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影妹

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tenimo

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だれでも歓迎! 編集
【ヘタレ娘】

?「か、返してよぉ! わたしのザビーちゃん返してよぉ!」
バカなガキ「へへっ、返してほしけりゃここまで来てみな!」
アホなガキ「やーいやーい、ヘタレ女ー!」

兄「ん? あれは……影妹ちゃんか?」
妹「影……? もしや兄友をフったという影美とやらの関係者か?」
兄「関係者どころか妹だよ。兄友と影美が付き合っていた頃に何回か会った事がある」
妹「なるほど、それは分かった……が、あれはどういう事だ」
兄「……見ての通りのイジメだろうな。あの子は姉と違って異常な程気が弱いんだ」

バカ「おい、こんなハチのぬいぐるみなんて気持ち悪いから捨てちゃおうぜ!」
アホ「そーだな、」
影妹「か、返して……お願いだからかえしてよぅ……ふぇ……うぇぇぇ~ん!」

妹「……」
兄「……ちょっとやり過ぎだな。そろそろ止めないと……って、あれ? 妹?」

妹「おい、そこのお前達」
バカ「……な、なんだよお前、何しに来たんだよ」
妹「おばあちゃんは言っていた……男がやってはいけない事は二つある。
   それは食べ物を粗末にする事と女の子を泣かせる事だ」
アホ「わ、訳わかんねーこと言ってんじゃねーよ! こ、このチビ!」
妹「ふん……弱いもの虐めしか能のない凡人が。やる事も低レベルなら言う事も次元が低いな」
バカ「うっ……うるせぇ、このペチャパイおんn」
妹「──『ハイパークロックアップ』」


ドッギャ──────ン!


バカアホ「「……(へんじがない ただのしかばねのようだ)」」
妹「……まずい飯屋と悪の栄えた試しはない。さっさと帰って昼寝でもしてろ」
兄「もう聞こえてないみたいだが……っと、それより影妹ちゃん、大丈夫か?」
影妹「ぐすっ……は、はい……だ、大丈夫です……」
妹「お前もいつまでも泣いているんじゃない。
   ……ほら、ザビーちゃんとやらを取り返してやった。ありがたく受け取れ」
影妹「えぐ……あ、ありがとうございます。
    あんまり可愛くないお人形さんだけど、これ、私の宝物なんです……」
妹「……」

ひょいっ

影妹「! ふぇぇ……な、何するんですかぁ……返してくださいよぅ」
妹「あ……いや、すまない、なんだか知らないが体が勝手に……」

ひょいっ

影妹「あっ……ど、どうしてそんないじわるするんですかぁ……?」
妹「くっ……な、なんだこの裡から沸き上がるよく分からない衝動は!?
   っは……し、鎮まれ……私の心よ!」
影妹「う……うぇぇ~ん!」
妹「うう……わ、私は……私はッ……! 私のそばに近寄るなァァ──────ッ!」

兄「(これが伝説の『いじめてオーラ』か……。影妹……恐ろしい子……!)」



影美「……影妹ってさぁ」
影妹「…何?」
影美「ウザいわぁ…ホントに…しかもあのやさ車より馬鹿って…私家出るわ」
影妹「そんなお姉ちゃん!!」
豪雨の中
兄友「影妹お前は良いよなぁ」
影妹「兄友…」
兄友「俺が見た地獄はこんなもんしゃない」
影妹「五月蝿い!!お前のせいでお姉ちゃんが…!」
兄友「地べたを這いずり廻ってけそ見える光があるんだ」
影妹「光?」
兄友「だが期待するなどうせ俺達には一生見ることは出来ない」



【スールの誓い】

影妹「──で、弟子にしてくださいっ!」

妹「……いきなり尋ねてきたと思えば……。言っておくがここは病院でも子供電話相談室でもないぞ」
影妹「あ、あの、この間は助けてくださってありがとうございました!
    それで、その……私を助けてくれた妹さんの強さとか、かっこよさとかに憧れて……。
    い、妹さんに鍛えてもらえば私ももっと強くなれるんじゃないかって思って……その……」
妹「断る」
影妹「え……!?」
妹「……いいか? 私は過去現在未来あらゆる世界においてもっとも完璧な人間だ。
   その私をお前のような凡人が目指したとしても、到底ついて来れるものではない」
影妹「……そ、そんな……わ、私頑張ります! 強くなる為なら何でもします!」
妹「……まだ理解できないようだな。なら分かりやすく言ってやる。三輪車に乗れない奴がバイクを運転できるか?
   寝返りもうてない赤ん坊が100mを十一秒で走れるか? 水に顔をつける事さえ出来ない奴が海に潜れるか?」
影妹「……!」
妹「分かったらさっさと帰れ。私はこれから夕食の支度があるんだ」

兄「……影妹ちゃん、しょぼくれて帰って行ったぞ。
   もっと優しくしてもよかったんじゃ……って、何でそんなにぐったりしてるんだ?」
妹「……あいつの近くにいると調子が狂う。なんだあの筆舌に尽くしがたい雰囲気は」
兄「(ああ、いじめてオーラのせいか……)」
妹「……さて、そろそろ夕飯の材料を買いに行くか。兄、すまないが付き合ってくれ」
兄「とか何とか言って、影妹ちゃんの様子を見に行くんだろ? はいはいツンデレツンデレ」
妹「……」
兄「ひぎぃ!? 痛い! や、やめて! 俺のサタンサーベルねじらないで! やみゅてぇー!」

(夜の街で)

影妹「はぁ……結局断られちゃった……。やっぱり私なんか……きゃっ!?」
DQN1「痛っ! 何しやがんだてめーこのバカヤローおめー!」
影妹「あ……ご、こめんなさい、わ、私ついよそ見しちゃってて……」
DQN2「……おい、こいつ結構可愛くねぇ?」
DQN3「……マジだ。へへ、こりゃいい拾い物したなぁ」
影妹「え? え? あの……な、何を……きゃああああ! や、やめてください! 何するんですかぁ!」

兄「なんというよくある話……横から見ていただけで分かってしまった、
   この展開は間違いなくいまどき時代劇でもやらない 」
妹「やれやれ……まったくお騒がせな奴だ。仕方ない、助けてや……」

兄友「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

妹「む……!?」
兄「こ、この声は……兄友!?」
DQN4「……あぁ? なんだよ、お前」
兄友「お前らはいいよなぁ、そんな無軌道で刹那的な生き方が出来て……。
    俺なんかこんな時間に姉貴のパシリでホモ同人誌を買いに行かされたっていうのに……」
DQN5「なんだこいつ……ブツブツ喋りやがって、キモ……あべし!?」
兄友「おい……今誰か俺を笑ったか? 笑ったな? 笑っただろ?
    どっちでもいいから笑ったって言えって言ってんだろこのビチグソがぁ──ッ!」
DQN6「んな事言われてね……ぐわっ! こ、こいつ強え!?」

(中略)

DQN共「ぐっ……ち、ちくしょう……お、覚えてやがれ!」

兄友「……なんだ、誰かと思えば影妹じゃないか……」
影妹「あ……兄友さん!? お、お久しぶりです……それと、ありがとうございました」
兄「ま、まずい! あいつのやさぐれオーラと影妹ちゃんのいじめてオーラがぶつかったら世界が鬱の炎に……」


兄友「それにしても久しぶりだな、影妹ぉ……影美は元気か?」
影妹「は、はい……お、お姉ちゃんは新しい彼氏さんの家に泊まってて……もう二週間も帰ってきてないんです」
兄友「……大変だなぁ……だが、俺の味わった地獄はそんなもんじゃない」
影妹「……あ、あの……その……す、すみませんでした、お姉ちゃんのこと……」
兄友「だが……地べたを這いずり回ってこそ見える光がある。俺はそれで自分の真の性癖に気が付いた」
影妹「え……?」

ガシッ

影妹「……きゃっ!? あ、あ、兄友さん!?」
兄友「影美がいないのならちょうどいい。影妹……お前、俺の妹になれ」
影妹「え……えぇぇぇぇぇ!?///」

妹「認めたくないが……天の道を往く私にも見通せない道があるとは思わなかったぞ」
兄「あいつ……やっぱりロリコン、いや、シスコンだったのか……」
妹「……しかし、どうしてアイツはああも平然と影妹に触れられるんだ?
   この私でさえ影妹の不気味なオーラは苦手だというのに……」

妹友「それは私が説明しましょう!」
妹「ひゃっ!? い、妹友! お前……いったいいつからそこに居た!?」
妹友「マイナスとマイナスをかけるとプラスになりますよね? それと同じように
    兄友さんのやさぐれオーラとあの子のいじめてオーラがお互いを打ち消しあっているんです!」
妹「そんな単純かつ複雑怪奇な計算が成り立つ訳が……いや、あいつらならあるかも知れんな……」
妹友「それよりなんですかあの子は! どうして兄友さんにあんなにガッチリと抱きしめられてるんですか!?」
兄「いや、それは……うーむ、本当の事を言っていいものかどうか……」

兄友「二人で歩いていこう、影妹……このゴールの無い暗い現実を……」
影妹「あ、あの……あの……う~……///」
妹友「ああっ! あ、あんな耳元で優しく囁かれて……う、うらやま……うらや、うら……恨めしいぃぃ!
    ええい、今すぐそこになおれ小娘! このサタンサーベルで真っ二つに叩き切ってくれる!」
兄「ちょwwwwwwそれ鉄パイプwwwwwwやめてwwwwww」



影妹「兄友さんの好きな兄貴塩ラーメンも買ったし、あとは……あれっ?」

ガキ1「きったねー犬だな、いじめちまおーぜ」
ガキ2「うはwwwwwwおkwwwwwwwwwwww」
子犬「キャン! キャン!」

影妹「あ、兄友さん……は、いないんだった……」
影妹「わ、私がなんとかしなきゃ……助けなきゃ……!」
影妹「こ……こ、こ、こらっ! や、やめなさいっ!」
ガキ1「! う、うわっ! やばっ、見つかった!」
ガキ2「ご、ごめんなさーい!」
影妹「! ……ほ、本当に逃げちゃった……って、そ、それよりわんちゃんを手当しなきゃ!」
子犬「くーん……」
影妹「もう大丈夫だよ、ほら、ハンカチ巻いてあげるからこっちにおいで……」
子犬「きゃん」
影妹「かわいそうに……よしよし(首輪ついてる……こんなに小さいのに捨てられたんだ……)」
子犬「わんっ」
影妹「……あ、お腹すいてるのかな。今買ってきたソーセージでよければ……はい」
子犬「わん!(もぐもぐ)」
影妹「ふふ……あっ、もうこんな時間。帰らなきゃ」
子犬「?」
影妹「ごめんねわんちゃん、また明日来るから……それまでまた苛められないでね」
子犬「くーん」

兄友「……」


影妹「ただいま、兄友さん」
兄友「ああ、おかえり……だが、前にもおにいちゃんと呼べと言ったろ?」
影妹「あ、はい……その、お、お兄……ちゃん」
兄友「それでいい……。それよりお前、さっきガキに苛められてた犬を助けてただろ」
影妹「え……見てたんですか?」
兄友「少しな……。だが、いいか。変な期待はするなよ。
    俺たちみたいな奴おが少しでも光を掴もうとすると手痛いしっぺ返しを喰らう」
影妹「そ、そんな……そんなつもりで助けた訳じゃ」
兄友「いいか、影妹……お前には俺がいる……俺たちは一心同体だ」
影妹「あっ……お、お兄ちゃ……」

夜が更けて──そして、次の日の朝。
子犬は体の下半分を失って息絶えていた。

子犬「……」
影妹「そ、そんな……どうして……!」
兄友「敵があのガキどもだけだと思ったか? 珍走団、DQN、車……いくらでも危険はあるんだぜ」
影妹「……」
兄友「だから言っただろ、太陽は俺たちに手を差し伸べてはくれない。
    思わせぶりに輝いて、いざこっちが手を伸ばそうとするとこれだ」
影妹「で、でも……こんなのあんまりです! こんな……こんなひどいこと……!」
兄友「……だが、地べたは違う。俺たちがつまづいた時には厳しくもしっかりと受け止めてくれる」
影妹「……!」
兄友「泣きたい時は泣け。辛いときは辛いと叫べ。俺がお前の地べたになってすべて受け止めてやる」
影妹「……う……うぅ……うわぁぁぁぁぁぁん!」
兄友「……それでいい……そうやって地べたを這いずり回ってはじめて分かる事がある……」

(おまけ)

影妹「ぐすっ……ひっく……ひっく……」
兄友「……」

妹友「ビキビキ(#^ω^)なにベタベタしてるんだお!!
    突撃するお!! 影妹許せないお!111111」
妹「おばあちゃんは言っていた、『空気を読め』とな……シスターキック!」
妹友「だばじゅ!」



影妹「兄と……お兄ちゃん、今日の晩御飯はなにがいいですか?」
兄友「アレでもいい……どうせ俺には高級な食い物は似合わない」
影妹「……また兄貴塩ラーメンですね。最近そればっかりじゃないですか」
兄友「……地べたを這いずり回ることで見える光あると言ったろ?
    俺の体が少し傷付く程度でお前が楽出来るならそれでいい」
影妹「/// ……で、でも……あ」
兄友「……?」

飼い主「良ぉお~~~~~~~しッ!
     よしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし
     よしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし
     りっぱにお手できたぞ! ポチ!」
飼い犬「ワオーン!」

影妹「いいなぁ、あの犬……褒められてる……」
兄友「……」
影妹「……なのに……どうしてあの時(>>31-32)の子犬は……」
兄友「……」

がしっ

兄友「……よしよし」
影妹「あ……お、お兄ちゃん?」
兄友影妹……やっぱりお前は最高だ。よしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし」
影妹「///」
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