【戦闘準備開始!】
作:双海環(PL:双海飛鳥)
”ぷっぷか、ぷっぷかぷー”
”ぷぷか、ぷっぷぷー”
”ぷぷか、ぷっぷぷー”
まぬけなラッパの音が、芥辺境藩国に響き渡った。
はて、なにごとだろう。と芥辺境藩国王、荒川真介はおやつのバナナを食べる手を止めた。すぐに近くの黒電話がリンリン鳴る。
「はいはい、こちら藩王。」
「藩王様、大変です。」
電話の向こうから、摂政の那限逢真の硬い声が聞こえる。
「ああ、なんか騒がしいみたいだけど何かあったの?」
「キノウツン藩国で、敵の大型要塞艦がニューワールド特定方面に直進しているのが確認されました。
はて、なにごとだろう。と芥辺境藩国王、荒川真介はおやつのバナナを食べる手を止めた。すぐに近くの黒電話がリンリン鳴る。
「はいはい、こちら藩王。」
「藩王様、大変です。」
電話の向こうから、摂政の那限逢真の硬い声が聞こえる。
「ああ、なんか騒がしいみたいだけど何かあったの?」
「キノウツン藩国で、敵の大型要塞艦がニューワールド特定方面に直進しているのが確認されました。
共和国尚書省より、戦時動員開始の旨がきています。」
「とうとう来たね。」
せっかくこのところは平和で冒険が楽しかったのに。
「わかった。緊急会議を開こう。皆を集めてくれ。」
「了解しました。」
会議開始のための細かい指示を出し受話器を置くと、荒川真介はかたわらのバナナを見た。まだ結構残っている。
全部食べている時間はない。が、思い人の為に始めた習慣である。できれば残したくないが・・・
「とうとう来たね。」
せっかくこのところは平和で冒険が楽しかったのに。
「わかった。緊急会議を開こう。皆を集めてくれ。」
「了解しました。」
会議開始のための細かい指示を出し受話器を置くと、荒川真介はかたわらのバナナを見た。まだ結構残っている。
全部食べている時間はない。が、思い人の為に始めた習慣である。できれば残したくないが・・・
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緊急事態にゃ~。と、気分は高揚しているもののやることがないので取りあえずラッパを片手に駆け回っていた猫士達は、
バナナを数本口に突っ込んでもぐもぐ
しながら会議室に向かって走る藩王を見て「さすが藩王様。バナナを食べ方も豪快だにゃ~」と全然どうでもいい感心をした。
しながら会議室に向かって走る藩王を見て「さすが藩王様。バナナを食べ方も豪快だにゃ~」と全然どうでもいい感心をした。
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「さて、詳しい事態を聞こうか。」
席に着く頃にはバナナを食べ終わり少しキリリとした荒川真介藩王は、傍らに立つ摂政の那限逢真に尋ねた。
「はい、おおまかなことは各員召集時に報告した通り、敵大型要塞艦が発見され共和国が戦時動員されたということなのですが、
席に着く頃にはバナナを食べ終わり少しキリリとした荒川真介藩王は、傍らに立つ摂政の那限逢真に尋ねた。
「はい、おおまかなことは各員召集時に報告した通り、敵大型要塞艦が発見され共和国が戦時動員されたということなのですが、
問題は動員時に発表された
戦費調達の額です。」
「いくらなの?」
「資金10億にゃんにゃん。燃料10万tです。」
場が沈黙した。
「両方とも0になりますと藩国の維持が出来ませんから、正確には1億と1万t余分にかかると思ってください。」
「今の我が藩の財政状況は?」
「現在、資金7億にゃんにゃん。燃料は13万tになります。」
藩王の問いに摂政に変わって吏族のゲドーが答える。
「燃料は冒険の成功で余裕がありますが・・・問題は資金ですね」
「あと4億か」
場が再び沈黙する。
「燃料はお金でも補えるとのことですが、燃料の足りている我が藩には余り関係ないですね。
戦費調達の額です。」
「いくらなの?」
「資金10億にゃんにゃん。燃料10万tです。」
場が沈黙した。
「両方とも0になりますと藩国の維持が出来ませんから、正確には1億と1万t余分にかかると思ってください。」
「今の我が藩の財政状況は?」
「現在、資金7億にゃんにゃん。燃料は13万tになります。」
藩王の問いに摂政に変わって吏族のゲドーが答える。
「燃料は冒険の成功で余裕がありますが・・・問題は資金ですね」
「あと4億か」
場が再び沈黙する。
「燃料はお金でも補えるとのことですが、燃料の足りている我が藩には余り関係ないですね。
あと支払い遅延が認められていますが、一日につき1億にゃんにゃんの
利子がつくそうです」
「借金はいやだね」
場の全員がうなずいた。
「とにかくお金を稼ぎましょう」
摂政の那限逢真が力強く言った。
「優秀な設計図を描けば開発資金を回す。と尚書省より通達がきていますので私はこれを担当します。」
彼は優秀な技族でもある。
「でも、さすがに一人ではつらいですね・・・松林ぼたんもこっちに回ってもらっていいですか?」
「わかりました」
最近、芥辺境藩国の一員として加わった、技族の松林ぼたんが緊張した面持ちでうなずく。
(余談だが、男が多い芥辺境藩国で彼女は貴重なヒロイン候補でもある)では、
利子がつくそうです」
「借金はいやだね」
場の全員がうなずいた。
「とにかくお金を稼ぎましょう」
摂政の那限逢真が力強く言った。
「優秀な設計図を描けば開発資金を回す。と尚書省より通達がきていますので私はこれを担当します。」
彼は優秀な技族でもある。
「でも、さすがに一人ではつらいですね・・・松林ぼたんもこっちに回ってもらっていいですか?」
「わかりました」
最近、芥辺境藩国の一員として加わった、技族の松林ぼたんが緊張した面持ちでうなずく。
(余談だが、男が多い芥辺境藩国で彼女は貴重なヒロイン候補でもある)では、
僕は以前より通達のあった『初心者ガイド』の作成と、自国の戦前レポートを書きますね」
吏族のゲドーが己の仕事を宣言する。この人物、自分の仕事の見極めと取り掛かりが早い。
「もうすぐ貿易の準備も整うけど、お金があるに越したことはない。みんな、自分のできることを考えて何かしら取り組んでもらえると嬉しい。
では、解散!」
吏族のゲドーが己の仕事を宣言する。この人物、自分の仕事の見極めと取り掛かりが早い。
「もうすぐ貿易の準備も整うけど、お金があるに越したことはない。みんな、自分のできることを考えて何かしら取り組んでもらえると嬉しい。
では、解散!」
藩王の号令の下、戦闘準備開始!