効化し、逆に弾き返す。令呪についても具体的な命令であれ決定的な強制力になりえなくなる。
アサシンのトリックスタースキルは規格外かつ評価不能のそれであり、観測する人間や、その時々の状況で、己の姿形は愚か、
魂の本質や属性ですら意のままに変貌させられる。更にアサシンは、呼び出されたマスターの人格に応じて、『高ランク固有スキルを二つ習得する』。
今回のアサシンは、自身を呼び出したマスターの性格や本質によって、『策謀型』のそれに傾倒させられている。

文化英雄:A+
武ではなく智によって人類の生存に貢献した者の持つスキル。旱魃・疫病・虐殺などの効果を持つスキル・宝具に対するとき、有利な補正を得る。

神性:B
天空神ニャメと豊穣の女神アサセ・ヤとの間に生まれたアサシンは、本来は紛う事なき正統なる神の一柱であり、規格外の神霊適性を誇っていたが、
聖杯戦争に際しては、生来の魔獣・魔蜘蛛としての適性と、文化英雄的な側面を押し出しての召喚の為、神性スキルがランクダウンしている。

高速思考:A
物事の筋道を順序立てて追う思考の速度。アサシンの場合は機転の良さや、悪戯を考える速度、そして計画を練る為のスピードである。
特に、謎解きや策略・謀略において、アサシンの高速思考スキルは高い効果を発揮する。

蜘蛛糸の果て:A+++
構築した計画や策謀、それに人を同担・加担させられる力。ランクが高ければ高い程、人は、アサシンの練り上げた計画に無意識の内に加担して行く。
このランクになると、余程勘に優れたサーヴァントでもない限りは、アサシンの描いた計画に自分も加担している事に気付く事は不可能な他、
その計画を練り上げたアサシン自体の存在にも、彼自身がその存在を暴露しない限りは気付く事は不可能となる。トリックスターによって獲得された、一つ目のスキル。

邪知のカリスマ:A
通常のカリスマスキルと違い、このスキルは大軍団ではなく個人単位で人間を大きく引き付ける才覚を表す。言ってしまえば、人間的魅力、人を惹きつける力。
このランクになると『混沌』及び『悪』属性を持った存在に対して非情に強いカリスマを発揮させられるだけでなく、『秩序』や『善』属性を持った存在にさえ、
その魅力が作用、悪の道に引きずり込ませる事だって不可能ではない。トリックスターによって獲得された、二つ目のスキル。

【宝具】

『知恵の瓢箪(スパイダーズ・ポット)』
ランク:A 種別:対知宝具 レンジ:- 最大補足:-
アサシンが腰の辺りに巻き付けている、砂色の瓢箪。武器に使える物では勿論なく、中に液体が入っている訳でもない。
その正体は、アサシンと対峙した、或いはアサシンに近づいている存在の保有する記憶や知恵をコピー、複製させて、内部に溜め込んでおく不思議の瓢箪。
瓢箪の中に溜め込まれた知識を、アサシンは自由に閲覧する事が出来、これを利用して、相手の真名の把握や弱点、及び、どんなスキルと宝具を持っているのか、
と言う事を理解する事が可能。瓢箪の中に収められる記憶や知恵の総量は無限であり、自由にどんな知識も収容可能。
但し、アサシン以上の神性スキル及び、特殊な加護を内在したスキルや宝具を持っている相手には、情報に掠れが生じ、閲覧がやや困難になる。
また、溜めこんだ知恵を『放出』すると言う芸当も可能で、この場合、任意の相手に瓢箪の口部分を押し付け、解放させる事で、
相手の脳内に瓢箪内の全情報が炸裂。脳の処理速度を大幅に上回る情報の波濤で、ダメージを与える事が可能。溜めこんだ情報次第では、致命的な一撃になり得る。

『人世、全ての話(アナンセ・セム)』
ランク:EX 種別:対物語宝具 レンジ:∞ 最大補足:∞
ひとよ、すべてのはなし。
『物語の王』と言う名を持ち、その名の通り、世界中の様々な所に形を変えて己を伝えて行き、行く先々で時に悪役、時に主役、時に悪、時に善として
様々な活躍を見せて来たアサシンと言うサーヴァントの在り方が、宝具となったもの。
その神髄は、この世界を一種の物語として認識する事によって行われる『第四の壁』を破る事による『世界へのメタ視』及び観測者への語り掛け。
そして、メタ的に世界を認識する事で行われる『意図的な運命干渉』。つまりこの宝具の真価とは、『自身を主人公とし、俗にいう主人公補正を』発動させる宝具。
この宝具を利用する事で、己の死をなかった事にして即自的に復活を遂げたり、そもそも攻撃を透過させたり、
本来ならば致命傷に至らないような小技の攻撃で、十全の状態の耐久力に優れたサーヴァントに宝具・スキルの効果を無視して消滅寸前の大ダメージを与えたり、
およそ考えられるあらゆる不条理を手繰り寄せる事が可能。物語の王、つまりは、ある種の『神』の視座から行われる、物語の奴隷(キャラクター)への制裁。但し、引き起こす運命干渉の度合いによって、魔力の消費量が乱高下する。

物語の王としての生来のサガとして。そして、アサシンを召喚したマスターの魂の属性に引きずられたせいで。
『悪役』としての側面をクローズアップされて召喚されたアサシンは、『主役(主人公)の属性を持つ者』、或いは『星』の属性を持つ者に対しては非常に弱く、極めて高い確率でこの宝具の失敗率が跳ね上がってしまう。

【weapon】

自己改造で生やした蜘蛛の手足:
アサシンは己の身体から蜘蛛の脚を生やす事が出来、これを高速で振るう事でアウトレンジからの攻撃を行う事が可能。

【解説】

アナンシとは、西アフリカにおける神話・伝承において最も重要な登場人物の一人であり、宇宙と世界の創造主である天空神ニャメと、
豊穣の女神アサセ・ヤとの間に生まれた神、或いは文化英雄であり、同地域の神話体系における最大のトリックスターである。
一般に大蜘蛛、或いは人間、蜘蛛と人間両方の特徴を兼ね備えた存在として描写される事が多い。
太陽や月、星々を創造し、人間の創造にも関わったとされる万物の創造主とされていたが、時代が下るにつれて、
雨乞いによって火災を消し止めたり、人類に農耕の技術を教えたりするなど、抽象的な創造神としてではなく文化英雄的な側面が強調される存在になって行った。
またある物語によれば、アナンシが世界中の知恵を瓢箪に封じ込めようとしたと言うが、知恵を溜めても溜めてもキリがないのと、
知恵を全て独占しようとすることの虚しさを悟り、知恵を世界に解き放ったと言う伝承も確認出来る。
アナンシが登場する物語や民話の多くで、アナンシは自身が登場する物語のみならず『全ての物語の王』として君臨しようとした逸話がある、と言う特徴を持つ。
アナンシは天空神ニャメに『物語の王』の名を乞うたが、ニャメはアナンシに試練を与える。『短剣の歯のジャガー』、『火の針の雀蜂』、『人がまだ見ぬ妖精』。
以上の三つを捕らえる事ができたら『物語の王』にしてやろうと言った。ニャメの無理難題であり、ニャメは端から物語の王にするつもりはなかったが、アナンシは承知。
それからアナンシは、彼を食おうとするジャガーを騙してあるゲームに引き込み、ジャガーを縛り上げる。
雀蜂には、雨が降っていると偽って瓢箪に入るようにと騙す。妖精は、後述の脂或いはタールで出来た赤ん坊を使って騙す。
アナンシはこれらの獲物をニャメに差しだし、『すべての物語の王』となったとされている。
ニャメ神の名代として最高の地位に君臨する神霊であり、その名の下に世界の秩序を保つなどと言う重要な仕事を担う神。
そして、非常に機転が利き弁も立つトリックスター。であるが、時折アナンシの方が騙されて、手痛い失敗を負う事がある(場合によってはアナンシが死ぬ)。
魔女の呪文を利用して悪戯に相手の命を奪っていたら逆に自分が魔女の呪文に引っかかって死ぬ、漁師やカメレオンを騙そうとて騙し返される、
食べ物を盗みに行こうとした帰りにタールで出来た赤ん坊の人形に口論で言い負かされるなど、凡そ神らしくない間抜けなエピソードもしばしば。
またこの手のアナンシの話は、人々を騙して金銭や食物を得ようとするも、かえってその為に貧しくなったり餓えてしまうと言う教訓譚的なものが多い。

アナンシが登場する物語群は一般的に『アナンセ・セム』や『アナンシ=トリ』とも呼ばれ、彼の物語はアフリカの広範囲の地域は勿論、
東インド諸島にも伝わっているばかりか、大西洋を隔てたアメリカ大陸にも伝わっていたという向きもあり、非常に広範に伝わっている。
これは一説に曰く、中世~近世の黒人奴隷貿易で連れて来られたアフリカ系の奴隷が、連れ去られた現地で話を伝えて行った可能性が高い、と言う物もある。
現在でもアナンシの物語は伝わっており、日本においても『アナンシと五』と言う絵本等の形で伝わっており、彼の物語のバージョンや類型も、あのウォルト・ディズニーの映画に取り入れられた事がある。物語の王の神話は、今もまだ続いている。

アナンシは規格外のトリックスタースキルによって、その姿形や戦闘能力、そして魂ですら変質させる事が出来るサーヴァントである。
彼は自身を召喚したマスターに喜んで貰えるような――そして、物語の王として上位次元、即ち『読者』や『プレイヤー』と呼ばれる存在を認識出来る為に、
彼らを喜ばせられるような役割を演じようと、己のスキルを自由自在に組み替え、最初に組み替えたそのスキルで聖杯戦争に臨もうと言う悪癖を患っている。
今回のアナンシのスキルがやけに策謀型に傾倒しているのは、マスターである蜂屋あいの影響が極めて強いからである。
仮にであるが、藤丸立香や光本菜々芽、東方仗助に空条徐倫、ラ・ピュセルとマシュ等がアナンシを召喚していたら、全てのステータスがAランク相当でかつ、
極めて実戦的な戦闘スキルや高いレベルの精神耐性を誇るスキル、そして、高潔で黄金の意思を持った最優のサーヴァントを演じていた可能性が高い。
逆に、ジャギやフェイスレス、トゥワイス等が召喚していれば、文字通りの邪悪な性格を持つばかりか、一般的に負のイメージで捉えられるスキルを、
幾つも保有していた可能性がある。蜂屋あいの影響で今回のアナンシは、正に後者の方で召喚されており、性格は極めて狡猾かつ残忍。
自分とマスターである蜂屋あいが楽しいかどうか、そして、物語の王として『読者』を楽しませる事を念頭に行動する問題児と化した。
ちなみに、上述の『最初に組み替えたスキルで戦う』と言う制限プレイを撤回した場合、アサシンでありながら恐るべきステータスを振いつつ、
クラス固有スキルやそのサーヴァントしか持ちえないであろうユニークスキルを凄まじい速度で付け替えながら相手を殲滅する、『正に面白味もクソもないサーヴァント』に変貌する。

本来の性格は真面目でありながらふざけ好き、慈悲深くありながら残忍など、その時々で性格を変えまくる天邪鬼。
だがどの性格でも共通して、自分を召喚した人物及びメタ的な世界の住人である読者やプレイヤーを楽しませようと言う意識が強い。
その為なら敢えて、マスターや、時折自分ですらも不利な状況に陥らせてみる、と言う極めてタチの悪いクセを持っている。
蜂屋あいに召喚されたアナンシは、ふざけ好きでありながら残忍、それでいて常に悪巧みの為に智慧を巡らすと言う厄介極まりない性格となっている。一方で、蜂屋あいの事は可愛くてノリが良いと気に入っており、今回は敢えて不利に陥れさせる事はないようだ。

【特徴】

蜘蛛の身体全体をデフォルメしたお面を被った、まだら模様の朱色のスーツを着こなす、黒髪で褐色の肌の青年。
お面は口元が隠されておらず、その口の動きで表情を推し量る必要がある。

【聖杯にかける願い】

全ては読者と、アイの為に!! ああでも、アイは死相が見えてるからなぁ……生き残らせられるかな?

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最終更新:2017年11月08日 21:40