プロローグ02
『こちらは希望崎学園裏山のトーナメント・マウンテンです!!』
『これより注目の第二回魔人タッグ・トーナメントがおこなわれようとしております!!』
『全国各地から集められたよりすぐりの強豪タッグ8チームが、最強の称号を目指してこれより死闘を展開するわけでございます!!』
『選手入場!!』
リポーターの実況がけたたましく鳴り響く。
希望崎学園裏山には多くの観戦客やマスコミで賑わっていた。
皆、この日本中が注目するタッグトーナメントを一目見ようと集まって来た者達だ。
「フフフ、予想以上の盛況だわい」
大会の運営主導者でもある、魔人評議委員会委員長は、主催者席で笑みを浮かべていた。
「ほほう、あの魔人は・・・。彼の華麗なる空中殺法は出場メンバー中No1だ。各チームとも捕まえるのに苦労するだろうな。」
「ふむ。やはりあの一族からも参加しているようだな。なるほど、噂通りいい面構えをしている。」
「確か・・・あの魔人は・・・。何が飛び出すか分からない危険をはらんだ魔人だ。案外大物食いをして優勝戦線にはいりこんでくるかもな」
「あれは・・・!?まさか、あの一族同士が手を組むとは・・・」
「それ以外にも、まだ見ぬ影の実力者も居るようであるし・・・。フフフ、楽しみだわい」
委員長は声を上げ笑った。
選手入場が終わり、委員長は開会を宣言すべく壇上に降り立った。
「諸君、本大会のために集まっていただきご苦労であった」
「堅苦しい話は抜きにして、早速試合を大会を始めたいと思うが・・・何か質問はあるかな?」
その時、スッ、と1人の魔人が手を挙げた。
「確か君は・・・白金雷光、だったね。何かね?」
「聞けばこの魔人タッグトーナメント、第一回は二人の他にも配下兵士も参戦していたらしいが?」
「ウ、ウム。確かに第一回は単純なタッグ戦ではなかった。タッグと双方の兵士も入り乱れた戦いじゃった」
「だが、現代では配下の魔人を集めるのが難しい。そのため今回は単純な二人対二人の戦いとした」
「と、言うことは、各チームに配下メンバーが居れば問題無いわけですね?」
白金雷光がそう言うや否や、会場中に響く程の轟音が鳴り響いた。
轟音の元―――――そこには、大きなバイクに跨る赤いライダースーツの大男、立川稲妻が居た。
「行くぜェー!!兄弟!!」
「ウオォー!!」
白金雷光が一跳びでバイクの後部席に降り立つと同時に、二人を乗せたバイクは勢い良く飛び出した。
「セファーター!!」
白金雷光の刀が空間に突き刺さり――――――そのまま、空間を横なぎに剥いでいった。
「秘剣!!時究刃溯裂!!」
空間に生じた亀裂は大きくなり、段々と裂けていった。
「シャハーッ!!」
そのままバイクは空間の裂け目に飛び込み、瞬く間に再び裂け目から姿を現した。
――――――無数の魔人と同時に
「こ・・・これは!?」
「ククク、過去、未来問わず、各時代で最強を誇った魔人を連れてきた。これならば問題はあるまい?」
「各時代の魔人・・・じゃと?お主ら、一体何者・・・」
「「オレたちは!!」」 「「”時間能力者”だーっ!!」」
「ゲエェーっ!!時間能力者だとー!?」
「ジョワッジョワッジョワ。我々の目的は唯一つ、この戦いで優勝し、”真DA砲”を会得する事にある!!」
「な、何じゃと・・・」
「ヌワワ。さて、集団戦を行うのに十分な人数は集まった。開会を宣言してもらおうか」
「ウ、ウム~」
その時、参加者である1人の魔人が声をあげた。
「委員長、私は異論ありません」
その声に続くように、参加魔人も続々と声をあげた。
「オレもだ!!」
「フフフ、面白い」
「俺はどんな勝負方法でも文句ないぜ?」
「お、お主たち・・・。ムゥ~~・・・」
「よかろう!!本大会は、第一回のように集団戦とする!!」
「これより!!第二回魔人タッグトーナメントを開幕とする!!」
最終更新:2010年11月25日 21:14