力の完成が新たなる力を呼び覚ましあう世界と
ダウト・ペアの戦争。長く続いたその戦いも、星龍と不死鳥の力を手にした五文明軍側に勝機が傾きつつあった。しかしダウト・ペア達は微塵も怯むことは無く、ただひたすらに良き立場を求める為の抵抗を続けた。最前線にいる彼らの勢いと怒りに満ちたその声は、逆に優勢に付いている五文明軍を押し倒すかの力を秘め、虚しき戦に精神を崩す物も出始めた。それでも状況はダウト・ペアの不利。打破すべくとった最期の策は、成功例の無い危険極まりない戦力増強だった。
前線にいたダウト・ペア達が次々と撤退を始めた。五文明軍に理由を確かめる術は無かったが、これを好機と見た戦闘員たちは一気に本陣へと切り込んだ。そこで待っていたものは、光の鎖に拘束された3体の巨大な龍だった。その外見の特徴はまさしくワールド・ドラゴンであり、対竜達のもといた世界の星龍であろう。五文明軍がその光景に愕然とする中、その星龍達が結界に包まれた。公開の場で、ワールド・ドラゴンの対竜化が始まったのだった。そしてその策は見事に成功してしまい、最後のの対竜〈冥竜〉が誕生してしまった。誕生した冥竜の力はただ戦闘に特化した星龍そのものであり、世界を司っていた2体の不死鳥すらも歯が立たず、瞬く間に五文明軍は壊滅的被害を受けた。ここぞとばかりに勢力を盛り返すダウト・ペア、しかし一つだけ誤算があった。
3体の中で最も強大な力を持っていた〈
冥竜ディーペスト・DOUBT〉がダウト・ペアの支配を離れ、衝動の赴くままの破壊を始めたのだった。
五文明軍の敵がいなくなった後その矛先はダウト・ペア自身に向き、彼らもまた冥竜の餌食となった。逃げ惑うダウト・ペアをその目の前に控えた五文明軍に対し、彼らを弾圧した事実がこれ程の理不尽を発生させたと共和派が意見を前面に出し、ダウト・ペア達に休戦の要望が出される。強大なる冥竜に対抗する手段の無かったダウト・ペアの指揮官達は涙ながらにそれに同意した。ダウト・ペアは保有する全ての技術を五文明軍に提供し、急遽これが解析された。そしてその中で冥竜に対抗し得る戦力、星龍と冥竜の融合体〈
創界龍アブソリュート・TRUST〉が完成する。
かつて無い大規模なドラゴン同士の戦い。最後に勝つのは真か、疑か………
最終更新:2011年11月07日 12:16