何で、ポケモン同士は争い続けるのだろう?そんな事はまったく分からない・・俺が小さいころからポケモンが争うことは当たり前の出来事だった、金か権力かそんな物のために争っているのだと思っていた今、考えてみれば、そんな事ではなかった、争いをしたくなくても、争いはしなくてはならない、国や家族や愛する者のために守るために・・・・・・
此処はカントーの国のマサラの国、大国炎虎の近くにある小さい国である、マサラの国の雑木林で1匹のポケモンが己が肉体を鍛えていた、すると遠くから声が聞こえてきた。
「またレイドくん、体鍛えてる余りしてたら脳みそまで筋肉になっちゃうよ」
「はぁ・・はぁ・・姫様こそ、また城を抜け出してきたんですか」
俺は息を切らせながら、しゃべり掛ける、目の前に退屈そうに1匹のサーナイトが立っていた。
「だって城にいても面白くないんだもん、レイド君と話したいし・・・」
「サナ姫、早く城に帰ってください!!最近、此処は危険なんだから」
「レイド君だって姫って言わなくても良いのに、昔はサナちゃんって呼んでくれていたのに」
「そんな事は口が避けても言えません、俺だって貴方に仕える身ですから!!早く帰ってください!城の皆が心配してますよ!!」
「ふん分かったわよ!!帰れば良いんでしょ!!帰れば!!レイド君は変わったね」
姫は愚痴をこぼしながら城に帰って行った
俺の名前はエルレイド、周りの人からはレイドと言われている、代々俺の家系はマサラの国に仕えており、俺もつい最近、この城に仕え始めた、体術に長けており、国では1,2を争うほどの実力だ。
そしてさっき会話していたのが、マサラの国の頭領の娘、サーナイト姫だ、とても美しく他の国の殿様からも1目置かれている程だ、この国も彼女のお陰で安定しているほどだ、この国は小さいながらも治安が良く平和な国だ頭領は人柄が良くて、町民からの信頼も厚いもちろん俺も頭領を信頼している1匹だ、だから俺もこの大切な故郷や国を守ろうと思って忍者になったんだ、だから俺は命をかけて守ってみせるこの国を・・・・・
俺は鍛錬を終えた後、マサラの小さな茶屋に立ち寄った、俺はよく此処で食事などをしている。
「よっレイドじゃねえか!!相変らず汗臭いな〜〜また何時もの自己鍛錬かそんなんじゃモテないぞ」
俺に話しかけてきたのは1匹のグラエナ、彼は俺と同じ忍者であり友人だ
「何だよ、この国を守るためなら自己鍛錬は当たり前だろ、それより何だよ、この店に来たと同時に話し掛けてきやがって、何か用でもあるのか」
俺は少しあきれ気味にしゃべり掛けた
「まぁそんな事はさて置き、お前に話しておかなきゃならねぇ事があるんだ・・・」
グラエナは深刻な表情を浮けべはじめた。
「これから先、大きな戦争が起こるかもしれないんだ・・・」
「何でだ!!!!何か理由があるのか」
すると、グラエナは重い口調で話し始めた。
「お前、雷虎、水虎、炎虎の3つの国には3つの不思議な宝玉があるって知ってんだろ」
「ああ知ってるがそれと何か関係あるのか?」
「その玉には不思議な力が込められていたな・・その3つの玉を手にした時には、何か凄い事が起こるのだと・・それで3つの玉を巡って、雷虎、水虎、炎虎が対立しるそうだ・・・・」
「それは俺らにとってはまずい事だな・・・」
「ああそうだな、此処だけの話・・もう戦争は始まってるみたいだぜ、俺たちの国も攻められるかもしれないかもな・・・」
俺たちの国が攻められる・・・俺の頭に最悪の事態が過ぎった。
マサラのすぐ近くにある炎虎城、炎虎と言えば玉を持っている3国の中で一番大きい国で兵力も多い、頭領はかなりの暴君で、抵抗するものは全て消すと言った主義であった、炎虎に立て付いて消された国は数知れない・・・・
そして此処は炎虎城の地下室ここに2匹のポケモンが密談をしていた、1匹は大柄なポケモンでもう1匹は赤い目をしており尻尾は9本生えていた
「準備は完了いたしました・・・エンテイ様」
「ご苦労であった、お前の名はなんと申す・・・」
名を聞かれたポケモンはエンテイの前に跪きこういった。
「キュウコンで御座います、スパイの情報によるとマサラの国は戦力がなく、我らの兵力に持ってすれば1日で占領できるとの事です」
「そうか・・・では今日の夜にでも攻めようぞ・・抵抗するものは全て消すのだいいな!!!あの平和ボケのマサラの国を一気に叩きのめすのだ!!」
エンテイは高笑いをしながらそう言った
夜中、町民の殆どが寝静まった頃、マサラの国に赤装束のポケモン軍団が押し寄せていた。
「よし!!!一気に攻め込むぞ、抵抗するものは全て始末するんだ!!!!」
1匹のポケモンの命令が出たと同時にマサラの国に目掛けて約3000のポケモンが突撃してきた。
マサラの周辺で見張りをしていた忍者は炎虎の動きにすぐ気付きすぐさま、マサラ城に向かった。
「頭領!!!大変です!!炎虎の忍者がマサラの国を攻撃してきました!!!兵の数は3000匹と見られます!!!」
「なんだと!!我々は500匹しか出せないぞどうやって太刀打ちすればいいんだ!!まず町民たちの避難を優先させるんだ!!!」
マサラの頭領は大国炎虎の予想も出来なかったようで、突然の攻撃にかなりビックリしている様子だった。
城下町では悲鳴が響き合っている、町民たちは逃げ惑い、マサラの数少ない忍者では、炎虎の忍者の圧倒的な数に対抗することなど到底無理なことであった・・・・・
しかし、もう結果の見えている戦だ当然のように、村は焼かれ、次々とマサラの忍者は次々と炎虎たちの手によって次々散っていった、そして城内でも頭領はもう諦め掛けていた。
「もう、この国はもう終わりだ、此処にいるお前たちでも逃げてくれ!!!!」
「何を馬鹿な事を言ってるのです!!!俺はこの国を守るために忍者になったのです、俺は命を懸けて故郷を守ってみせる!!!」頭領の近くにいたレイドはそう叫ぶと血相を変えて城内を出て行った
レイドは城内を出ると故郷は火の海だった、家は全て焼け落ち、自分が何時も鍛錬をしていた雑木林も焼け野原だ、辺りには昨日まで一緒に話していた仲間の遺体が転がってた、城門の前に1匹のポケモンが見えたそれは紛れも無くサーナイトの姿であった。
「姫!!!どうしてこんな所におられるのですか、貴方は頭領とお逃げ下さい、今からでも間に合います、さぁ急いで!!」とレイドは叫んだ。
しかし、サーナイトはその場を動こうとしない。
「嫌です私もここに残り、マサラの国と運命を共にします・・・」
サーナイトはレイドの発言に納得出来ないのか様子だった。
ーなんで逃げないんだ!!!!−
レイドは心の中でそう叫び続けた、しかしサーナイトにはその気持ちがまったく通じない、2人は小さい頃から仲が良くでよく城下町で遊んでいた、その関係でサーナイトは町民や忍者を置いて逃げるのがいやだったの拒んでいるのであろう。
「姫や頭領が死んだら、どうなりますか誰がこの国を立て直すんですか!!!俺たち忍びなら幾らでもいます、だから早くお逃げになって!!!」
レイドは興奮気味に訴える、しかしサーナイトはそれをまともに聞き入れようとしない。
「何でなのよ!!!忍者と私でも同じポケモンでしょ何が違うって言うのよ!!!私はもう誰も失いたくない!!」
「ありがとう、俺はサーナイトの事が好きでした小さい頃からずっと・・・しかし此処でお別れです」
サーナイトが少し驚いたときには、レイドの拳ががサーナイトの腹部に突き刺さっていた、サーナイトは気絶し地面に崩れ去った。
「いるんだろ!!出てこいよ!!グラエナ!!サーナイトを頼む」
レイドがそう言うと、近くにはグラエナがいた。
「おい・・・レイドそれでいいのかお前・・・」
グラエナはレイドに問いかける
「ああ良いんだ、これで・・彼女がいても戦いには集中出来なくて困るからな・・・」
「おい!!レイド絶対に死ぬんじゃねえぞ!!それがお前と俺との約束だ」
「分かった、絶対に生き残ってみせる、頭領とサーナイトは任せた」
グラエナは頷くとサーナイトを背中に乗せ全速力でこの場から消え去った、そしてレイドにある決心が芽生えた。
ここから先は絶対に行かせない俺の命に変えてもな!!!
レイドは炎虎の本陣に向かって走り出していった、もちろん、普通なら自殺行為に値する、城下町に赤装束の炎虎ポケモンが10匹ほどいた、近くに忍者だけでなく町民も倒れている
「お〜〜新しい獲物発見じっくり楽しませてもらおうじゃんか、少しは長持ちしてくれよ!!」
10匹のドガースがゲラゲラと下品な声で笑い上げている。
「お前等がやったのか罪も無い町民までも・・・絶対に許さねぇ!!!」
レイドは攻撃の体制に入った。
「ほざけ!!戦にはそんなもん関係ないんだよ!!」
1匹のドガースがレイド目掛けて攻撃を仕掛けてきた。
「遅い!!たいした事ねえな!!!俺の技を使う必要も無い!!」
レイドの腕に力を込めると思いっきりドガースを殴りつけた、レイドの腕力は並大抵の物ではなくドガースは10m程吹っ飛ぶとボンと音を立て破裂してしまった。
「こいつ!!!化けモンだ!!くっそこうなったら全員で集中攻撃だ!!!」
9匹のドガースはエルレイド目掛けて襲い掛かってきた。
辻斬!!!!!!
レイドは腕の刃を向け、自分に襲い掛かってくるドガース思いっきり切り裂いた、切り裂いた瞬間9匹のドガースは一斉に音を立てて破裂した。
すると、地面から地響きが聞こえ1匹のハガネールが出てきた。
「ほぅ中々の腕の立つ奴じゃないか、こんな雑魚倒してもつまらないだろう!!このハガネール様が相手に成ってやるからかかって来い!!!」
ハガネールは大きな体で、レイドで襲い掛かってきた、レイドは思いっきり体に力をこめハガネールの突撃を受け止める体制に入った。
「何こいつ・・俺を受け止める気でいるのか・・」
ハガネールの体重は4百キロにもおよび、約50キロ程しかないレイドの体では到底受け止められる事は無謀な行動だ。
しかしレイドは簡単にハガネールの頭部を受け止めた。
「気合パンチ!!!!!」
レイドは大声で叫ぶと気合を拳1点に集中させ思いっきり、ハガネールの頭部にパンチを食らわせた、ハガネールの巨体は宙を舞い2,3m付近に物凄い地響きと共に倒れた。
「よくも!!!貴様ごときが炎虎の上忍に・・許さんぞ絶対にな!!!」
ハガネールはそう言うと、地中に潜り込んだ。
「穴を掘って隠れやがったか・・・・少しでも気を抜いたら攻撃されてもおかしくない・・・・」
レイドは心の中でそう呟くと、体の感覚を研ぎ澄ませた・・・・・
「そこか!!!!!」
エレレイドがそう叫ぶと、地中からハガネールの頭部が出てきた、エルレイドは攻撃態勢を取った。
「残念だったな!!後ろを見てみな!!!」
レイドの背後にはハガネールの尻尾が迫っていた今頃反応してももう遅い、ハガネールのアイアンテールはレイドの体を思いっきり叩きのめした。
レイドはハガネールのアイアンテールで叩きのめされた、体中に焼け付くような痛みが走り。
「ぐは・・・・・・・・・」
レイドから呻き声が聞こえ、物凄い量の血を吐いていた地面は赤く染まり、血の水溜りが出来ていた。
「ははは!!!普通の奴なら内臓破裂で死んでいるぞ!!まぁ良いじわじわと苦しみながら殺してくれるは!!!」
ハガネールは大声で笑うと、エルレイドの体に巻きつき締め上げた、エルレイドの体からはギシギシときしむ様な音がする、だんだんハガネールは締め付ける力を上げていった。
「ぐ・・・あ・・・・」
レイド口から呻き声がする、段々レイドからは意識が無くなって来ていた
レイドは心の中である事を思い出していた
「すみません、俺・・・この国を守ることが出来ませんでした・・・グラエナ・・・俺、約束を・・サーナイトに会わないと行けないんだ!!!!」
「うぉぉぉぉ!!!!!!!!!」
レイドは大きなおたけびを上げ全身に力を込めた、両腕に力をこめハガネールの体を引き剥がした。
「何だとコイツ!!!まだそんな力が残っていたのか!!!此処はひとまず・・」
ハガネールはまた地中に入った。
「同じ手にはもう通用しないぞ!!!」
レイドは腕を握り締め、思いっきり大地を殴った、辺り一帯からは衝撃波が起こり地面が物凄い揺れが生じた、その頃、地中では地表の何倍もの揺れが生じハガネールは耐え切れず地表から出てきた。
「止めだ!!!ハガネール!!インファイト!!」
レイドは一気に間合いを詰めると目にも留まらぬ速さでハガネールに連打の嵐を食らわせた、ハガネールは悲痛の雄叫びを上げると地面に崩れ去り、深くまぶたを閉じた、一方レイドは最後の力を使ったのか地面に倒れこんだ。
「俺は・・・故郷を守れず此処で朽ち果てるのか・・・・故郷の土になるなら・・良いかも知れないな・・」
レイドはハガネールとの戦闘で全ての力を使ってしまったのだ、もう体がうまく動かせない、レイドは深く目を閉じ、自分の故郷のことを思い出していた・・・いつも暖かく出迎えてくれた城下町の人々、いつも笑い話が絶えなかった仲間たち、自分を息子の様にしてくれた頭領、そして昔から好きだったサーナイトの事も・・・・
「そうだ!!!俺は故郷を最後まで守り抜くんだ!!」
レイドは動くのさえ不自由な体を無理やり起こした。
「あれぇ・・・此処は何処・・」
サーナイトは目を覚ました、今まで見たことの無い場所で辺りは木々が生い茂っている。
「目覚めましたか・・姫君・・」
グラエナは背中からサーナイトを降ろすとサーナイトに喋り掛けた、サーナイトはようやく事態に気付いた様で驚いた表情を浮かべている。
「何で!!私こんな所にいるの町の皆は?レイド君は??」
するとグラエナは困惑した赴きでこう言った。
「レイドなら今・・マサラの国で炎虎と交戦中です、私たちはマサラの国にいたら危険なので、安全なところに身を潜めています・・」
「何で!!国を見捨てるのです!!!」
「すまんの・・すまんの・・サーナイトやワシが最初から炎虎の動きを読んでいればこんな事にはなら無かったのに・・・しかし今は此処で我慢をするしかないのだ・・・・」
グラエナとサーナイトのすぐ隣にいた頭領は泣きながらそう言った。
「御免なさい・・父上そしてグラエナさん・・・私やっぱり此処でじっと我慢するなんて考え切れません・・・・・」
サーナイトは目を光らせ2匹に催眠術をかけた、2匹は猛烈な睡魔に襲われ、倒れしまった。
「レイド君・・・待っててね今から行くからね!!」
サーナイトはテレポートを使いその場から姿を消したのだった
レイドはただひたすら走り続けていた、体が悲鳴を上げていても彼は走るのを辞めない・・・・・もう少しで城下町を抜け炎虎本陣までもう少しだ、レイドの目の前が行き成り光り始めた、光が消えるとレイドの目の前にサーナイトが突然現れた。
「姫!!!なぜ此処に居るのですか、グラエナはどうしたのですか?」
「やっぱり・・・私、この国を見捨てることなんて出来ないレイド君もこんなにボロボロなのに私だけ・・・何も出来ないなんてもう我慢が出来ないの!!!」
サーナイトはレイドにそう訴えかけると、レイドを優しく抱きしめた、レイドはサーナイトを愛しく感じよりサーナイトを強く抱きしめるのだった。
「姫・・・・最後の警告です・・今すぐ俺から離れ頭領とグラエナの元heテレポートしてください・・これで本当に最後のお別れです・・・俺が少しの間時間稼ぎにします、ですから急いで!!」
レイドはサーナイトの背後に強い力を持った2匹のポケモンが迫っていることに気付いていた・・・・レイドはすぐさま、サーナイトから離れ戦闘準備に入る、1匹は小柄で、髪の毛は白く仮面をつけ、マントを羽織、両手には花束を持っていた、もう1匹は獣のような姿で目の色が赤かく木の上に上っていた、そしてどちらも炎虎の赤装束は着ていなかった。
「姫様発見こんな所にいたんですか、横にいるもう1匹のポケモンが邪魔だな〜どっちが始末するルカリオ♪」
「・・・・勝手にしろ・・・・・・・」
ルカリオと呼ばれたポケモンは下をうつむいたまま、そう答えた。
「ケッ相変らず愛想が悪いね〜〜このロズレイド様が手柄を分けてやるって言ってるのに〜それに、こんな死に掛けの奴倒しても全然面白くないもん、あんたがやってよルカリオ♪」
ルカリオは少々ため息をつくと木を降り、その場を突っ立っていた、レイドは腕を刃に変形させ全速力でルカリオに突っ走っていった。
最終更新:2007年01月18日 21:11