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SS/スレ10/391,400,402 - (2006/01/31 (火) 02:49:16) の1つ前との変更点

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『ルーク…?な…の?』 突然現れた、彼。それは幻ではない。確かに彼だった。 頬をつたう涙を拭った後、静かに、けれど次第に足取りを早くして最愛の人に近付いて行く。 だが 『…ルーク…?』 側に近寄り、声をかけても彼は何も言わず、ただ何かを伝えなくてはいけない、 そんな深刻な顔をでティアを見ていた。 なに…?何で何も言わないの?なにか言ってよ…ねぇ、ルーク… 『…すまない。』 …なんで謝るの? 『オレは…』 …まさか…そんなはずはない、そんなはずは… 必死に頭の中を整理して、けれど全然追いつけない早さで考えが一つの答えに、もう一つの可能性であった答えに集束していく。 それが限界に達しようとした時、それとほぼ同時に、 苦渋を噛み締めた顔で、ほんの数秒間を置いた後、彼は…言ってしまった。 『…オレはアッシュなんだ。』 『…ティア。』 ティアが落ち着くのを見守ってから、ルーク…いや、『ルーク』の成りをしたアッシュが、口を開いた。 『ここは思い出深い場所だな…。あの時はお前に本当に迷惑をかけてしまった。』 …え? まだ目が赤いをティアを優しげな目で見つめながら、続けた。 『あいつは…ルークは、死んだわけじゃない。オレの中で、今も生き続けている。 気休めにしかならないかも知れない。 お前を悲しませるだけかも知れない。けど…。』 波の音が聞こえた。月夜に照らされたこの場所は、私と彼の始まりの場所。 そう思うと自然と、懐かしい風に包まれた気がした。 『あいつの『記憶』は…、お前が、幸せになることを望んでいた。 オレはそれを伝えるために、ここに来た。ルークとの…約束だ。』 それを聞き終えると同時に、また涙が、溢れ出した。 今度は何の涙だろう?喜びか悲しみか、それとはまた違った別の感情なのか。 目の前にいるのは、アッシュ。でもルークは…? 現れた『彼』がアッシュだと分かった時から、 ずっとそれが胸に突掛かっていた。 彼はもういないんだ、彼の笑い声、私を心配してくれた優しい声は、 もう聞くことはできないんだと思っていた。 でも、そうじゃない…あなたはアッシュの中にいるのよね。 きっと、私の中にも… 『記憶しか残らない、か…。どうやら記憶以外にも残るものがあったようですね…。』 『…何か言ったか?ジェイド。』 『いえ、独り言です。気にしないで下さい。』 夜の静けさが漂う渓谷は、このジェイドとガイのやりとりもよく響く。 二人は結ばれることはなかったが、 二人が過ごした互いの記憶は、いつまでも、 星の記憶として残っていくことだろう。 ---- #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)

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