千紗 |
お前達、ここから先は立ち入り禁止だ。 悪いが日を改めてくれ。 |
杏珠 |
げ、よりによって千紗さんですか…。 |
ルーベル |
千紗? あれ、どこかで聞いたような…。 |
クレハ |
星斗風穴で、コトツキジムのマネージャーに会ったやろ。 あの姉貴や。 |
ルーベル |
なるほど。 てことは、こいつがコトツキジムとやらのリーダーか。 |
杏珠 |
すいません、この先に急ぎの用事があるんです。 通してもらえませんか? |
千紗 |
そう言われても、こっちも仕事なんでな。 大切な儀式があるから誰も近づけるなと。 |
妖夢 |
儀式ってなんですか? |
千紗 |
詳しいことは聞いてないが…。 弥凪家の妖狐がする儀式だし、 結界に関することじゃないのか? |
杏珠 |
私達、その赤い妖狐に会いたいんですよ。 その妖狐、もしかすると…。 |
千紗 |
赤い妖狐って誰だ? 上にいるのは勇那さんだけのはずだぞ? |
妖夢 |
へ? |
ルーベル |
…もしかして、赤那の奴 勇那に化けて護衛を依頼をしたとか? |
クレハ |
その可能性が高そうやな。 何にでも化けられるとなると、厄介やのう。 |
千紗 |
とにかく、勇那さんが誰も通すなと言ってるんだ。 今日は諦めてくれ。 |
クレハ |
まったく、ほんま厄介やな…。 (主人公名)、さっさと蹴散らすで。 このカタブツを説得してる時間も惜しいわ。 |
千紗 |
ほう、私相手に随分と強気だな。 いい機会だ。環の言葉通りの強さかどうか、 その力を試させてもらおう! |
(戦闘終了) |
千紗 |
な…強い! |
クレハ |
堪忍してな、あまり時間をかけたくないんや。 |
ルーベル |
あんたが会った勇那、たぶん偽物なんだ。 何を企んでるのか知らないけど、 早くとっちめてやらないと。 |
千紗 |
偽物? しかしあれはどう見ても…。 |
妖夢 |
そういう能力みたいですよ。 とにかく、私達は行かせてもらいますね。 |
千紗 |
はぁ…負けた以上は仕方ないか。 頼むから騒ぎは起こしてくれるなよ? |
杏珠 |
私達は起こしませんよ。 私達はね。 |
杏珠 |
げ、揚羽さんもいるの…!? |
ルーベル |
あんたもここで(主人公名)の足止め? |
揚羽 |
まぁそんなところだけど。 聞いたぞ、玉望さんに隠し子だって? |
クレハ |
隠し子って…赤那のこと? 揚羽、勇那には会った? |
揚羽 |
いや、会ってないけど。 でもあの容姿と耳と尻尾は、 どう見ても弥凪家の血縁だろ。 |
妖夢 |
八雲家の藍とか、他にも妖狐はいますが…。 あっちは玉望さんと同じ九尾ですけど。 |
揚羽 |
玉望さんも酷いよな。 勇那さんとほぼ同い年ってことは、数百年前の話だろ? |
ルーベル |
いやいや、さすがに無理が…。 |
揚羽 |
ここ、思い出の場所なんだって。 姉妹で家出してきたから、誰も通さないでと頼まれてさ。 |
杏珠 |
また無駄に手の込んだ嘘を吹き込まれて。 ちょっと揚羽さんってば…。 |
揚羽 |
大丈夫、私もわかってるって。 でもほとぼりが冷めるまではさ、 姉妹水入らずにしてあげたいじゃないか。 |
妖夢 |
あの、その赤い妖狐んですが…。 |
揚羽 |
いじらしいよなー。 はるばる姉に会いに来た妹と、その妹を庇う姉。 迎えに来た(主人公名)達の気持もわかるけど、今晩くらいは…。 |
クレハ |
(主人公名)、さっさと蹴散らすで。 この空気の読めないシスコンを説得してる時間も惜しいわ。 |
揚羽 |
いやいや、何を言ってるのかな? 別に「お姉ちゃん、私達を助けて!」と 上目づかいでせがまれたことは全く関係ないよ? |
杏珠 |
…近頃葵ちゃんに避けられ続けてるから、 禁断症状とか出てるのかな。 |
ルーベル |
この人、どんだけ妹に飢えてるんだよ…。 |
クレハ |
と、とにかくこう見えて厄介な相手やで。 頑張っとくれ、(主人公名)。 ウチはこれ以上コイツの話を聞きとうない。 |
(戦闘終了) |
揚羽 |
くっ、一度ならず二度までも…! |
杏珠 |
あーあ。 また負けたことを葵ちゃんが聞いたら、 ますます(主人公名)ちゃんになびいちゃうなー。 |
揚羽 |
うっ。 |
クレハ |
この間は勇那が取り持ってくれたけど、 当の勇那は赤那にかかりっきり…。 誰のフォローも期待できんね。 |
揚羽 |
ぎくっ。 |
ルーベル |
(主人公名)に弟子入り志願するも時間の問題だねー。 気がついたらこよみ亭で嫁入りして、 琴吹葵ちゃんになっちゃってるかもー。 |
揚羽 |
げふっ! |
杏珠 |
すいません、葵ちゃんは 誰に嫁入りする流れなのかを詳しく。 |
妖夢 |
杏珠さん、冗談にそこまで喰いつかないでください。 |
クレハ |
と、言うわけでこの事をばらされたくなければ…。 |
揚羽 |
はいはい、ここを通せばいいんだろ。 あまり二人の邪魔をしないであげてくれよ? |
杏珠 |
えーと、善処します…。 多分無理ですけど。 |
冠羅 |
あらら、もう来ちゃいましたか。 困りましたね。 |
クレハ |
赤那、やっと見つけたで! |
冠羅 |
…あの、赤那って誰ですか? |
クレハ |
あんたのことや。 赤い勇那だから、赤那。 |
冠羅 |
すいません、私の名前は冠羅(かんら)なのですが。 |
ルーベル |
いやまぁクレハの言うことは気にしないで。 で、冠羅さんとやら。 勇那はどこにいるの? |
冠羅 |
お姉ちゃんなら、私が瓏界を閉じるまでの間 奥で休んでもらってますよ。 |
ルーベル |
そっか、無事なら…って、ちょっと待て。 |
杏珠 |
瓏界を閉じるって…!? |
冠羅 |
私の使命は、お姉ちゃんを楽にさせることです。 瓏界を管理する必要がなくなれば、 お姉ちゃんの仕事もなくなりますから。 |
妖夢 |
まさか…瓏界がなくなれば 勇那さんの仕事もなくなる、なーんて…。 |
冠羅 |
はい、その通りです。 |
ルーベル |
勘弁してよ、 ほんとに本末転倒な展開になってるじゃん!? |
冠羅 |
瓏界は、璃鈴さん達の平和な生活のために 作られた世界なのでしょう? |
冠羅 |
でも今は外だって平和です。 それなら、瓏界だって必要ないじゃないですか。 |
クレハ |
それは千年前の話で、今とは事情が違い過ぎるやろ。 |
杏珠 |
私達はここに住んでるんですから、 瓏界がなくなったら困ります。 それにコダマ達とも会えなくなっちゃいますし。 |
ルーベル |
それに勇那だってそんなこと望んでないっしょ? あいつの家だって瓏界の中にあるんだから。 |
冠羅 |
仰ることもわかりますけど、 瓏界を閉じちゃうのが一番簡単で確実なので。 と言うわけで、そろそろ術式の準備も整いますし…。 |
妖夢 |
そんな適当なノリで、世界を一つ壊さないでください! |
ルーベル |
くっ、玉符…! …起動しない?なんで!? |
冠羅 |
ここは瓏界で一番結界が強力な場所。 スペルカードは一切使えませんよ。 ただ…。 |
|
すっ。 |
冠羅 |
よほどの実力者のコダマであれば、話は別でしょう。 だから邪魔されそうな(主人公名)さんには 来てほしくなかったのですが。 |
クレハ |
しもた、杏璃を連れてくればよかった。 |
杏珠 |
今言っても仕方ないでしょ! それゆけ(主人公名)ちゃん、 あの困ったちゃんを叩きのめしちゃえ! |
冠羅 |
そう来ますよね。 さっさと事を済ませて、のんびりしたかったのに。 |
妖夢 |
もしかして、自分が楽したいだけだったりしますか!? |
冠羅 |
そんな事はないですよ? まあ星鏡のお陰で、追い返すための準備はバッチリです。 誰にも私の邪魔はさせません! |
(戦闘終了) |
冠羅 |
あいたたた、星鏡の助力があっても勝てないとは…。 ですがもう遅いです! 星鏡の力で、もうすぐ瓏界の境界は崩壊します! |
ルーベル |
それなら星鏡を…って、結界で守られてるし! |
冠羅 |
この結界は、私の力じゃなければ解けませんよ。 誰も星鏡に手出しできない以上、 後は術式を起動させるだけで…。 |
杏珠 |
カコちゃん! あの狐のお姉ちゃんにすっごいキスをしてあげて! |
冠羅 |
…はい? |
華坤 |
ちゅーすればいいの? わかった! |
冠羅 |
ちょ、痛みでまだ身体が動かな…! |
|
ちゅー。 |
冠羅 |
ーーーーーーー¥@*+$%>#&!!!!!!? |
妖夢 |
わお。 |
クレハ |
あ、なるほど。 |
ルーベル |
え、何? どゆこと? |
|
すぽっ。 |
冠羅 |
(放心中) |
妖夢 |
…見事に気を失ってますね。 |
華坤 |
杏珠、ちゅーしてきたよ! |
杏珠 |
よくできました♪ そしたら、狐のお姉ちゃんのコダマを出して 星鏡の結界を解除させて! |
華坤 |
解除? どうやるの? |
クレハ |
…まぁ、とりあえずコダマを出して頼んでみぃ。 名前は冠羅だそうや。 |
華坤 |
りょーかい! カンラちゃん、あの結界を解除して! |
|
きぃぃぃぃん…。 |
ルーベル |
よくわかんないけど星鏡げっとー! |
杏珠 |
一人にしておくのは危ないって、 カコちゃんを連れてきててよかった…。 能力を吸い取る術に、こんなところで助けてもらうなんて。 |
クレハ |
まったく、人騒がせにも程があるわ。 それじゃ中の勇那を助けて帰るとしよか。 |
弥凪家 |
|
杏珠 |
あ、玉望さんに璃鈴さん。 こんばんは。 |
クレハ |
やっほ、連れてきたで。 |
玉望 |
お待たせ、話は道すがらで聞いたわ。 (主人公名)、色々とありがとう。 |
璃鈴 |
で、勇那ちゃんはと言うと…。 |
ルーベル |
ずっと冠羅に説教中。 星鏡もないし、もう大それたことはできないだろうけどね。 |
玉望 |
自分で言っておきながら半信半疑だったけど、 本当に星鏡から出てきてたのね。 |
杏珠 |
勇那さんの願い事はほとんど想像通りで、 「万能で気がきくお手伝いさんが欲しい」 みたいな感じだったそうですが…。 |
妖夢 |
漠然とした願いだっただけに、 変なのが生まれちゃったみたいですね。 |
クレハ |
変なのも程々にしてほしいけどな。 そうそう、冠羅はなんで勇那をさらったの? |
冠羅 |
さらったと言うか、連れて行っただけですけどね。 結界の修復なら星斗風穴ですが、 崩壊を狙うなら清瀧洞が一番だったので。 |
勇那 |
人を結界に閉じ込めておいて、 「連れて行っただけ」は無理があるだろう…。 説得にも全く耳を貸さないし。 |
冠羅 |
だってお姉ちゃんの言う通りに働いてたら、 遊ぶ時間がなくなっちゃうもの。 と言うわけで、根本的な解決をですね…。 |
勇那 |
それは解決とは言わないし、 遊ぶ時間が欲しいという理由もどうかと思う。 |
冠羅 |
でもそれ、半分はお姉ちゃんの願い事だよ? 「もっと遊びたい」「連れ回してくれる相方が欲しい」って。 |
クレハ |
ほほう。 |
杏珠 |
と言うことは、冠羅さんのキャラも 概ね勇那さんの願いを反映したものだったり…。 |
冠羅 |
そうですねー。 「お姉ちゃん」という呼び方も、 「もっと妹に甘えられたい」という…。 |
勇那 |
おい冠羅、変なことを言うなってば! そもそもお前は妹じゃないし! |
冠羅 |
えー、お姉ちゃんひどーい。 私も妹でいいですよね、母様? |
玉望 |
まあいいんじゃない? 4人も5人も変わらないわよ。 どうせ面倒をみるのは勇那だし。 |
勇那 |
母様、いきなり娘が増えたって言うのに リアクション軽すぎじゃないですか!? あと後半のセリフはどうかと思います! |
妖夢 |
結局、勇那さんの気苦労が増えただけのような。 |
ルーベル |
そうかな、楽しそうでいいんじゃない? |
勇那 |
他人事だと思って…。 冠羅、仕事の手伝いはちゃんとしてくれよ? 私に化ければ、単純に効率2倍なんだから。 |
冠羅 |
そうですねー。 こうなった以上は、真面目にお仕事を頑張りますよ。 |
クレハ |
へー、能力までコピーできるんか。 |
冠羅 |
私の実力以上のことはできませんが。 妹に負けたくないというプライドからか、 勇那お姉ちゃんよりちょっと弱めの設定で…。 |
勇那 |
だからお前はそういうことを言うなっての! |
冠羅 |
はーい、気をつけまーす。 |
勇那 |
…ついでに言っておくが、私はこの瓏界が好きなんだ。 コダマを通じて、人間も妖怪も繋がっていられるこの場所が。 |
璃鈴 |
…。 |
勇那 |
だから、軽々しく「瓏界をなくそう」なんて もう考えないでくれよ? |
冠羅 |
わかりました、肝に銘じておきます。 |
クレハ |
ま、最近の幻想郷は 人間も平気で弾幕遊びに混ざってるけどな。 |
勇那 |
なんでそこで茶化すかな。 それに、混ざれるのなんて一部の人間だけだろ。 |
玉望 |
あまり人間が混ざり過ぎると 妖怪の立場がなくなるから、 それはそれで困り物なんだけどね。 |
杏珠 |
…星鏡があれば、外でもコダマが出せるんですよね。 そしたら(主人公名)ちゃんも弾幕遊びに混ざれるのかな。 |
璃鈴 |
そうねー、(主人公名)ちゃんぐらいだったら コダマの力で大抵の妖怪と渡り合えるかも。 |
ルーベル |
スペルカードバトルなら負けないよ! 今度勝負してみる? |
クレハ |
幻想郷巡りも面白そうやね。 近いうちに、ウチらで外まで出かけてみようか♪ |
妖夢 |
きっと楽しいと思いますよ。 幻想郷には面白い人がたくさんいますから。 |
|
幻想郷の住人にそっくりな守り神、 「コダマ」が存在する世界、瓏界(ろうかい)。 |
|
新米だったコダマ使い、(主人公名)の冒険は ここで一旦休憩となりますが。 |
|
開かれた扉の先、幻想郷で。 (主人公名)のいつもと違う物語は、まだまだ続くことになりそうです。 |
|
…以上で東方玉神楽の本編は終了となります。 ここまでプレイしてくださって、 本当にありがとうございました! |
|
以降のシナリオはエクストラストーリーとなります。 EXシナリオではレベルダウンが無効となるので 注意してください。 |
本編シナリオ終了 |