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 日本の北端で二つの最強が衝突していた。
 片や地上最強の生物。
 片や最強の吸血鬼。
 極寒の吹雪すらこの二人には一切関係がない。
 いや、そもそも安部総理の新法案すらも関係が無かった。
 目の前に争うべき敵がいた。
 それだけでこの二人が殺し合うに十分な理由だった。

「ふんッ―――――!」

 地上最強の生物――範馬勇次郎の一撃が最強の吸血鬼――アーカードの左腕を吹き飛ばす。
 しかし、吹き飛ばされた左腕はすぐさま再生を始める。

「はッ! 面白ぇ。喰らいがいのある体してやがるな化物!」

「ああ。楽しいな人間。これほど楽しい闘争は久しぶりだ!」

 殺し合いを続けながら、心から楽しいと二人は笑う。

「よろしい。では貴様を分類A吸血鬼以上の存在として認識する」

 そう言ってアーカードは両腕を突き出す。
 指の隙間から覗くアーカードの眼が見開かれた。

「拘束制御術式第3号第2号第1号開放」

 呪文のようにぶつぶつと何かを唱えるアーカードの体が、泥のように崩れた。
 百足、蝙蝠、蛇、戌。はたまた獅子。
 幾多もの獣が泥の中より生まれ、一斉に勇次郎に喰らいかかった。

「ふん。獣遊びなど。所詮、女子供の護身術だな」

 襲いくる使い魔を前に、つまらなさげに勇次郎はそう吐き捨てる。

「――――邪ッ!!」

 まさに一蹴。
 巨斧のように振り切られた右足が獣達を一撃の下に吹き飛ばした。
 それを見て、泥に浮かぶアーカードの顔が驚いたような、心底喜んだような表情に変わる。

「……素晴らしい。素晴らしいぞヒューマン!
 何の神秘も、何の術式も使用せず、人間の身のままこれ程の高みに鍛え上げるとは!」

 パチパチと空に浮かぶ両手で賞賛の拍手を送りながら。
 アーカードは使い魔達を体に戻し、人の身を模る。
 目の前の男に強く惹かれたのか、アーカードは勇次郎に質問を投げかける。

「ヒューマン。何故貴様はこの私と対峙する?
 貴様にとって闘争とは何だ?」

 それに対して勇次郎は考えるでもなく即答した。

「考えこともねぇ。上手い料理を喰らうが如くだ」

 その回答にアーカードは満足げに口元を吊り上げた。

「これだから、人間は素晴らしい」

 そう言って仕切りなおすようにパンと手を叩く。

「よろしい。では殺し合いだ」

「ああ。存分に楽しませてくれよ!」

 極寒の吹雪の中、再度鬼と吸血鬼が激突した。

【北海道 1日目:20時】
【範馬勇次郎@範馬刃牙】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式
[思考] :アーカードと殺し合う

【アーカード@ヘルシング】
[状態]:拘束制御術式第3号第2号第1号開放
[装備]:なし
[道具]:支給品一式
[思考] :勇次郎と殺し合う。



13話
範馬勇次郎 64話
アーカード 64話


最終更新:2007年02月06日 12:55