後の者の為に


「ふむ…これが支給された機体か」
 一人の老人が見上げる先にはダークグレーで彩られた忍者を模した機体があった。
「しかしコックピットが見当たらな―――――」
 最後まで言葉を発する前に老人の体が光に包まれた、これがパイロットに呼応するこの機体「零影」への搭乗法である。
老人は先ほどまで見上げていた筈の機体からの目線だという事に気付くまで、そう時間は掛からなかった。

―――老人が機体に搭乗してから十分程経っただろうか、流石に以前の機体同様動かすには慣れが要るようだ。
「大分馴染んできたな、これなら戦闘になっても十分動けるだろう」
 …もっとも、MS程度なら素手で戦えるのだが。
「武器は…刀が二つにまきびし、それと手裏剣か、忍の様な形だったのが納得出来る様な装備だな」
 そう言うと老人…いや、かつて東方不敗マスターアジアと呼ばれた男は音もなく、だが確実に歩を進めた。

「まずはあの部屋で見たウルベ、奴を始末せねばな」
 自分を破ったかつての「弟子」が居れば、罪滅ぼしのつもりかと罵倒されたかもしれん。
そんな事を自嘲混じりに思う、だが本来の世界の元凶を倒せればそれで良いとも思えていた。

【東方不敗】
【搭乗機体:零影(忍者戦士飛影)
 ハ゜イロット状況:健康体
 機体状況:良好
 現在位置:H-6
 第一行動方針:ウルベを倒す
 最終行動方針:脱出or打倒主催
 備考:基本的に無闇な戦闘は避けています】



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最終更新:2008年05月29日 01:12