H・G・ウェルズ

【クラス】キャスター
【真名】H・G・ウェルズ
【出典】史実(イギリス:AC1866年9月21日~1946年8月13日)
【性別】男性
【身長・体重】173cm、63kg
【属性】秩序・中庸
【ステータス】筋力:E 耐久:E 敏捷:E 魔力:E 幸運:D 宝具:C++

【クラス別スキル】

道具作成:E+++
キャスターは魔術的な道具の一切を作成出来ない。
その代わり、キャスターが生前書き上げた作品の中に登場させたあらゆる技術、あらゆる道具の作成が可能。
透明人間薬や、遠方を監視する水晶の卵、自分の行動速度を数万~数十万倍まで加速させる加速剤、トライポッド、宇宙船等々が作成可能となる。

陣地作成:E
執筆に有利なアトリエの作成が可能。

【固有スキル】

空想科学:EX
夢想し、空想される、科学と言う技術の果てや可能性。それを想像する空想力。
キャスターは魔術の類を一切行使出来ぬ代わりに、キャスターが起こす全ての攻性の現象は『未知の科学現象』として扱われる。
キャスターが発動する攻性現象には、魔力の類が一切含まれない為、彼の攻撃は対魔力スキルを貫通する。
SFと言う概念を確立、築き上げた巨匠の片割れであるキャスターは、このスキルを規格外とも言えるランクで誇る。

思想の開拓者:A
人類の歴史ではなく、人類の思想や観念に、どれだけの影響を与えて来たかのスキル。
人類史におけるターニングポイントとなった思考及び考え方を齎した者に、このスキルは与えられる。類似するスキルに、星の開拓者がある。
あらゆる机上の空論、砂上の楼閣が、“不可能なまま”“実現可能な理論”になる。
キャスターは、上記の空想科学スキルで新しい着想を得てから、この思想の開拓者スキルを利用し、道具作成スキルを行使する事で、現代の科学では到底作成不可能な物品の数々を創造する事が出来る。

【宝具】

『神秘は科学の明かりに照らされて(Science Fiction)』
ランク:C++ 種別:対概念宝具 レンジ:- 最大補足:-
キャスターが築き上げた、一大ジャンル、『SF』と言う概念自体が宝具となったもの。
キャスターが認識した神秘的、空想的事象・現象は、その全てが『科学的に、そして論理的に説明出来る事象・現象』へと格落ちさせられる。
即ち、相手の放つ諸々の行動から、『神秘』と呼ばれる概念が一切剥奪される。
宝具・礼装・聖典の類は全て、その貴さや理想、幻想や神秘、歴史的価値や文化的価値すら封印され、物質的な実体そのものの素材・加工から、
科学的・論理的に想定され得る威力まで規定されてしまう。相手がどんな魔術を放とうとも、それは神秘も何もない科学的な超能力に置換され、
相手が核兵器並の威力と古から積み上げて来た神秘を誇る宝具を持とうとも、その宝具から神秘性が剥奪されれば、核兵器並の威力を誇るそれにまで貶められる。
また、キャスターが認識した事象に、科学・論理的に説明出来ない『エピソード由来型の宝具』であった場合には、宝具の神秘性にもよるが殆どの場合発動不可となり、
常時発動型、或いは特攻や異常付与等の追加効果を齎すものがあった場合については、キャスターが『論理・科学的に可能』と思わない限りは全て封印される。
この宝具はあくまでも神秘が剥奪されるだけに過ぎず、形を伴った宝具や武器については、神秘こそ奪われど、攻撃や防御自体は問題なく行える。
但し、神秘が奪われると言う事は即ち、世界にしっかりと実体を伴っている物質で対処が可能になってしまうと言う事である。
神秘と追加効果・付与効果を奪われた結果銃弾と同程度の威力しか持たなくなった宝具は、防弾チョッキで対処可能となり、
刺さった瞬間に相手を体内から炸裂させる弾丸や矢であろうとも、ただの弾や矢に準拠する程度の威力しかもたなくなる。
追加効果や発動する効果が凄まじければ凄まじい宝具であればある程、この宝具は最大限の威力を発揮する事が出来、効果は凄いが元の威力はそれ程でもない宝具など、この宝具の前ではただの風車と化してしまう。

『時空機械(タイム=スペース・マシン)』
ランク:EX 種別:対時宝具 レンジ:1~∞ 最大補足:1~2
またの名を、タイムマシン。
キャスターが著した作品の中で最も有名、かつ、キャスターが作中で登場させた発明の中で最もその名の知られている装置が、宝具となったもの。
その正体は、擬似霊子転移、疑似霊子変換投射。人間を擬似霊子化させ、異なる時間軸、異なる位相に送り込み、これを証明する空間航法。
タイムトラベルと並行世界移動のミックス。つまるところ、カルデアによって行われている『レイシフト』と呼ばれる技術と限りなく近い。
この宝具の最大の特徴は、存在証明をする人物と、渡航出来る時間の範囲。この宝具使用における存在証明は、『タイムマシン』と言う概念を知っている人物、
或いは『タイムマシンの存在と実現を信じている』人間が『世界の何処かに一人でも存在するだけ』で達成される。
この宝具の発動を完全に妨げたいのであれば、それこそ人理の焼却、或いは惑星中の人間を全員殺し尽しでもしない限りは殆ど不可能に等しい。
そしてもう一つの、渡航出来る時間範囲であるが、それこそ遥か数万年先の未来、数万年前の過去にですら、この宝具は渡航出来るだけでなく、
更に並行世界及び、全く異なる世界にですらこの宝具を用いれば移動する事が可能。また、原作タイム・マシンに於いて、この宝具は空間的な移動能力を持っていなかったが、現在はキャスターの改造によって、ある程度までは自律移動する事が可能となっている。

――この宝具は通常、聖杯戦争においてマスター自身は愚かキャスターですら『ないもの』として扱っている宝具である。
時間渡航、及び並行世界への移動と言う第二魔法にかかずらうこの宝具は、発動するだけで莫大な魔力を消費し、並大抵の魔力保有量の魔術師では、
十分前の過去、先の未来に移動するだけで殆どの魔力を消費してしまう、と言う致命的なまでの燃費の悪さを誇る。
タイムマシンの使用とは即ち、マスターの破滅であり、キャスター自身の消滅とイコールであり、それ故にこの宝具は通常では使われない。
……だが、今回のキャスターのマスターである男は、ある『反則技』及びズルを用いて、このタイムマシンを利用し、聖杯戦争の参加者達に十二星座のカードを配ったと言うが……?

【解説】

ハーバード・ジョージ・ウェルズとは、イギリスの著作家である。小説家としてはジュール・ヴェルヌと共に『SFの父』と呼ばれる程、後世の作家に影響を与えた。
また、小説家としてのウェルズの側面はほんの一部分にすぎず、彼は社会活動家や歴史家、科学者やユートピアン、フェミストにジャーナリスト、
百科全書家や果ては預言者など、彼をどのような呼称で呼ぶべきかは今でも議論の的になっている。
確かなのは、祖国英国に存在する大英博物館の読書室のカタログでは、ウェルズの名前の下に記入されている該当項目(タグ)が600にも及び、
彼が残した膨大な著作の中で彼が触れなかったテーマは存在しないとすら断言出来る程、手広い作家活動を行っていたという事である。
透明人間、高度な知能を持たせた動物、冷凍睡眠、タイムマシン、宇宙人の侵略戦争、細菌兵器、合成食品、反重力など、
今日のSF作品で度々見られる設定の父であり、『SF作家を志す者は、ウェルズの作品を見ない方が良い。自分がこれから生み出す作品の殆どが、
ウェルズの後追いに過ぎない事を思い知らされるからだ』と言われる程、彼は多くの独創的な発想を世に産み出し続けた。
ウェルズが戦争の根絶の為に、並ならぬ努力を費やして来た事は疑いようもない。一次大戦の余りにも様変わりした、凄惨な戦争に心を痛めたウェルズは、
世界平和の維持の為に国際連盟の構想の実現に助力、連盟の樹立に尽瘁するも、出来上がった国際連盟は世界史が指し示す通り問題点だらけの欠陥機構だった為に、
ウェルズはこれを批判。見切りをつけた。その後もウェルズは平和の為に多くの論文や評論を著しながらも、政界に立候補も行ってみるも、どれも上手く行かない。
SFの巨匠たるウェルズも、インスピレーションの鈍りと年には勝てなかったか、その著作や評論、論文の切れ味も鈍って行った。
しかしそれでも諦めず、人々を啓蒙し、戦争を根絶させようと尽力するも、そんな努力を裏切る様に、第二次大戦が勃発。
一次大戦に倍する戦死者を出したばかりか、過去ウェルズが自身の著作の中で登場させた兵器である『原子爆弾』もこの時期実現されたばかりか、
それが日本に投下されてしまったと言う事実に、ウェルズは絶望した。彼は自身の行って来た平和への努力が全て無駄だった事を知り、
最晩年には堪らない後悔を抱いた。『今後人類に望みを掛ける事は止める』、と、平和の為に尽くしたSFの巨匠は口にした程。
そして1946年に、ウェルズはこの世を去った。糖尿病、腎臓病、神経炎などさまざまな疾患と戦い続けた彼は、ロンドンの自宅にて肝臓ガンで倒れたのだった。

生前様々な活動を通じ、人類を啓蒙させ、平和の尊さと平和的思想の素晴らしさを広めさせていたが、それが無為に終わったせいか、
サーヴァントとしてのウェルズの性格は恐ろしくなげやり。人類に何を言っても無駄であり、どれだけ尽くしても無駄な滅ぶべき存在。そう思っているフシが強い。
だが本質的には平和を愛し、秩序と善とに重きを置く人間の為、非道な行いは好む所としない。人類には絶望してるが、それはそれとして守るべきルールは守る。
作家サーヴァントが、自身の感受性やインスピレーションが最も冴えていた時期を全盛期として召喚される、と言う例に漏れず、
ウェルズは三十代中盤~四十代前半としての姿を全盛期として召喚されている。この時期のウェルズはタイム・マシンやモロー博士の島、
透明人間に宇宙戦争、解放された世界等、ウェルズの作品群の中でも特に評価の高い著作を連発していた時期であり、そして同時に文筆家としてのウェルズの才能が、
広く世に認められていた絶頂期であった。ウェルズはこの時期を、作家としての自分の全盛期だと認識しており、この時期で彼は召喚される事が殆ど。
尤も、戦争自体を憎むウェルズは、聖杯『戦争』には絶対に召喚に応じず、仮に触媒を用意したとしても絶対に彼は召喚出来ない。
しかも、仮にウェルズを聖杯戦争に召喚したとしても、第二宝具であるタイム・マシンは事実上存在しない(運用出来ない)も同然の宝具であり、
必然的に第一宝具と固有スキルを駆使した道具作成で生き延びるしかないのだが、強力な科学道具であればある程魔力の消費が著しいので、
カタログスペック以上に弱くなりがち。なので、『通常』の聖杯戦争では殆ど勝利の目が存在しないサーヴァントである。通常、であればだが。
今回ウェルズを召喚したマスターはある種規格外の存在であり、ウェルズがフルスペックを発揮出来る魔力をインチキで徴収出来る。
今回はまた随分と骨を折らされそうだと愚痴りながら、ウェルズはマスターであるザッカリーに従っているのだった。

皮肉屋の上、上から目線で高圧的な態度で人と接する性格。元来の性格はもっとマシな物であったが、上述の経緯のせいですっかりスレてしまった。
だが本質的には正義や平和を愛する人の為、悪は許さず、何よりも戦争と言う概念自体を心の底から嫌悪する男。故に、戦争(レッド・ライダー)とは基本的に相いれない。

【特徴】

シャドーストライプの柄をしたベージュのスーツに、ストライプのネクタイを巻いた、紳士然とした黒髪の中年男性

【聖杯にかける願い】

聖杯戦争自体に来ない為、願い自体はない。だがもしも、聖杯が真実であるのなら……この世から戦争をなくし、平和な世界を作り上げたい

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最終更新:2017年11月14日 00:07