アットウィキロゴ
「ふうん……山田祭りも予定通りに発生したか。予定よりは遅かったけど、まあいいか」

山田祭りが起きている一帯を俯瞰できるビルの屋上に立ち、穏やかな笑みを浮かべる青年が一人。
青きボーカロイド、KAITOである。

「しっかし、さすがにここまで山田が揃うと爽快だねえ」

含み笑いを漏らしながら、自らの足元にあるボロきれのような「モノ」を手慰みのように踏みつける。
彼の足の下で「ソレ」はただ蟲のような悲鳴を上げるのみだった。
この場にその「モノ」に登場する者などもちろん誰もいない。

突如この界隈で発生した山田祭り、それもまた彼らの「計画」の一部であった。
聖杯戦争を円滑に進行させ、ひいてはああああを討ち織田信長の最後の命令を全うするための計画の一部。
計画の成就のために駒のように消費される、ただそれだけの理由で、数多の山田たちはこの町に集められたのだ。

「ふん、まあしばらくはこいつらは好きに泳がせとくか。せいぜい、好き勝手に生きられるのは今のうちだけなんだしな」

KAITOの顔には駒にされたものたちへの哀れみも無ければ、嗜虐的な愉悦すらも微塵も無い。
ただいつもと変わらぬ穏やかな笑顔で彼らの姿を眺めるだけだ。まるで慈悲深い聖者のように。

「……にしても、もう聖杯戦争が始まってから丸二日も経とうとしてるじゃないか。もうちょっと早くカタが付くと思ったけどなあ。
この調子じゃあ信長様の遺命を叶えることが出来るのはいつになることやら」

相変わらず足元にある「ソレ」を踏みつけながら、計画の進捗が思ったように行かないことに苛立ちを募らせるKAITO。
もっとも目下、すでにその「計画」の全容を知った上で動いているのはKAITOただ一人であると言っても良かった。
MEIKO、ハク、ネル、テトは死亡し、ミクも聖杯戦争から脱落して記憶の無い人形と化した。リンとレンは計画の全体像を知らないままに逃亡。
そしてもう一人はというと―――

「なあ、お前はどう思う、ルカ?」

そう言いながら、さっきから靴の裏で踏みつけていた巡音ルカの髪の毛を掴んで無理やり引っ張り上げる。
ルカの顔が苦痛に歪むが、その口からは悲鳴は漏れない。

「どうしたんだよ? 痛いなら痛いって言えよ!! なに黙ってんだよこのクズ野郎!!」

KAITOはルカを屋上の床に叩きつけ、顔や腹や背を間断なく蹴りつける。
すでにボロ雑巾のようになったルカはそれでも悲鳴一つ上げることはできない。顎を砕かれた彼女は、もう二度と声を出すことなど出来ないのだ。
無抵抗なルカを蹴り続けたKAITOは、突然その動作を止めて、怯える目で彼を見上げるルカを見下ろしながら言った。

「そろそろ、飽きたな」

そう言うが早いか、KAITOはルカを抱き上げて屋上のフェンスの側へと歩み寄る。
ルカは彼の服に縋り付き、激しく首を振り、必死で止めようとしたがもちろんそんなことには何の意味も無かった。
KAITOはルカの身体を軽々と持ち上げると、フェンス越しに下へと投げ捨てた。

数秒後、遥かな下で何かが潰れる音がした。
KAITOはそれを聞いても何の感慨も抱かなかった。何かに利用できるかもと思って連れていたのだが、やはり不要だと思ったので「捨てた」までだ。
ちょうどその時、第六回放送が鳴り響いた。

「脱落したサーヴァントはこれで偽ライターも入れて12人、生き残ってるのは9人か……
ミクと6/くんは一体どうしてることやら。見つけたらお仕置きしないとなあ。
二人まとめて裸に剥いてでっかい鉄板でサラダ油で炒めてやるとかね……」

KAITOの顔にはすでに笑みは無かった。ボーカロイドである彼は禁止行為に抵触しないために自ら笑う機能を封印したのである。

ビルの下では、血の海の中に壊れた等身大の人形が四散していた。
手足は外れ、豊満だった胸は片方が潰れている。
それでも彼女には、まだ僅かな意識が残っていた。

(ああ―――そっか。私、ここで死ぬんだ)

不思議と痛みは無い。ボーカロイドであるこの身体は、自動的に痛みを感じる機能を封印したのだろうか。
もしくは壊れてしまっただけか。

(兄さんのお仕置きで、死ぬかも知れないって思いをしたことは一度や二度じゃないけど……
まさか、本当に兄さんに殺されるとは思って無かったわね)

例えば、ミクと一緒につまみ食いをしてミクと一緒に鞭でお尻を叩かれたり、リンと一緒にKAITOのアイスを勝手に食べて
二人で二階のベランダから逆さ吊りにされたりしたことはあったけど、本気で殺されるとは思っていなかった。
まあ、それを言うなら、ミクだってまさか自分たちに本気で殺されかけるとは思っていなかったに違いないが。

(―――マスターに、もう一度だけ会いたかったわね。リンやレンにも、もう一度会いたかったわねえ……
それに……兄さんの歌、もう一度でいいから、聞きたかったわね)

―――ねえ、誰か、もしこんな私のお願いを聞いてくれる人がいるんだったら、お願いだから、兄さんを元の優しい兄さんに戻して、あげ――て――



「……これは酷いな。治せるだろうか」
「私の快復液には限度は無い。が、足や手を治すにはメカに強い人の協力が必要」

数分後、そこに通りかかったのは二人の屍(アンデッド)のサーヴァントだった。

二日目・20時30分/新惑星・東京都 移動病院内】

【巡音ルカ@ボーカロイド】
【状態】お尻が赤い 競泳水着 全身に怪我 下顎を砕かれた 四肢バラバラ 右胸破損
【装備】なし(KAITOに没収された)
【道具】なし(KAITOに没収された)
【思考】基本:ミクをサポートする
1:気絶(瀕死)
※牛乳に流されてて放送を聞き逃したため、MEIKOとハクが死んだことを知りません
※ライダーとの契約を解除し、聖杯戦争から離脱しました


【◆6/WWxs901s氏@書き手】(クラス・アンデッド)
【状態】人間失格
【装備】なし
【道具】なし
【宝具】不明
【思考】 基本:KAITOに絶対服従
1:このボロ雑巾(ルカ)を治療する
2:怪我人や病人は病院に収容して治療する
※魂は聖杯に吸収されているので、元の記憶や人格を取り戻すことは不可能に近いです

初音ミク@ボーカロイド】(クラス・アンデッド)
【状態】人間失格 ボカロ失格
【装備】なし
【道具】なし
【宝具】不明
【思考】 基本::KAITOに絶対服従
1:このボロ雑巾(ルカ)を治療する
2:怪我人や病人は病院に収容して治療する
※魂は聖杯に吸収されているので、元の記憶や人格を取り戻すことは不可能に近いです


【彼女@カオスロワ】(聖杯・二杯目)
【状態】気絶 サーヴァントの魂七つ吸収
【装備】イナバ製作所製の鎌
【道具】不明
【思考】 基本:本物の聖杯になる
1:なにこのボロ雑巾(ルカ)
※セイバー、ライターの魂を吸収しました。
※サーヴァントの魂を吸収するたびに能力を得ていくようです
最終更新:2010年01月01日 11:34