[258:名無しさん@ピンキー≪sage≫ (2005/03/31(木) 04:14:01 ID:2PSqUwyh) AA]
敵のうろつく姿が視界に入り、咄嗟に物陰に身を潜める。
『1、2、…5……ざっと7、8人って所か…』
敵から奪ったマシンガンの柄を握り直しながら物陰から目を光らせた。
コアメモリを奪ったピグマを追ってスターフォックスが辿りついたのは、
ある宇宙コロニー[サルガッソー]。
ここはならず者達があちらこちらから自然に集まり、拠点としている場所だ。
そしてある男を集団の頭として徒党を組んでいる。
誰が適役か、などと決めたわけではない。
決めようとすれば血の気が多く、自分の力を過信している奴等ばかりだ。
話がまとまる前に無駄な争いが起こり、そこには誰もいなくなるだろう。
だがここには人が集まり、誰しもが自然にその男を認めた。
中には面白く思わず突っかかっていく愚かな者もあったろうが、
その力を実際に体感した時、愚かな妬みは確実な崇拝へと変わる。
男の名はウルフ・オドネル。体躯の良い隻眼の狼だ。
宇宙に出れば誰よりも早く空を駆け抜け、執拗に敵を追いつめ、的確に墜とす。
それは陸であっても強さは宇宙と変わらない。
大柄な体躯の割に素早い身のこなしと、驚異的な体力にものを言わせ戦地の真っ只中へ単身駆けて行く。
時間が流れ少々の傷を負い、味方の陣に帰ってきた時
帰還した彼の背中の向こうに見えるのは壊滅同然の敵方だった。
絶対の力を誇るウルフ。
その力を象徴するかのように集団の名は[スターウルフ]と呼ばれるようになる。
そして彼には力を持った男が2人、常に行動を共にしている。
冷徹残忍なレオン・ポワルスキー、そして愛と情熱のパンサー・カルロッソ。
財を目当てとする訳でもなく、名声を目当てとする訳でもない。
だが彼等もまたウルフの強さに、魅入られたのであろうか。
欲を出すわけでもなく強さを持つ者が2人もウルフの元につく。
それもまた、ウルフの力を象徴するものとなった。
そんな崇拝するにあたいする強大な力も持つウルフだったが、彼も追い込まれたことがある。
生涯を通じて自分と同等の力を持つだろうと認めた者が1人いる。
命さえ奪われなかったがウルフが隻眼になる理由を作り、
ウルフ以上に宇宙では敵う者は居ないとまで言われた男。
そしてもう1人。
その宇宙の強者の息子、今現在サルガッソー内を徘徊し制圧しようとしている男、フォックス・マクラウドだ。
父と同じく力強い眼差しを持ったフォックスは自分より性能の悪い機体に乗り、
悪くはないが自分より多少劣る腕で機体を操り、
自身より恐ろしく力のある者に無謀にも突っ込んでいく。
無謀とも取れる行動を時に起こすフォックスだったが、
無謀さは確固たる意思から来るもので彼を信頼する者は多く、仲間や正規軍からの信頼も厚い。
そしてどんな窮地に立たされようともその目の力強い輝きは薄れることはない。
ウルフは頑なな意思と、父と同じ眼差しを持ったフォックスを少々気に入っている。
そしてそのフォックスは、今まさに数多く居る敵を一掃するべく、息を潜めていた物陰から身を翻した。
最終更新:2008年03月24日 01:07