フェヒナー(Fechner, G. T.)が1860年に刊行した著書『心理物理学要網(
Elemente der Psychophysik)』において、心理物理学的測定法(psychophysical method)を提唱し、刺激強度と判断を通じてなされる心理量との関数関係を特定するために開発された定数測定法と尺度構成法を用い、感覚量を対数関数で表現した理論。
ウェーバー法則をもとに導出され、判断された感覚の大きさ
Sが、刺激強度Iの対数に比例する(
S=klogI、ただし
kは定数)。ベルヌーイの仮定したような
効用関数にみられる
限界効用の逓減の性質と同様の逓減効果が認められる。
式の導出
フェヒナー法則の導出は、ΔIを微分で考え,ΔI=dIと仮定し、これを感覚の最小単位ΔS=dSと比例していると考え、dS=k(kは定数)を置き、この等式の両辺の積分をとって、

(ただし、
Cは定数)
とした。S=0のときの刺激強度をI₀とすると、C=-klogI₀であると考えることができるので、S=klogI-klogI₀=klog I/I₀となる。 I/I₀を刺激閾の値I₀によって基準化された刺激強度であると考えることで、この法則が得られる。
最終更新:2012年05月28日 13:32