食中毒の社長観
まずは以下の社長井戸実のブログ文章を参照いただきたい。
以下、ブログ本文コピペ(改行含む)
先程ヤフーニュースで
びっくりドンキーさんの仙台のお店で
食中毒が出たとの一報を読みました。
飲食店経営をしていて一番のリスクが食中毒です。
当社が一番恐れているのも
紛れも無く食中毒を引き起こす事です。
勿論出そうと思って出すわけではありません。
徹底した衛星管理マニュアルがあっても
本当に不測の事態で食中毒は出てしまいます。
実は僕もエムグラントを創業する前
個人で初めて作ったお店で食中毒を出してしまった事があります。
その悪夢はオープンして二年目の年末でした。
オープンして二年目。店もやっと軌道にのり。
そしてかきいれ時の12月
宴会予約が後半殆ど埋まった12月の20日過ぎ。
ある一本の電話で事実をしりました。
目黒保健所より、当店で食事をしたという
お客様が腹痛で病院に行ったと。
便検査からノロウィルスが発見されたとの事。
原因は生牡蠣と断定されました。
翌日に保健所の職員が店に来ました。
その時、店の厨房を預かって頂いていた料理人は
大変信頼のおける方でした。
厨房はいつもピカピカ
鍋もレンジフード(ガスレンジの上部のダクトに繋がる部分)も
いつ行ってもピカビカでした。
厨房の状態をみれば、その料理人のレベルがわかります。
クリンリネスは大変高いレベルにあった僕の店
しかし食中毒が出てしまった。
その日
当日入荷した生牡蠣を剥いてそのまま提供した。
1ケース(20ケ入り)を全てその日ご来店の
お客様に提供しました。
そして腹痛を訴えたのは五名様の1テーブルでした。
同じものを食べても他のお客様は大丈夫で。
その1テーブルのお客様だけが発症した。
体調が優れなかったり
体の免疫力が弱っていると細菌の影響を受けやすいとの事です。
又殻牡蠣は殻の外側に
多くの雑菌が付着しています。
一番危険なのは、大皿で出てきた殻牡蠣を
自分の取り皿に殻ごと一旦置いて、食べ終わった後
牡蠣の殻を戻して、殻を一度載せた取り皿で
違う料理を食べる事。
これ何気なくやっている人を見かけますが
一番危険なんです。
牡蠣は身じゃなくて殻に多くの雑菌が付着しています。
多分こうした召し上がり方のお客様を
注意する事が出来なかったから起きてしまった事故かと今でも悔やまれます。
話がそれてしまいましたが
結果12月23日から1週間の営業停止処分を受けました。
ご予約頂いた全てのお客様にお詫びをし、
知り合いの店などをご紹介し、最悪の12月は終了しました。
その悪夢は今でも忘れません。
なので僕は生牡蠣を一生店で
ご提供する事はありません。
こんな事を僕の立場で言ってはいけませんが、
食中毒と言うとなんだか物凄く重大な病気に聞こえます。
ひと昔前だと「食あたり」と表現してた症状を
現代社会では「食中毒」と表現します。
「牡蠣であたっちゃったよ~。」ぐらいなら笑い話になりますが
「牡蠣で食中毒になった。」と言うと物凄く悪い症状に聞こえませんか?
今、食を取り巻く環境はそんな状態です。
この流れ。止めないと本当に飲食店経営なんて
恐ろしくてやってられません。
ともあれ当社も衛生管理について相当神経質に
対応する仕組み作りが急務であります。
怖い怖い!!
さて、これを見て違和感を感じた人が何人いるだろうか?
実際の所、この文には「食中毒の知識」における勘違いが多数含まれているのである。
牡蠣のノロウイルス
(一部抜粋の上、改行を削除した)
便検査からノロウィルスが発見されたとの事。
原因は生牡蠣と断定されました。
一番危険なのは、大皿で出てきた殻牡蠣を
自分の取り皿に殻ごと一旦置いて、食べ終わった後
牡蠣の殻を戻して、殻を一度載せた取り皿で
違う料理を食べる事。
これ何気なくやっている人を見かけますが
一番危険なんです。
牡蠣は身じゃなくて殻に多くの雑菌が付着しています。
■牡蠣のノロウイルスは
「牡蠣を養殖、成長していく過程にて濃縮」されていきます。
(牡蠣内において、ノロウイルスは増殖はしません)
検索:牡蠣 ノロウイルス
「生食用」牡蠣の分類は基本的にウイルス濃縮がなされない環境で成育し、検査の上規定値以下(完全無菌ではない)ものに対してつけらるものです。
http://www.kanawa.co.jp/noro-virus.htm 等を参照
もちろん、ヒトに感染後増殖して、飛沫感染(吐瀉物からの感染)した場合は、上記例とは別でありますが
【牡蠣の殻を取り皿に置いたあと別の料理を取って食べる事】は直接ノロウイルスの感染には繋がりません。
※まとめ ノロウイルスに感染した原因は、
牡蠣の身がノロウイルスに濃縮汚染されていたか、そもそも提供時にノロウイルスに調理者が侵されていたかであると予想できる。
店舗の清潔さと菌/ウイルス性食中毒の関連(クリンネスについて)
その時、店の厨房を預かって頂いていた料理人は
大変信頼のおける方でした。
厨房はいつもピカピカ
鍋もレンジフード(ガスレンジの上部のダクトに繋がる部分)も
いつ行ってもピカビカでした。
厨房の状態をみれば、その料理人のレベルがわかります。
クリンリネスは大変高いレベルにあった僕の店
しかし食中毒が出てしまった。
■クリンネス(店内外清掃)について
見出しの通り食中毒の要因となる菌/ウイルスと、店内の清掃頻度に関しては
直接の関係はありません。
(※心構えの部分や、空気の流れなどによる間接的な関係は否定しませんが、)
つまり、
店舗がいくら綺麗であろうとも、レンジフードがピカピカであろうとも菌やウイルスによる事故には殆ど影響ありません。
例として、生ユッケによる食中毒を出してしまった「焼肉酒家えびす」の以下動画でもわかる通り
http://www.youtube.com/watch?v=ruzXDch8KwM
(調理台を拭いた布巾で皿を拭く)
適切な用具で適切な消毒(クリンネス=清掃とは別)、さらに適切な調理を施さない限り、この場合のO157食中毒は撲滅できないのである。
毎日掃除して店内がピカピカであったとしても、
調理に使う肉を切る包丁の消毒をたった1回怠っただけで(運が悪ければ)O157による食中毒を起こしうる危険をこの文章からは感じられないのが良くわかるはず。
※まとめ:
店が綺麗であれば食中毒が起こらないとの認識はおおよそ間違いである。
「食当たり」の認識
あとで書く
掲示板上コメント(掲載時原文)
物凄く悪い症状に聞こえませんか?
事象が食中毒と表現されようとも食あたりと表現されようとも、その内実は同じことであり、飲食店経営に関わる人間であれば、物凄く重大であると認識すべき病気です。
表現の違いによって受ける聞こえ方を利用して、重大なことを矮小化しようとするこの欺瞞に満ちたブログは、飲食店の経営者の発言として許されるものではありません。
経営者としての、食の安全に対する姿勢の表れとも受け取れます。
その病気を引き起こした真の原因は、客の無知ではなく、自分が提供した食品なのですから。
ところで「当社も衛生管理について相当神経質に対応する仕組み作りが急務であります。」と書いてあるけど、書いただけで終わってたともいえる結果となりましたが、仕組み作りはどうなってたんでしょうか。
最終更新:2011年11月16日 23:32