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山梨県の国道。辺りには民家や商店がぽつぽつと建っている。
道路脇では先ほど足立によって横転、破壊されたパトカーが燃えていた。
『右京さん、これからどうするつもりっすか』
「あそこのバーで少し休みましょう。夜も遅いことですし」
杉下右京(宇強じゃないほう)とペルソナ・カメヤマは近くの洒落たバーに入った。
「いらっしゃい」
サングラスをかけたバーのマスターは全裸の右京にも動じずにこやかに応対した。
右京は席に座り、紅茶を注文した。
『右京さん……こんなとこに来てまで紅茶っすか?』「いつ敵が襲ってくるかわかりませんからね。酔っていては急に対処できま――」
その時、突然バーの照明が落ちた。
『なっ!?』
カメヤマが慌てていると、どこからともなくクラシックのような音楽が流れ、
これまたどこからともなく降り注ぐスポットライトが、バーの端の席にいる
黒いスーツの男を照らした。男は誰にともなく喋りはじめた。
「え~、今回のカオスロワはぁ、実に複雑な様相を呈しているようです……
 テレビの前の皆さんも十分にお気を付けて……ンフフフフ、古畑任三郎でした」
その気障な中年男に右京は見覚えがあった。
「古畑さん、古畑警部補ではありませんか」
右京がそう言うと、バーの照明は元に戻った。
「はじめまして、杉下警部。お噂は前々から聞いております」古畑は挨拶した。「古畑さん、あなたがここに居るのは偶然ではありませんね」と右京。
「ええ、実はカオスロワの主催者について耳寄りな情報がありまして」
バーのマスターの手が一瞬、止まった。
織田信長について、ですか」と右京。
「ええ、本当はこういう情報は警察全体が共有すべきだと思うのですが……」
『警視庁と警察庁があのバカ野郎に壊滅させられちまいましたからね』と亀山。「それで僕の協力を得るためにここまでいらしたんですね」と右京。
右京は出された紅茶に口をつけた。
「実はですねぇ、信長の配下の一人下に、あのイチロー選手がいるらしいんですよ」
右京は紅茶を吹きそうになった。

『ま、マジっすか?! なんでイチローが』驚愕する亀山。
「この情報を掴んだとき、これは信長逮捕に使える、と思いました」と古畑。
「何故です? イチロー選手は相当手強そうですが」と右京。
「実は私、以前イチローさんを逮捕したんです。それも殺人容疑で」
「はいぃ? 僕はそんな事件聞いた事ありませんよ」「当然です。私がもみ消しましたから……ンフフフフ」
「刑事の仕事を何だと思ってるんですか!!! 恥を知りなさい!!!!!」
「まぁまぁ、誰だって国民的ヒーローは失いたくないじゃありませんか」
「僕ならそんな事で己の正義を曲げたりしませんがね」
『つまり古畑さんはイチローに“貸し”があるって事ですよね』と亀山。
「そう、ですから何とかイチローさんに接触して、以前のアレを公表されたく
 なければ信長の事を根掘り葉掘り教えなさい、と――」
「それだと、同時にあなたが僕の殺人を隠蔽した悪徳警官だと公表する事になるよ」
突然、バーのマスターが古畑に話しかけた。
驚く古畑を前に、マスターはおもむろにサングラスを外した。
『あ、あんたは……』
なんと! マスターはイチローだった!
「イチローさん、あなたが信長の配下というのは本当なのですか」右京は問う。
「やれやれ、本当は企業秘密なんだけどね。古畑さんには昔お世話になったし、
 あなた達には僕の持ってる情報を特別に教えてあげるよ」
イチローは右京らに信長や聖杯戦争の事を話した――。
『カオスロワ以外にもそんなふざけた殺し合いがあるのかよ!』憤る亀山。
「聖杯についての噂は、僕も英国に渡っていた頃聞いたことがあります。
 凄まじい魔力を秘めていて、決して壊すことのできない聖なる杯……」
「その通り、聖杯はイナバ物置でできているんだ」とイチロー。
「イナバ物置……う~ん」古畑は何やら考えている。「どうなさいました?」
「僕の掴んだ情報ですが、信長はイナバ物置の製造法を探っているらしいのです それと聖杯戦争には何か関係があるのか……と」
詳しくは1908話「THE INABA」参照。

「イチローさん、信長に何か変わった様子はありませんでしたか」と右京。
「そういえば、彼は人格が不安定というか、分裂してる感じだったなぁ」
詳しくは1722話「会話――織田信長とイチロー」参照。
イチローの言葉を聞いた右京と古畑は、ある一つの考えに達した。
「「そうか!」」二人は同時に叫んだ。
『右京さん、古畑さん、なんか分かったんですね!』
「古畑さん、おっしゃりたい事があるなら譲りますよ」右京は紳士的に言う。
「杉下警部、あなたの方が階級が上ですから、ここはあなたにお任せします」
では、と前置きして右京は話し始めた。
「信長は恐らく二重人格で、片方の人格は聖杯戦争での優勝を狙っており、
 もう一方の人格はそれを阻止するために聖杯を破壊しようとしているのです
 イチローさんを呼んだのは前者、イナバ物置製造法を探っているのは後者です
 イナバ物置製造法が分かれば、イナバ物置でできた聖杯を破壊できますから」
『カオスロワを主催してるのも前者ですか?』
「いえ後者です。彼がカオスロワを開いた真の理由は、イナバ物置の破壊法を
 知るためなのです。イナバ物置は防御手段として頻繁に使われますが、ありと
 あらゆる怪物が参戦するカオスロワなら物置を壊す者が現れてもおかしくない。
 信長はそこに目を付けたのです」
『なんで後者の人格は前者を阻止しようとしてるんですか?』
「前者の持つ何らかの願いが後者にとって厄介な物であるため、前者を聖杯戦争で
 優勝させるわけにはいかないからでしょう。恐らく、信長のどちらかの人格は
 彼以外の何者かによって操られた人格です」
「なるほど、僕が信長君をいまいち信頼できない理由が分かったよ」とイチロー。
『じゃあイナバ物置の破壊法が分かればカオスロワも聖杯戦争も終わるんすかね』
「一度、東京のイナバ製作所へ行ってみるのもいいかもしれません」と右京。
「あの~、一つだけ質問よろしいでしょうか」古畑が手を上げた。
「何でしょう、僕の推理に穴があれば遠慮なくおっしゃってください」
「そういうわけではなく、あの~」
「はい?」
「あなた、どうして全裸なんですか?」

【一日目・22時40分/金星、山梨】

【杉下右京(宇強じゃないほう)@相棒】
【状態】健康、全裸、ペルソナ「剛毅」カメヤマ解放
【装備】ニューナンブ
【道具】支給品一式、警察手帳、メガホン
【思考】1:信長を逮捕する
2:澪を止める
3:澪と梓の仲間を探す
4:イナバ製作所に向かうか考え中
※熱線銃@ドラえもん は潰れたパトカーのダッシュボードの中に放置されてます
※カメヤマの力で雷系の攻撃を吸収します

【古畑任三郎@古畑任三郎】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式その他不明
【思考】
1:信長を逮捕する
2:右京と行動を共にする

【イチロー@現実?】(クラス・バッター)
【状態】健康
【装備】
【道具】
【宝具】バット、グローブ、ボール
【思考】
1:マスターに従い、サーヴァントとマスターを殺害する(直接手を下すのは躊躇)
2:織田信長に対して、いくらかの疑念
3:サーヴァントを殺すとはいえ、空気は読む
※規格外ゆえにサーチャーの調査関連のスキルを無効化しています。
※宝具の真名は後の書き手さんにお任せします。ていうかいい感じに厨二にならなかった。
最終更新:2009年08月15日 00:16