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「東京近郊区間大回り」とは?

  • 国鉄時代から存在し、JRになって引き継がれさらに拡大している「大都市近郊区間」の1つ、東京近郊区間内で行える大回り乗車を指します
  • 東京近郊区間では、購入した紙のきっぷ(定期券除く)により、「東京近郊区間の範囲内」のみを通り「片道1回」となるように遠回り・う回して乗車することができます
    • 「片道1回」とは、「折り返さず」「環状線一周を超えず」
      • 折り返しとは、それまで乗車してきた経路を重複となるように逆戻りすること
        • 例:東京から横須賀線で品川へ、そこから山手線で田町で降りる →この場合、どちらの経路も、運賃計算上は「東海道本線」となるので、「東海道本線の品川駅で逆戻りしてしまったことになり、不正乗車となる
      • 環状線一周を超えずとは、発駅から着駅に戻ってきて、さらにそこから先に進むことです
        • 例:東京から山手線外回りで1周して東京に戻り、京葉線に乗り換えて舞浜で降りる→東京から1周して東京駅に到着した時点で「環状線一周」なので、それから先に進むと環状線一周を超えてしまったことになり、不正乗車となる
      • これら「折り返し」「環状線一周を超える」ことを、まとめて複乗といいます
    • 特急券・急行券・グリーン券を買えば、大回り中に特急・急行・グリーン車に乗ることができます(ただし特急券・急行券は実際に乗車したキロ数に応じた料金となります)
    • ただし、東京の場合、新幹線は近郊区間に入っていないため乗れません
    • 途中下車はできません
    • 旅行の途中でいったん降りて改札口を出て中断し、ふたたび改札口より入り旅行を再開することを「途中下車」といいます
      • JR線の場合、大都市近郊区間の外を通り、片道100kmを超える乗車券であれば、途中下車を何度でも行うことができます
    • 有効日数が1日なので、その日のうちに着駅に達しなければなりません
      • ただし毎年恒例の大みそか~元日間の終夜運転を用いれば、「継続乗車船」という制度により、2日にわたって大回りを継続することができます
        • しかし継続乗車船の場合、予定の変更が一切できなくなるなど、制限がさらに厳しくなります
        • ちなみに通常の大回りの場合、途中駅で取り辞めたくなった場合、実際に乗車してきた経路の運賃を支払えば普通にその駅で下車ができます

Suica/PASMO大回りとの違い:現象編

  • Suica/PASMO大回りでは、自動改札が設置されていない駅で乗り換えたり乗り入れ運転をしていたりする列車に乗ることによって、複数の鉄道会社の路線に乗ることができる
    • この規定は、各社のICカード乗車券取扱規則に、はっきりと明文規定されている(東日本の第51条2号、PASMOの第13条2項:詳細はSuica/PASMO大回りに関する各社の規則へ)
    • 東京近郊区間はJRの制度であり、他の鉄道会社の線にそのまま乗った場合、その分の運賃を支払わないとまさに「キセル」そのものの不正乗車となる
  • ◎Suica/PASMO大回りでは、乗客に「乗り換え駅」と案内されていても鉄道会社が異なる駅の場合(例:JRと東京メトロの高田馬場駅)、その両方を1度ずつ計2通過することが認められる
    • これは「別の会社の駅は別の駅」という明快な論理に基づいている
    • もちろん、Suica/PASMO大回りでも、同じ鉄道会社の同じ駅を2度通過すると「片道1回」の条件に反してしまうため不正行為となる
    • 東京近郊区間大回りでは、そもそも複数社に乗ること自体が不正である
      • ただしJRには他の会社の路線(鉄道に限らない)と直通する乗車券を発売する「連絡運輸」という制度があり、この場合、「連絡運輸の接続駅」として指定されている駅は、JR以外の会社の駅を通っても「環状線一周」とみなされ、それ以上の経路を含んだきっぷは「片道1回」を超えることとなり、発売できない、というのがJR各社の見解
    • 東京近郊区間大回りは、JR内の規則なので、JR以外の路線に乗車することはできない
  • ●Suica/PASMO大回りでは、出発して同じ駅に戻ってくる「環状線一周の大回り」ができない
    • もともと規則で「入場駅と同じ駅で出場することはできない」と禁止されている
    • 東京近郊区間大回りでは、環状線一周のきっぷ(例:秋葉原→秋葉原130円、御茶ノ水・神田経由)を買うことができ、さらにそのきっぷで大回り(例:山手線一周)をすることができる
      • 同様の大回りは、東急の一部区域、都営でも可能
  • ●Suica/PASMO大回りは、Suica定期券以外の他の乗車券類・別のICカードとの併用ができない
    • もともと規則で併用が禁止されている
    • 東京近郊区間大回りでは、往復乗車券での環状線一周大回り(例:東京→有楽町の往復きっぷを買い、それで山手線一周を行う)などが可能
  • ●Suica/PASMO大回りは、大回り中に事故などで不通区間が発生し、振替輸送が実施された場合、それを利用することができない
    • 東京近郊区間大回りでは、振替輸送を利用することができる
    • なおいずれの場合も、旅行を取りやめて発駅まで無賃送還してもらうことはできる
  • ●Suica/PASMO大回りで、JR以外の路線から乗車し、鶴見線と京浜東北線とを鶴見駅で乗り換える場合、自動改札機にタッチしなければならないが、この際、そこで運賃精算が行われる(発駅からJR鶴見駅までの最安運賃が引き落とされる)
    • 東京近郊大回りでは、有人改札できっぷの検札を受け、大回り乗車中であることを申告すればそのまま大回りを継続できる
    • Suica/PASMOでも、JRの駅から乗車し、それまで中間改札にタッチしていなかった場合は、大回りを継続できる
  • ●Suica/PASMO大回りでは、乗車できるJRの特急列車に制限がある
    • 新幹線には乗車できない
      • これは東京近郊大回りも同様
      • そもそも、新幹線がICカード乗車券の対象外
      • モバイルSuica特急券は、別の規則による特別企画乗車券扱い
    • 他社線(JR東日本以外のJR各社線含む)に直通運転する特急列車には「別に定める列車を除き」乗車できない
      • しかし、「別に定める列車」が公開されていない!
      • そのため、他社線乗り入れ特急には乗車しないのが無難?
      • 他社線に直通する定期特急列車は、2008年4月現在、以下のとおり
        • 踊り子、日光、きぬがわ、スペーシアきぬがわ、あけぼの以外の寝台列車
    • 東京近郊大回りでは、新幹線以外のあらゆる特急列車に乗車することができる
      • 極端な話、大宮-上野間でカシオペアスイートを利用することもできる
  • ◎Suica/PASMO大回り中に自己都合により途中駅で下車する場合、出発駅から下車駅までの最安運賃が引き落とされる
    • 東京近郊大回り中に自己都合により途中駅で下車する場合は、出発駅から下車駅までの最安運賃ではなく、実際に乗車してきた大回り経路による運賃と、大回りきっぷとの差額を支払わなければならない(旅客営業規則第157条3項・第249条2項1号ロ)

Suica/PASMO大回りとの違い:厳密編

  • 東京近郊区間は、もともと、1対の発着駅に対して、旅客から見て便利な乗車ルートが複数存在してしまうことへの便宜を図るために制定された制度で、「他の経路の乗車券でもこの経路に乗ってよいですよ」という、乗車券の効力=使い方で便宜を図る制度として制定された
    • 国鉄(~JR)の原則は「乗車券は例外を除き、表示された経路どおりに乗車しなければならない」であり、その例外の1つが大都市近郊区間
    • つまり、東京近郊区間内でわざわざ遠回りするきっぷを買って、逆に「小回り」をすることもできる
      • しかしJR東日本では、そのようなきっぷは「売れない」と、規則にのっとらない、法令違反の扱いを窓口で多々行っている(怒)
  • また、JRの乗車券は、それ自体が有価証券であり、「表示された発駅から着駅までの輸送を約束します」という契約書でもあり、購入した時点でその効力が発生し、有人駅で改札口を通過するか、無人駅で列車に乗車した時点で「着駅まで乗車する」権利行使が始まったものとみなされる
  • しかしSuica/PASMOの場合、輸送の契約開始は「入場時に自動改札にタッチすること」だけであり、その時点で「どこまで輸送するのか」という契約が結ばれていない
    • なお、Suica/PASMOで、簡易改札機設置の無人駅でタッチせずに乗車すると輸送の契約が開始されないが、このような乗車は、SuicaやPASMOの取扱規則そのもので禁止されているため、違法とみなされる
  • そしてSuica/PASMOの場合、「次に改札を通過した時点」=出場した時点、または改札設置乗り換え駅で乗り換えた時点で「発駅からそこまでは確かに輸送しました」ということで、その輸送の対価をSuica/PASMOから引き落とす=乗客から受け取る
  • つまりSuica/PASMOの場合、「途中の経路」を特定する手段は「中間改札を通った場合」にしかあり得ず、そうでない場合、改札通過時での最安運賃を引き落とす、ということしか、技術的にも法的にも不可能である
    • これが「Suica/PASMO大回り」が成立する(鉄道会社にとっては「やむを得ない」?)唯一最大の根拠
  • 一方、「どこまで輸送するのか」が契約されていないのだから、振替輸送は適用できないことになる
    • 近郊区間大回りの場合、大回り中の経路もきっぷの契約内容や約款(旅客営業規則)に反していない「立派な経路」なので、振替輸送の対象となる

なぜ東京近郊区間と、Suica/PASMO区間のJR在来線部分が一致するのか

  • JR東日本は、Suica発足時から現在まで一貫して一致してきた、つまりSuicaの範囲を拡大すると同時に、大都市近郊区間を定めた旅客営業規則156条2号を必ず一致させてきた
    • 大回りが可能な新潟近郊区間についても同様
    • ちなみにJR東海(TOICA)やJR西日本(ICOCA)は、ICカードによる大回り乗車が可能となる、名古屋地区(太多線・高山本線・東海道本線・中央本線)、岡山地区(吉備線・伯備線・山陽本線)、広島地区(山陽本線・呉線)に近郊区間制度を新規導入せず、紙のきっぷについては大回り不可(広島の海田市-三原を通過する乗車を除く)、ICカードについてのみ「最短運賃を引き落とす」と定めている
    • そもそも紙の乗車券とICカードとでは、適用規則も契約形態もまるで異なっているのだから、両者で制度をそろえなければならない必然性は全くない
  • JR東日本がこの一致にこだわってきたため、「東京近郊区間大回り」と「Suica/PASMO大回り」とが混同され、「途中で私鉄に乗ったらキセルではないか?」などの誤解を生む一因になっているのではないか?(個人的感想)
    • JR東としては、大都市近郊区間を拡大することで紙のきっぷの条件(途中下車可能、有効期間距離に応じて複数日)を厳しくし、一般ユーザにとって「ICカードと変わらない」状態に置くことにより、Suicaを普及させたいのではないか?(個人的感想)
最終更新:2008年04月09日 16:38