決勝戦直前02
「さあ、どっからでもかかって来い!!」
「ちょっと待った。審判は誰がやる?」
「ぐ、ぐむーっ」
「審判は参加チームが行うことになっていたはずだ。しかし、他チームは傷つきすぎている。とてもこの危険な決勝戦の審判を行う余力は残っていないだろう」
「た、確かに……」
そう、全選手は満身創痍の身であった。
怪我を押して観戦席に居るが、本来ならば皆絶対安静を余儀なくされている状態である。
「くっ私が余力を残していれば……」
「気にするな
支摩真白。だったらオレがやってやるぜーっ!!」
「ダメです
張さん!!貴方は絶対安静の身のはず!!」
「
時宮暦……。な、ならばどうすれば……」
「心配は無用!!この決勝戦にもっとも相応しい審判を用意してある!!」
委員長の言葉と同時に、覆面マントに身を包んだ二つの影が飛来する。
「トタァー!!」
「セファーっ!!」
「「お、お前たちは!?」」
「そう、準決勝の2試合で審判を務めたミステリアス・レフェリーだ!!」
「ミステリアス・レフェリー……その姿から、てっきり
ミステリアスパートナーと思っていたが……。だ、だが、ミステリアスパートナーはここにいる……」
「い、いったい、ミステリアスレフェリーとは何者なんじゃーっ!!」
「フフフ 見せてやるぜ!!オレたちの正体を!!」
バサッ とマントを脱ぎ捨てる二人の魔人
そこに居たのは皆知っている魔人であった。
このトーナメントの元凶となった魔人
トーナメント開始前に姿を消した魔人
その姿こそ――――――――
「「ゲェーっ!!」」
「「お前たちは――――――!?」」
「ミステリアス・レフェリーの正体は、俺たち時間魔人!!八つの大罪(エイト・デッドリー・シンズ)だーっ!!」
「白金雷光……立川稲妻だったとは……。八つの大罪(エイト・デッドリー・シンズ)だと……?」
「七つの大罪とは――――――」
ミステリアス・パートナーが口を開く。
「七つの大罪とは、人間を罪に導くと言われる七つの感情の事を意味している。また、七つの罪自体も指し示す。つまりやつらは、自分たちこそ八番目の罪と言いたいんだろうぜ」
「ぐ、ぐむーっ。貴様ら、一体どういうつもりだーっ!?」
「フフフ、俺たちが審判では不服かな?ジョワジョワ」
「ヌワヌワ」
「面白い。乗ったぜ」
紅 カオルが冷静に言い放つと、
エビゾウもテキーラを飲みはじめた。
エビゾウなりの戦闘前のウォーミングアップである。
「麻央!!」
興奮冷めやらぬリングに一際大きな声で言い放つエビゾウ。
「……どうやら魔人国宝は乗り気のようだな。どうする?
大下八津太」
「時間魔人が何をたくらんでいようが、私はどんな勝負でも受けるぜ!!行くぞ、ハンニバルマン!!」
『さぁ、後は決勝戦のゴングを待つばかりだーーーーっ!!』
最終更新:2011年02月12日 17:04