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ナビ - (2011/09/06 (火) 00:58:44) のソース
**現在位置~Fly! You can be Free Bird~ ◆hqLsjDR84w ◇ ◇ ◇ 「だいぶ今さらやけど、温泉ちゅーのは身体洗うだけのもんちゃうねん」 佐野清一郎が笑みを浮かべながら語っているが、すぐ横のコロンビーヌは返答しない。 目蓋を半分だけ開けて、呆れたような視線を向けるだけだ。 というのも、佐野という少年はこれまでひたすら一人で喋り続けていたのだ。 歩きだしてからずっとである。 話題は変わらず、温泉トークばかり。 同行して以来、口を開けば温泉。さながら温泉特集である。 興味があるものならばともかく、大して知りも知らないことをこうも語られても、なんていうか、困る。 コロンビーヌでなくとも、そう思うだろう。 「ロボットやから分からんかもしれんけど、体調よくするのに役立つのもあるんやで。 だいぶむかしから医療に使われたとかなんとか。 肩こりだの、腰痛だの、そーゆーのはメジャーやな。まあ俺はまだ若いから効果あんのか分からんけど。 でもなんや、あのどーみゃくこーかーだの、血圧どーたらこーたらーみたいなん。 あんなんの予防になるとか聞いたら、なんか違う気ぃするで。 こう、上がったときに身体の奥のほうから、なんかあったかいのが湧いてくるっちゅーか。って、まあそれは温泉つかってたから当たり前やけどな!」 かっかっか、と高笑い。 温泉の話題とは対照的に、向けられる視線がどんどん冷えていくが佐野は気付かない。 なぜ、こんな男についてきているのか。 もう何度目かになる疑問が、コロンビーヌのなかに浮かぶ。 こうも熱狂的に語っているのだから、遠ざかってもすぐにはバレないだろう。そもそもいつまでも一緒にいるつもりではない。 と考えて、コロンビーヌは傍らにいる男を見上げる。 「だいたい、女の子置いて盛り上がるなんて信じられなーい」 この茶化すような声も入ってこないようで、佐野はまだ一人で笑っている。 そんな様子を見ても、しかしコロンビーヌは去らなかった。 いつでも別れられる相手なのだから、わざわざ急がなくてもいい。 それに、コロンビーヌには目的などない。 佐野とは違って、コロンビーヌにはない。 仮に佐野が言っていた『空白の才』を手に入れようとも、空白を埋めることができない。 だからこそ、同行を続けるのだ。 こうして歩む目的を持つ佐野とならば、生存目的を失った自動人形(オートマータ)でも生きる目的を見つけられるかもしれないから。 「あーらら、到着しちゃったじゃない」 歩き出してすぐのころ、佐野は地図を開いて近くにある公園に向かうことを提案した。 コロンビーヌが辟易としている間に、どうやらもう着いてしまったらしい。 とはいえ、またしても語りを再開した佐野はまだ気付いていない。 彼に声をかけながら、コロンビーヌが公園内を見渡すと二つの人影が映った。 才賀勝くらいの年に見える少年と、成人と思われる女性。 ぎったん、ばっこん、と。 音を立てながら、遊具で遊んでいる。 「こんな状況であんな音立てて……アホやな、アイツら」 「アナタには言われたくないんじゃないかしらぁ」 【E-2 公園前/一日目 黎明】 【佐野清一郎】 [時間軸]:不明。少なくても犬丸が地獄に落ちてから [状態]:健康 [装備]:佐野の手ぬぐい@うえきの法則 [道具]:ランダム支給品1~3、基本支給品一式 [基本方針]:仲間たちとともに脱出する。コロンビーヌについていく。 ※佐野の手ぬぐいは支給品ではなく、最初から装備してました。 【コロンビーヌ】 [時間軸]:本編で活動停止後 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:ランダム支給品1~3、基本支給品一式 [基本方針]:さすらう。『生存目的』を見つけ出す。 ※アポリオンは使用可。制限されているかどうかは不明。 *投下順で読む 前へ:[[疎通――少年さとり]] [[戻る>第一放送までの本編SS(投下順)]] 次へ:[[どじふんじゃった!(前編)]] *時系列順で読む 前へ:[[歯車が噛み合わない]] [[戻る>第一放送までの本編SS(時系列順)]] 次へ:[[どじふんじゃった!(前編)]] *キャラを追って読む |013:[[ロスト]]|コロンビーヌ|:[]]| |~|佐野清一郎|~| #right(){&link_up(▲)} ----