「
さよならピアノソナタ」シリーズの登場人物の一人。一人称は「俺」。
直巳の実の父親であり、直巳からは二人で暮らすようになって以来、「哲朗」と呼び捨てにされている。
元妻の
美沙子とは結婚後八年で離婚し、現在は独身。しばしば彼女の容姿を称えるような発言を繰り返し、電話では悪態をついているようだが、いまだ彼女に未練がある節がある。
年齢は四十を超えているが、常にジャージ姿で社会人としての常識に欠けた振る舞いを取る。家事も全くできず、家事全般を直巳に依存しきって生活している。そのため、受験に失敗し続けた浪人生と言えば通じるんじゃないかと直巳は思っている。
下品でいい加減な言動が目立ち、しばしばキャバクラに通っているようである。
職業は音楽評論家であり、音楽的な専門知識は直巳を上回る。評論以外にも音楽業界ゴロのような仕事も請け負っているらしく、楽団員の引き抜きの手引きやスパイなどもしたことがあるような口ぶり。
しばしば直巳に自分の名義で評論の代筆をさせることがあり、しかもそのことを業界関係者に隠そうともしない。評論の中でなぜか彼の名前を挙げることもある。
評論活動を「金を得るために人を馬鹿にする仕事」と、真意かは不明だが語ったこともある。
直巳と同じ高校の、当時は存在していた音楽科の卒業生。
蛯沢千里とはその時の同級生であり、音大も同じところに進学した。そのため現在まで交流が続いている。蛯沢千里に「エビチリ」のあだ名をつけたのも哲朗である。
言動はひどいものだが、意外にも2chのスレにおける評判は悪くない。
単純にコミカルで愛嬌のあるキャラクターが受けているということもあるが、時折さりげなく見せる直巳への気遣いが評価を上げている主な要因だろう。
3巻?のラストや
4巻?の空港での場面では大きな活躍をしており、特に空港での場面は作中屈指の名場面として挙げる
杉井も少なくない。
シリーズ完結作である
さよならピアノソナタencore pieces?の大トリ「だれも寝てはならぬ」では、なんと主役まで張ってしまった。冗談を混じえてはいるがいつもより真面目な度合いが高く、美沙子への思いが感じ取れる。短いストーリーではあるが、こちらも杉井達からの評判は悪くない。
何故か2chの
杉井達は本名の「哲朗」ではなく「哲郎」と呼んでいる。理由は不明だが、ただ単に変換ミスであろう。
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最終更新:2009年12月21日 20:40