川の辺で


 川沿いの道を、ロイ・フォッカーは森に向かっていた。
目的は機体に慣れることと、潜伏できる場所の探索である。
「・・・操作性はバルキリーと似たようなものか」
 彼に支給された機体、その名はアルテリオン。
バルキリー乗りのフォッカーにとって、充分すぎるほどの当たり武器。
だが、彼はこの機体で人を殺す気は無かった・・・
「柿崎、仇は必ずとってやるからな・・・」
 彼の最終目的は、仮面の男の殺害。
そして、このゲームを台無しにすることだった。
(とはいえ・・・一人で戦いを挑むのも無謀だな・・・)
「とりあえずは、仲間を・・・?」
 不意に、レーダーが反応する。
フォッカーはその人物がゲームにのっていないことを祈りつつ、
反応があった場所へと近づいていった。

 そこは森の近くの川辺だった。
障害物も何も無い平野に、女性型のフォルムをした巨体が立っていた。
「的にでもなりそうな図体だな」
 フォッカーがそう呟くのとほぼ同時に、通信機が音をたてる。
向こうもこちらに気がついたらしい。
(どうやら、あちらもやる気は無いようだな)
フォッカーは息をひとつ吐くと、通信機のスイッチを入れた。
「もしもし、聞こえるかね?こちらには戦いの意思はない」
 通信機から聞こえてくる男性の声に、フォッカーは答える。
「こちらも同じだ。今、そちらに降りる」
「わかった、私もコクピットから出よう」
 その言葉を聞きながら、フォッカーは機体を川辺に着陸させた。
見ると、あちらの機体はその身をかがませている。
どうやら、上部にあるコクピットから降りようとしているようだった。
フォッカーはアルテリオンから降りると、
相手の機体に近づいてゆき・・・そして、唖然とした。
目の前の機体から降りてきた物が理解できなかったのだ。
その物体は、(おそらく)フォッカーに向けてこう言った。

「私は、このゲームを終わらせる切り札を持っている。協力してはくれないか?」

【ロイ・フォッカー 搭乗機体:アルテリオン(第二次スーパーロボット大戦α)
 パイロット状態:良好、目の前の物体に混乱している
 機体状況:良好
 現在位置:A-5川辺
 第一行動方針:目の前の物体と会話する
 第二行動方針:仲間を集める
 最終行動方針:柿崎の仇を討つ、ゲームを終わらせる】

【司馬遷次郎(マシンファーザー) 搭乗機体:ダイアナンA(マジンガーZ)
 パイロット状態:良好(どういう格好なのかはお任せ)
 機体状態:良好
 現在位置:A-5川辺
 第一行動方針:フォッカーとの会話
 最終行動方針:ゲームを終わらせる?】





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司馬遷次郎 第57話「作戦


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最終更新:2008年05月29日 03:09