295 名前: 名無しさん@ピンキー  Mail: sage 投稿日: 2008/03/15(土) 17:02:38 ID: pCbP+0+M
真っ暗な闇の中。どんなに体を動かそうとしても虚しく空を足掻くような虚無感。
その中で、ファルコはふと目を覚ました。・・・目を覚ましたはずだが。
だが視界を埋め尽くすものは、闇、闇、闇だった。何も見えない。
・・・・・・・・・・・・俺・・・は・・・?
どこだここは。
頬に当たっている冷たい感触から、なんとなく今自分は床の上にいるのだと言う事だけは分かる。
頬に床が当たっている・・・という事は、今、自分はうつ伏せになっているのか。
目を何かで覆われており、視覚からは何の情報も手に入れられなかったが触覚からそのことをぼんやりと理解した。
そして、己の腕が後ろ手にがっちりと縛られている事も。
手首がぎしぎしと痛みを訴えており、なにか縄のようなもので縛られているようだ。
何なんだこれは。
何が起こっている・・・?
ファルコはなぜ自分がこんな事になっているのか、混乱する頭で考えた。
たしか俺はコーネリアに酒を飲みにいって・・・・・・
そこの酒場で“あいつ”に会って・・・・・・
いつものように言い争いになって・・・・・・
そしたら“あいつ”の目つきがいつもより少し鋭くなって・・・・・・
そして・・・・・・・・・・・・・・・
そして・・・・・・?・・・
その後は思い出せない。
この床の上で目を覚ます前に見た映像は、“あいつ”が物凄いスピードで俺の後ろに回りこむ瞬間・・・
「目が覚めたようだな、・・・トリさん?」
――ああ、胸糞悪い声。
いつの間に側に来ていたのか、それとも最初からずっと側にいたのか・・・・・・頭上から勝ち誇ったような声色で話しかけてくる。
「てめぇ・・・何の真似だ」
声を腹の底から絞り出すようにして凄みを利かせた。
だがまったく効果がないのかククク・・・と咽喉の奥で含み笑う声が聞こえた。
「そんな状態にされても吼えるとは・・・毎度の事楽しませてくれるな、トリ」
ふざけるな。
毎度毎度こうやっててめぇは俺の体で、反応で、言葉で楽しみやがって。
(自分の冷え切った感情を少しでも楽しませてくれる対象になら、てめぇは・・・どんな奴にだって・・・俺じゃなくっても・・・)
そこまで考えたところでファルコはぐっと何かがこみ上げてきて黙り込んだ。
・・・・・・てめぇが俺の反応を見て楽しんでると言うのなら、決して反応などしてやるものか。
何も反応を示さない人形になってやる。
てめぇは人形でも抱いて自慰してればいいんだ。
黙り込んだファルコを見てレオンは訝しげに覗き込む。
「なんだ・・・今日は抵抗しないのかトリ」
覗きこんだファルコの目を覆っている黒い布は、じわりと何かの液体で濡れていた。
最終更新:2008年04月12日 14:10