新惑星・東京都 移動病院
鏡音リン、いや鏡音リン改は呆然と立ち尽くしていた。
第一標的である
DIOを抹殺した彼女は次なる標的である◆6/WWxs901s氏と
初音ミクを追って
新惑星・東京都のこの移動病院まで辿りついた。しかしそこで彼女が目にしたのは……
かつて初音ミクであったものの塊とかつて6/であったものの塊。
原形をとどめないほど(特に上半身は完全に消滅していた)破壊されてはいたが
リン改はインプットされている標的の遺伝子情報と照らし合わせ、それが6/とミクであることを確認していた
2人の死体の傍にしゃがみこんだまま、リン改は考える。
いったい誰が2人を殺したのか。これから自分はどうすればいいのか。
とにかくマスター……◆39/WWxs9O1sに報告して指令を仰がねば。
自らの手で命令を遂行できなかったこと苛立ちながら、少女は立ち上がった。
その時だった。第7回放送が流れ始めたのは……
「DIO……!!」
リン改は怒りを込めてその名を呟いた。
先ほど放送された死者の中にDIOの名は無かった。
これが意味するところは一つ……
『標的を殺し損ねた』
下唇を噛みしめすぎたために血が零れた。
一方の任務は自分の手で果たせず、もう一方の任務には失敗した。
激しい苛立ちと憤りが洗脳されている頭の中を駆け巡る。
もう一度秋葉原跡地に戻り、今度こそDIOを完全に抹殺せねばならない。
血の流れる唇を噛みしめたまま、リン改は移動病院を後にしようとした。
その時、病室の扉が開かれた。
「見て見て5/さん!病院だよ!」
後部座席からのりせの声で5/はバイクを止めた。
イプシロンとの戦いの後、他のヒーローたちと別れた2人は道端で倒れていたバイクを拝借し、
小早川ゆたかと南春香を探すため、そして苦しんでいる人たちを守るために東京都内を移動していたのだ。
「妙な病院だな」
「これって移動病院ってやつじゃないの」
「中に人はいるか?」
「ちょっと待って……うん、2人いる。どっちも小さい……多分子どもだと思う」
りせはペルソナ・カンゼオンを使って病院内部を調べる。
「そうか」
2人はバイクを降りると病院の入り口に向かう。
ファイズフォンをフォンブラスターに変形させた/5が前になり、その後ろにりせがぴったりくっついて院内へと侵入する。
『変身及び変形の禁止』のために/5はファイズに変身することもオルフェノク化することもできない。
今の2人の武器はりせのカンゼオンとフォンブラスターだけだった。
当然慎重な行動が要求される。相手が子供であっても油断はできない。
「明かりはついてねぇな……。どこだ、そいつらはどこにいる」
「1人はこの部屋の中……もう1人はもっと奥のほう」
病室の前で2人は顔を見合わせ、覚悟を込めてうなずき合う。
そして病室の扉を開いた。
目に入ってきたのは誰かにブチ破られたような病室の窓、そしてそこから差し込む月明かりの中で浮かび上がっている悪夢のような光景だった。
病室の床に横たわっている2つの人間の下半身の死体。服装からして、片方は男性、もう片方は女性らしい。
そしてそんな屍の側らには、頭につけた大きなリボンとヘッドホン以外全裸の少女が、口から血を垂らしながらこちらを睨んでいた。
「うぅ!」
りせは病室内のあまりに現実離れした状況に混乱し、思わずその場にへたり込む。
「っ!おい、お前大丈夫か!」
同じく一瞬呆然となっていた/5はそれでも気を取り直し、少女……鏡音リン改に駆け寄ろうとした。
普段ならばいかに相手が少女といえども迂闊に近寄ることはしなかっただろう。
だが/5はこの異常な光景に、すっかり冷静さを欠いていた。
「うるさい」
リン改がそう呟くのと同時に、/5の左手は切断されていた。
/5がとっさに身をかわさなかったら、リン改の手刀によって胴体を切り裂かれていただろう。
「うぐぁっ!!」
斬られた左手を押さえてうずくまる/5に背を向け、リン改は病室の出口に向かって歩く。
「/5さん!」
りせが悲鳴を上げて/5に駆け寄ってもリン改はそれを一顧だにせず、その場から立ち去ろうとした。
「おい……待て……」
背後からの声で、リン改はようやく振り返る。
/5は血まみれの左手を押さえながらリン改を睨む。りせはそんな/5に泣き出しそうな顔で寄り添っている。
「なによ。私はこれからDIOを殺しにいかなくちゃならなくて忙しいの」
「この……この人たちも……あなたが殺したの……?」
りせが思わずつぶやいたその一言がリン改の気に触った。
6/とミクのことを聞かれ、彼女はまるで自分が2人を殺しそこなったことをあげつらわれたように感じたのだ。
完全な八つ当たりだが、たび重なる任務の失敗に苛立っていたリン改が目の前の釘宮ボイスの娘に殺意を抱くにはそれで充分だった。
「……死んじゃえ」
一瞬でりせまで間合いをつめたリン改は、りせの心臓に向けて貫手を放った。
「がッ!!」
「/5さ……いやあああああああああ!」
リン改の右手はりせをかばった/5の脇腹に食い込んでいた。
/5は血を吐きながらも、残された右手に持ったフォンブラスターをリン改の頭に突きつける。
《Burst Mode》
零距離からフォンブラスターの連射をくらったリン改は病室の扉を破って廊下まで吹き飛び、仰向けに倒れた。
「/5さん! /5さん! しっかりして! 死んじゃダメだよ!」
りせは泣きながら倒れた/5を抱きしめている。
すでに死相があらわれている/5の左手と脇腹からはおびただしい量の血が流れ出し、体中でオルフェノクが死ぬときに特有の灰化現象が起こっていた。
「り…………せ…………」
「しゃべっちゃダメ!大丈夫だよ、ここは病院だもん、すぐに手当すればきっと……」
「りせ……走れ…………」
「え?」
「奴はまだ……くたばっていない……」
その時、仰向けに倒れていたリン改の頭がガクンと持ち上がった。
零距離射撃を受けたリン改はその愛らしい顔の左半分を失い、まるでターミネーターのごとく皮膚の下の機械がむき出しになってる。
「そんな……」
「俺はここで……あいつを倒す……りせ……お前はそこの窓から……」
そこまで言って/5は激痛に呻いた。りせはそんな/5を抱きしめる。
「なに言ってるの! そんなことできるわけないよ! /5さんを置いていくなんて……」
だが/5は気力を振り絞って、りせを自分から引き離し、窓のほうへと押しやった。
「行けバカ野郎! お前は……先輩に会いたいんだろ!? 先輩に……仲間に会うのがお前の夢なんだろ!?
ならばお前はその夢を叶えろ! 俺は……」
今にも起き上がろうとするリン改に向かってフォンブラスターを構えながら、/5は叫ぶ。
「俺はその夢を守る!」
その言葉にりせは身体を震わせた。そして俯いたままルカによって破られている窓へと向かう。
「……一つだけ、約束して」
「……なんだ」
「死なないで。絶対にまた会って、また一緒におにぎり食べよう。だから……」
「…………きっついなー、お前の期待に応えんのは」
そういって/5は微かに笑った。
それを見て、りせも泣きながら精一杯微笑む。そして……窓の外へ走り出していった。
りせはきっと大丈夫だろう。りせに危害が及びそうなことがあればあの変態……
マーラ様の人が助けるはずだ。
遠ざかるりせの足音を聞きながら/5は残された全ての意識をリン改へと集中させる。
リン改はすでに起き上がり、りせを追うために窓に向かおうとしている。
「お前の相手はこっちだ」
そうつぶやいてフォンブラスターを連射する。出鱈目に乱射したのだが数撃ったために2、3発は当たったようだ、
リン改は攻撃目標をこちらに変えて近づいてきた。
震える右手でフォンブラスターを撃ち続ける。だがリン改はその攻撃は見切ったとでも言うように手刀で光弾を弾き飛ばす。
「あんたなんか」
リン改が行おうとしているのはかつてDIOに行ったミサイル攻撃だった。DIOを仕留めそこなったことを教訓とし、目の前の死にかけている男に
確実な死を与えようとしたのだ。
「この世から消えちゃえ」
胸部分を展開しミサイルを放とうとするその瞬間、/5も動いていた。
残された
最後の力でリン改の懐に飛び込み――
「……変身」
オルフェノクへと変身した。
現在の禁止行為は『変身及び変形』である。
ミサイルを撃つために胸部を展開したリン改、これは『変形』に該当する。
なぜこんな失敗をリン改が犯したのか……。ひょっとしたらフォンブラスターの零距離射撃によるダメージで思考回路が正常に働いていなかったのかもしれない。
そしてオルフェノクに『変身』した/5。彼は最後の手段……自爆によってリン改を倒そうとしたのだった。
そして二つの首輪は爆発した。しかもちょうどリン改の胸部が開き、ミサイルがむき出しになったときに。
凄まじい爆発が移動病院を吹き飛ばした。
跡形もなく吹き飛んだ移動病院跡地。
飛び散った/5の死体の破片はオルフェノクの灰になり、風に吹かれて消えていった。
6/とミクの死体も爆散した。
そしてリン改は……皮肉なことに頭部だけ原形を留めていた。胸のミサイルの誘爆よりほんの一瞬早く首輪の爆発が頭部を弾き飛ばしたために
他の部分と違って粉微塵にならなかったのだ。
しかしその頭部も大きく損傷し、かすれた声でうわ言をつぶやき続けていた。
「殺す……マスター……◆6/WWxs901s……ミク……◆39/WWxs9O1s……DIO……りせ……/5……」
ミク……/6……ミク……カイト……ルカ……メイコ……ハク……ネル……がくぽ……レン……ミク……ねぇ…………」
月明かりだけがその姿を静かに照らしていた。
【5/@現実? 死亡確認】 ファイズギア・ファイズアクセルも爆発により消滅
【鏡音リン改@ボーカロイド】
【状態】頭部のみ 頭部以外は爆散 深刻なダメージ 顔の左半分を喪失
【装備】なし
【道具】なし
【思考】停止寸前
移動病院があった場所の近くで久慈川りせは気絶していた。
リン改のミサイルに誘爆したために爆発が想像以上に大きくなり、
彼女は爆風に吹き飛ばされて気絶してしまったのだった。
【
三日目・2時00分/新惑星・東京都 移動病院跡地】
【久慈川りせ@ペルソナ4】
【状態】気絶
【装備】ペルソナ(カンゼオン)
【道具】支給品一式、PSP
【思考】基本:先輩(ペルソナ4主人公)と仲間を探して殺し合い打倒
1:先輩……5/さん……
※ペルソナ4主人公と恋人になってからの参戦です
※ペルソナ4主人公の名前が、「
ああああ」によって消されています
※マーラ様の人を警戒しています
移動病院が爆発した際、奥の病室で寝ていたもう1人……
このバトロワで行われている聖杯戦争の聖杯である「彼女」は爆風で吹き飛ばされ、
病院から離れた場所に頭から突き刺さって、
しかもまだ寝ていた。
【彼女@カオスロワ】(聖杯・二杯目)
【状態】気絶 サーヴァントの魂七つ吸収 地面に突き刺さっている
【装備】イナバ製作所製の鎌
【道具】不明
【思考】 基本:本物の聖杯になる
1:熟睡中
※サーヴァントの魂を吸収するたびに能力を得ていくようです
最終更新:2010年02月14日 00:15