ASD20XX.08.03.09:14:00
~ミストラルシティ~
たった一晩。
長い時をかけて作り上げられた街は,日が沈み夜が明けるまでの間にいともたやすく破壊されてしまった。
死傷者がでなかったのは奇跡だろう。
治安維持局の迅速な対応により,都市に住む人々は街の外へと避難していたのだ。
崩れ落ちたビルのがれきに身を隠す少年をのぞいて。
イワオ「めちゃくちゃだ…まちがめちゃくちゃだよぉ」
彼の言葉には,いつもの天真爛漫さは感じられない。街が崩壊しているのだ,無理もない。
イワオ「みんなどこにいっちゃったんだよぉ。せんせぇぇぇぇぇ」
少年が叫んだそのとき,通りの向こうから誰かが歩いてきた。
その誰かは少年に近づくにつれて,異形さを明らかにしてく。
ヒトの姿をしているようだが,胸元には赤く光る石が埋め込まれ,右腕は獣のように毛に覆われ大きな爪が飛び出していた。
デュエリアン【戦士】「がおー」
咆哮と同時に逃げ出す少年。
イワオ「だれかぁぁぁたすけてぇぇぇ」
誰も来ない。
すでにこの街には少年と異形の存在しかいないのだから。
イワオ「た…たすけてよぉ…ろびーん!!」
バシュゥ
吹き飛ぶ異形のもの。
イワオ「あ…ろびーん!!」
ライトニング・ボルト「ロビンではありませんが,待たせましたねイワオ」
ライトレイ・サンダー「俺たちがきたからもう安心だ。さぁこっちに」
そこにいたのは,
ライトニングとライトレイ。
といっても,ヒーローのようなコスチュームを身にまとっているのだが…
ライトニング・ボルト「さぁ私と決闘です。デュエリアンよ!!」
ASD20XX.08.02.23:52:41
~世界連邦治安維持局本部~
四方を絶壁に囲まれているモゴラ大陸は外界の影響を受けない。
世界連邦は,自然の要塞であるモゴラ大陸に拠点を置いていた。
各都市に配置された治安維持局から,対地球外生命体を目的として勇気ある決闘者たちが集められたのは,世界同時生中継があってからわずか数時間後のことだった。
特殊高速飛行艇“タイタニック=ジャッジ”は,遠く離れた都市から彼らを即座に世界連邦へと逓送した。
そこで彼らを待ち受けていたのは…
超官「お待ちしていました。そっそくですが」
超官「選別試験を開始します。私たちと決闘していただき,あなた方の”力”を測らせていただきます!!」
ライトレイ・サンダー「我々に勝利するだけの”力”があれば」
ライトニング・ボルト「これから起こる出来事にも対応することができるでしょう」
バウンダー星人「…」
かくして決闘者の選別が始まった。
超官「選別試験は以上です。勝ち残ったみなさんはこのときを持ってしてC・P"コスモパトロール"の一員となり,地球を守るために戦うのです!!」
超官「出動せよ!!コスモパトロール!!」
C・P“コスモパトロール”に任命された決闘者たちは,それぞれの街へと帰っていった。
世界各都市で異形のものの暴走がはじまったのは,C・Pが帰還してしばらくしてからだった。
すでに住民は避難し,誰もいなくなった街の中。
異形のものとC・Pの決闘が始まったのである。
~ネオドミノシティ~
遊星「C・P5号不動遊星!!」
遊星「この街は俺が守ってみせる。かかってこい!!」
デュエリアン【魂】「すぴー」
カーリー「C・P6号カーリー渚!!」
カーリー「私も助太刀なんだから」
デュエリアン【悪魔】「でびー」
~ハートランドシティ~
遊馬「C・P7号」
遊馬「俺の名はゼアルーラ。ハートランドは好きにさせねぇ!!」
デュエリアン【龍】「ドラー」
~ミストラルシティ~
デュエリアン【守護】VS
カレン
カレン「C・P8号カレン」
カレン「おい!そこのお前,私が相手だ!!」
デュエリアン【守護】「レレレー」
ASD20XX.08.03.09:37:24
~ミストラルシティ~
ほぼ一方的な決闘が終わり,デュエリアン【戦士】は倒れた。
胸元の赤い石は,決闘の敗北に併せてぽろりと地面に落ち,同時にその異形のものはヒトの容姿に戻る。
ライトニング・ボルト「申し遅れたました。C・P3号ライトニング・ボルトです!!」
ライトレイ・サンダー「C・P2号ライトレイ・サンダーだ!!」
ライトニング・ボルト「すでにだれもいないはずでしたが,イワオ,あなたどうしてここに?」
イワオ「どうじょうの…かんばんとりにきた」
確かに少年の手には道場の看板が抱えられている。しかし…
ライトレイ・サンダー「お前治安維持局の飛行艇で逃げなかったのか?」
イワオ「ふぇ?なにそれ?」
ライトレイ・サンダー「おいおいまじかよ…って,先生は?一緒じゃないのか?」
イワオ「せんせぇ…せんせぇぇぇぇどこぉぉぉぉ!!」
ライトニング・ボルト「レイ,これは先生をまず捜した方がいいかもです。ついでにこの街のデュエリアンを排除していきましょう」
ライトレイ・サンダー「そうだな。おっと,忘れるとこだった」
ライトレイはデュエリアンから外れた赤い石を手に取り袋に詰め込む。
袋の中には色様々な石がひしめいていた。
~三沢博士の考察~
三沢「はじまったな」
モモジリ「なにがモモ?」
三沢「俺のコーナーがはじまったんだよ!!」
モモジリ「モモー♪」
三沢「このシリーズでは俺が物語の補足をしていくことにする。今回は異形の存在デュエリアンについてだ」
三沢「デュエリアンは,地球外生命体からのメッセージを受信してしばらくたった後,同時多発的に世界各地で現れた。その姿はまさに異形。無人カメラの中継をみた人々は恐怖した。もっとも避難が迅速で人的被害はでていないがな」
三沢「さて,デュエリアンとは治安維持局が決めた名前だ。デュエリストとエイリアンからの複合造語だと思われる。おそらくは地球外生命体のはなった刺客なんだろう」
モモジリ「デュエリアンを倒すとヒトに戻るモモ♪」
三沢「そのことからデュエリアンは元々はヒトだったと推測できるな。いかんせんまだ情報が足りない」
モモジリ「三沢はこれからどうするのモモ?」
三沢「ディヴァインとともに調査を進める。こっちの研究も佳境だしな」
モモジリ「モモー♪」
最終更新:2012年09月16日 22:47