年忘
さっきまで冬至だったのに
チャップスをはきかえた緞帳が
カボチャを破魔矢に持ち替える
それはこたつの隙間から溢れ出した感性だ
どてらを脱ぎ払った牛馬が奔出する
さては桶 ひっくり返され
餅が乱れ飛ぶ甘酒の噴出
さあ横溢してやるぞ都人ども
恵方につながる大路に門松を立てかけろ
最後の夜をこれっきりに掃き清めて
走っていくのだ吹き流された紙垂を求めて
たんすに詰め込まれたけだものたちがあふれた
愛おしいものが蕎麦のようにながい
その提灯は連綿と続くことだ
心を染めるぼんぼりは万感のふきながし
子供の眠らぬ居間にさえつんのめる流行歌
わかっているのかこの年には
そうだ慶びが溢れているぞ
門戸を開け払え
さよならなのだこの年には二度と
狗の列が長々しい夜をわたる
追いかける牛車に長慶のしめ縄
歳末チラシがちりぢりに裂ける
あとに紅白 紙吹雪
最終更新:2012年06月12日 20:29