はじめに
お約束:自己責任
画像が大きいです。そのうち直します。
ご指摘お待ちしております。
原理
コイルガンとは
図1 コイルガン模式図
コイルガンは、パイプなどに導線を巻いてコイルを作り、その導線に電流を流すことで物体を発射する装置のことです。
小学校の授業でやった電磁石の実験と似ています。図1がその模式図です。
もう少し詳しい話をすると、導線を円形に巻き、そこに電流を流したときに発生する磁界を利用して、磁性体を引き込むのです。
磁性体には、強磁性体の鉄を用いることが多いです。また、磁性体はプロジェクタイル(飛翔体)と呼ばれます。
図2 コイルに発生する磁界
図2は、図1と同じ方向に電流を流した時に発生する磁界を描いたものです。
コイルの左端にプロジェクタイルを置くと、プロジェクタイルがコイルに吸い込まれることがイメージできたでしょうか。
この吸引を強力にしてやれば、磁性体を飛ばすことができ、コイルガンとなるわけです。
実際のコイルガンについて
コイルへ電流を流すのに適当なソースとして、コンデンサがよく使われます。
コンデンサにエネルギーを溜め、スイッチによってそのエネルギーをコイルに瞬間的に放出します。
すると、コイルに大電流が流れ、強い磁界が発生し、プロジェクタイルはより高いエネルギーを得ることができるのです。
図3が回路図です。
図3 コイルガン回路図
ここで、図3に示されたコンデンサとスイッチについて説明します。
コイルガンで使用するコンデンサは、大電流を供給するために、高耐圧で大容量の物が必要です。
電解コンデンサの耐圧、 容量は製作するコイルガンによって異なります。
大型の物を作る場合は、コンデンサの耐圧、容量も大きくなり、コンデンサ自体も大きくなります。
また、耐圧と容量は、この後に述べるスイッチとの兼ね合いもあります。
スイッチは、図3のようにプッシュスイッチを使うことは危険です。
コイルガンで使用するコンデンサは通常、高圧で充電するので、接点で爆発が起きます。そのとき、エネルギーの損失も起きます。
そこで、プッシュスイッチの代わりに、サイリスタ(SCR)と呼ばれる半導体を使用します。
サイリスタは、ゲートに電流を流すと、アノードとカソード間に電流が流れる半導体です。
高電圧、大電流を制御できるので、本来はモータの制御や溶接機の制御に使用されています。
回路記号を見ると、ダイオードにゲートが付いた形になっています。見たとおり、カソードからアノードへの電流は流れません。
サイリスタ以外にもプッシュスイッチの代わりになる半導体があります。トランジスタやFET、 GTOサイリスタ、IGBT などです。
しかし、入手性や価格、スペックを考えると、サイリスタが適当です。
コイルガンの基本的な説明はこれで終わりです。
なんとなくでも分かって頂けたら嬉しいのですが、どうだったでしょうか?続いて多段型コイルガンの紹介です。
多段型コイルガンについて
今までは単段型と呼ばれる、コイルが1つのコイルガンを紹介してきました。
ここでは、コイルが複数個のコイルガンで、多段型という物について紹介したいと思います。
多段型は、単段型に比べて複雑になりますが、コイルの数だけ加速が出来るので、速度や威力が高まります。
図4が多段型コイルガンの模式図です。
図4 多段型コイルガン模式図
図4は、3段の多段型コイルガンの模式図です。図4(a)を見てください。
1番目のコイルを1段目、2番目のコイルを2段目と(以下同じように)呼んでいます。
多段型コイルガンは、まず1段目のコイルに電流を流し、プロジェクタイルを加速させます。
次に図4(b)のように、プロジェクタイルが1段目と2段目の間にあるセンサ1に到達した時に、2段目のコイルに電流を流し、プロジェクタイルを加速させます。
さらに図4(c)のように、2段目と3段目の間にあるセンサ2に到達した時に、3段目のコイルに電流を流し、プロジェクタイルを加速させます。
これが多段型コイルガンの仕組みです。コイルを増やせばそれだけ加速されることになります。
センサには、光センサを用いることがポピュラーです。発光デバイスと受光デバイスを組み合わせ、プロジェクタイルの通過を検知します。
最低限必要と思われる物
高耐圧・大容量の物。新品を買うと高いのでジャンク、ヤフオク、eBayなどで探す。
秋葉原の高架下、ラジデパ、オヤイデ電気、中部電材などで売っています。
作るコイルガンに合わせて購入しましょう。コンデンサ同様、ジャンク、ヤフオク、eBayなどで探した方がいい。
秋葉原の部品屋
耐電流に注意。大きさを気にしないなら、安いダイオードを大量に並列接続するのも手。
あれば便利そうな物
充電電圧調整用。
- MOT(Microwave Oven Transformers)
マグネトロンを起動させるために、電子レンジの中に入っているトランス。
2kV程度まで昇圧できるようです。
なんとでもなる物
結線に必要。
トランスを使う場合に必要。適当なダイオードで組めばいいです。
適当なネジを加工するのが手っ取り早いと思います。
上から、先輩に加工して頂いた軟鉄、こて先、インチネジ(7.9mm)、加工したM5のネジ
高圧が計測できればなんでもいいです。
コイル固定用で、あれば便利。
アルミ缶、スチール缶など。
作り方
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最終更新:2010年11月16日 20:10